JPH0639634A - コーナ加工用カッタおよび該カッタを用いたコーナ加工具 - Google Patents

コーナ加工用カッタおよび該カッタを用いたコーナ加工具

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JPH0639634A
JPH0639634A JP10674892A JP10674892A JPH0639634A JP H0639634 A JPH0639634 A JP H0639634A JP 10674892 A JP10674892 A JP 10674892A JP 10674892 A JP10674892 A JP 10674892A JP H0639634 A JPH0639634 A JP H0639634A
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corner
cutting
cutting edge
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JP10674892A
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Takeo Sakakura
武男 坂倉
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C3/00Milling particular work; Special milling operations; Machines therefor
    • B23C3/12Trimming or finishing edges, e.g. deburring welded corners
    • B23C3/126Portable devices or machines for chamfering edges

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)
  • Milling, Broaching, Filing, Reaming, And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精密部品のコーナを容易かつ高精度に加工で
きるコーナ加工用カッタを提供する。 【構成】 カッタ本体21の中央側に被削材の加工形状
に合わせた切刃30を形成する。切刃30の両側に、こ
れら切刃30の両端P1における接線上に位置し、かつ
軸線Aの回りに環状に延びるストッパ31を形成する。
カッタ20を被削材のコーナに切込む際、ストッパ31
によって切刃30の切込み量が規制されるので、コーナ
が一定形状に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形用金型などの
精密部品のコーナ加工に用いて好適なコーナ加工用カッ
タおよびコーナ加工具に関する。
【0002】
【従来の技術】被削材のコーナ部分を加工する工具とし
て図18〜図20に示すものが知られている。図18
(A)は実開昭59−28422号公報に記載されたコ
ーナ加工具を示すものである。このコーナ加工具1は、
手持ち用のシャンク(図示略)を備えたホルダ2の先端
側部に案内部2aを設け、この案内部2aに隣接して平
板状のチップ3をその切刃3aが案内部2aに対して所
定角度(図では45゜)傾くように取付けたもので、案
内部2aを被削材Wに当接させた状態で、切刃3aを被
削材WのコーナCに押し当てつつホルダ2をコーナCに
沿って引き寄せることにより、案内部2aに対する切刃
3aの傾斜角度に応じてコーナCを一定角度に面取加工
することができる。以下、この例を第1の従来例とす
る。
【0003】図19(A)は実開昭62−198011
号公報に記載されたコーナ加工具を示すものである。こ
のコーナ加工具4は、ハンドルータ5の回転軸5aに円
柱状のカッタ6を同軸状に取付けるとともに、ハンドル
ータ5の先端部に、互いに直交する2つの案内面7a,
7bを備えた案内部材7を、その案内面7a,7bがカ
ッタ6の軸線に対して一定角度傾くように、かつ、その
透孔7cからカッタ6が所望量突出するように取付けた
もので、カッタ6を軸線回りに回転させながら案内面7
a,7bを被削材Wに当接させてハンドルータ5をコー
ナC沿いに移動させることにより、所望の面取加工が可
能である。以下、この例を第2の従来例とする。
【0004】図20は実開昭60−56429号公報に
記載された面取用カッタを示すものである。この面取用
カッタ8は、軸状のカッタ本体9の先端に小径の案内軸
部10を形成し、この案内軸部10の基端側に所定角度
傾斜する切刃9aを形成してなるもので、被削材Wの孔
Hに打込まれたブッシュBに案内軸部10を嵌合させた
状態で、カッタ本体9をその軸線回りに回転させつつ軸
線方向に送り出して切刃9aを孔Hの口元に押し付ける
ことにより、孔Hの周囲を一定量面取加工することがで
きる。以下、この例を第3の従来例とする。
【0005】第1〜第3の従来例によれば、案内部2
a、案内面7a,7bあるいは案内軸部10によって切
刃の進行方向や切込み量が規制されるので、やすりやハ
ンドグラインダを用いて手作業でコーナを加工する場合
よりも容易に作業できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来例の工具は、射出成形用金型のコーナ仕上げ加工、特
にコーナ部分を断面円弧状に加工するいわゆる丸面取加
工に用いるには以下のような問題があった。第1の従来
例では、図18(B)に示すように湾曲した切刃3bを
用いることで被削材WのコーナCを断面円弧状に加工で
きるものの、案内部2aが切刃3bの一方にしかないの
で、切刃3bが案内部2aに沿う方向に上下動して面取
量が変化し、またコーナCの一端に段差WEが生じ得
る。また、チップ3と別体のホルダ2に案内部2aを設
けているので、これらの位置合わせが雑だと図18
(C)に示すように切刃3bが案内部2aからずれて被
削材WのコーナCの両端に段差WEが生じる。このよう
な面取量の変動や段差WEは、金型で成形される製品に
転写されて製品美観が損われる原因となるため、到底容
認されるものではない。
【0007】第2の従来例では、カッタ6の両側に案内
面a,7bを設けているので、これらを同時に被削材W
に押し当てる限り、ルータ5が上下左右に移動すること
はない。ところが、案内部材7がカッタ6と別体なた
め、図19(B)に示すように回転軸5aのガタや弾性
変形によってカッタ6が2点鎖線で示すごとく径方向
(図中矢印Y1方向)に遊動し、これにより面取量が変
動して被削材WのコーナCに段差WEが生じるおそれが
ある。しかも、案内面7a,7bがともに平面で面積も
大きいため、複雑な3次元形状をなす金型の表面に沿っ
て案内面7a,7bを追従させることが困難で、この点
でも金型のコーナ加工に適さない。ここで、実開昭63
−116246号公報や実開平2−114414号公報
では、同種の加工具で一方の案内をカッタ軸の回りに回
転可能なガイドローラに変更して曲面上を追従可能とし
たものが提案されている。しかしながら、案内の一方を
ガイドローラで構成しても、他方の案内をカッタと別体
の案内部材に平面状に設ける限り3次元形状の追従性は
十分に改善されない。また、カッタと別体に案内部材を
設ける限り面取量が変化する問題は解消しない。
【0008】第3の従来例では、第1、第2の従来例と
異なり、カッタ8に案内軸部10が設けられているの
で、切刃9aと案内軸部10との位置関係が変化するこ
とはない。しかし、第3の従来例は、カッタ本体9を軸
線方向に移動させて孔Hの口元を加工するもので、カッ
タ本体9を金型のコーナに沿って手作業で移動させて加
工するものではない。仮にそのように使用しても、切刃
9aの一端側にしか案内がないので、第1の従来例と同
様に切刃9aの切込み量が変化して面取量が変化する。
【0009】このように従来は金型のコーナを手作業で
仕上げ加工するに適した工具がなかったので、金型コー
ナの仕上げ加工は、作業者がやすりを用いて手作業で行
うか、数値制御式工作機械を用いてカッタの被削材に対
する移動軌跡を制御するしか術がなかった。しかし、前
者は作業効率が著しく悪く、熟練を必要とする問題があ
り、後者は複雑なプログラムが必要で機械の稼働コスト
も高いという問題があった。ちなみに、やすりを用いて
手作業でコーナ加工を施す場合、200mm角程度の部品
でも熟練工で約半日の時間が必要である。
【0010】本発明の目的は、精密部品のコーナ部分を
容易かつ高精度に加工できるコーナ加工用カッタおよび
コーナ加工具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1に対
応付けて説明すると、請求項1のカッタは、軸状に延び
るカッタ本体21の外周部に所定のコーナ加工形状に合
わせた切刃30が形成されてなるもので、カッタ本体2
1の切刃30の両側に、被削材に当接して切刃30の切
込み量を規制するストッパ31を、カッタ本体21の軸
線Aの回りに環状に設けることにより上記目的の達成を
図っている。請求項2のカッタは、特に丸面取加工に適
したもので、切刃30がカッタ本体21の中心部に向け
て凹となる曲線状に形成され、かつ、ストッパ31が切
刃30の両端における接線上に位置していることを特徴
とする。
【0012】また、図5〜図9に対応付けて説明する
と、請求項3のコーナ加工具40は、請求項1または2
のコーナ加工用カッタ20と、このカッタ20を支持す
るカッタ支持部57,58と、作業者に把持されるシャ
ンク部54と、コーナ加工用カッタ20をその軸線回り
に回転させる回転機構70とを具備する。なお、回転機
構には、モータなどの駆動源を内蔵するものと、加工具
外部から入力される回転をカッタに伝達するものの両者
が含まれる。また、本発明にいうカッタは、それ自体が
回転して被削材の切削に関与するものを意味し、これを
支持するホルダや回転機構を含めた工具全体は加工具と
して区別される。
【0013】
【作用】請求項1のカッタ20では、環状のストッパ3
1が被削材の切削機能を有しないので、切刃30の両端
のストッパ31が被削材に当接した時点で切刃30を切
込みむことができなくなり、この時点で被削材のコーナ
が切刃30の形状通り加工される。カッタ20にストッ
パ31が設けられているので、カッタ20が遊動しても
切刃30とストッパ31の位置関係が変らず、加工形状
は変化しない。請求項2のカッタ20では、切刃30の
形状に応じて被削材のコーナが丸面取加工される。この
場合、ストッパ31が切刃30の両端の接線上に位置し
ているので、被削材のコーナと側面とが滑らかに連続す
る。請求項3の加工具40では、シャンク部54を把持
した状態で、回転機構70によってカッタ20を回転さ
せつつカッタ20の外周面を被削材のコーナに押し付け
ることにより、カッタ20をそのストッパ31が被削材
に当接するまで切込ませることができる。
【0014】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて詳細に説明する。 −第1の実施例− 図1〜図3に示すように、本実施例のカッタ20では、
軸状をなすカッタ本体21の中央部に外観鼓状の拡径部
22が、両端側に軸線A沿いに延びる支持軸部23,2
4がそれぞれ一体に形成され、一方の支持軸部23の基
端側には軸線Aと平行な切欠面25aを備えた歯車取付
軸25が形成されている。
【0016】拡径部22は、軸線Aと直交する仮想中心
面P0に対して対称に形成され、外周にはポケット26
…が周方向へ等ピッチで複数(図では12個)形成され
ている。ポケット26は径方向へ平坦に延びるすくい面
27と、径方向中心へ向って断面円弧状に湾曲する底面
28とを有している。拡径部22の外周には径方向中心
へ向って断面円弧状に湾曲する逃げ面29が形成され、
これら逃げ面29とポケット26のすくい面27との交
差稜線部に切刃30…が形成されている。切刃30の枚
数はポケット26の個数に対応して12枚である。
【0017】切刃30は、すくい面27と直交する方向
からの正面視でカッタ本体21の径方向中心へ向けて凹
となる円弧曲線状に形成され(図1参照)、その曲率半
径Rは被削材に形成する丸面取部の曲率半径(例えば
0.5〜3mm)に等しく定められている。切刃30のア
キシャルレーキ角α、ラジアルレーキ角βおよび逃げ角
γは被削材の材質その他の切削条件に応じて定められ、
図示の例ではアキシャルレーキ角α、ラジアルレーキ角
βが0゜、逃げ角γが10゜とされている。
【0018】切刃30の両端には、軸線Aの回りに環状
に延びるストッパ31が形成されている。ストッパ31
は、すくい面27と直交する方向からの正面視で切刃3
0の両端P1における接線方向に延びるテーパ面に形成
され、これらの開き角θは被削材のコーナ角に等しいか
または若干大きく定められている。ちなみに、図示例で
はコーナ角90゜の被削材に対して、開き角θが100
゜〜110゜に設定されている。開き角θを大きめに設
定するのは、切削体積を減らして加工時間を短縮するた
めである。
【0019】ストッパ31の外側には、ストッパ31の
端部P2から拡径部22の端面22a,22bに向けて
円弧状に湾曲するショルダ32が形成されている。ショ
ルダ32の曲率半径r、切刃30の幅S1およびストッ
パ31の幅S2は、切刃30の曲率半径Rに応じて定め
られる。
【0020】カッタ本体21の材質には高速度鋼が用い
られ、全体が焼入れされることによって硬度が高められ
ている。また、拡径部22の外周は四フッ化エチレンな
どの潤滑材で被覆され、摩擦抵抗の低減が図られてい
る。
【0021】ここで、図4を参照してカッタ20の形成
手順を説明する。カッタ20を形成するには、まず、所
定長の鋼材を旋削して支持軸部23,24および拡径部
22の外周輪郭を加工する。ついで、図4(A)に示す
ように、ポケット26の形状に合わせた底刃E1および
外周刃E2を有する総形エンドミルEを、その軸線回り
に回転させつつ拡径部22の外周からカッタ20の径方
向中心側へ切込んでポケット26を形成する。続いて、
図4(B)に示すように、エンドミルEをポケット26
から離れる方向へ傾けて外周刃E2で逃げ面29を形成
し、これにより隣接するポケット26のすくい面27と
の交差稜線部に切刃30を形成する。なお、逃げ面29
の曲率半径を底面28よりも大きくするには、逃げ面2
9の形成時にエンドミルEを逃げ面29の曲率半径に従
って切刃30の幅方向へ振れば良い。切刃30を形成し
た後は全体を焼入れ処理し、続いて、焼き肌を磨いた上
で表面に所定の潤滑材をコーティングすることによりカ
ッタ20が完成する。
【0022】次に、図5〜図9を参照してカッタ20を
用いたコーナ加工具を説明する。図5〜図9に示すよう
に本実施例のコーナ加工具40は、上述したカッタ20
と、カッタ20を支持するホルダ50と、ホルダ50に
内蔵される回転機構70とを具備している。ホルダ50
は、上下方向に分割可能な一対のケース51,52と上
ケース51の先端側に取付けられた上蓋53とを有し、
その基端側にはホルダ50を作業者が把持するためのシ
ャンク部54が形成されている。ケース51,52はシ
ャンク部54側に配置されるねじ(図示略)によって連
結される。上蓋53は、ねじ55によって下ケース52
と着脱自在に連結されるとともに、その後端突出部53
aが上ケース52の溝52aに設けられたピン(図示
略)にはめ合わされてホルダ50の上下方向へ開閉可能
とされている。
【0023】図8および図9により詳細に示すように、
ホルダ50の先端側には下ケース52の下面に開口する
凹部56が形成され、凹部56の両側にはカッタ支持部
57,58が設けられている。カッタ支持部57,58
にはベアリング59が嵌装され、これらベアリング59
の中心側にはカッタ20の支持軸部23,24が嵌合さ
れる。これによりカッタ20はその拡径部22が凹部5
6に収納された状態で軸線回りに回転可能に支持され
る。ホルダ50の凹部56は、隔壁60a〜60eによ
って、カッタ支持軸部23,24がはめ込まれる部分を
除き、ホルダ50の内部と仕切られている。これは、カ
ッタ20で生成される切屑のホルダ内部への侵入を阻止
するためである。図5および図6から明らかなように、
凹部56の先端側の隔壁60aの下部は、他の隔壁60
b〜60eと異なって大きく切り欠かれ、これによりホ
ルダ50に装着されたカッタ20の拡径部22が、ホル
ダ50の先端側に露出して被削材のコーナ部に当接可能
とされている。
【0024】回転機構70は、ベアリング71に支持さ
れた駆動軸72と、駆動軸72の先端に取付けられた第
1のかさ歯車73と、ベアリング74a,74bに支持
された中間軸75と、中間軸75と一体に回転可能に設
けられた第2のかさ歯車76および第1の平歯車77
と、カッタ20の歯車取付軸25と一体に回転可能に設
けられた第2の平歯車78とを有し、駆動軸72の回転
を歯車73,76,77,78を介して等速でカッタ2
0に伝達する。駆動軸72の後端部はホルダ50の後端
から突出され、カッタ20の回転源となるモータの出力
軸とフレキシブルシャフト等の動力伝達手段(図示略)
を介して接続される。
【0025】なお、実施例において、ホルダ50へカッ
タ20を組み付けるには、カッタ20の支持軸部23,
24にベアリング59および第2の平歯車78を取付け
た上で、上蓋53を開けてベアリング59をカッタ支持
部57,58にはめ込む。カッタ20を交換する際も同
様である。また、第2の平歯車78以外の回転機構70
をホルダ50に組み付けるには、駆動軸72,75にベ
アリング71,72a,74b、歯車73,76,77
を組み付けた上で、これらを下ケース52に収納して上
ケース51を被せる。
【0026】本実施例のコーナ加工具40を用いて被削
材コーナの丸面取加工を行うには、ホルダ50のシャン
ク部54を把持した上で、回転機構70によりカッタ2
0を特定方向(図5の矢印Y2方向)へ回転させなが
ら、図10(A)〜(C)に示すようにカッタ20の拡
径部22の外周を被削材WのコーナCに押し当て、コー
ナCをなぞるように加工具40を往復させつつ切刃30
でコーナCを徐々に削り取る。この際のカッタ20の回
転数は、被削材Wの材質にもよるが、概ね4000〜8
000r.p.m.の範囲に定める。
【0027】図10(A)および(B)に示すように、
コーナCの加工形状は、カッタ20の被削材Wに対する
傾きと切刃30の切込み量に応じて変化するが、図10
(C)に示すように双方のストッパ31が被削材Wに当
接するまで切刃30が切込まれた場合には、ストッパ3
1が切削機能を有しないのでこれ以上深く切刃30を切
込むことができず、この時点でコーナCが切刃30の形
状通り加工される。しかも、ストッパ31がカッタ20
に設けられているので、カッタ20の支持部分にガタや
弾性変形が生じても切刃30とストッパ31との位置関
係が変化せず切刃30の切込み量は一定に保たれる。従
って、加工対象となるコーナCの全長にわたってストッ
パ31の双方が当接するまで加工を続けることにより、
コーナCを切刃30の形状通り均一に加工できる。な
お、すべてのコーナCでストッパ31の双方が被削材W
に当っているか否かを知るには、加工具40をコーナC
沿いに繰り返し往復させて切屑が生成されるか否かを確
かめれば良い。
【0028】本実施例では、ストッパ31が切刃30の
両端での接線上に位置するので、被削材WのコーナCは
被削材Wの側面に滑らかに連続する。しかも、図10
(A)および(B)に示すように、加工中にカッタ20
が傾いても最終的なコーナ加工形状には影響が生じない
ので、作業中の加工具40の姿勢保持に気を使う必要が
ない。さらに、環状のストッパ31が被削材Wの側面に
対して斜めに当接するので、これらの接触状態が線また
は点接触となり、3次元形状の追従が容易である。従っ
て、本実施例によれば金型のコーナを容易かつ高精度に
加工できる。ちなみに、本実施例のコーナ加工具40を
試作して200mm角の金型のコーナ加工を行ったところ
5分程度で加工を終えることができ、作業時間の短縮に
著しい効果があった。得られたコーナ部の形状も被削材
の側面に対して段差がない優れたものであった。
【0029】−第2の実施例− 次に、図11〜図14を参照して本発明の第2の実施例
を説明する。図11および図12において符号100は
カッタ、101はカッタ本体で、このカッタ本体101
は、直径一定の長尺円柱状をなす取付軸102の先端に
小径の案内軸103が同軸状に一体成形されて構成され
ている。案内軸103の基端部には径方向中心へ後退す
る複数のポケット104…が周方向へ等ピッチで形成さ
れ、このポケット104のすくい面105と、案内軸1
03の基端部外周に形成された逃げ面106との交差稜
線部に、所望のコーナ加工形状に等しい曲率半径Rで湾
曲する切刃107…が形成されている。切刃107の両
側には、切刃107の両端P1における接線上に位置し
て軸線Aの回りに環状に延びるストッパ108,109
が形成され、これらの開き角θは90゜に設定されてい
る。
【0030】カッタ先端側のストッパ108に隣接する
案内軸103の外周面103aは、先端に向うほど小径
となるテーパ面に形成されている。一方、カッタ基端側
のストッパ109に隣接する取付軸102の先端面10
2aは、カッタ100の径方向外周へ向うにつれて取付
軸102の基端側へ後退するテーパ面に形成されてい
る。なお、ポケット104,逃げ面106および切刃1
07は、第1の実施例と同様総形のエンドミルによって
形成される。また、切刃107の枚数は第1の実施例と
同様12枚とされている。
【0031】図13はカッタ100が取付けられた加工
具を示すものである。加工具120は、外周にシャンク
部130aが形成されたホルダ130と、ホルダ130
内のベアリング131a,131bに回転自在に支持さ
れたスピンドル132と、このスピンドル132を回転
させるモータ133とを備え、スピンドル132の先端
に形成された取付穴134にカッタ100の取付軸10
2を嵌合させて止めねじ135を締め付けることによ
り、カッタ100が軸線回りに回転自在に支持される構
成とされている。ホルダ130の先端には、スピンドル
132と嵌合する中心孔136aを備えたキャップ13
6が、雌ねじ136bをホルダ130の雄ねじ130b
に螺合させて取付けられている。このキャップ136を
設けたのは、スピンドル132と中心孔136aとの隙
間を狭めてホルダ130内部への切屑の侵入を防止し、
かつ止めねじ135の操作を容易に行うためである。な
お、図において符号137はモータ133の電源コー
ド、138はモータ133をオン・オフするためのスイ
ッチである。この実施例では、スピンドル132、ベア
リング131a,131bおよびモータ133が回転機
構を構成し、スピンドル132の取付穴134および止
めねじ135がカッタ支持部を構成する。
【0032】以上の加工具120によって被削材コーナ
の丸面取加工を行うには、図14に示すように、スピン
ドル132にカッタ100を取付けてモータ133で回
転させながら、被削材WのコーナCに切刃107をスト
ッパ108,109が被削材Wに当接するまで押し付け
る。この場合、ストッパ108,109で切刃107の
切込み量が規制されるので、第1の実施例と同様に被削
材WのコーナCが切刃107の形状通り均一に加工され
る。本実施例では、カッタ100を片持ち支持している
ので、図示のようにホルダ130が入らない狭い溝Gの
縁でも容易に加工でき、カッタ20がホルダ50によっ
てほぼ覆われる第1の実施例よりも狭い位置での微小仕
上げ加工(曲率半径にして0.5〜1.0mm程度)を効
率良く行い得る。なお、本実施例では、ストッパ109
が被削材Wに対して面接触するので、3次元形状に対す
る追従性が第1の実施例より幾らか劣るものの、カッタ
100にストッパ109を設けているので、カッタ10
0と別体に案内部材を設ける従来例よりも遥かにストッ
パ109を小さくでき、従来より3次元形状の追従性を
大きく向上させることができる。
【0033】以上の実施例では、丸面取加工を対象とし
て切刃を円弧状に湾曲させているが、本発明はこれに限
ることなく通常の直線的な面取加工にも適用できる。例
えば第1の実施例のカッタであれば、図15に示すよう
に、ストッパ31間に軸線Aと平行に延びる切刃30A
を形成すれば良い。また、実施例では切刃30,107
をアキシャルレーキ角αが0゜で一定となる形状に形成
したが、例えば図16(A)に示すようにアキシャルレ
ーキ角αが漸次変化する湾曲刃30Bや、同図(B)に
示すように一定のアキシャルレーキ角αを有する螺旋刃
30Cとしても良い。さらに、同図(C)に示すように
千鳥刃30Dとしても良い。
【0034】実施例では、カッタ本体21,101に切
刃30,107を直接形成しているが、カッタ本体の外
周部に硬質材料からなる切刃チップを固着しても良い。
ストッパについてもカッタ本体に直接設けることなく、
例えば図17に示すように、カッタ本体21Aにワッシ
ャ33を組み付けてその周面をストッパ31としても良
い。この例によれば、カッタ本体21Aを形成する際に
ポケット26の両側が開放されるので加工が容易とな
り、超硬合金などの加工性が悪い硬質材料でも容易に使
用できる利点がある。さらに、ワッシャ33側に真鍮な
どの軟質材料を用いることもできる。なお、ワッシャ3
3を用いる場合には、例えば圧入などの嵌合手段を用い
てワッシャ33が径方向に遊動しないように配慮し、か
つワッシャ33の径を切刃30の端部での直径に正確に
揃えておく必要がある。この点に関しては、例えばワッ
シャ33の組み付け後にカッタ外周を研磨することで容
易に解決できる。ホルダ50,130の形状や構成は作
業形態に応じて種々変更して良く、回転機構70も、例
えばウォームによる減速機構など種々の回転機構を用い
て良い。
【0035】本発明は、射出成形用金型に限ることな
く、その他のあらゆる機械加工部品にに用いることがで
きる。さらに、金属材料のみならず、放電加工用電極や
木型などの非金属材料からなる部品にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
カッタでは、切刃の両端に設けられたストッパで切刃の
切込み量が規制され、切刃とストッパの位置関係が一定
に保たれるので、被削材のコーナを常に一定形状に加工
できる。しかも、加工途中のカタの姿勢保持に気を使う
必要がなく、3次元形状の追従性も良好なため、精密部
品のコーナ部分でも容易かつ高精度に加工できる。請求
項2のカッタでは、ストッパが切刃両端の接線上に位置
しているので、被削材のコーナと側面とを滑らかに連続
させることができる。請求項3の加工具では、シャンク
部を把持してカッタを回転させつつ被削材のコーナに押
し付けるだけでカッタをそのストッパが被削材に当接す
るまで切込ませることができるので、請求項1または2
のカッタの優れた性能を十分に発揮させてコーナ加工を
容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るカッタの正面図。
【図2】図1のカッタを同図のII方向からみた状態を示
す図。
【図3】図1のカッタのIII−III線における断面形状を
拡大して示す図。
【図4】図1のカッタの加工手順を示す図。
【図5】図1のカッタを用いたコーナ加工具の側面を一
部断面視して示す図。
【図6】図5のカッタを同図のVI方向からみた状態を示
す図。
【図7】図5のカッタを同図のVII方向からみた状態を
示す図。
【図8】図5のカッタの内部機構を示す図。
【図9】図8のIX−IX線における断面図。
【図10】図1のカッタを用いてコーナ加工を行なって
いる状態を示す図。
【図11】本発明の第2の実施例に係るカッタの側面
図。
【図12】図11のカッタのXII−XII線における断面形
状を拡大して示す図。
【図13】図11のカッタを用いたコーナ加工具の側面
を一部断面視して示す図。
【図14】図13の加工具を用いてコーナ加工を行なっ
ている状態を示す図。
【図15】図1のカッタの変形例を示す図。
【図16】図1のカッタの刃先形状の変更例を外周の展
開状態で示す図。
【図17】図1のカッタのストッパの変形例を示す図。
【図18】第1の従来例を示す図。
【図19】第2の従来例を示す図。
【図20】第3の従来例を示す図。
【符号の説明】
20,100 カッタ 21,101 カッタ本体 30,30A,30B,30C,30D,107 切刃 31,108,109 ストッパ 40,120 コーナ加工具 50,130 ホルダ 54,130a シャンク部 57,58 カッタ支持部 70 回転機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状に延びるカッタ本体の外周部に、所
    定のコーナ加工形状に合わせた切刃が形成されてなるコ
    ーナ加工用カッタにおいて、 前記カッタ本体の前記切刃の両側に、被削材に当接して
    前記切刃の切込み量を規制するストッパを、前記カッタ
    本体の軸線回りに環状に設けたことを特徴とするコーナ
    加工用カッタ。
  2. 【請求項2】 前記切刃が前記カッタ本体の中心部に向
    けて凹となる曲線状に形成され、かつ、前記ストッパが
    前記切刃の両端における接線上に位置していることを特
    徴とする請求項1記載のコーナ加工用カッタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のコーナ加工用カ
    ッタと、前記コーナ加工用カッタを支持するカッタ支持
    部と、作業者に把持されるシャンク部と、前記コーナ加
    工用カッタをその軸線回りに回転させる回転機構とを具
    備してなることを特徴とするコーナ加工具。
JP10674892A 1992-04-24 1992-04-24 コーナ加工用カッタおよび該カッタを用いたコーナ加工具 Pending JPH0639634A (ja)

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