JPH0639562U - 自動車用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラック等の車輌において、シ−トとしての
乗心地を保持しながらシ−トバックの倒伏により、シ−
ト後方のベッド等と、シ−トバックの背面部とを同一平
面することである。 【構成】 シ−トバックとシ−トクッションとをレバ−
及びリンクによって一体に連結することにより、シ−ト
バックの倒伏に応じてシ−トクッションを前方へ摺動さ
せ、このシ−トクッションの前方への摺動により生じる
後方の空間にシ−トバックのサイド部を収容することに
より、シ−トクッションのサイド部と干渉することが防
止できるので、シ−トの乗心地を損なうことなしにシ−
トバッックの倒伏により、シ−ト後方に配置されるベッ
ド等の高さと同一平面とすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、特にトラック等の車両において使用され、シートバックが操作杆 の操作により倒伏する自動車用シートの構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、特にトラック等の車両において使用されるシートは、運転者が休息のた めに横臥できるよう空間を十分に確保可能なように、シートバックが操作杆の操 作に応じて、シート後部に具えるベッドと一体に平坦となるマルチシートが一般 的に採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来のものにおいて、運転者が休息のために横臥できるよう空間 を十分に確保可能なように、シートバックが操作杆の操作に応じて、シート後部 に具えるベッドと一体に平坦となるマルチシートの場合、運転者が横臥して休息 を取れるようにするためには、シート後部に具えるベッドの高さと、操作杆の操 作に応じて倒伏させたシートバックの背面が同一平面にあることが必要となり、 このシート後部に具えるベッドとシートバックの背面を同一平面にあるようにす るためには、シートクッション及びシートバックの表面も含めて、シートバック の倒伏時に干渉する可能性があるシートクッション及びシートバックのサイド部 も平坦にすることが必要となり、このため着席する乗員のサイドサポ−ト性が低 下し、疲労の原因となる欠点がある。

【０００４】 そして、必要に応じて操作杆を操作することによりシートバックを倒伏させて も、シートクッションとの干渉を防ぎ倒伏したシートバック背面が平坦とするこ とができるものには、その前端の一端をフロア面に枢着する揺動リンクによって 支持するシートバックとシートクッションとをスライダープレートにより一体に 連結すると共に、このスライダープレートのシートバックへの取付に当たってシ ートバック側方に溝設したガイド溝内にピンを遊嵌し、シートバックを倒伏させ るに連れてシートクッション前端を支持する揺動リンクが前倒し、更にガイド溝 内に遊嵌されるピンが上記ガイド溝に沿って摺動し、シートバックの倒伏により シートクッションが所定位置より前進しシートバックと干渉することなくフロア 面と同一平面を実現してなるもの（特開昭６１−２７８４４３号）等があるが、 特開昭６１−２７８４４３号の場合には、シートバックの倒伏によりシートクッ ションが前進する際に、シートクッションの前端を支持する揺動リンクが、前倒 し、シートクッション自体の座面の高さが低くなるものであり、またこのシート クッションの座面の高さが低くならなければ倒伏するシートバックの背面と、フ ロア面の高さが同一平面上になることがありえないものであるから、シートの設 置されるフロア面は少なくともシートバックの厚さだけ低くなっていることが必 要であり、このような車室内の構造はトラック等のキャブ内においては空間の狭 さから困難である。

【０００５】 そこで、この考案は上記従来のものの有する欠点を改善するものであり、運転 者に運転時における確実なサポートを保障すると共に、運転者の必要に応じてシ ートバックを倒伏させることにより、簡単にシート後部のベッドとの同一平面を 可能にするとともに、シ−トクッション前端部を上方前方に移動させて、ベッド 面とフロアの高底感を減少させて安定感を高めることができるようにするもので ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そのために、前後に摺動自在に支持されるシートクッションと、操作杆により 倒伏自在となるシートバックから構成される自動車用シートにおいて、シートク ッション下底部と支持軸を中心として回転自在に一体となるシートクッションレ バーとを連結し、シートバック底部に一端を固定をしたリンクの他端を、レバー を介して回転棒に連結し、この回転棒と上記クッションレバ−を前後連結リンク によって連結してなるものである。

【０００７】

【作用】

上記構成を具えるので、シート後方に具えるベッド等と同一平面を可能とする ためにシートバックを倒伏させると、シートバック底部と回転棒とをレバーを介 して一体に連接するリンクがシート後方に向かって移動し、このリンクの移動に よりレバーが回転棒を同方向に回動することとなるので、この回転棒とレバー及 びリンクを介して、シートクッション下底部に支持軸を中心として回転自在に取 り付けられたシートクッションと一体に連結されるシートクッションレバーにお いては、回転棒の回動により前後連結リンクはシート後方に向けて引張され、こ の前後連結リンクのシート後方への引張によりシートクッションレバーは、この シートクッションレバーが軸着される支持軸を中心としてシート前方方向へ回動 すると共に、このシートクッションレバーのシート前方方向への回動により、シ ートクッションは、これと一体になる摺動片がスライドレールに沿って前進する するため上方前方へ移動することとなり、この結果シートクッション後方に空間 が生じることとなる。

【０００８】 そして、このシートクッション後方に生じる空間のため、シートバックが完全 に倒伏されても、乗員のの横方向へのサポートを確保するために設けられるシー トバックのサイド部は、同様に乗員の大腿部の横方向への支持を確保するシート クッションサイド部と干渉することなく空間内に収容されることとなるので、シ ートバックを前方へ倒伏させても、シ−トバックの背面部とシート後方のベッド とを同一平面にすることができ、かつ、シ−トクッション前端がシ−トとインス ツルメントパネル間をフロア面とシ−ト面との高低差を補完するように移動して 、より安定感を高めるようにできるものである。

【０００９】

【実施例】

この考案を図に示す実施例により更に説明する。（１）は、この考案の実施例 である自動車用シ−トであり、この自動車用シ−ト（１）は、シ−トクッション ン（２）とシ−トバック（３）とから構成され、シ−トクッション（２）は、フ ロア面（４）に車輌前後方向に向かって配置、固定されるスライドレ−ル（５） 内を同方向に摺動自在となるように遊嵌される摺動片（６）により支持されてい るものであり、このシ−トクッション（２）は、倒伏機構を具えるプレ−ト（７ ）により、シ−トバック（３）と一体に保持されてなるものである。

【００１０】 そして、倒伏機構を具えてなるプレ−ト（７）によって一体に保持されてなる シ−トクッション（２）とシ−トバック（３）から構成されてなる自動車用シ− ト（１）においては、シ−トバック（３）を必要に応じて操作杆（８）を操作す ることにより倒伏自在とすると共に、スライドレール（５）によって支持される シートクッション（２）の下底部（９）に取り付けられ、支持軸（１０）を中心 として回転自在に一体となるシートクッションレバー（１１）と、シートバック （３）の底部（１２）の一端を固定し、他端をレバー（１３）を介してリンク（ １４）により連接してなる回転棒（１５）とを、上記回転棒（１５）にレバー（ １６）を介して連接してなる前後連結リンク（１７）によって一体に連結してな るものである。

【００１１】 この考案は以上の構成を具えるので、乗員が休息のために睡眠を取ろうとして 自動車用シート（１）の後方に具えるベッド等（１８）と同一平面を可能とする ために操作杆（８）を操作してシートバック（３）を倒伏させると、このシ−ト バック（３）の倒伏につれて、シートバック（３）の底部（１２）と、回転棒（ １５）とをレバー（１３）を介して一体に連接するリンク（１４）がシート前方 方向に向かって移動し、このリンク（１４）の移動により、このリンク（１４） と一体に連接されるレバー（１３）が回転棒（１５）を同方向に回動させること となるので、この回転棒（１５）、レバー（１６）及び前後連結リンク（１７） を介して、シートクッション（２）の下底部（９）に支持軸（１０）を中心とし て回転自在に取り付けられたシートクッション（２）と一体に連結されるシート クッションレバー（１１）においては、回転棒（１５）の回動により前後連結リ ンク（１７）は、上記リンク（１４）の回動につれて自動車用シート（１）の後 方に向けて引張され、更に、この前後連結リンク（１７）の自動車用シート（１ ）の後方への引張によりシートクッションレバー（１１）は、このシートクッシ ョンレバー（１１）が軸着される支持軸（１０）を中心として自動車用シート（ １）前方方向へ回動するものとなり、このシートクッションレバー（１１）の自 動車用シート（１）前方方向への回動により、シートクッション（２）は、これ と一体になる摺動片（６）がスライドレール（５）内に沿って前進するため前方 へ移動することとなり、この結果シートクッション（２）後方に空間（１９）が 生じることとなるものである。

【００１２】 そして、このシートクッション（２）の後方に生じる空間（１９）のため、シ ートバック（３）が完全に前方に倒伏されても、乗員の横方向へのサポートを確 保するために設けられるシートバック（３）のサイド部（２０）は、乗員の大腿 部の横方向への支持を確保するシートクッション（２）のサイド部（２１）と干 渉することなく上記空間（１９）内に収容されることとなるので、シートバック （３）を前方へ倒伏させても、このシ−トバック（３）の背面部（２２）と自動 車用シート（１）の後方のベッド等（１８）とを同一平面にすることができる。

【００１３】 なお、シ−トバック（３）を元の位置に復帰させる場合には、操作杆（８）を 操作してシ−トバック（３）を上方に起こすことにより、このシ−トバック（３ ）の底部（１２）と回転棒（１５）とをレバ−（１３）を介して一体に連接して なるリンク（１４）が自動車用シ−ト（１）の前方に向かって移動することとな るので、シ−トクッション（２）の下底部（９）に一体に取り付けられるシ−ト クッションレバ−（１１）と、この回転棒（１５）とを一体に連結する前後連結 リンク（１７）は自動車用シ−ト（１）の前方へ押勢されることとなり、この結 果シ−トクッションレバ−（１１）も同方向へ回動し、シ−トクッション（２） は元の位置に復帰することとなるものである。

【００１４】

【考案の効果】

以上のとおり、シ−トバックの倒伏時において、このシ−トバックの倒伏に応 じてリンク機構が作動してシ−トクッションを前方に移動させた上、このシ−ト クッションの前方への移動により生じたシ−トクッションの後方の空間に対して 、シ−トバックのサイド部を確実に収容でき、倒伏時におけるシ−トバックの背 面部を運転者が休息のために使用するシ−ト後方に配置されるベッド等に対して 同一平面とすることができ、シ−ト前端とインスツルメントパネル間の高低差を 感じないようにできるので、休息する乗員に平坦であって、大きな休息空間を安 定感とともに提供することができる優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例である自動車用シ−トの全体
斜視図である。

【図２】その分解斜視図である。

【図３】シ−トの作動状態を示した図である。

【符号の説明】

１ 自動車用シ−ト ２ シ−トクッション ３ シ−トバック ４ フロア面 ５ スライドレ−ル ６ 摺動片 ７ プレ−ト ８ 操作杆 ９ （シ−トクッションの）下底部 １０ 支持軸 １１ シ−トクッションレバ− １２ （シ−トバックの）底部 １３ レバ− １４ リンク １５ 回転棒 １６ レバ− １７ 前後連結リンク １８ ベッド等 １９ 空間 ２０ （シ−トバックの）サイド部 ２１ （シ−トクッションの）サイド部 ２２ （シ−トバックの）背面部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉見 直弥 神奈川県藤沢市土棚８番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 (72)考案者 長谷川 洋 神奈川県藤沢市土棚８番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 (72)考案者 伊東 芳則 神奈川県藤沢市土棚８番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 (72)考案者 田原 茂樹 神奈川県藤沢市土棚８番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 (72)考案者 是枝 俊彦 神奈川県川崎市川崎区殿町３丁目25番１号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内 (72)考案者 竹政 進 神奈川県川崎市川崎区殿町３丁目25番１号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内 (72)考案者 萩田 貞治 神奈川県座間市ひばりが丘３丁目623番１ 号 株式会社アイテス内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後に摺動自在に支持されるシートクッ
   ションと、操作杆により倒伏自在となるシートバックか
   ら構成される自動車用シートにおいて、シートクッショ
   ン下底部と支持軸を中心として回転自在に一体となるシ
   ートクッションレバーとを連結し、シートバック底部に
   一端を固定をしたリンクの他端を、レバーを介して回転
   棒に連結し、この回転棒と上記クッションレバ−を前後
   連結リンクによって連結してなる構造。