JPH0638874B2 - 自動洗濯方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動洗濯方法に関するものである。

従来の技術 従来自動洗濯方法を実行する洗濯機は第５図に示すよう
に、脱水槽を兼ねた洗濯槽１の中央底部に撹拌翼２が設
けられており、洗濯槽１の外側には脱水時の水を受ける
ための外槽３が設けらてれいる。この外槽３に前記撹拌
翼２及び脱水槽駆動用のモータ４が取付けられている。
外槽３は本体５に支持棒６を介して防振支持されてい
る。又、洗濯槽１の上部外周には液体を内封した流体バ
ランサー７が固設されている。このような洗濯機は洗濯
槽１に給水し、撹拌翼２を駆動し、衣類の洗濯を行な
い、その後排水をした後、洗濯槽１を高速で回転させ、
衣類を遠心脱水するという一連の作業を行い、自動洗濯
方法を実行している。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の自動洗濯方法では、洗濯後の衣類が偏
った分布をしているため、遠心脱水を行なう際大きな回
転不釣合を生じ、起動不良、騒音、振動の原因となって
いた。この不釣合を軽減する目的で流体バランサー７が
設けられているが、この種のバランサーは原理上不釣合
を軽減することはできるが、なくすことは理論上もでき
ない。そのため、脱水時の振動に起因する騒音は大き
く、特に夜間の使用時には大きな問題となっている。

本発明はこのような問題点を解決するもので、遠心脱水
時における回転不釣合をなくし、脱水時の振動に起因す
る騒音を大幅に低減することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、自動洗濯機の脱
水槽あるいは脱水槽を兼ねた洗濯槽の外周に複数個の空
間に仕切られた中空リングを固設し、脱水前の低速回転
時に、不釣り合いの位置及びその量を振動検知素子及び
位置検出器からの信号を基に自動的に算出し、その不釣
り合いの位置とは反対の方向の中空リングの空間に不釣
り合いの量に応じた水量を供給するものである。

作用 この構成により、洗濯が終了して排水した後、短時間低
速で洗濯槽（脱水槽）を回転させ、このとき生じた振動
を外槽に取付けた複数の振動検出素子により検出し、こ
の素子よりの信号を演算素子により計算し、不釣合の量
及び位置を算出し、洗濯槽（脱水槽）に固設された中空
リングの空間に適当量の水を給水することにより不釣合
を打ち消し、不釣合に起因する摺動をなくすことが可能
である。

実施例 以下、本発明の一実施例について、図面（第１図〜第４
図）に基づいて説明する。

第１図において、10は脱水槽を兼ねた洗濯槽であり、中
央底部には撹拌翼11が設けられている。12は外槽であ
り、洗濯槽10の外側に設けられ、脱水時の水を受ける役
目を果している。13は駆動用モータで、外槽12の下面に
取付けられており、ベルト14によって連結された減速機
15を介して撹拌翼11及び洗濯槽10を駆動する。16は前記
の洗濯槽10、外槽12、モータ13等を内包する本体であ
り、外槽12はこの本体16に支持棒17を介して防振支持さ
れている。18は洗濯槽10の上部外周に固設された中空リ
ングで、第２図に示すように内部は仕切板19によって８
つの空間20に仕切られている。そしてこの中間リング18
の空間20には第２図、第３図で示すように各々上下に給
水孔21と排水孔22が設けられている。23は給水ノズル
で、一端は給水弁24を介して水道25に直結されており、
他端のノズル部が前記中空リング18の給水孔21に対峙す
る位置と第１図二点鎖線で示した洗濯槽10に注水可能な
位置に移動可能な構造になっている。26は外槽12の上下
近傍に固着された２個の振動検出素子である。27は脱水
槽の回転方向の位置を検出する検出器、28は電装品を収
納している箱であり、この中に前記振動検出素子26及び
位置検出器27からの信号を受け取ることにより洗濯槽10
内の不釣合の位置及び量を算出する演算素子29が内包さ
れている。

次に、この一実施例の構成における作用を説明する。衣
類等の洗濯物を洗濯槽10に入れ、自動洗濯機を駆動する
と、給水ノズル23は洗濯槽10の上部へ移動し給水弁24が
開き、洗濯槽10に注水を始める。水が一定水位に達する
と、給水弁24が閉じ、撹拌翼11が回転し洗濯を開始す
る。一定時間の洗濯が終ると自動的に排水され、排水が
終了すると洗濯槽（脱水槽）10が回転し、洗濯物を遠心
脱水する。この脱水工程を開始するとき以下に述べる釣
合修正の工程を行ない、洗濯物の偏りによる不釣合を修
正する。即ち、排水が終了すると洗濯槽10は短時間、低
速で予備回転する。そしてこのとき生じる振動を振動検
出素子26で検出し、その情報は位置検出器27の情報とと
もに演算素子29に入力される。演算素子29は不釣合の位
置及び量を算出し、その結果不釣合のある位置30とは反
対の方向の中空リング18の空間20が給水ノズル23の位置
にくるまで洗濯槽10をモータ13によって回転させ、給水
ノズル23を空間20の給水孔21の位置まで移動させ、不釣
合の量によって決まる水量を空間20に給水する。このと
き、空間20の排水孔22より若干の水が漏れるが、排水孔
22は小さいため影響は少ない。このように洗濯物による
不釣合を、その不釣合と反対の方向の中空リング18の空
間20に給水することにより不釣合を打ち消すことができ
る。洗濯槽10が高速で回転し始めると空間20に給水され
た水31は第３図（ｂ）で示すように中空リング18の外壁
に押し付けられ脱水中は排水孔22より漏れることはな
い。この一連の不釣合修正の信号の関係を第４図のブロ
ック図で示す。

発明の効果 以上のように本発明によれば、洗濯槽に複数個の空間を
有する中空リングを固設し、外槽に設けられた振動検出
素子、演算素子等により脱水予備回転時の振動を検出す
ることにより不釣合の位置及び量を算出し、この不釣合
と反対の方向の中空リングの空間に給水することにより
衣類等の洗濯物の不釣合を打ち消し、脱水回転中の振動
を大幅に軽減させ、振動に起因する騒音を低減すること
ができ、夜間でも使用可能な程静かな自動洗濯機を実現
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の一実施例を示し、第１図は自
動洗濯機の縦断面図、第２図は中空リングの拡大斜視
図、第３図（ａ）〜（ｃ）は中空リングの拡大平面図、
拡大断面図、拡大底面図、第４図は自動洗濯機の不釣合
修正時の信号の関係を示すブロック図、第５図は従来の
自動洗濯機の縦断面図である。 10…洗濯槽、11…撹拌翼、12…外槽、13…モータ、16…
本体、18…中間リング、20…空間、21…給水孔、22…排
水孔、23…給水ノズル、24…給水弁、26…振動検出素
子、28…位置検出器、29…演算素子、31…水

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体と、脱水槽あるいは脱水槽を兼ねた洗
   濯槽と、この脱水槽あるいは洗濯槽の外側に位置し脱水
   の水を受ける外槽と、脱水槽あるいは洗濯槽を駆動する
   モータと、外槽に取り付けられた振動検出素子と、脱水
   槽あるいは洗濯槽の回転位置を検出する位置検出器と、
   この振動検出素子及び位置検出器からの信号により不釣
   り合いの位置及び量を算出する演算素子と、給水ノズル
   とを備えた自動洗濯機において、円周方向に複数個の空
   間に仕切られ各々の空間に給排水孔を有した中空リング
   を、前記脱水槽あるいは洗濯槽の外周に固設し、脱水前
   の低速予備回転時に、前記振動検出素子及び位置検出器
   からの信号で不釣り合いの位置及び量を前記演算素子で
   算出し、その不釣り合いの位置とは反対の方向の中空リ
   ングの空間に、給水ノズルから不釣り合いの量に応じた
   水量を給水孔を介して給水するようにした自動洗濯方
   法。