JPH08266788A - 遠心脱水装置 - Google Patents

遠心脱水装置

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JPH08266788A
JPH08266788A JP9628295A JP9628295A JPH08266788A JP H08266788 A JPH08266788 A JP H08266788A JP 9628295 A JP9628295 A JP 9628295A JP 9628295 A JP9628295 A JP 9628295A JP H08266788 A JPH08266788 A JP H08266788A
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Tomohiko Ikeda
友彦 池田
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佳隆 角本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム式の遠心脱水装置において、ドラム内
部に収容された衣類が偏在していても異常振動の発生を
回避し、その衣類の偏在を修正して脱水運転を行なう。 【構成】 回転速度制御部14は、まず、ドラム内部の
衣類に作用する遠心力が重力よりも大きいような回転速
度N1でドラムが回転するようモータ22を駆動させ
る。このとき、偏荷重判定部16は、モータ電流の変動
がドラムの回転周期に同期しているならば偏荷重が大き
いと判定する。その場合には、第2の回転速度N2に
て、衣類を分散化するための運転がなされる。第2の回
転速度N2でドラムが回転されるとき、ドラム内部の衣
類はドラムの回転に伴いドラム内周壁面に密着した状態
で下から上へ運ばれるが、重力が遠心力よりも大きいた
め、重なり合ってドラム中心部に近い位置にある衣類が
回転途中で落下する。而して、ドラム内部で、衣類の均
等な分散化が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱水籠の中に衣類等の
洗濯物を収容し、その脱水籠を回転軸を中心に高速で回
転させることによって洗濯物の脱水又は洗浄用溶剤の脱
液を行なう遠心脱水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ドラム式の遠心脱水装置は、洗浄後の衣
類を籠状のドラムの内部に収容し、そのドラムを水平軸
を中心に高速で回転させる構造となっている。この遠心
脱水装置における大きな問題点の1つは、衣類がドラム
の内周壁面に均一に分散していない状態のままでドラム
を高速回転させると、回転軸回りの質量分布のアンバラ
ンスによって異常振動や異常騒音が発生することであ
る。
【0003】この問題点を解決することを目的とした遠
心脱水装置が、従来から提案されている。例えば、特開
平6−254294号公報に記載された遠心脱水方法に
おいては、高速のドラム回転による脱水運転を実行する
前に、低速のドラム回転によってドラム内部の衣類を均
一に分散配置させる方法が開示されている。より詳しく
は、まず極く短時間ドラムを低速で回転させ、次にその
回転速度よりは若干速いが脱水運転時の回転速度よりは
充分低い回転速度でドラムを回転させるという2段階の
ドラム回転制御を組み合わせることによって、ドラム内
部の衣類の分散化を進めるようにしている。
【0004】また、この従来技術では、衣類がドラム内
部に均一に分散配置されていないために生じる偏荷重の
検出手段として、装置の台座の部分に振動監視センサを
設置し、高速の回転速度でドラムを回転させたときに振
動監視センサが異常振動を検知すると回転速度を下げる
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のようなドラムの回転制御方法によっても、1回
のドラム低速回転をもって確実に衣類の均一分散化が達
成されるとは限らない。従って、一旦ドラムの低速回転
を行なって衣類の分散化を試みた後ドラムを高速回転さ
せたときに振動が大きい場合には、再度ドラムの低速回
転を行なって分散化をやり直す必要がある。このように
して、ドラムの低速回転による分散化と偏荷重の検出と
を複数回繰り返すことが必要となってくると、結果的に
脱水行程に長時間要してしまうという問題が生じる。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、その目的は、衣類の偏在に起因す
る偏荷重をドラム低速回転時に確実に検知し、偏在した
衣類をドラムの内周壁面に均一に分散化することによっ
て、異常振動や異常騒音の発生を回避するとともに、脱
水を効率的に行なうことができる遠心脱水装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】偏荷重を
有する回転体を一定の回転速度で回転駆動するときに
は、回転に伴って負荷トルクが変動するため、そのモー
タに流れるモータ電流は変動する。その際、回転速度が
低速であればあるほどモータ電流の変動が顕著になり、
その変動を検出することが容易になる。しかしながら、
衣類を収容したドラムの偏荷重は、衣類がドラムの内周
壁面に押し付けられた状態で回転する状態、すなわち衣
類に作用する遠心力が重力に勝っている状態においての
み検出することが可能である。そこで、本発明では、ド
ラム内部の衣類に作用する遠心力と重力とが均衡する回
転速度よりも若干速い回転速度でドラムを回転させてい
るときに、モータ電流の変動を検出し、これに基づいて
偏荷重を判定する。
【0008】一方、ドラム内部の衣類に作用する遠心力
と重力とが均衡する回転速度よりも若干遅い回転速度で
ドラムを回転させると、衣類の分散化を促進することが
できる。いま、質量をW[kg]、ドラム中心から衣類ま
での回転半径をr[m]、ドラムの角速度をω[rad/s]
としたとき、衣類に作用する回転遠心力P[kg・m/s2
は、次の(1)式で表わすことができる。 P=r・ω2・W …(1) すなわち、ドラム中心部に近い位置にあり半径rが小さ
い衣類ほど作用する回転遠心力が小さいため、ドラム内
部の衣類に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度
から回転速度を徐々に下げていくと、重なり合ってドラ
ム中心部に近い位置にある衣類から先に落下する。従っ
て、ドラムの回転速度をドラム径に合わせて適当に選ぶ
ことによって、偏荷重の要因である重なっている衣類の
みを落下させ分散化させることができる。
【0009】以上のことから、本発明では、ドラム内部
の衣類に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度の
近傍でドラムの回転速度を変化させながら、偏荷重の判
定及び衣類の分散化を行なうようにしている。
【0010】本発明に係る第1の遠心脱水装置は、籠状
のドラムの内部に衣類などの洗濯物を収容し、ドラムを
水平軸を中心に回転させることによって該洗濯物の脱水
又は洗浄用溶剤の脱液を行なう遠心脱水装置において、
前記ドラムを回転駆動させるモータと、前記モータに流
れる電流を検出する検出手段と、前記電流が前記ドラム
の回転周期と同期して変動することを検知することによ
って前記ドラム内部の偏荷重が大きいか否かを判定する
判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】本発明における判定手段は、モータ電流の
変動成分がドラムの回転周期に同期することを検知し、
そのモータ電流の変動が回転周期に同期している場合に
ドラム内部の偏荷重が大きいと判定する。
【0012】従って、本発明によれば、異常振動の発生
を発生させるようなドラムの高速回転を行なうことな
く、偏荷重の大小を確実に判定することができる。
【0013】本発明に係る第1の遠心脱水装置では、更
に、前記ドラム内部の洗濯物に作用する遠心力が重力よ
りも大きい回転速度である第1の回転速度で該ドラムを
回転させ、該回転時に前記判定手段によって偏荷重が大
きいと判定された場合には、回転速度を低下させて、該
遠心力と重力とがほぼ均衡する回転速度である第2の回
転速度で該ドラムを回転させ、第1の回転速度で該ドラ
ムを回転させたときに前記判定手段によって偏荷重が小
さいと判定された場合には、脱水又は脱液運転を行なう
回転速度で該ドラムを回転させる回転速度制御手段を備
える構成とすることがより好ましい。
【0014】第1の回転速度は、ドラム内部の衣類に作
用する遠心力と重力とが均衡する回転速度よりも若干速
い回転速度であり、モータ電流の変動を検知することが
容易な回転速度である。第1の回転速度でドラムを回転
させたとき、モータ電流の変動がドラムの回転周期に同
期している場合に偏荷重の大きさが許容値を越えている
と判定される。その場合には、回転速度制御手段は、ド
ラムの回転速度を第2の回転速度にまで下げるように速
度制御を行なう。第2の回転速度でドラムが回転される
とき、ドラム内部の洗濯物はドラムの回転に伴いドラム
内周壁面に密着した状態で下から上へ運ばれるが、重力
が遠心力よりも大きいため、重なり合ってドラム中心部
に近い位置にある洗濯物が回転途中で落下する。而し
て、ドラム内部で洗濯物の均等な分散化が行なわれる。
【0015】そして、第2の回転速度にて所定時間ドラ
ムが回転された後、偏荷重の大きさが再度判定され、偏
荷重が解消していたならば、所定の高速回転による脱水
又は脱液運転が実行される。
【0016】このため、本発明によれば、脱水又は脱液
運転を行なう前にドラム内部の偏荷重が確実に検知さ
れ、偏荷重が大きい場合には、洗濯物を効果的に均一分
散化する動作が行なわれた後にドラム高速回転による脱
水又は脱液運転が実行される。従って、ドラム内部に収
容された洗濯物の配置のアンバランスによる異常振動や
異常騒音の発生を回避することができる。また、低速度
のドラム回転時に偏荷重を判定するようにしているた
め、たとえ1回の分散化運転で偏荷重が解消されない場
合でも、その結果を速やかに検知して、再度分散化運転
を行なうことができる。従って、脱水又は脱液運転が長
くなることを抑止し、効率的に脱水又は脱液を行なうこ
とができる。
【0017】なお、望ましくは、前記判定手段は、前記
電流の変動が前記ドラムの回転周期と同期しておりかつ
該変動の振幅が所定閾値以上である場合に、前記ドラム
内部の偏荷重が大きいと判定するように構成される。こ
れにより、偏荷重の判定がより確実に行なえるという効
果が期待できる。
【0018】本発明に係る第2の遠心脱水装置は、籠状
のドラムの内部に衣類などの洗濯物を収容し、ドラムを
水平軸を中心に回転させることによって洗濯物の脱水又
は洗浄用溶剤の脱液を行なう遠心脱水装置において、前
記ドラム内部の衣類の偏在に起因する偏荷重を検出し、
該偏荷重が大きいか否かを判定する判定手段と、前記判
定手段によって偏荷重が大きいと判定された場合には、
前記ドラム内部の洗濯物に作用する遠心力と重力とがほ
ぼ均衡する回転速度で所定時間、前記ドラムを回転さ
せ、該判定手段によって偏荷重が小さいと判定された場
合には、脱水又は脱液運転を行なう回転速度で該ドラム
を回転させる回転速度制御手段と、を備えることを特徴
とする。
【0019】第2の遠心脱水装置では、判定手段によっ
てドラム内部の偏荷重が許容値以上であると判定された
場合には、第1の遠心脱水装置における第2の回転速度
に相当する回転速度で所定時間ドラムが回転される。こ
のドラム回転によって、ドラム内部では洗濯物の均等な
分散化が行なわれる。
【0020】従って、第2の遠心脱水装置においても第
1の遠心脱水装置と同様に、ドラム内部に収容した洗濯
物の偏在が大きい状態で脱水行程が開始されても、洗濯
物を効果的に均一分散化する動作が行なわれた後に、ド
ラム高速回転による脱水又は脱液運転が実行されるた
め、ドラム内部に収容された洗濯物の配置のアンバラン
スによる異常振動や異常騒音の発生を回避することがで
きる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施例
について説明する。図1は本発明の実施例によるドラム
式洗濯機における遠心脱水装置の電気系ブロック構成
図、図2は本実施例による遠心脱水装置を備えるドラム
式洗濯機の縦断面図、図3は本実施例においてドラムの
回転制御の手順を説明するためのフローチャート、図4
は本実施例において偏荷重を判定するためのモータ電流
の例を示す図、図5は本実施例におけるドラム内部の衣
類の移動状況を示す模式図である。
【0022】まず、図2に基づいて、ドラム式洗濯機の
全体構成を説明する。ドラム式洗濯機本体の外箱50の
内部には外槽52が配置され、外槽52の内部には衣類
を収容するためのドラム54が主軸58に支持されて設
置されている。ドラム54の周壁には通水孔56が形成
されており、外槽52に供給された洗浄水はこの通水孔
を通してドラム54内へ流入し、またドラム54内で衣
類から脱水された水が外槽52へ排出される。主軸58
は外槽52に装着された軸受60によって保持されてお
り、その先端には主プーリ62が取り付けられている。
外槽52の下側にはドラム54を回転駆動するためのモ
ータ22が配置され、そのモータ22の回転軸にはモー
タプーリ66が取り付けられている。モータプーリ66
の回転はVベルト64を通して主プーリ62に伝達さ
れ、主軸58を回転させる。
【0023】洗浄水は給水口70を介して外部から外槽
52へ供給され、給水バルブ72によってその水量が調
節される。洗浄後の水は排出口74を通して排出され
る。排出口74は、排出バルブ76によって開閉され
る。モータ22には、回路部78から駆動電圧が印加さ
れる。回路部78は、後述する制御部10やインバータ
制御回路20などから構成されている。回転センサ24
は、主プーリ62を挟んで外槽52の外側に設置された
発光部と外箱50の内側に設置された受光部とから構成
され、ドラム54の回転速度や回転位置を検出する働き
をする。
【0024】次に、図2の回路部78を中心とした電気
的構成と動作を図1に基づいて説明する。主としてマイ
クロコンピュータから成る制御部10は、中央制御部1
2、回転速度制御部14、偏荷重判定部16及びメモリ
18から構成される。更に偏荷重判定部16は、ピーク
値検出部161、振幅測定部162、位置判定部16
3、比較部164及びANDゲート165から構成され
る。また、制御部10の他には、モータ22に駆動電圧
を印加するインバータ制御回路20、回転センサ24及
びモータ電流検出回路26が設けられている。
【0025】以下、電気系の動作について説明する。メ
モリ18には洗浄及び脱水の各行程を進めるための運転
プログラムが予め記憶されている。作業者が操作部(図
示せず)からキー操作を行なって脱水行程モード、例え
ば脱水を行なう衣類の繊維の種類等を選択し脱水行程開
始を指示すると、中央制御部12は、対応する運転プロ
グラムをメモリ18から読み出してこの運転プログラム
を実行することにより脱水行程を進める。
【0026】回転速度制御部14は、運転プログラムに
予め組み込まれている値に基づいて、モータ22の回転
速度指定信号をインバータ制御回路20に出力する。イ
ンバータ制御回路20ではこの回転速度指定信号をパル
ス幅変調(PWM)信号に変換し、このPWM信号に応
じた駆動電圧をモータ22へ印加する。従って、回転速
度制御部14とインバータ制御回路20とが相まって回
転速度制御手段として機能する。
【0027】モータ22が回転するときに流れるモータ
電流はモータ電流検出回路26によって検出され、偏荷
重判定部16へ入力される。モータ電流検出回路26で
は電流/電圧変換回路によってモータ電流を実効値に比
例した電圧に変換する。モータ電流検出回路26にて検
出されるモータ実効値電流の波形の例を図4に示す。図
4(a)は偏荷重が大きい場合、図4(b)は逆に偏荷
重が小さい場合の例である。ピーク値検出部161には
モータ電流検出回路26からの検出信号と回転センサ2
4からの回転マーカー信号が入力される。回転マーカー
信号は、ドラム54が1回転する毎に得られるパルス信
号である。
【0028】ピーク値検出部161では、回転マーカー
信号の間隔、すなわちドラム54の1回転期間毎にその
1回転内でのモータ電流変動の正のピークと負のピーク
とが検出される。この正のピーク及び負のピークは、振
幅測定部162と位置判定部163に入力される。位置
判定部163では、ドラム54が1回転する毎に得られ
る正のピーク位置と負のピーク位置とがドラム54の回
転毎に比較され、その位置に周期性があるか否かが判定
される。すなわち、モータ電流の変動がドラム54の回
転周期に同期しているか否かが判定される。例えば、図
4(a)に示したモータ電流では、正のピークと負のピ
ークとがそれぞれ回転マーカー信号からほぼ等しい位置
に発生している。従って、モータ電流の変動が回転周期
に同期していると判断される。一方、図4(b)に示し
たモータ電流では、正のピークと負のピークとはそれぞ
れ回転マーカー信号とは無関係な位置に発生している。
従って、モータ電流の変動がドラム54の回転周期には
同期していないと判断される。
【0029】振幅測定部162では、ドラム54が1回
転する毎に得られる正のピーク値と負のピーク値とから
1回転毎のモータ電流変動の振幅値が測定される。この
測定結果は比較部164において所定の閾値と比較さ
れ、振幅値が閾値よりも大きいときに正レベルの信号が
出力される。例えば、閾値は図4(a)に示したTの如
く設定される。ANDゲート165では、周期性の判定
結果と振幅の比較結果との論理積がとられる。従って、
モータ電流の変動がドラム54の回転周期に同期したも
のであってかつその変動振幅が所定の閾値以上であった
とき、例えば図4(a)に示すようなモータ電流であっ
たときに、ANDゲート165はモータ負荷すなわちド
ラム54に偏荷重があるという結果を回転速度制御部1
4へ出力する。回転速度制御部14は、この結果を受け
て後述するようにモータ22を回転させるため回転速度
指定信号を出力する。
【0030】以下、図1、図4及び図5を参照しつつ図
3の運転フローチャートに沿って脱水行程の制御手順に
ついて説明する。脱水行程が開始されると、まず中速脱
水回転が実行される(ステップS10)。中速脱水回転
とは、ドラム54に偏荷重があったときでもドラム本体
の振動が小さくて済むような回転速度の範囲での脱水運
転であって、例えばドラム径が700[mm]のとき回転
速度は500[rpm]程度とされる。回転速度制御部1
4はインバータ制御回路20へこの回転速度を指示し、
インバータ制御回路20はこの回転速度に対応した駆動
電圧をモータ22へ印加する。
【0031】この中速脱水回転によって、ドラム54内
部の衣類はある程度脱液が行なわれる。始めドラム54
内の衣類には多量の水が染み込んでいるため、脱水前の
各衣類の重量バランスと脱水後の各衣類の重量バランス
とは必ずしも一致しない。そこで、この中速脱水回転を
行なってドラム54内部の各衣類の重量を最終脱水後の
状態に近い状態にすることにより、偏荷重の状態を極力
正確に検出することが可能となる。
【0032】中速脱水回転によってドラム54内部の衣
類に浸透していた水はある程度脱水され、衣類はドラム
54の内周壁面に張り付いた状態で回転させられる。次
に、偏荷重を判定するためにドラム54は低速回転させ
られる(ステップS12)。すなわち、回転速度制御部
14は、回転速度指定信号として所定の低速回転速度
(第1の回転速度)N1をインバータ制御回路20に出
力し、インバータ制御回路20はドラム54の回転速度
が第1の回転速度N1となるようにモータ22へ駆動電
圧を印加する。ここで、第1の回転速度N1は、ドラム
54内部の衣類に作用する遠心力が重力よりも若干勝っ
ている状態で回転される回転速度であり、ドラム径に応
じて適当に決められる。例えば、ドラム径が上記の70
0[mm]のときには、第1の回転速度N1は55[rpm]
程度とされる。
【0033】ドラム54の回転速度が第1の回転速度N
1に達したとき、偏荷重判定部16において、モータ電
流検出回路26で検出されたモータ電流に基づいて、前
述したように偏荷重が判定される(ステップS14)。
【0034】偏荷重が大きいと判定されると、回転速度
は更に下げられて衣類を分散化するための低速回転がな
される(ステップS18)。すなわち、回転速度制御部
14は回転速度指定信号として所定の低速回転速度(第
2の回転速度)N2をインバータ制御回路20に出力
し、インバータ制御回路20はドラム54の回転速度が
第2の回転速度N2となるようにモータ22へ駆動電圧
を印加する。ここで、第2の回転速度N2は、ドラム5
4内部の衣類に作用する遠心力と重力とが均衡している
回転速度よりも若干遅い回転速度であり、第1の回転速
度N1と同様にドラム径に応じて適当に決められる。例
えば、ドラム径が上記の700[mm]のときには、第2
の回転速度N2は50[rpm]程度とされる。
【0035】回転速度が第1の回転速度N1であると
き、ドラム54内の衣類は図5(a)に示すように衣類
が重なり合ったままでドラム54内周壁に押しつけられ
た状態で回転される。この状態から回転速度を第2の回
転速度N2へ下げると、図5(b)に示すように、重な
り合った衣類の内のドラムの中心に近いものに作用する
遠心力は重力よりも小さいため、この衣類が回転途中で
落下する。一方、ドラム54の内周壁に張り付いている
衣類に作用する遠心力は重力より大きいため、落下せず
に回転し続ける。そして結果的には、図5(c)に示す
ように、すべての衣類がドラム54の内周壁面にほぼ均
等に分散配置され、偏荷重は解消される。
【0036】回転速度制御部14は、所定時間の間、第
2の回転速度N2での低速回転を行なった後、再度、偏
荷重判定を行なうために、第1の回転速度N1での低速
回転を行なう(ステップS12)。このとき、偏荷重判
定部16によって、衣類の偏在が解消されたか否かが判
定される。
【0037】ステップS14にて偏荷重が小さいと判定
されたときは、次いで高速脱水回転が実行される(ステ
ップS16)。すなわち、回転速度制御部14は、偏荷
重判定部16から偏荷重が小さいとの判定結果を受ける
と、回転速度指定信号として第3の回転速度N3を出力
し、インバータ制御回路20はドラム54の回転速度が
第3の回転速度N3となるようにすモータ22に駆動電
圧を印加する。ここで、例えば第3の回転速度N3は、
700[rpm]程度とされる。この第3の回転速度N3
は、作業者によって指定された脱水行程モードに応じた
値であり、衣類の繊維の種類等によって異なる値であ
る。第3の回転速度N3で所定時間ドラム54が回転さ
れることによって、完全な脱水が実行される。
【0038】上記実施例では、偏荷重を判定する前に、
ある程度の脱水を行なうための中速脱水回転(ステップ
S10)を行なっていたが、これを省いてステップS1
2からスタートするようにしても良い。
【0039】また、上記実施例はドラム式洗濯機につい
て説明したが、本発明が石油系溶剤等を使用した洗濯機
すなわちドライクリーナーに適用できることは明らかで
ある。
【0040】更に、ドラム内部の衣類の偏在を検知する
方法としては、モータ電流を検出する方法の他に、例え
ば、水銀スイッチや加速度センサを用いるようにしても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるドラム式洗濯機にお
ける遠心脱水装置の電気系ブロック構成図。
【図2】 本実施例による遠心脱水装置を備えるドラム
式洗濯機の縦断面図。
【図3】 本発明の実施例におけるドラムの回転制御の
手順を説明するためのフローチャート。
【図4】 本実施例における偏荷重を判定するためのモ
ータ実効値電流の例を示す図であり、(a)は偏荷重が
大きい場合の例、(b)は偏荷重が小さい場合の例。
【図5】 本実施例におけるドラム内部の衣類の移動状
況を示す模式図であり、(a)は衣類に作用する遠心力
が重力に抗する回転速度でドラムが回転されている状
態、(b)は衣類の分散化運転が行なわれているときの
状態、(c)は衣類の分散化が行なわれて偏荷重が解消
された状態。
【符号の説明】
10…制御部 14…回転速度制御部(回転速度制御手段) 16…偏荷重判定部(判定手段) 20…インバータ制御回路(回転速度制御手段) 22…モータ 26…モータ電流検出回路(検出手段) 54…ドラム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 籠状のドラムの内部に衣類などの洗濯物
    を収容し、該ドラムを水平軸を中心に回転させることに
    よって該洗濯物の脱水又は洗浄用溶剤の脱液を行なう遠
    心脱水装置において、 a)前記ドラムを回転駆動させるモータと、 b)前記モータに流れる電流を検出する検出手段と、 c)前記電流が前記ドラムの回転周期と同期して変動する
    ことを検知することによって前記ドラム内部の偏荷重が
    大きいか否かを判定する判定手段と、を備えることを特
    徴とする遠心脱水装置。
  2. 【請求項2】 前記ドラム内部の洗濯物に作用する遠心
    力が重力よりも大きい回転速度である第1の回転速度で
    該ドラムを回転させ、該回転時に前記判定手段によって
    偏荷重が大きいと判定された場合には、回転速度を低下
    させて該遠心力と重力とがほぼ均衡する回転速度である
    第2の回転速度で該ドラムを回転させ、第1の回転速度
    で該ドラムを回転させたときに該判定手段によって偏荷
    重が小さいと判定された場合には、脱水又は脱液運転を
    行なう回転速度で該ドラムを回転させる回転速度制御手
    段を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の遠
    心脱水装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、 前記電流の変動が前記ドラムの回転周期と同期しており
    かつ該変動の振幅が所定閾値以上である場合に、該ドラ
    ム内部の偏荷重が大きいと判定することを特徴とする請
    求項1乃至2に記載の遠心脱水装置。
  4. 【請求項4】 籠状のドラムの内部に衣類などの洗濯物
    を収容し、該ドラムを水平軸を中心に回転させることに
    よって該洗濯物の脱水又は洗浄用溶剤の脱液を行なう遠
    心脱水装置において、 a)前記ドラムを回転駆動させるモータと、 b)前記ドラム内部の衣類の偏在に起因する偏荷重を検出
    し、該偏荷重が大きいか否かを判定する判定手段と、 c)前記判定手段によって偏荷重が大きいと判定された場
    合には、前記ドラム内部の洗濯物に作用する遠心力と重
    力とがほぼ均衡する回転速度で所定時間、該ドラムを回
    転させ、該判定手段によって偏荷重が小さいと判定され
    た場合には、脱水又は脱液運転を行なう回転速度で該ド
    ラムを回転させる回転速度制御手段と、を備えることを
    特徴とする遠心脱水装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5765402A (en) * 1996-02-27 1998-06-16 Sanyo Electric Co., Ltd. Spin extractor
WO2004009899A1 (ja) * 2002-07-22 2004-01-29 Kabushiki Kaisha Toshiba ドラム式洗濯機
KR20200021317A (ko) * 2018-08-20 2020-02-28 김만규 코인 세탁기
CN115090242A (zh) * 2022-06-08 2022-09-23 中钢集团天澄环保科技股份有限公司 复合金属氧化物的生产系统及方法

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