JPH0638475Y2 - 電波吸収壁 - Google Patents
電波吸収壁Info
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- JPH0638475Y2 JPH0638475Y2 JP1990127270U JP12727090U JPH0638475Y2 JP H0638475 Y2 JPH0638475 Y2 JP H0638475Y2 JP 1990127270 U JP1990127270 U JP 1990127270U JP 12727090 U JP12727090 U JP 12727090U JP H0638475 Y2 JPH0638475 Y2 JP H0638475Y2
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- sintered ferrite
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電波吸収壁に関し、特に建物等の外壁の一部
に、電波吸収体を取り付け、VHF、UHF帯の不要反射電波
を防止する電波吸収壁に関するものである。
に、電波吸収体を取り付け、VHF、UHF帯の不要反射電波
を防止する電波吸収壁に関するものである。
最近、高層建築物による不要反射電波がテレビ放送の障
害となり、テレビ画面にゴーストを生じさせる等の電波
公害が問題となっている。この対策として、高層建築物
の外壁に電波吸収壁を用いることが増加している。この
電波吸収壁としては、特公昭55−13600号公報及び特公
昭55−49798号公報に記載されているものが知られてい
る。この従来例を第2図に示す。第2図(a)は磁性体
板の配列方法を示す平面図であり、第2図(b)は電波
吸収壁の断面図である。この電波吸収体は、金属板21を
埋設させたモルタル22の表面に磁性体板としてフェライ
ト板23を固着させ、その上にモルタル等の外装材24を施
したものである。このフェライト板23は、到来電波の磁
界方向Lに連続に、電界方向Mに不連続に配置されてい
る。
害となり、テレビ画面にゴーストを生じさせる等の電波
公害が問題となっている。この対策として、高層建築物
の外壁に電波吸収壁を用いることが増加している。この
電波吸収壁としては、特公昭55−13600号公報及び特公
昭55−49798号公報に記載されているものが知られてい
る。この従来例を第2図に示す。第2図(a)は磁性体
板の配列方法を示す平面図であり、第2図(b)は電波
吸収壁の断面図である。この電波吸収体は、金属板21を
埋設させたモルタル22の表面に磁性体板としてフェライ
ト板23を固着させ、その上にモルタル等の外装材24を施
したものである。このフェライト板23は、到来電波の磁
界方向Lに連続に、電界方向Mに不連続に配置されてい
る。
上記従来の電波吸収壁では、フェライトの前面に、モル
タル、石材等の誘電体が配置されるため、磁性体の吸収
特性が十分に発揮されず、第3図の曲線32に示すよう
に、十分に満足できる反射減衰量が得られなく、得に高
周波側での反射減衰量が小さいといった問題点があっ
た。このモルタル、石材等は、外装材として用いられ、
機械的強度等の信頼性により、厚さ25mm以上必要であ
り、一般的には30mmの厚さで用いられている。
タル、石材等の誘電体が配置されるため、磁性体の吸収
特性が十分に発揮されず、第3図の曲線32に示すよう
に、十分に満足できる反射減衰量が得られなく、得に高
周波側での反射減衰量が小さいといった問題点があっ
た。このモルタル、石材等は、外装材として用いられ、
機械的強度等の信頼性により、厚さ25mm以上必要であ
り、一般的には30mmの厚さで用いられている。
この外装材がない場合、反射減衰特性は、第3図の曲線
34に示すように、十分に満足できる反射減衰量が広い周
波数範囲で得られるが、美観を損ねるため好ましくな
い。
34に示すように、十分に満足できる反射減衰量が広い周
波数範囲で得られるが、美観を損ねるため好ましくな
い。
また、高周波側での反射減衰量を高くする対策として、
磁界方向に連続に配置したフェライト板毎にその間に微
小ギャップを設け、高周波側へ反射減衰量を移動させる
手段がある。しかし、第3図の曲線33に示すように、こ
の手段においては、逆に低周波側の反射減衰量が小さく
なってしまう。
磁界方向に連続に配置したフェライト板毎にその間に微
小ギャップを設け、高周波側へ反射減衰量を移動させる
手段がある。しかし、第3図の曲線33に示すように、こ
の手段においては、逆に低周波側の反射減衰量が小さく
なってしまう。
その他に、フェライト板全部を薄くするか又は電界方向
のギャップ率を大きくするなどの手段があるが、いずれ
の場合も、低周波側で反射減衰量が小さくなってしま
う。
のギャップ率を大きくするなどの手段があるが、いずれ
の場合も、低周波側で反射減衰量が小さくなってしま
う。
このように、外装材がフェライト板の前面にある場合、
広い周波数範囲にわたって、高い反射減衰能を得ること
はできないという問題点があった。
広い周波数範囲にわたって、高い反射減衰能を得ること
はできないという問題点があった。
本考案は、上記の事情を鑑みて、モルタル、石材等の誘
電体からなる外装が前面に形成されていても、VHF〜UHF
帯での反射減衰特性が広い周波数範囲で良好となるよう
な電波吸収壁を得ることを目的とするものである。
電体からなる外装が前面に形成されていても、VHF〜UHF
帯での反射減衰特性が広い周波数範囲で良好となるよう
な電波吸収壁を得ることを目的とするものである。
前記目的を達成するために鋭意研究の結果、本考案者等
は、複数個の磁性体を取り付けた電波吸収壁において、
到来電波の電界成分方向に対しては、不連続に磁性体が
配置され、到来電波の磁界成分方向に対しては、磁性体
が複数の連続部を構成するように、連続部間に、磁気特
性及び/又は厚さによりインピーダンスが異なる磁性体
部を配置すれば、広い周波数範囲で反射減衰特性が良好
になることを発見し、本考案に想到した。
は、複数個の磁性体を取り付けた電波吸収壁において、
到来電波の電界成分方向に対しては、不連続に磁性体が
配置され、到来電波の磁界成分方向に対しては、磁性体
が複数の連続部を構成するように、連続部間に、磁気特
性及び/又は厚さによりインピーダンスが異なる磁性体
部を配置すれば、広い周波数範囲で反射減衰特性が良好
になることを発見し、本考案に想到した。
すなわち、本考案の電波吸収壁は、複数個の磁性体を、
到来電波の電界成分方向に関しては不連続に、到来電波
の磁界成分方向に関しては連続して取り付けた電波吸収
パネルを複数枚配設して構成されるVHF〜UHF帯の電波吸
収壁であって、前記電波吸収パネルには、前記磁性体と
してインピーダンスの異なる2種の焼結フェライト板を
用い、到来電波の磁界成分方向に一方の焼結フェライト
板を所定長連続して配設し、集中ギャップ方式となるよ
うに、前記電波吸収パネルの上下端に存在する間隔を除
いて、50〜1000mmの長さのギャップを1つ又は2つ以上
設け、前記ギャップ部に他方の焼結フェライト板を配置
したことを特徴とする。
到来電波の電界成分方向に関しては不連続に、到来電波
の磁界成分方向に関しては連続して取り付けた電波吸収
パネルを複数枚配設して構成されるVHF〜UHF帯の電波吸
収壁であって、前記電波吸収パネルには、前記磁性体と
してインピーダンスの異なる2種の焼結フェライト板を
用い、到来電波の磁界成分方向に一方の焼結フェライト
板を所定長連続して配設し、集中ギャップ方式となるよ
うに、前記電波吸収パネルの上下端に存在する間隔を除
いて、50〜1000mmの長さのギャップを1つ又は2つ以上
設け、前記ギャップ部に他方の焼結フェライト板を配置
したことを特徴とする。
上記磁性体部のインピーダンスを連続部の磁性体と異な
らせるためには、厚さ及び/又は透磁率が異なるように
する。
らせるためには、厚さ及び/又は透磁率が異なるように
する。
電波吸収壁の無反射条件は、電波到来方向から見た電波
吸収壁のインピーダンスが、自由空間のインピーダンス
(Zo=377Ω)と整合がとれていることである。
吸収壁のインピーダンスが、自由空間のインピーダンス
(Zo=377Ω)と整合がとれていることである。
従来の電波吸収壁のインピーダンスの実数部の周波数特
性を第4図の曲線41に、又虚数部の周波数特性を第5図
の曲線51に例示する。
性を第4図の曲線41に、又虚数部の周波数特性を第5図
の曲線51に例示する。
従来の電波吸収壁では、100〜120MHzでインピーダンス
は、自由空間のインピーダンスに近づき、反射減衰量は
高くなるが、200MHzでは低くなってしまう。
は、自由空間のインピーダンスに近づき、反射減衰量は
高くなるが、200MHzでは低くなってしまう。
本考案における厚さ及び/又は磁気特性の異なる磁性体
を一部配置することは、従来の電波吸収壁の反射減衰特
性を維持したまま、さらに高周波での反射減衰特性を高
くするものである。
を一部配置することは、従来の電波吸収壁の反射減衰特
性を維持したまま、さらに高周波での反射減衰特性を高
くするものである。
本考案において、磁性体の連続部分の中心部周辺のイン
ピーダンスの実数部と虚数部の周波数特性は、それぞ
れ、第4図の曲線41、第5図の曲線51に相当し、厚さ及
び磁気特性の異なる磁性体周辺のインピーダンスの実数
部と虚数部の周波数特性は、それぞれ第4図の曲線42、
第5図の曲線52で例示されている。
ピーダンスの実数部と虚数部の周波数特性は、それぞ
れ、第4図の曲線41、第5図の曲線51に相当し、厚さ及
び磁気特性の異なる磁性体周辺のインピーダンスの実数
部と虚数部の周波数特性は、それぞれ第4図の曲線42、
第5図の曲線52で例示されている。
この磁性体の連続部と、厚さ及び/又は磁気特性の異な
る磁性体部とのインピーダンス合成により、電波吸収壁
のインピーダンスの実数部、虚数部はそれぞれ第4図の
破線43、第5図の破線53で示される。
る磁性体部とのインピーダンス合成により、電波吸収壁
のインピーダンスの実数部、虚数部はそれぞれ第4図の
破線43、第5図の破線53で示される。
150MHz以下の周波数範囲では、従来の電波吸収壁の特性
をほぼ維持したまま、高周波では、従来の電波吸収壁の
インピーダンスより自由空間のインピーダンスに近づ
き、反射減衰量が高くなることがわかる。特に、200MHz
付近で顕著である。
をほぼ維持したまま、高周波では、従来の電波吸収壁の
インピーダンスより自由空間のインピーダンスに近づ
き、反射減衰量が高くなることがわかる。特に、200MHz
付近で顕著である。
本考案における電波吸収壁は、到来電波の磁界成分方向
の主となる磁性体の連続部と厚さ及び/又は磁気特性の
異なる磁性体部を到来電波の磁界成分方向の50〜1000mm
の長さのギャップに配置することにより、磁性体の連続
部のインピーダンスと厚さ及び/又は磁気特性の異なる
磁性体部のインピーダンスとを異なるものとすることが
でき、それによって電波吸収壁全体のインピーダンスを
制御できる。従って、電波吸収壁全体の反射減衰特性を
制御することができ、VHF〜UHF帯での広帯域において有
効な電波吸収壁を得ることができる。
の主となる磁性体の連続部と厚さ及び/又は磁気特性の
異なる磁性体部を到来電波の磁界成分方向の50〜1000mm
の長さのギャップに配置することにより、磁性体の連続
部のインピーダンスと厚さ及び/又は磁気特性の異なる
磁性体部のインピーダンスとを異なるものとすることが
でき、それによって電波吸収壁全体のインピーダンスを
制御できる。従って、電波吸収壁全体の反射減衰特性を
制御することができ、VHF〜UHF帯での広帯域において有
効な電波吸収壁を得ることができる。
本考案の一実施例に係る磁性体の配列を第1図に示す。
第1図に示すように、複数枚の磁性体は電界方向に均等
にギャップEが存在するように複数列に配列されてお
り、かつ磁界方向には磁性体が複数の連続部を構成し、
連続部間に磁気特性及び/又は厚さの異なる磁性体部
D、Dが配置されている。なお、施工上の観点から、所
定数の磁性体からなる電波吸収壁パネルを形成し、その
パネルをビルの外壁等に所定の配置で取り付けるように
するのが好ましい。第1図の実施例では、磁界方向のパ
ネル長さAを1〜5mm程度とし、電界方向のパネル長さ
Bを0.5〜5m程度とするのが好ましい。
第1図に示すように、複数枚の磁性体は電界方向に均等
にギャップEが存在するように複数列に配列されてお
り、かつ磁界方向には磁性体が複数の連続部を構成し、
連続部間に磁気特性及び/又は厚さの異なる磁性体部
D、Dが配置されている。なお、施工上の観点から、所
定数の磁性体からなる電波吸収壁パネルを形成し、その
パネルをビルの外壁等に所定の配置で取り付けるように
するのが好ましい。第1図の実施例では、磁界方向のパ
ネル長さAを1〜5mm程度とし、電界方向のパネル長さ
Bを0.5〜5m程度とするのが好ましい。
このようなパネルに取り付ける磁性体1としては、成
形、焼結の容易さ及び施工上の観点から、各辺が50〜20
0mm程度で、厚さが2〜15mm程度のものが好ましい。
形、焼結の容易さ及び施工上の観点から、各辺が50〜20
0mm程度で、厚さが2〜15mm程度のものが好ましい。
また、磁性体1以外の外壁パネルの構成要素は、第2図
(b)に示すのと同じでよい。特にモルタル等の外装材
24は、20〜40mm程度の厚さに形成することができる。
(b)に示すのと同じでよい。特にモルタル等の外装材
24は、20〜40mm程度の厚さに形成することができる。
なお本考案の電波吸収壁では、電界方向のギャップ率
は、磁性体の厚さ等により変化するが、30〜50%が適当
である。また磁界方向のギャップ率については、磁性体
部Dはギャップとはみなされないので、理論的には0%
でもよいが、上下端のマージン部C、Cの存在や、付加
的にギャップを設けてもよいことを考慮すれば、10%以
下であればよい。
は、磁性体の厚さ等により変化するが、30〜50%が適当
である。また磁界方向のギャップ率については、磁性体
部Dはギャップとはみなされないので、理論的には0%
でもよいが、上下端のマージン部C、Cの存在や、付加
的にギャップを設けてもよいことを考慮すれば、10%以
下であればよい。
電界方向のギャップ率については、30%未満では、電波
吸収壁が重くなるとともに高価になり、50%超では、必
要な減衰量が得られないか、もしくは、磁性体の厚さを
厚くする必要があるので不適当である。また、磁界方向
のギャップ率については、10%超では、反射減衰量が不
足してくるため不適当である。
吸収壁が重くなるとともに高価になり、50%超では、必
要な減衰量が得られないか、もしくは、磁性体の厚さを
厚くする必要があるので不適当である。また、磁界方向
のギャップ率については、10%超では、反射減衰量が不
足してくるため不適当である。
ここで、「ギャップ率」とは、各ギャップの大きさの合
計をギャップを含む磁性体の配列の全長で割った値(百
分率で表示)をいう。第1図の場合、磁界方向のギャッ
プ率は2C/A×100%で表すことができる。また電界方向
のギャップ率はnE/B×100%(ただしnは(磁性体の列
+1)を表す)で表すことができる。
計をギャップを含む磁性体の配列の全長で割った値(百
分率で表示)をいう。第1図の場合、磁界方向のギャッ
プ率は2C/A×100%で表すことができる。また電界方向
のギャップ率はnE/B×100%(ただしnは(磁性体の列
+1)を表す)で表すことができる。
なお、磁性体としては、特性及びコストの観点から焼結
フェライト板が好ましい。この焼結フェライト板はNi−
Znフェライト、フェロックスプレーナ型Baフェライト、
Mn−Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト等のソフトフ
ェライトにより形成することができる。
フェライト板が好ましい。この焼結フェライト板はNi−
Znフェライト、フェロックスプレーナ型Baフェライト、
Mn−Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト等のソフトフ
ェライトにより形成することができる。
磁性体部D、Dのインピーダンスを変化させるには、厚
さの異なるものを使用するか、透磁率の異なるものを使
用するか、厚さ及び透磁率の両方とも異なるものを使用
するか、いずれかの手段を用いる。
さの異なるものを使用するか、透磁率の異なるものを使
用するか、厚さ及び透磁率の両方とも異なるものを使用
するか、いずれかの手段を用いる。
厚さを変化させる場合、磁性体部D、Dを連続部より薄
くするか厚くするかのいずれかである。
くするか厚くするかのいずれかである。
薄くする場合、フェライト板の製造上の制約を考慮する
と約2mm程度までが限界であり、それ以上であれば、連
続部のフェライト板の厚さの任意の割合で薄くすること
ができるが、実用上は20〜60%が好ましい。連続部のフ
ェライト板の20%未満の厚さにすると、フェライト板の
成形焼結及び取り扱い(パネルへの貼付等)が困難とな
る。また60%を越えると磁性体部Dが長くなりすぎ、パ
ネル全体の減衰効率が低下する。
と約2mm程度までが限界であり、それ以上であれば、連
続部のフェライト板の厚さの任意の割合で薄くすること
ができるが、実用上は20〜60%が好ましい。連続部のフ
ェライト板の20%未満の厚さにすると、フェライト板の
成形焼結及び取り扱い(パネルへの貼付等)が困難とな
る。また60%を越えると磁性体部Dが長くなりすぎ、パ
ネル全体の減衰効率が低下する。
一方、厚くする場合、高周波の反射減衰特性を維持した
まま、さらに低周波での反射減衰特性を高くする効果が
ある。この効果を得るために、連続部の厚さの1.2〜1.7
倍とするのが好ましい。これらの場合、磁性体部Dの長
さは50〜1,000mm程度とするのが好ましい。
まま、さらに低周波での反射減衰特性を高くする効果が
ある。この効果を得るために、連続部の厚さの1.2〜1.7
倍とするのが好ましい。これらの場合、磁性体部Dの長
さは50〜1,000mm程度とするのが好ましい。
透磁率についても、磁性体部Dの透磁率を連続部の透磁
率より小さくするか大きくするかのいずれかである。小
さくする場合、ギャップを設けたのと同じ効果があり、
透磁率の低下度に応じて磁性体部Dの長さを調節するこ
とができる。透磁率の割合は理論的には任意に設定でき
るが、実用上連続部の5〜70%とするのが好ましい。
率より小さくするか大きくするかのいずれかである。小
さくする場合、ギャップを設けたのと同じ効果があり、
透磁率の低下度に応じて磁性体部Dの長さを調節するこ
とができる。透磁率の割合は理論的には任意に設定でき
るが、実用上連続部の5〜70%とするのが好ましい。
一方透磁率を大きくする場合、高周波の反射減衰特性を
維持したまま、さらに低周波での反射減衰特性を高くす
る効果がある。この効果を得るために、連続部の透磁率
の2〜10倍とするのが好ましい。これらの場合、磁性体
部Dの長さは50〜1,000mm程度とするのが好ましい。
維持したまま、さらに低周波での反射減衰特性を高くす
る効果がある。この効果を得るために、連続部の透磁率
の2〜10倍とするのが好ましい。これらの場合、磁性体
部Dの長さは50〜1,000mm程度とするのが好ましい。
なお、透磁率の変化は、フスライト板の材質を変えるこ
とにより達成することができる。透磁率が大きなフェラ
イトの材質としては、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェラ
イト等がある。またフェライト中にCo3O4、SiO等の添加
物を配合すると透磁率は低下する。
とにより達成することができる。透磁率が大きなフェラ
イトの材質としては、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェラ
イト等がある。またフェライト中にCo3O4、SiO等の添加
物を配合すると透磁率は低下する。
本考案を以下の具体的な実施例によりさらに詳細に説明
する。
する。
実施例1 第1図に示す外壁用パネル(縦A4m、横B3m20cm)に、縦
100mm、横100mm、厚さ9mmのフェライト板1を配置した
ものを用いた。このパネルの横方向には、60mmの間隔E
でフェライト板1が配置されており、縦方向には、上下
にそれぞれ10mmの間隔Cが形成され、中央に800mmのフ
ェライト板1の連続部Fが構成され、その上下にそれぞ
れ縦190mm、横100mmの間隔Dの部分に、厚さ、4mmのフ
ェライト板2を配置した。このフェライト板1と2は、
同一特性の磁性体(Ni−Znフェライト、初透磁率μi=
800)である。さらに、その上下は、1,400mmのフェライ
ト板1の連続部となっている。
100mm、横100mm、厚さ9mmのフェライト板1を配置した
ものを用いた。このパネルの横方向には、60mmの間隔E
でフェライト板1が配置されており、縦方向には、上下
にそれぞれ10mmの間隔Cが形成され、中央に800mmのフ
ェライト板1の連続部Fが構成され、その上下にそれぞ
れ縦190mm、横100mmの間隔Dの部分に、厚さ、4mmのフ
ェライト板2を配置した。このフェライト板1と2は、
同一特性の磁性体(Ni−Znフェライト、初透磁率μi=
800)である。さらに、その上下は、1,400mmのフェライ
ト板1の連続部となっている。
この実施例では、電界方向のギャップ率40%、磁界方向
のギャップ率0.5%で構成した。
のギャップ率0.5%で構成した。
この実施例の反射減衰特性を第3図の曲線31に示す。ま
た、従来例として、磁界方向にフェライト板1の連続部
のみで構成された場合の反射減衰特性を第3図の曲線32
に、また同じ厚さのフェライト板の1枚毎に磁界方向の
ギャップを設けてギャップ率0.5%とした場合の反射減
衰特性を、第3図の曲線33に示す。
た、従来例として、磁界方向にフェライト板1の連続部
のみで構成された場合の反射減衰特性を第3図の曲線32
に、また同じ厚さのフェライト板の1枚毎に磁界方向の
ギャップを設けてギャップ率0.5%とした場合の反射減
衰特性を、第3図の曲線33に示す。
実施例2 実施例1における間隔Dの部分に、実施例1のフェライ
ト板1と透磁率の異なる厚さ9mmのフェライト板3(Ni
−Znフェライト、初透磁率μi=400)を配置した。
ト板1と透磁率の異なる厚さ9mmのフェライト板3(Ni
−Znフェライト、初透磁率μi=400)を配置した。
この実施例の反射減衰特性を第3図の曲線35に示す。
第3図に示すように、本考案の電波吸収壁は、広い周波
数範囲にわたって、反射減衰量が優れていることがわか
る。
数範囲にわたって、反射減衰量が優れていることがわか
る。
また、挿入する磁性体は、磁気特性及び厚さの両方を変
えたものを用いても良い。
えたものを用いても良い。
この電波吸収壁では、テレビ電波に対する反射減衰量が
大であることが要求される。この目安の特性として、10
0MHzから200MHzの範囲で、反射減衰量15dB以上が必要と
されており、本考案の電波吸収壁は、その目標特性を満
足している。これに対し、従来例では、100MHzまたは20
0MHzでの反射減衰量が不足している。
大であることが要求される。この目安の特性として、10
0MHzから200MHzの範囲で、反射減衰量15dB以上が必要と
されており、本考案の電波吸収壁は、その目標特性を満
足している。これに対し、従来例では、100MHzまたは20
0MHzでの反射減衰量が不足している。
本考案は、テレビ電波に対する反射減衰能に広い範囲で
優れ、高層ビル等の建築物の外壁として用いると、テレ
ビ電波のゴースト防止等、不要反射電波の防止に役立つ
ものである。
優れ、高層ビル等の建築物の外壁として用いると、テレ
ビ電波のゴースト防止等、不要反射電波の防止に役立つ
ものである。
第1図は、本考案に係る一実施例の磁性体の配列を示す
平面図であり、 第2図は、従来例の平面図(a)と断面図(b)であ
り、 第3図は、本考案に係る実施例及び従来例の反射減衰特
性を示すグラフであり、 第4図及び第5図は、本考案と従来例のインピーダンス
及び合成インピーダンスの周波数特性を示すグラフであ
る。 1、2、23……磁性体(フェライト板) 21……金属板 22……モルタル 24……外装材
平面図であり、 第2図は、従来例の平面図(a)と断面図(b)であ
り、 第3図は、本考案に係る実施例及び従来例の反射減衰特
性を示すグラフであり、 第4図及び第5図は、本考案と従来例のインピーダンス
及び合成インピーダンスの周波数特性を示すグラフであ
る。 1、2、23……磁性体(フェライト板) 21……金属板 22……モルタル 24……外装材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 森山 義幸 鳥取県鳥取市南栄町33―12 日立フェライ ト株式会社鳥取工場内 (72)考案者 松本 勇二 群馬県甘楽郡甘楽町大字善慶寺550―1 日立フェライト株式会社EMCセンター内 (72)考案者 半谷 和郎 東京都港区元赤坂1丁目3番8号 鹿島建 設株式会社東京支店内 (72)考案者 判治 敏市 東京都渋谷区神南2丁目2番1号 日本放 送協会放送センター内 (56)参考文献 特開 平1−257398(JP,A) 特公 昭56−35320(JP,B2)
Claims (4)
- 【請求項1】複数個の磁性体を、到来電波の電界成分方
向に関しては不連続に、到来電波の磁界成分方向に関し
ては連続して取り付けた電波吸収パネルを複数枚配設し
て構成されるVHF〜UHF帯の電波吸収壁において、前記電
波吸収パネルには、前記磁性体としてインピーダンスの
異なる2種の焼結フェライト板を用い、到来電波の磁界
成分方向に一方の焼結フェライト板を所定長連続して配
設し、集中ギャップ方式となるように、前記電波吸収パ
ネルの上下端に存在する間隔を除いて、50〜1000mmの長
さのギャップを1つ又は2つ以上設け、前記ギャップ部
に他方の焼結フェライト板を配置したことを特徴とする
電波吸収壁。 - 【請求項2】請求項1に記載の電波吸収壁において、前
記ギャップ部に配置された焼結フェライト板は、前記一
方の焼結フェライト板と厚さが異なることを特徴とする
電波吸収壁。 - 【請求項3】請求項1に記載の電波吸収壁において、前
記ギャップ部に配置された焼結フェライト板は、前記一
方の焼結フェライト板と透磁率が異なることを特徴とす
る電波吸収壁。 - 【請求項4】請求項1に記載の電波吸収壁において、前
記ギャップ部に配置された焼結フェライト板は、前記一
方の焼結フェライト板と厚さ及び透磁率が異なることを
特徴とする電波吸収壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990127270U JPH0638475Y2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 電波吸収壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990127270U JPH0638475Y2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 電波吸収壁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0485793U JPH0485793U (ja) | 1992-07-24 |
JPH0638475Y2 true JPH0638475Y2 (ja) | 1994-10-05 |
Family
ID=31874776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990127270U Expired - Fee Related JPH0638475Y2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 電波吸収壁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0638475Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5374706B2 (ja) * | 2010-07-30 | 2013-12-25 | 防衛省技術研究本部長 | 電波吸収体の実効厚み制御法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4349708A (en) * | 1979-08-22 | 1982-09-14 | Atari, Inc. | Joystick control |
JPH0650800B2 (ja) * | 1988-03-07 | 1994-06-29 | 株式会社フジタ | 電波吸収パネルの製造方法 |
-
1990
- 1990-11-29 JP JP1990127270U patent/JPH0638475Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0485793U (ja) | 1992-07-24 |
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