JPH0637976A - 原稿読取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】密着イメージセンサを用いた原稿読取り装置
で、少い搬送負荷で原稿を密着イメージセンサのコンタ
クトガラス上をピンボケが出来ないように搬送すること
を目的とする。 【構成】原稿を密着イメージセンサ８のコンタクトガラ
ス８ａに押圧する原稿押圧ローラ７の原稿通紙範囲の外
端部を焦点深度の範囲内で通紙範囲より突出させ、この
部分でコンタクトガラス面に圧接させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、密着イメージセンサに
より、これに接して搬送される原稿を読取る原稿読取り
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】原稿読取り装置の方式の一つに密着イメ
ージセンサを利用して原稿を読取るものがある。密着イ
メージセンサは、最大原稿幅一杯に延び１つの面をコン
タクトガラスとした概ね四角形断面のケーシング内に、
原稿照明用光源と、上記コンタクトガラス面に接して搬
送される原稿の上記光源でスリット照明された面より反
射される光線を受光するＣＣＤ等の光電変換素子とを内
蔵したものであり、密着イメージセンサのコンタクトガ
ラス面に接して一定の速度で原稿を搬送することによ
り、原稿は光源により光走査されその反射光が光電変換
素子により読取られる。

【０００３】原稿を密着イメージセンサのコンタクトガ
ラス面に密接させて一定の速度で搬送する手段として、
従来密着イメージセンサのコンタクトガラス面に原稿を
介して圧接回転する搬送ローラが採用されている。搬送
ローラは一般に原稿とスリップすることを防止するた
め、原稿との摩擦係数の高いゴムローラが使用され、又
原稿用紙を通して光源で照らされた場合画像を妨害しな
いように表面は一様な白色とされている。

【０００４】搬送ローラと原稿とがスリツプすることな
く原稿が搬送されるように、搬送ローラの押圧力を大き
くした場合は、原稿とコンタクトガラスとの間の摩擦力
も増大し、特に、原稿が介在せず搬送ローラとコンタク
トガラスとが直接々触して回転する場合は負荷が大きく
なる欠点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、密着イメー
ジセンサを利用した従来の原稿読取り装置の上記の問題
点にかんがみ、原稿が密着イメージセンサのコンタクト
ガラス上を搬送される時はもとより、原稿がコンタクト
ガラス上になくてローラが回転している場合も負荷が少
なく、しかも原稿が一定の搬送速度を維持して搬送され
る原稿読取り装置を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めこゝに２つの発明を提供する。

【０００７】第１の発明は、原稿搬送速度と同線速で回
転する原稿押圧ローラで原稿を密着イメージセンサのコ
ンタクトガラス面に押圧しながら原稿を搬送し、上記密
着イメージセンサで原稿を読取る原稿読取り装置におい
て、上記の原稿押圧ローラの最大原稿幅より外端部の半
径を最大原稿幅の範囲内の半径より、密着イメージセン
サの焦点深度の範囲内で大きくしたことを特徴とする。

【０００８】又、第２の発明は、原稿搬送速度と同線速
で回転する原稿押圧ローラで原稿を密着イメージセンサ
のコンタクトガラス面に押圧しながら原稿を搬送し、上
記密着イメージセンサで原稿を読取る原稿読取り装置に
おいて、上記密着イメージセンサのコンタクトガラス面
の最大原稿幅より外側を、最大原稿幅の範囲より、密着
イメージセンサの焦点深度の範囲内で高くしたことを特
徴とする。

【０００９】

【作用】上記の第１の発明の構成により、原稿読取り搬
送時原稿押圧ローラは最大原稿幅の外端部でイメージセ
ンサのコンタクトガラス面に圧接し、原稿幅の範囲では
ローラの半径が小さくなっているため、圧接力が弱くな
り又は圧接力がなくなり押圧ローラの回転及び原稿搬送
の負荷が軽減される。この場合、原稿は密着イメージセ
ンサの上流側及び又は下流側の搬送ローラ対によって搬
送されるので、上記搬送負荷の軽減と相まって、搬送速
度は正確に維持される。最大原稿幅の範囲の半径はその
両端部より、焦点深度の範囲内で小さくされているの
で、原稿面がイメージセンサのコンタクトガラス面から
遊離した場合にも、読取り用光電変換素子上の像がピン
ボケになるおそれはない。

【００１０】上記の原稿押圧ローラ両端の拡径部の材質
をゴム等の弾性体でなく硬質材料とすれば、ローラの位
置精度はさらに向上し、又その部分の表面のガラスに対
する摩擦係数を小さくすることにより、ローラの回転負
荷を軽減させることができる。又、最大原稿幅の範囲の
ローラの表面の原稿に対する摩擦係数を大きくすること
により、原稿搬送力を増すことができる。

【００１１】上記の第２の発明の構成によっても、原稿
押圧ローラは両端部でコンタクトガラス面に圧接し、原
稿幅の範囲では圧接力が小さくなるかなくなるので、上
記第１の発明と同様の作用効果が得られる。

【００１２】

【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。

【００１３】図１は、本発明が適用された原稿読取り装
置の実施例の概略全体構成を示す図である。原稿読取り
装置のベース１の一端部には原稿束又は記録紙束２がセ
ット可能なテーブル１ａが設けられている。テーブル１
ａの搬送方向端部には、テーブル１ａ上にセットされた
用紙を下から順次１枚ずつ給紙するピックアップローラ
３が設けられており、これにより給紙される用紙の経路
に沿って、給紙ローラ４と用紙経路を挟んでこれに接す
る分離ブレード５、プルアウトローラ対６、密着イメー
ジセンサ８とそのコンタクトガラス面にスプリングによ
り付勢されて圧接する原稿押圧ローラ７、原稿排紙トレ
イ１０に原稿を排出する排出ローラ対９への経路とプリ
ンタ本体２０へ用紙を送り込む搬送ローラ１２への経路
とを切換える切換ガイド１１が順次設けられている。

【００１４】この装置は、上記の如く構成されているの
で、原稿読取り装置としても、プリンタの記録用紙給紙
装置としても使用できる。

【００１５】この実施例では、密着イメーシセンサ８の
コンタクトガラス面に接して原稿を搬送する搬送力は、
その上流側にあるプルアウトローラ対６、その下流側に
ある搬出ローラ対９及び原稿搬送速度と同線速で回転駆
動される原稿押圧ローラ７によって与えられる。

【００１６】原稿押圧ローラ７は，図２に詳細に示す如
く、最大原稿幅以上の通紙幅範囲の両外端は通紙幅範囲
より、密着イメージセンサの焦点深度、例えば０．３ｍ
ｍ以下の段差を設けて拡径されている。

【００１７】したがって、プルアウトローラ対６により
送られてきた原稿は、図３に示すように、密着イメージ
センサ８のコンタクトガラス８ａの面と原稿押圧ローラ
７の段差によって出来たトンネル状部を通過し、ローラ
７はその両端の拡径部の外周面のみでコンタクトガラス
面に圧接して摺動回転する。

【００１８】ローラ７の通紙幅の凹入範囲では外層は白
色ゴム等の高摩擦係数の材料で作られているが、両端の
拡径部は硬質材料でその表面はガラスに対して低摩擦係
数になるように、例えば４ふっ化エチレン等のコーティ
ング処理が施されている。

【００１９】ローラ７の通紙範囲と両端部との間の段差
は、密着イメージセンサの焦点深度範囲内とされている
ので、原稿の厚さによってコンタクトガラス面と原稿面
との間の間隔が変化したとしても、焦点深度以下に収ま
るので、イメージセンサで読取られた画像がピンボケに
なることはない。

【００２０】又、ローラ７の両端部は硬質材料で作られ
ているのでローラ７の中心位置精度は正確に保持され
る。又その表面はガラスとの摩擦係数が低いので回転の
負荷は少なくなる。しかし、ローラ７の通紙範囲ではそ
の表面の摩擦係数は高くされているので、原稿搬送速度
と同線速で回転するローラにより原稿に搬送力を与える
ことができる。

【００２１】図４に示す他の実施例では、原稿押圧ロー
ラ７は全長に亘って同一の直径とされているが、密着イ
メージセンサのコンタクトガラス８ａの外面の通紙範囲
の外側が密着イメージセンサの焦点深度、例えば０．３
ｍｍ以下の段差で通紙範囲より突出している。

【００２２】これによりコンタクトガラス８ａの表面と
原稿押圧ローラ７との間には通紙幅の範囲に密着イメー
ジセンサの焦点深度の範囲の厚さのトンネルが形成され
るので、前述の実施例と同じ作用効果が得られる。

【００２３】なお、コンタクトガラス８ａの両端部に形
成される段差はコンタクトガラスの表面に段差分の厚さ
を有する別の硬質薄板部材を貼り付けて形成してもよ
い。

【００２４】

【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、少い搬送
負荷で原稿を密着イメージセンサ上をピンボケが生じな
いように搬送することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用された原稿読取り装置の実施例の
概略全体構成を示す断面図である。

【図２】その原稿押圧ローラの形状を示す斜視図であ
る。

【図３】その作用を説明する説明図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

２ 原稿束 ６ プロアウトローラ ７ 原稿押圧ローラ ８ 密着イメージセンサ ８ａ コンタクトガラス ９ 排出ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成見 智 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿搬送速度と同線速で回転する原稿押
   圧ローラで原稿を密着イメージセンサのコンタクトガラ
   ス面に押圧しながら原稿を搬送し、上記密着イメージセ
   ンサで原稿を読取る原稿読取り装置において、 上記の原稿押圧ローラの最大原稿幅より外端部の半径を
   最大原稿幅の範囲内の半径より、密着イメージセンサの
   焦点深度の範囲内で大きくしたことを特徴とする原稿読
   取り装置。
2. 【請求項２】 上記の原稿押圧ローラの両端の拡径部の
   材質が硬質材料であることを特徴とする請求項１に記載
   の原稿読取り装置。
3. 【請求項３】 上記の原稿押圧ローラの最大原稿幅の範
   囲を原稿に対して高摩擦係数の材質としたことを特徴と
   する請求項１に記載の原稿読取り装置。
4. 【請求項４】 上記の原稿押圧ローラの両端部の上記硬
   質材料の表面がガラスに対して低摩擦係数であることを
   特徴とする請求項２に記載の原稿読取り装置。
5. 【請求項５】 原稿搬送速度と同線速で回転する原稿押
   圧ローラで原稿を密着イメージセンサのコンタクトガラ
   ス面に押圧しながら原稿を搬送し、上記密着イメージセ
   ンサで原稿を読取る原稿読取り装置において、 上記密着イメージセンサのコンタクトガラス面の最大原
   稿幅より外側を、最大原稿幅の範囲より、密着イメージ
   センサの焦点深度の範囲内で高くしたことを特徴とする
   原稿読取り装置。
6. 【請求項６】 上記の密着イメージセンサの両端部の表
   面が上記の原稿押圧ローラの表面に対して低摩擦係数で
   あることを特徴とする請求項５に記載の原稿読取り装
   置。