JPH0637417B2 - 4,4′−ジヒドロキシジフエニルエ−テルの分離方法 - Google Patents

4,4′−ジヒドロキシジフエニルエ−テルの分離方法

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JPH0637417B2
JPH0637417B2 JP29519385A JP29519385A JPH0637417B2 JP H0637417 B2 JPH0637417 B2 JP H0637417B2 JP 29519385 A JP29519385 A JP 29519385A JP 29519385 A JP29519385 A JP 29519385A JP H0637417 B2 JPH0637417 B2 JP H0637417B2
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憲男 大野
健一 水野
三千男 坂本
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は合成ポリマーあるいは有機薬品の原料としての
用途が期待される4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルの分離方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル(以下DHP
Eと略記することがある)はポリマーあるいは有機薬品
の原料としての用途が期待されている。このDHPE
は、原料としてのヒドロキノン(1,4-ジヒドロキシベン
ゼンの別名、以下HQと略記することがある)を合成雲
母、活性白土、モンモリロナイト、イオン交換樹脂など
の固体酸触媒の存在下に縮合することによって製造でき
ることが知られている。この縮合反応に際しては、キシ
レン、トルエンなどの非水系溶媒が一般に用いられてい
る。なお参考までにDHPEの合成反応を式で示せば次
のとおりである。
上記のような方法によりDHPEを合成すると、反応後
に得られる反応混合物には、DHPE、HQ、固体酸触
媒および芳香族炭化水素などの非水系溶媒が含まれてい
る。この反応混合物から目的化合物であるDHPEを分
離するには、従来種々の方法が提案されており、たとえ
ば米国特許第4,306,094号明細書には次のようなDHP
Eの分離精製方法が開示されている。すなわち、反応混
合物を冷却した後濾過することによってイオン交換樹脂
触媒を除去する。除去されたイオン交換樹脂をジエチル
エーテルで洗浄し、得られた洗浄液を濾液に加え、この
濾液からジエチルエーテルを減圧蒸溜によって留去する
とHQ、DHPEおよび副生成物からなる固形物が得ら
れ、この固形物を温水で洗浄することによってHQを除
去し、得られたDHPEを溶媒から晶析することによっ
て精製DHPEを得ている。このDHPEの精製方法に
よれば、溶媒を減圧蒸溜法などによって留去しなければ
ならず分離精製に手間がかかり、また分離した結晶を温
水で洗浄する方法ではHQが完全には除去されず製品D
HPEの純度が高められないという大きな問題点があっ
た。
また特開昭49-55,635号公報には、HQ、DHPE、溶
媒および固体酸触媒からなる反応混合物を加圧加温状態
で濾過して触媒を除去した後、蒸溜操作によって未反応
のHQを除去し、さらに減圧加熱蒸溜によってDHPE
を蒸溜分離するDHPEの分離精製方法が開示されてい
る。しかしながらこのDHPEの分離精製方法では高温
での蒸溜操作が必要となり、DHPEは高温に加熱され
ると分解するためDHPEの損失が生ずるという問題点
があった。
本発明者らは、HQ、DHPE、溶媒および触媒からな
る反応混合物から、DHPEを蒸溜操作を用いることな
く分離精製するための方法について鋭意研究したとこ
ろ、HQとDHPEとの水に対する溶解度の差を利用す
ればよいことを見出して本発明を完成するに到った。
発明の目的 本発明は上記のような従来技術に伴なう問題点を解決し
ようとするものであり、HQ、DHPE、溶媒および触
媒からなる反応混合物から、高温での蒸溜操作などのD
HPEの分解をともなう操作を用いることなくDHPE
を分離するための方法を提供することを目的としてい
る。
発明の概要 本発明に係るDHPEの分離方法は、ヒドロキノンを脱
水二重化して4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル
を製造する方法において、反応を水非混和性溶媒を用い
て行った後、得られる未反応ヒドロキノンを含有する液
状反応混合物を水と接触させてヒドロキノンおよび4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを水相に抽出さ
せ、分離した水相から4,4′−ジヒドロキシジフェニル
エーテルを析出させることを特徴としている。
本発明では、水に対するDHPEとHQとの溶解度の差
を利用して反応混合物からDHPEを高温での蒸溜操作
を用いることなく分離しているため、DHPEの分解が
生ずる恐れがなく、かつ分離操作を著しく簡素化するこ
とができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るDHPEの分離方法についてフローチ
ャートを参照しながら具体的に説明する。
図は、DHPE、HQ、溶媒および触媒を含む反応混合
物からDHPEを分離するための一例を示したフローチ
ャート図である。
1,4-ジヒドロキシベンゼン(HQ)と、合成雲母、活性
白土、モンモリロナイトなどの固体酸触媒と、溶媒とし
てのメシチレン、キシレン、トルエン、クメンなどの水
非混和性溶媒とを混合し、この混合物を通常110〜2
00℃程度に加熱しながら攪拌すると、HQは縮合反応
によりDHPEとなり、DHPE、HQ、溶媒および触
媒を含む反応混合物が得られる。
本発明において、液状反応混合物と水とを接触させヒド
ロキノンおよび4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ルを水相に抽出するに際しては、触媒を予じめ分離除去
しておくことが望ましい。たとえば触媒として固体触媒
を用いた場合には、反応混合物から生成物である固体が
析出しないような条件下で、濾過、沈降分離、遠心分離
などの通常の固液分離手段によって触媒を分離すること
ができる。この場合には反応混合物の種類によっても異
なるが、130℃以上の温度で分離することが好まし
い。もちろん酸共存下で水抽出操作を行っても差支えな
い。
本発明では反応混合物に対する水の添加量の割合として
は、少なくともDHPEおよ未反応HQを溶解するに足
る水の量を添加することが必要であり、従って水の量は
注水分離操作時の温度および分離した水相からDHPE
を主として含む固体物を分離するときの温度と生成物の
組成割合によっても多少異なるが、反応混合物中の未反
応HQの100重量部当たり通常は水を50〜10,0
00重量部、好ましくは200〜2,000重量部の範
囲で加える。この水の添加量は先の触媒の除去前後の両
段階で分割して添加することができることは上述のとお
りである。
本発明は水の割合をこのように選ぶことによって、後述
する分離された水相からDHPEを析出させる場合にH
Qが随伴することなく、DHPEを選択的に析出させる
ことができる。
本発明ではこのようにして得られる水含有脱触媒混合物
は、その温度を適宜温度に保つことによって油相および
水相からなる2液相混合物として、水相にDHPEおよ
びHQを移行させた後に、油水分離して水相が分離され
る。2液相混合物に保持する温度としては、前記した水
の添加量従って注水の量的割合によっても多少異なるの
で一概には言えないが、本発明では該温度を通常55℃
以上、好ましくは70℃以上さらに好ましくは75〜9
0℃程度に保つことが望ましい。2液相混合物は攪拌な
どの通常方法によって、該混合物中のDHPEおよびH
Qを水相に充分に移行させてから水相と油相に分離させ
る。この際HQあるいはDHPEの結晶が析出して水
相、油相および固相の3相に分離しないようにする。
次に分離された水相を濃縮および/または冷却すること
によってDHPEの粗結晶が得られる。冷却する場合好
ましくは50℃以下の温度に冷却すると、DHPEはH
Qと比較して水に対する溶解度がかなり小さいため、D
HPEが選択的に析出してくる。このようにして析出し
てきた結晶を分離すると、HQを含まないDHPEの粗
結晶が得られる。
得られたDHPEの粗結晶は、常法によって精製するこ
とができるが、たとえば本発明者らによって見出された
アルキルベンゼンとアセトンとの混合溶媒などの晶析溶
媒を用いて晶析操作によって精製すると、高純度でしか
も高回収率でDHPEを回収できる。
本発明において、HQからDHPEを合成するに際し
て、触媒として固体酸触媒の代わりにプロトン酸などの
液体の酸触媒を用いることもできるが、この場合には、
反応終了後に反応混合物から固体酸触媒をたとえば濾過
して除去する代わりに、反応混合物にアルカリを必要に
応じて水溶液の形で加えて触媒を失活させればよく、そ
の後本発明に係るプロセスを行なってDHPEを分離す
ることができる。
発明の効果 本発明では、水に対するDHPEとHQとの溶解度差を
利用して反応混合物からDHPEを蒸溜操作を用いるこ
となく分離しているため、分離操作を著しく簡素化する
ことができる。またDHPEの分離操作時にDHPEに
過度の熱が加わることがないため、DHPEが熱分解し
てしまうことが防止できる。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 トピー工業社製合成雲母であるナトリウムテトラシリッ
クマイカの10wt%水性懸濁液1000gを10の水
に懸濁し、よく攪拌しながら5%−A(NO
溶液2000mを加え、さらに25分間攪拌を続けア
ルミニウム型にイオン交換した。アルミニウム型にイオ
ン交換された合成雲母を遠心分離により回収し、水でよ
く洗浄し、更に乾燥(40℃、50mmHg、10時間)し
た。
このようにして調製された固体酸触媒であるアルミニウ
ム交換型合成雲母(イオン交換率45%)80g、ヒド
ロキノン(HQ)400g、メシチレン2500mを
5の4つ口フラスコ中に仕込み、ディーンスターク水
補集トラップを取付け反応中に生成した水をメシチレン
との共沸により系外へ除去しながらメチシレン還流下2
時間加熱攪拌しヒドロキノンの二量化反応を行なった。
反応終了後、反応混合物を150℃で濾過し、固体酸触
媒と反応液を分離した。この分離した反応液2420g
中には未反応のHQ172g、目的とする4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル172g、HQの三量体お
よびその他の多量体が27gならびに反応溶媒としての
メシチレン(1,3,5-)トリメチルベンゼン)が含まれて
いた。
この分離した反応液中に水748gを仕込み、温度を9
0℃に保ちながら両層を激しく攪拌した後、油層と水層
とに分離した。
分離した水層は攪拌を行いながら50℃まで冷却し、5
0℃に保温されたバスケット型遠心分離機を使用してこ
の水層から析出した結晶を分離した。
分離した結晶を乾燥したところHQを全く含まないDH
PE89.0%、HQ三量体およびその他の多量体1
1.0%からなる粗4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテルを146g得た。
実施例2 実施例1と同様にして得た未反応のHQ170g、目的
とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル(DH
PE)172g、三量体およびその他の多量体25gを
含む反応液2450g中に水1133gを仕込み、温度
80℃に保ちながら両層を激しく攪拌した後油層と水層
とに分離した。
分離した水層は攪拌を行いながら40℃まで冷却し、4
0℃に保温されたバスケット型遠心分離機を使用して析
出した結晶を分離した。
分離した結晶を乾燥したところHQを全く含まないDH
PE88.6%、HQ三量体及びその他の多量体11.
4%、からなる粗4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルを144g得た。
実施例3 実施例1で得られた粗DHPEの乾燥結晶10gを、ア
セトン1重量部に対しトルエン9重量部の割合で混ぜ合
せた溶媒50gに還流温度で完全に溶解させた後、室温
まで冷却し、析出した結晶をバスケット型遠心分離機を
使用し乾燥したところ、純度99.5%のDHPE7.
7gが得られた。
【図面の簡単な説明】
図は本発明に係る4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルの分離方法のフローチャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキノンを脱水二量化して4,4′−ジ
    ヒドロキシジフェニルエーテルを製造する方法におい
    て、反応を水非混和性溶媒を用いて行った後、得られる
    未反応ヒドロキノンを含有する液状反応混合物を水と接
    触させてヒドロキノンおよび4,4′−ジヒドロキシジフ
    ェニルエーテルを水相に抽出させ、分離した水相から4,
    4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを析出させるこ
    とを特徴とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
    ルの分離方法。
  2. 【請求項2】液状反応混合物を水と接触させる際の温度
    を55℃以上、好ましくは70〜90℃とする特許請求
    の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】液状反応混合物を水と接触させる場合に、
    水の量として少なくとも液状反応混合物中にある未反応
    ヒドロキノンの全量を70℃以上の温度で溶解するに足
    る量の水を用いる特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】分離した水相から4,4′−ジヒドロキシジ
    フェニルエーテルを析出させるのを50℃以下の温度で
    行う特許請求の範囲第1項に記載の方法。
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