JPH0637382B2 - 口腔用製品 - Google Patents

口腔用製品

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JPH0637382B2
JPH0637382B2 JP62249680A JP24968087A JPH0637382B2 JP H0637382 B2 JPH0637382 B2 JP H0637382B2 JP 62249680 A JP62249680 A JP 62249680A JP 24968087 A JP24968087 A JP 24968087A JP H0637382 B2 JPH0637382 B2 JP H0637382B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、口腔用製品、特に虫歯の抑制に有効な歯科衛
生生成物に係わる。
口腔用製品、特にうがい薬及び練り歯磨に、例えばフッ
化ナトリウムあるいはモノフルオロ燐酸ナトリウムのよ
うな水溶性のフッ素含有塩を含有させること、並びにそ
のような生成物を規則的に使用することによって虫歯の
発生率を低下させ得ることは良く知られている。フツ化
物イオンあるいはモノフルオロ燐酸塩イオンが、歯物質
と相互作用して該物質の酸による侵食への耐性を増大
し、かつ虫歯になった琺瑯質の修復を助長すると考えら
れる。しかし、有効なこの相互作用が生起する機会は短
時間に失われる。なぜなら口腔内のフッ化物レベルはう
がい薬あるいは練り歯磨の作用後急速に低下するからで
ある。
これまでに、口腔内のフッ化物イオンを比較的長時間或
る一定の濃度に維持する手段を提供する試みが幾つかな
されてきた。その中には、フッ化物イオンの発生源を口
腔内に、例えば歯列矯正具の一部として配置する方策が
含まれている。
本出願人は、フッ化物イオン放出物質の粒子を口腔内に
沈着させる可能性を吟味し、後段に詳述するように、用
時析出するフッ化カルシウムの粒子を用いることによっ
て驚くべき成果が得られることを発見した。
カルシウムイオン及びフッ化物イオンを含有する組成物
で歯を処理して虫歯からの保護を実現することは既に知
られている。ヨーロッパ特許公開第89 136号(Procter &
Gamble)に上記のような組成物が述べられており、この
組成物はカルシウムイオン発生源と、フッ化物イオン発
生源と、フッ化カルシウムの析出を制御する特定の溶解
度及び結合特性を有するカルシウムイオン封鎖剤とを含
む。組成物中に存在するカルシウムイオン封鎖剤は常
に、フッ化カルシウムの制御されない急速な析出を防止
する十分な安定度を有する。
米国特許第4 080 440号(DiGuilo他)には、脱塩された歯
の琺瑯質を再び石化する、例えばうがい薬あるいは練り
歯磨の形態の二成分製品が開示されており、この製品は
カルシウムイオンを含有する第一の溶液と、燐酸塩イオ
ンを含有し、かつフッ化物イオンを任意に含有する第二
の溶液とから成り、第一及び第二の溶液は互いに混合さ
れると、約4以下のpHを有する準安定溶液をもたらす。
この準安定溶液は、生成後5分以内に歯の表面に適用さ
れる。脱塩された表面下イオンが拡散し、該表面下でpH
の上昇に起因して、燐酸カルシウム及びフッ化カルシウ
ムが析出する。
英国特許公開第1 452 125号(Procter & Gam-ble)も、カ
ルシウムイオンを含有する第一の溶液と燐酸塩イオン及
びフッ化物イオンを含有する第二の溶液とから成る口腔
処理用二成分製品を開示しており、この場合2溶液は歯
表面に遂次適用される。各イオンは拡散して表面下の琺
瑯質に至り、二番目に適用された溶液のイオンは先に適
用された溶液のイオンと接触して、歯の構造と結合した
析出物を形成する。
カルシウム化合物とフッ化物との両方を含有する様々な
組成物も文献に記載されており、その際フッ化カルシウ
ムの生成を抑制する手段が提示されている。上記文献の
例として、ヨーロッパ特許公開第40 738号(Richardson-
Vicks)、英国特許公開第777 556号(Colgate-Palmolive)
及び米国特許第4 098 435号(Weyn)がある。
英国特許第1 090 340号(Warner Lambert)は、カルシウ
ムイオン及びフッ化物イオンを含有する、部分に分かれ
ていない一成分口腔用組成物を開示している。このよう
な組成物中のフッ化カルシウムは、用時に析出すること
はない。
英国特許第1 408 922号(Blendax)及び米国特許第4 108
980号(Colgate)は、歯の琺瑯質を再び石化するカルシウ
ムイオン、燐酸塩イオン及びフッ化物イオン含有組成物
を開示している。この組成物は燐酸塩を高いレベルで含
有し、燐酸オクタカルシウム及び水酸化燐灰石のような
固体燐酸カルシウム相を優先的に析出することによつて
カルシウムイオンの液相組成物を減少させ、フッ化カル
シウムを析出させないようにする。そのうえ、結晶成長
抑制体である燐酸塩が多量に存在するため、フッ化カル
シウムの析出はいずれにせよ緩慢にしか生起しない。
本発明は、虫歯を抑制する口腔用調製物であって、口腔
内で混合されるか、あるいは口腔内への導入の直前に混
合される第一の組成物と第二の組成物とを含む複合調製
物から成り、第一の組成物はカルシウムイオンを含有す
る水性溶液から成り、第二の組成物はフッ化物イオンを
含有する水性溶液から成り、かつ第一及び第二の組成物
は互いに混合されるとフッ化カルシウムを急速に析出さ
せるようなものである調製物を提供する。
フッ化物を口腔内に好ましく存続させるため、カルシウ
ムイオンのフッ化物イオンに対する比率は化学量論的
(即ち1:2)であるべきである。
フッ化カルシウムの急速な析出は、カルシウムイオン及
びフッ化物イオンを高濃度で用いることによって実現す
る。即ち、式 IP=(Ca2+)(F-)2 〔式中、(Ca2+)はカルシウムイオン濃度、(F-)はフッ化
物イオン濃度〕 で示される、2組成物混合の際の初期イオン積(IP)
は、25℃で2.85×10-11mol3dm-9であるフッ化カルシウ
ムの溶解度積の少なくとも1000倍であるべきである。好
ましくは、上記イオン積は3×10-7mol3dm-9を上回るべ
きである。
カルシウムイオン及びフッ化物イオンを低濃度で用いる
ことは、フッ化カルシウムを急速に析出させるうえでは
好ましくない。上記イオンを低濃度で用いた場合準安定
溶液が生成され得、その結果析出はイオン混合後何分間
も緩慢に進行する。急速な析出はまた、燐酸水素イオン
(HPO4 2-)のような結晶成長抑制体によっても抑制され
る。
カルシウムイオンあるいはフッ化物イオンと反応して、
フッ化カルシウムより低い溶解度を有する生成物をもた
らす物質の存在は有利ではない。組成物同士の混合の前
に遊離のカルシウムイオンあるいはフッ化物イオンの量
を減少する物質の存在も有利でない。上記のような物質
の例としては、カルシウムイオンと反応して錯体を形成
するEDTAのような金属イオン封鎖剤、並びにフッ化
物と結合するアルミナ研磨剤粒子が挙げられる。
本発明の好ましい具体例において、調製物は二つの成分
から成る練り歯磨あるいはうがい薬の形態である。
本発明の好ましい一具体例では塩化カルシウムを用い
る。好ましくは、カルシウムイオン濃度を少なくとも3.
95mMとし、更に好ましくは少なくとも8mMとする。カル
シウムイオンレベルが0.3Mを上回ることによって更に有
利となることはなく、そのようなレベルは通常用いな
い。
本発明の好ましい一具体例ではフッ化ナトリウムを用い
る。好ましくは、フッ化物イオン濃度を少なくとも7.9m
Mとし、更に好ましくは少なくとも16mMとする。フッ化
物イオンは好ましくは、0.3Mより低い濃度で用いる。
一方あるいは両方の組成物は佐剤を含有し得る。上記佐
剤には、着色剤、香味料、湿潤剤、研磨剤、洗浄剤、好
ましくは非イオン性洗浄剤等、並びにカルシウムイオン
あるいはフッ化物イオンに適合し得る他の治療薬剤が含
まれ得る。
使用時、第一の組成物と第二の組成物とを口腔内で、あ
るいは口腔内への導入の直前に混合する。二つの組成物
を物理的に分離し、かつ両組成物を同時にか、あるいは
遂時送出する送出システムを用いることも可能である。
用時析出したフッ化カルシウムの、口腔内のフッ化物イ
オンレベルの維持における有効性を次の実験によって立
証する。
実験1 手順 各試験を、次のような手順で実施した。
(i) うがい薬2mlを、1分間口に含んだ後吐き出した。
このうがい薬は、個別に用いるかあるいは使用前に混合
する2種の溶液1mlずつから成る。
(ii) うがい薬使用後の数時間に、一定の時間間隔で
複数の唾液試料を採取した。
(iii) 唾液試料を、TISAB緩衝液10重量%を添加
してpH5に緩衝し、その後フッ化物イオンに特異的な電
極(Orion 94-09))を用いてフッ化物活性を測定した。
次の水溶液を用いた。
a) 0.0526M塩化ナトリウム b) 使用直前に混合した0.0526M塩化カルシウム及び
0.1053Mフッ化ナトリウム c) 使用1.5時間前に混合した0.0526M塩化カルシウム
及び0.1053Mフッ化ナトリウム d) 使用3カ月前に調製した濃縮ストックから稀釈し
た、c)のフッ化カルシウムと等濃度のフッ化カルシウ
ムの懸濁液(経時フッ化カルシウム) 結果 第1図は、用時析出したフッ化カルシウムを含有するう
がい薬を用いることによって得られる唾液中フッ化物レ
ベルが、経時析出物に関する対応値より著しく高いこと
を示す。析出後の経過時間が最も長いフッ化カルシウム
粒子(3カ月経過)を含有するうがい薬のもたらした唾
液中フッ化物値は、塩化ナトリウム溶液を用いた後に測
定した‘ベースライン’値を僅かに上回ったのみであっ
た。
実験2 用時析出したフッ化カルシウムを含有するうがい薬は、
フッ化物含量が同じであるフッ化ナトリウムうがい薬よ
り口腔内のフッ化物を高レベルに維持し得ることを立証
するために、次の実験を実施した。
手順 この実験は、次の水溶液を用いて、上述と同様の手順で
実施した。
i) 使用直前に混合した0.0526M塩化カルシウム及び0.1
052Mフッ化ナトリウム ii) 0.0526Mフッ化ナトリウム 結果 第2図は、用時析出したフッ化カルシウムを含有するう
がい薬を用いることによって得られる唾液中フッ化物レ
ベルが、フッ化ナトリウムに関する対応値より著しく高
いことを示す。
本発明を、以下の実施例によって更に説明する。パーセ
ンテージは総て重量%である。
実施例1 うがい薬 第一の組成物 % フッ化ナトリウム 0.11 ソルビトールシロップ(70%溶液) 15.0 エタノール 10.0 非イオン性洗浄剤 0.4 サッカリン 0.04 香味料 0.15 水 100%となるまで 第二の組成物 % 塩化カルシウム二水化物 0.195 ソルビトールシロップ(70%溶液) 15.0 エタノール 10.0 非イオン性洗浄剤 0.4 サッカリン 0.04 香味料 0.15 水 100%となるまで 各組成物約5mlを、使用直前に互いに混合する。
実施例2 練り歯磨 第一の組成物 % フッ化ナトリウム 0.44 研磨剤シリカ 14.0 増粘剤シリカ 8.0 ソルビトールシロップ(70%溶液) 50.0 ナトリウムカルボキシメチル セルロース 0.65 非イオン性洗浄剤 1.5 香味料 1.0 サッカリン 0.1 二酸化チタン 1.0 水 100%となるまで NaOHでpHを7.0〜7.5に調整。
第二の組成物 % 塩化カルシウム二水化物 0.78 研磨剤シリカ 14.0 増粘剤シリカ 8.0 ソルビトールシロップ(70%溶液) 50.0 SCMC 0.65 非イオン性洗浄剤 1.5 香味料 1.0 サッカリン 0.1 二酸化チタン 1.0 水 100%となるまで NaOHでpHを7.0〜7.5に調整。
使用時、上記2組成物を等しい比率で混合する。
練り歯磨とうがい薬とを組み合わせて用いることも、本
発明の範囲内である。この組み合わせは例えば、第一の
組成物、即ち組成 % フッ化ナトリウム 0.44 ソルビトールシロップ(70%溶液) 15.0 エタノール 10.0 非イオン性洗浄剤 0.4 サッカリン 0.04 香味料 0.15 水 100%となるまで のうがい薬1mlでうがいし、次いで直ちに実施例2の第
二の組成物で歯を磨くことによって達成され得る。
本発明の口腔用製品はまた、二組成のトローチ、キャン
ディー及びチューインガムのような他の口腔用調製物や
製剤に含有させることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はカルシウム含有うがい薬の効果を示すグラフ、
第2図はCaF2用時析出後の唾液中のFの平均値を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドルー・マルカム・マリ イギリス国、チエシヤー、サウス・ウイラ ル、パークゲイト、ムアリングス・クロウ ス・15 (72)発明者 テイマスイ・ジヨン・プライス イギリス国、チエスター・シー・エイチ・ 2・2・エイ・ジー、ガース・ドライブ・ 48 (56)参考文献 特開 昭58−219107(JP,A) 特開 昭58−26814(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】虫歯を抑制する口腔用調製物であって、口
    腔内で混合されるか、あるいは口腔内への導入の直前に
    混合される第一の組成物と第二の組成物とを含む複合調
    製物から成り、第一の組成物はカルシウムイオン源を含
    有し、第二の組成物はフッ化物イオン源を含有し、第一
    及び第二の組成物は互いに混合されるとフッ化カルシウ
    ムを急速に析出させるようなものであり、カルシウムイ
    オン封鎖剤を含まず、混合後の初期イオン積が25℃で
    2.85×10-8 mol3 dm-9より高いことを特徴とする口腔用
    調製物。
JP62249680A 1986-10-02 1987-10-02 口腔用製品 Expired - Lifetime JPH0637382B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB8623643 1986-10-02
GB868623643A GB8623643D0 (en) 1986-10-02 1986-10-02 Oral products

Publications (2)

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JPS63101312A JPS63101312A (ja) 1988-05-06
JPH0637382B2 true JPH0637382B2 (ja) 1994-05-18

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ID=10605135

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EP (1) EP0263638B1 (ja)
JP (1) JPH0637382B2 (ja)
AT (1) ATE71282T1 (ja)
AU (1) AU597428B2 (ja)
CA (1) CA1322961C (ja)
DE (1) DE3775876D1 (ja)
ES (1) ES2038670T3 (ja)
GB (1) GB8623643D0 (ja)
IN (1) IN166119B (ja)
PH (1) PH25089A (ja)
ZA (1) ZA877366B (ja)

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