JPH0637215Y2 - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JPH0637215Y2
JPH0637215Y2 JP1988123805U JP12380588U JPH0637215Y2 JP H0637215 Y2 JPH0637215 Y2 JP H0637215Y2 JP 1988123805 U JP1988123805 U JP 1988123805U JP 12380588 U JP12380588 U JP 12380588U JP H0637215 Y2 JPH0637215 Y2 JP H0637215Y2
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oil
cylinder
chamber
oil lock
side tube
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、所謂ダンパ内装型のフロントフォークに関
する。
〔従来の技術〕
従来、フロントフォークにおいては、その最圧縮時にお
ける衝撃を緩和するための手段に所謂油孔桿と称される
オイルロックピースを採用する。
例えば、第3図に示すような構造のフロントフォークに
あっては、車輪側チューブ1の軸芯部に起立するシリン
ダ3の下端外周にはオイルロックピース6を有してなる
一方で、上記車輪側チューブ1内に出没自在に挿通され
る車体側チューブ2の下端内周にはロックリング部2aを
有してなるとする。
そして、上記オイルロックピース6の下端外周には、該
オイルロックピース6の外周側から該オイルロックピー
ス6の内周側へ向けての作動油の流通を阻止するチャッ
ク弁7が介装されている。
尚、上記シリンダ3の下端外周と上記オイルロックピー
ス6の下端内周との間には、流路Lが形成されてなると
共に、該流路Lと上記シリンダ3内とは該シリンダ3に
穿設されたポート3aを介して連通され、上記流路Lと上
記オイルロックピース6の下端外周とは、該オイルロッ
クピース6に穿設されたポート6aを介して連通されてい
る。
そして、上記チェック弁7は上記ポート6aを所謂外周側
から閉塞している。
それ故、上記従来のフロントフォークにおいては、車体
側チューブ2が大きいストロークで車輪側チューブ1内
に没入されると、図中に想像線図で示すように、上記車
体側チューブ2におけるロックリング部2aの内周が上記
オイルロックピース6の外周に隣接する状態になる。
そしてこのとき、上記したようにチェック弁7がポート
6aを塞いだ状態にあるので、ロックリング2aの下方にあ
る作動油は、オイルロックピース6の内周側、即ち、シ
リンダ3内には流入し得ない。
そのために、上記ロックリング部2aの下方である上記オ
イルロックピース6の外周にオイルロック室Rが形成さ
れて、該オイルロック室Rにおけるオイルロック力で該
フロントフォークの以後の圧縮作動が制限される。
即ち、上記ロックリング部2aの内周が上記オイルロック
ピース6の外周に隣接することになる直前には、両者の
間に狭い環状隙間が形成されてオイルロック室R内に作
動油が該環状隙間を通してリザーバ室Cに押し出され、
該環状隙間を作動油が流通する際の流動抵抗で該フロン
トフォークの最圧縮時における衝撃を緩和されることに
なる。
そして、ロックリング部2aの下端内周がオイルロックピ
ース6の外周に摺接することになると該ロックリング部
2aでオイルロック室Rが密閉され、該オイルロック室R
内に作動油が閉じ込められてフロントフォークのそれ以
上の圧縮作動が阻止される。
また、上記従来のフロントフォークにおいては、これが
最圧縮状態から反転して伸長行程に移行する際にオイル
ロック室Rの容積が拡大してその内部が負圧傾向とな
り、これにより、チェック弁7が開放されることになっ
てシリンダ3内からの作動油が前記圧側のオイルロック
室Rに流入し、それ故に、フロントフォークの伸長動作
が円滑に開始されることになる。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記した従来提案に係るオイルロックピ
ースとチェック弁とを併用する組合せ構造を所謂ダンパ
内装型のフロントフォークに採用することは不可能であ
る。
即ち、上記した従来提案では、最圧縮状態から反転して
伸側行程に移行する際のチェック弁7の開放時には、シ
リンダ3内の作動油がオイルロックピース6のポート6a
を介してオイルロック室R内に流入する。
それ故、図示しないが、シリンダ内にピストンを有して
いて該シリンダで作動油の流通があると所定の減衰力が
発生されるように形成されている、所謂ダンパ内装型の
フロントフォークにおいては、上記した従来提案、即
ち、シリンダ3内からの作動油がオイルロック室R内に
流入することを不可決とする構造の採用は不可能であ
る。
従って、所謂ダンパ内装型のフロントフォークにおいて
は、オイルロックピースとチェック弁とを併用する組合
せ構造が採用できないことになり、この場合には、最圧
縮状態から反転して伸側行程に移行する際にオイルロッ
ク室内に大きい負圧を生じることになって、それ故、上
記オイルロック室内における発音の不都合が招来され
る。
この考案は、前記した事情に鑑みて創案されたものであ
って、その目的とするところは、所謂ダンパ内装型のフ
ロントフォークであって、オイルロックピースとチェッ
ク弁とを併用する組合せ構造を採用できるようにしたフ
ロントフォークを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、この考案に係るフロント
フォークの構成を、車輪側チューブの軸芯部にピストン
を内装したダンパシリンダを起立して該シリンダの外部
に車輪側チューブとで囲まれたリザーバ室を形成すると
共に、シリンダの下部外周にオイルロックピースを配設
して上記リザーバ室の下部をオイルロック室としたフロ
ントフォークにおいて、これらリザーバ室とオイルロッ
ク室をオイルロックピースの内周とシリンダの下部外周
との間に形成した流路で互いに連通し、かつ、この流路
とオイルロック室との間に、オイルロックの解除時にの
み開いてリザーバ室内の作動油を上記流路からオイルロ
ック室に流入させるチェック弁を介装したことを特徴と
するとしたものである。
〔作用〕
車体側チューブが車輪側チューブ内に没入するとき、シ
リンダ内におけるピストン側油室内の作動油がピストン
部を介してロッド側油室内に流入すると共に、上記ピス
トン側油室内において余剰となるピストンロッドの侵入
体積分に相当する量の作動油がシリンダ内におけるベー
スバルブ部を介してリザーバ室内に流入することにな
り、それ故、該フロントフォークが圧縮される。
このとき、シリンダ内ベースバルブ部で所定の圧側減衰
力が発生される。
ところで、上記フロントフォークが最圧縮状態近くにな
るときには、車体側チューブの下端内周が下方のオイル
ロックピースの上端外周に近隣することになり、それ
故、該オイルロックピースの上端縁近傍には、環状の隙
間が形成される。
従って、上記オイルロックピースの下端外周にある作動
油は、その行場がなくなることから上記環状の隙間を介
して上方たるリザーバ室内に戻ることになり、このとき
の流動抵抗が該フロントフォークの最圧縮時のショック
を緩衝するクッション効果となる。
そして、上記フロントフォークが最圧縮状態になって、
車体側チューブの下端内周が下方のオイルロックピース
の上端外周に摺接することになると、該オイルロックピ
ースの下端外周に作動油が閉じ込められ、オイルロック
室が形成されることになって、該フロントフォークのそ
れ以上の圧縮が阻止される。
上記のオイルロック状態から、車体側チューブが車輪側
チューブ内から抜け出る伸側行程に反転すると、オイル
ロックピースの内側たるシリンダとの間に形成される流
路を介して、リザーバ室側からの作動油がチェック弁を
介してオイルロック室内に流入する。
それ故、車体側チューブが車輪側チューブ内から抜け出
る伸側行程時において、シリンダ内の作動油をオイルロ
ック室内に流入させる必要を生じない。
上記に引き続いて、車体側チューブが車輪側チューブ内
から抜け出る伸側行程になると、シリンダ内におけるロ
ッド側油室内の作動油がピストン部を介してピストン側
油室内に流入すると共に、上記ピストン側油室内におい
て不足するピストンロッドの退出体積分に相当する量の
作動油がシリンダ内におけるベースバルブ部を介してリ
ザーバ室内から補充され、該フロントフォークが伸長さ
れる。
そして、ロッド側油室内の作動油がピストン部を介して
ピストン側油室内に流入する際に所定の伸側減衰力が発
生される。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基いて、この考案を詳細に説明
する。
第1図に示すように、この考案に係るフロントフォーク
は、車輪側チューブ1と、該車輪側チューブ1内に出没
自在に挿通される車体側チューブ2と、上記車輪側チュ
ーブ1の軸芯部に起立するシリンダ3と、該シリンダ3
内に摺動自在に収装されるピストン4と、上記車体側チ
ューブ2の軸芯部に垂設されてその下端に上記ピストン
4を連設するピストンロッド5と、上記シリンダ3の下
端外周に配設されるオイルロックピース6と、を有して
なる。
そして、上記シリンダ3の下部外周と上記オイルロック
ピース6の内周との間に該シリンダ3の外部の油室であ
るリザーバ室Cと連通する作動油の流路Lを形成すると
共に、上記オイルロックピース6の下端外周と上記車輪
側チューブ1の下端内周との間のリザーバ室Cの部分を
オイルロック室Rとして形成してなり(第2図参照)、
該オイルロック室Rと上記流路Lとの間にチェック弁7
を配設してなると共に、上記流路L中の作動油が上記チ
ェック弁7を介して上記オイルロック室R内に流入し得
るように形成されてなる。
車輪側チューブ1は、その下端を車軸取付部1aとする一
方で、図示しないが、その上端を車体側チューブ2の出
没端としている。
車体側チューブ2は、上記出没端から上記車輪側チュー
ブ1内に出没自在に挿通されてなるもので、図示しない
が、該車体側チューブ2の上端側はブラケットに保持さ
れる。
また、上記車体側チューブ2は、その下端外周にベアリ
ング21を有すると共にその下端内周にロックリング22を
有してなり、かつ、該ロックリング22の上端に緩衝ばね
23を係止させてなる。
上記ベアリング21は、その外周面を前記車輪側チューブ
1の内周面に摺接させるように形成されている。
また、上記ロックリング22は、該車体側チューブ2が前
記車輪側チューブ1内に大きいストロークで没入すると
きに、その内周面に後述するオイルロックピース6の外
周面が所謂摺接することを許容するように形成されてい
る。
そして、上記緩衝ばね23は、該フロントフォークが伸切
状態になるとき、即ち、車体側チューブ2が上記車輪側
チューブ1内から大きいストロークで抜け出るようにな
るとき、後述するシリンダ3との間で該車体側チューブ
2のそれ以上の伸長ストロークを阻止することになるよ
うに形成されている。
シリンダ3は、上記車輪側チューブ1のボトム部1bから
起立するように配設されているものであって、この考案
にあっては、上記ボトム部1bを貫通する締付ナット11に
螺着されたベースバルブ部8に連設されて上記車輪側チ
ューブ1の軸芯部に配設されている。
また、上記シリンダ3は、図示しないが、その上端が適
宜の軸封部材で閉塞されるように形成され、その内部に
後述するピストン4を有してなる所謂ダンパシリンダと
されているものである。
ところで、上記シリンダ3の外周にはリザーバ室Cが形
成されるとしているが、該リザーバ室Cは、上記シリン
ダ3の外周であって、前記車輪側チューブ1及び車体側
チューブ2によっても区画形成されていること勿論であ
り、図示しないが、上記車体側チューブ2内において、
上記リザーバ室Cと油面を境にするガス室(空気室)が
形成されている。
また、上記シリンダ3の上端外周には、図示しないが、
例えば、ヘッド部等が形成されていて、前記車体側チュ
ーブ2の下端内部に収装されている緩衝ばね23の上端の
当接を許容することにしている。
そして、上記シリンダ3の下端近傍には、上段にポート
3b、下段にポート3cがそれぞれ穿設されており、上段の
ポート3bが後述するベースバルブ部8における伸側のポ
ートとされ、下段のポート3cが上記ベースバルブ部8に
おける圧側のポートとされいる。
ピストン4は、上記シリンダ3内に摺動自在に収装され
ており、該シリンダ3内にロッド側油室Aとピストン側
油室Bとを区画形成している。
そして、上記ピストン4は、図示しないが、伸側の減衰
バルブを有すると共に圧側のチェックを有しており、上
記両側油室A,Bの相互の連通を可としている。
ピストンロッド5は、前記シリンダ3の上端を閉塞する
図示しない軸封部材の軸芯部を貫通して、その下端側を
上記シリンダ3内に挿通してなるもので、その上端側は
前記車体側チューブ2の軸芯部に配在されてなり、か
つ、その上端が上記車体側チューブ2の上端内部に連設
されている。
そして、上記ピストンロッド5は、その下端に前記ピス
トン4を固定的に連設している。
それ故、上記ピストン4は、前記車体側チューブ2の上
下動に同期して、前記シリンダ3内を摺動する。
オイルロックピース6は、前記車輪側チューブ1のボト
ム部1bと前記べースバルブ部8との間に挟持されるよう
に配設されているもので、後述する流路Lに連通するポ
ート6aと、油孔桿部6bと、後述するチェック弁配設部6c
と、を有するように形成されている。
ところで、上記オイルロックピース6は、前記シリンダ
3の下端外周に配設されるとき、その油孔桿部6bが、上
記シリンダ3との間に適宜の隙間を有して上方に延在さ
れるように配慮されている。
即ち、上記オイルロックピース6における油孔桿部6bの
内周側には、作動油の流通を許容する前記流路Lが形成
されるとし、しかも、該流路Lは、図中上方となる側が
前記リザーバ室Cに連通するように形成されている。
そして、上記流路Lは、上記ポート6aに連通している
が、前記シリンダ3の下端近傍に穿設されているポート
3b,3cにも連通していること勿論である。
一方、上記ポート6aは、上記オイルロックピース6の基
端部6dに穿設されているもので、それ故、該基端部6dに
穿設されている上記チェック弁配設部6cにも連通してい
る。
そして、上記チェック弁配設部6cは、該チェック弁配設
部6cを図中上方から覆うように上記基端部6dの外周側に
穿設されているポート6eを介して、前記油孔桿部6bの外
周側、即ち、該オイルロックピース6の外周側に連通す
るとしている。
チェック弁7は、第2図に示すように、バルブケース71
と、バルブシート72と、環状リーフバルブ73と、ノンリ
タンスプリング74と、を有してなる。
バルブケース71は、前記オイルロックピース6における
チェック弁配設部6cに配設されているもので、バルブシ
ート72を前記オイルロックビース6における基端部6dと
の間に保持するとしている。
環状リーフバルブ73は、上記バルブシート72に穿設され
ているポート72aを下流側、即ち、前記オイルロックピ
ース6の基端部6dに穿設されているポート6e側となる図
中上方から閉塞するように配設されている。
そして、ノンリタンスプリング74が、同じく図中上方か
ら上記環状リーフバルブ73を下方に向けて附勢してい
る。
ベースバルブ部8は、前記シリンダ3の下端内部に配設
されているものであって、第2図に示すように、セット
ピン81と、圧側減衰バルブ82と、伸側チェック弁83と、
隔壁部材84と、を有してなる。
セットピン81は、前記車体側チューブ1のボトム部1bを
貫通する締付ナット11の先端部に螺着されて上記シリン
ダ3の軸芯部で起立し、その軸芯内部に中空部81aを有
してなる。
上記中空部81aは、上記シリンダ3内に区画形成されて
いるピストン側油室Bに連通すると共に、該セットピン
81に穿設されたポート81bを介して後述する圧側減衰バ
ルブ82の上流側に連通している。
一方、圧側減衰バルブ82は、上記セットピン81の外周に
介装されていて、上記ピストン側油室B内に連通する上
記中空部81a及びポート81bからなる圧側流路を遮断する
ように配設されている。
そして、該圧側減衰バルブ82の下流は、上記シリンダ3
の下端近傍に穿設された圧側ポート3c及び流路Lを介し
て、前記リザーバ室C内に通じている。
伸側チェック弁83は、上記セットピン81の上方側に介装
されていて、その上流側が上記シリンダ3の下端近傍に
穿設された伸側ポート3bを介して上記リザーバ室C内に
通じるに対して、その下流側が上記セットピン81の外周
を介して上記ピストン側油室B内に通じるように配設さ
れている。
隔壁部材84は、上記セットピン81に介装されているもの
であるが、上記圧側減衰バルブ82と伸側チェック弁83と
を構造上隔離して、それぞれが独立に作動し得るように
している。
ところで、図示する実施例に係るフロントフォークにあ
っては、圧側減衰力の調整バルブ9を有してなる。
即ち、該調整バルブ9は、第2図に示すように、ディテ
ント機構91の配在下に前記車体側チューブ1のボトム部
1bに螺装されたポペット92を有してなる。
そして、該ポペット92における尖端部92aが前記締付ボ
ルト11の中空部11aと連通するポート11bに連通するよう
に上記ボトム部1bに穿設されたポート1cに対向している
もので、上記尖端部92aが上記ポート1cに対して進退す
ることで、該尖端部92aにおける作動油の流量を所謂オ
リフィス調整するとしている。
上記オリフィス調整された作動油は、前記オイルロック
ピース6の基端部6dに穿設されているポート6aを介して
前記流路L内に流入し、従って、前記流路Lに連通する
リザーバ室C内に流入する。
それ故、該調整バルブ9を介しての作動油の流量が増減
調整されることで、前記ベースバルブ部8における圧側
減衰バルブ82を通過する作動油の流量が変更されること
になり、該圧側減衰バルブ82で発生される圧側の減衰力
が高低調整されることになる。
尚、上記した圧側減衰力の調整バルブ9は、これの配設
が省略されても、この考案の特徴とするところを変更し
ないこと勿論である。
以上のように形成された、この考案に係るフロントフォ
ークは、以下のようにして、伸縮作動される。
即ち、車体側チューブ2が車輪側チューブ1内に没入さ
れる圧縮行程時には、ピストン部4がシリンダ3内を下
降する。
それ故、ピストン側油室B内の作動油の一部がピストン
部4を介してロッド側油室A内に流入すると共に、上記
ピストン側油室B内において余剰となるピストンロッド
5の侵入体積分に相当する量の作動油がシリンダ3の下
端内部に配設されたベースバルブ部8を介してリザーバ
室C内に流入する。
このとき、ベースバルブ部8においては、ピストン側油
室B内からの作動油が一旦セットピン81の中空部81a内
に流入すると共に、ポート81bを介して圧側減衰バルブ8
2に至ることになり、従って、該圧側減衰バルブ82を作
動油が通過することで、所定の圧側減衰力が発生される
ことになる。
そして、上記圧側減衰バルブ82を通過した作動油は、シ
リンダ3の下端近傍に穿設されたポート3c及び上記シリ
ンダ3とその下端外周に配設されたオイルロックピース
6との間に形成される流路Lを介して、リザーバ室C内
に流入する。
上記フロントフォークが最圧縮状態近くになると、車体
側チューブ2の下端内周に配設されているロックリング
22が下方のオイルロックピース6の上端外周に近隣する
ことになり、それ故、該オイルロックピース6の上端縁
近傍には環状の隙間が形成される。
従って、上記オイルロックピース6の下端外周にある作
動油は、その行場がなくなることから上記環状の隙間を
介して上方たるリザーバ室C内に戻ることになり、この
ときの流動抵抗が該フロントフォークの最圧縮時のショ
ックを緩衝するクッション効果となる。
そして、上記フロントフォークがさらに圧縮動作して、
車体側チューブ2の下端内周に配設されているロックリ
ング22が下方のオイルロックピース6の上端外周に摺接
すると、該オイルロックピース6の下端外周に作動油が
閉じ込められ、オイルロック室Rが形成されることにな
って、該フロントフォークのそれ以上の圧縮が阻止され
る。
上記のオイルロック状態から、車体側チューブ2が車輪
側チューブ1内から抜け出る伸側行程に反転すると、上
記オイルロック室Rが負圧傾向になる。
それ故、オイルロックピース6とシリンダ3との間に形
成される流路Lを介して、リザーバ室C側からの作動油
がチェック弁7を開放してオイルロック室R内に流入
し、上記伸側行程が円滑に開始されることになる。
従って、この考案にあっては、フロントフォークが最圧
縮状態にあるときから伸側行程に反転する際に、オイル
ロック室R内に作動油を流入させることになるが、該作
動油はリザーバ室Cから供給されて、シリンダ3内から
供給される必要を生じないことになる。
それ故、シリンダ3内にピストン部4等の所謂ダンパ部
が収装されているダンパ内装型のフロントフォークにあ
っても、この考案に係るところの実施が可能になる。
上記の反転開始に引き続いて、車体側チューブ2が車輪
側チューブ1内から抜け出る伸側行程になると、ピスト
ン部4がシリンダ3内を上昇することになり、ロッド側
油室A内の作動油がピストン部4を介してピストン側油
室B内に流入すると共に、上記ピストン側油室B内にお
いて不足するピストンロッド5の退出体積分に相当する
量の作動油がシリンダ3内におけるベースバルブ部8を
介してリザーバ室C内から補充される。
そして、上記ピストン部4を作動油が通過する際に所定
の大きさの伸側減衰力が発生され、上記ベースバルブ部
8においては伸側のチェック弁83が開放されてリザーバ
室C内からの作動油がピストン側油室B内に吸入され
る。
尚、車体側チューブ2が車輪側チューブ1内で上昇し
て、上記車体側チューブ2下端内周に配設されているロ
ックリング22が下方のオイルロックピース6の上端外周
から離脱する傾向になると、該オイルロックピース6の
下端外周に作動油を閉じ込めていたオイルロック室Rが
開放されて上方のリザーバ室Cと連通されることにな
り、このとき、前記チェック弁7が閉鎖されること勿論
である。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案によれば、緩衝シリンダの下部
外周に配設したオイルロックピースと該シリンダの下部
外周との間に作動油の流路を形成し、この流路によって
シリンダの外部にあるリザーバ室と車体側チューブのロ
ックリングが上記オイルロックピースに近接および嵌入
したときに該リザーバ室の下部にできるオイルロック室
とを互いに連通し、かつ、上記流路とオイルロック室と
の間に該オイルロック室側に向って開くチェック弁を介
装して、上記ロックリングがオイルロックピースから抜
け出すオイルロック解除時にのみ該チェック弁を開いて
リザーバ室内の作動油を上記流路からオイルロック室に
補給可能としたので、フロントフォークが最圧縮状態か
ら伸側行程に反転を開始する際に、上記オイルロック室
内に流入される作動油をシリンダ内から流入させるよう
にする必要がなく、従って、上記シリンダ内に所謂ダン
パ部を収装するダンパ内装型のフロントフォークにあっ
ても、その最圧縮状態から伸側行程への反転開始がオイ
ルロック室における発音の危険もなく、円滑に可能にな
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例に係るフロントフォークを
一部破断して示す縦断面図、第2図はその一部拡大縦断
面図、第3図は従来例のフロントフォークを一部破断し
て示す縦断面図である。 〔符号の説明〕 1…車輪側チューブ、2…車体側チューブ 3…シリンダ、4…ピストン 5…ピストンロッド、6…ロックピース 7…チェック弁、L…流路 R…オイルロック室

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪側チューブの軸芯部にピストンを内装
    したダンパシリンダを起立して該シリンダの外部に車輪
    側チューブとで囲まれたリザーバ室を形成すると共に、
    シリンダの下部外周にオイルロックピースを配設して上
    記リザーバ室の下部をオイルロック室としたフロントフ
    ォークにおいて、これらリザーバ室とオイルロック室を
    オイルロックピースの内周とシリンダの下部外周との間
    に形成した流路で互いに連通し、かつ、この流路とオイ
    ルロック室との間に、オイルロックの解除時にのみ開い
    てリザーバ室内の作動油を上記流路からオイルロック室
    に流入させるチェック弁を介装したことを特徴とするフ
    ロントフォーク。
JP1988123805U 1988-09-21 1988-09-21 フロントフォーク Expired - Lifetime JPH0637215Y2 (ja)

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