JPH0635777U

JPH0635777U - 合フランジ

Info

Publication number: JPH0635777U
Application number: JP7749792U
Authority: JP
Inventors: 志丈滝澤
Original assignee: 株式会社宝幸製作所
Priority date: 1992-10-13
Filing date: 1992-10-13
Publication date: 1994-05-13

Abstract

(57)【要約】【構成】円形パイプ同士を接合する対向フランジ合口
５，６に接合ボルト孔７，８を所定間隔に配設するとと
もに円心を通る垂直二分線Ｘ−Ｘに対して鋭角範囲のず
らし二分線Ｚ−Ｚ上の辺縁部に対でテ−パ−状を形成す
るテ−パ−ピン孔１，２を、又前記ずらし二分線Ｚ−Ｚ
上の対向側でそのずらし二分線Ｚ−Ｚを外れ且つ前記テ
−パ−ピン孔１，２の円周を外れた位置に対でテ−パ−
状を形成するテ−パ−ピン孔３，４を、おのおの少なく
とも一組設け、前記テ−パ−ピン孔１と２及び３と４の
合致する位置においてパイプ連結部内壁面を研磨又は機
械加工等で無段差に形成しておく。【効果】テ−パ−ピンによって正確な位置に決定し、
固定されたパイプ内壁のフランジ連結部を研磨又は機械
加工等によって連結部内壁面の段差をなくすことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パイプを無段差に接合させる合フランジに関する。

【０００２】

【従来の技術】

パイプを接合させる合フランジは、用途に応じて各種態様のものがこれまでに提供されている。通常は、接合孔におけるボルト締めによって接合がなされているが、ズレを避けたり、方向性を持たせたりするために、フランジ合口に、突起、凹凸、切込み等を設けて位置決めする手段が提案されている。しかしこれらの技術を用いても精度誤差や摩滅などによりフランジ接合部の完全な位置決めは不可能であり、内壁面のズレを避けることはできなかった。そしてこのズレが発生するため、たとえ管内壁を局部的に研磨等の処理をして段差を解消しても一度分離すると、またズレが発生して、段差解消の意味をなさなくなってしまった。具体的事例としては、固定のためのボルト孔の位置は均一な締め付けを得るために通常等間隔に配設したり均一対称位置に設けてあるので、天地を逆にするなど本来の結合取付位置を誤認してボルト結合をしてしまうことも間々あった。又、突起を設け、それらと対応する差込み孔に挿入することで位置決めを正確にしようとする手段においても相互の逆転結合が可能なので、前述のボルトの場合と同様の誤認が起こる。さらに又、フランジ面に対応する凹凸をつけた場合、少なくとも位置誤認は避ることができても、精度誤差によるずれ（精度にもよるが、通常２ｍｍ程度の発生は避けられない）を避けることは困難であった。

【０００３】上述の管内壁面段差が存在すると、例えば製紙工業の製造過程において、まず、赤い紙を製造し、次に白い紙を製造する場合、製紙原料のパルプをパイプ移送中、赤に着色したパルプの繊維が段差部に付着し、つぎに白いパルプをパイプ移送中、前記段差部に付着していた赤いパルプの繊維が剥離して白いバルプに混入し、できた白い紙に点々と赤いしみのように班点が入り、商品価値を失う問題がある。また食品加工の工程において、原料をパイプ移送中に異質な原料を同一ラインで用いる時、上述と同様の多種の原料が混入し商品価値を失う問題が起こっていた。その解決手段として管内壁面段差の殆どないパイプ接合の技術が求められていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる従来の実情に鑑みてなされたもので、パイプ接続部における位置ずれが起こらず、内壁面段差を極力なくす合フランジの技術を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するために、円形パイプ同士を接合する対向フランジ合口５，６に接合ボルト孔７，８を所定間隔に配設するとともに円心を通る垂直二分線Ｘ−Ｘに対して鋭角範囲のずらし二分線Ｚ−Ｚ上の辺縁部に対でテ−パ− 状を形成するテ−パ−ピン孔１，２を少なくとも一組設ける。又前記ずらし二分線Ｚ−Ｚ上の対向側でそのずらし二分線Ｚ−Ｚを外れ且つ前記テ−パ−ピン孔１，２の円周を外れた位置に対でテ−パ−状を形成するテ−パ −ピン孔３，４を少なくとも一組設ける。そして前記テ−パ−ピン孔１と２及び３と４の合致する位置においてパイプ連結部内壁面を無段差に形成しておくものである。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図面に沿って説明すると、ステンレス製の円形パイプ同士を接合するもので、合口が平滑なステンレス製の同心円の一方のフランジ合口５を同一径の円形パイプ９に、他方のフランジ合口６を同一径の円形パイプ１０にそれぞれ熔接にて固着する。対向フランジ合口５，６には接合ボルト孔７，８を所定間隔に配設する。そして対向フランジの円心を通る垂直二分線Ｘ−Ｘに対してずらし角θを５度となるずらし二分線Ｚ−Ｚ上の辺縁部に対でテ−パ−状を形成するテ−パ−ピン孔１，２を一組設ける。又前記ずらし二分線Ｚ−Ｚ上の対向側で垂直二分線Ｘ−Ｘ上で且つ前記テ−パ −ピン孔１，２の円周を外れた位置に対でテ−パ−状を形成するテ−パ−ピン孔３，４を一組設ける。前記テ−パ−ピン孔１と２及び３と４にテ−パ−ピン１２，１３を挿入することによって正確に位置決め固定する。テ−パ−ピン１２，１３を使用することによって、テ−パ−ピン孔とテ−パ− ピンが摩耗した場合、内径ズレが起こらず、ピン孔の中心の位置が変化することはない。つまりフランジの結合位置は変らないのである。そして上記テ−パ−ピン１２，１３にて固定された位置においてパイプ連結部内壁面を研磨又は機械加工等で無段差にしておけば、その無段差状態を再結合した場合においても維持することができる。ズレが発生するのであれば、少なくとも一度限りは無段差状態を実現できても、再結合後の再現を保証できない。

【０００７】また、図２に示すように、前記テ−パ−ピン孔３，４の位置は、垂直二分線Ｘ −Ｘ上の位置になくともテ−パ−ピン孔１，２の位置における円心からの距離ａと異なった距離ｂとすれば良い。連結ボルト孔７，８の円心からの距離ｃに対しては強度的な面からもそれぞれ異なった距離が好ましい。連結ボルト孔７，８との関係は、連結ボルト孔７，８に近過ぎると強度劣化、連結ボルト１５，１６の締め付けの障害となるのでひの至近距離を避ける。前記テ−パ−ピン孔１と２，３と４は、前記例では一組づつとしたが、フランジの大きさ、ボルトの数等によっては、二組としても、あるいはそれ以上設けても良い。材質としては腐食しにくいステンレス製としたが、アルミニュウム、チタン等の金属や、樹脂製等の耐食性の素材に広く適用される。なお、一般的な漏れ防止のためのＯリング１８も適宜用いればよい。

【０００８】

【作用】

テ−パ−ピン孔１，２によって一点が定まり、もう一方のテ−パ−ピン孔３，４によってフランジの合せ位置が正確に決る。仮に、一本目のテ−パ−ピン１２が本来合わされるテ−パ−ピン孔１，２ではなく、テ−パ−ピン孔１，４に入れてしまった場合、もう一本のテ−パ−ピン孔３にはテ−パ−ピン１３は入らないのみならず、両フランジの位置が重なる位置に来ることはありえないない（一番近くに至っても図３の破線の位置までとなる）ので、定位置の誤認は全くありえない。さらに、テ−パ−ピン孔１，２はテ−パ−となっているのでテ−パ−ピン１２を強く押込め、同様にテ−パ−ピン孔３，４にもテ−パ−ピン１３を挿入することによって正確に位置が決り、同時にズレなく確実に固定される。最終的な固定は接合ボルト１５，１６に依る。分離の際にはまずテ−パ−ピン１２，１３を、差込んだ反対側から叩けば、テ −パ−作用により少し緩くなった段階で容易に抜き取ることができるから、その後接合ボルト１５，１６を外せばよい。先に固定した状態で、管内の内面を研磨又は機械加工等で無段差にしてあるから、継目の段差が殆どない精度で接続でき、一度無段差状態にすれば、何度でも正確に同じ位置に再固定されるので、段差が殆どない状態を継続することができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は以上のようで、一つのピンで一方向の拘束をし、もう一つのピンで正確な位置に決定し、固定された前記パイプ内の連結部を研磨又は機械加工等によって、その固定位置における段差をなくすことができる。さらに、分離して再結合する時にも、誤認することなくフランジ分離前の位置に正確に戻すことができ、パイプ接続部における合フランジの位置ズレが起こらず、再結合しても無段差状態を維持することができる。パイプ接続部を無段差状態にすることが実現したために、原料移送にパイプを用いる製紙プラント、食品加工をはじめ、不純物を極力嫌う半導体製造、塗料製造等の化学プラント等にも利用することによって、パイプ内残存異物の混入による不良品の発生を防ぎ、高品質製品の製造が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す分解斜視図。

【図２】本考案の正面図。

【図３】本考案の図２のＡ−Ａ線断面図。

【符号の説明】

１テ−パ−ピン孔２テ−パ−ピン孔３テ−パ−ピン孔４テ−パ−ピン孔５フランジ合口６フランジ合口７接合ボルト孔８接合ボルト孔９パイプ１０パイプ１１熔接部１２テ−パ−ピン１３テ−パ−ピン１４管内継目部１５接合ボルト１６接合ナット１７リング溝１８ＯリングＸ垂直二分線Ｙ水平二分線Ｚずらし二分線 θ ずらし角ａ円心からピン孔中心までの距離ｂ円心からピン孔中心までの距離ｃ円心からピン孔中心までの距離

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円形パイプ同士を接合する対向フランジ
合口（５），（６）に接合ボルト孔（７），（８）を所
定間隔に配設するとともに円心を通る垂直二分線Ｘ−Ｘ
に対して鋭角範囲のずらし二分線Ｚ−Ｚ上の辺縁部に対
でテ−パ−状を形成するテ−パ−ピン孔（１），（２）
を、又前記ずらし二分線Ｚ−Ｚ上の対向側でそのずらし
二分線Ｚ−Ｚを外れ且つ前記テ−パ−ピン孔（１），
（２）の円周を外れた位置に対でテ−パ−状を形成する
テ−パ−ピン孔（３），（４）を、おのおの少なくとも
一組設け、前記テ−パ−ピン孔（１）と（２）及び
（３）と（４）の合致する位置においてパイプ連結部内
壁面を無段差に形成しておくことを特徴とする合フラン
ジ。