JPH0635773U - アキュームレータ・冷媒管の接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アキュームレータと冷媒管との接続部の間隙
部をなくすることにより、アルミニウムによる接続端面
の溶け出しを防止し、溶接自動化時における溶接品質の
安定化を図ることにある。 【構成】 アキュームレータ１の接続口１ａに冷媒管５
を接続する接続構造において、アキュームレータ１の接
続口１ａ、または冷媒管５の端部ａのいずれか一方の外
周部を、他方の内周部内に挿入して両者を重ね合せると
共に、この重ね合せ部に、溶け込み防止用のステンレス
製のスリーブ９を嵌め込み、重ね合せ部１０を外周部側
から溶接したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一般家庭用冷蔵庫のエバポレータ等の出口部に備えられるアキュー ムレータ・冷媒管の接続構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、家庭用冷蔵庫のエバポレータ等では冷媒をキャピラリーチューブによ り減圧するシステムを採用しているので、負荷の変動とは無関係に冷媒回路内を 流れる冷媒流量は常に一定である。したがって、エバポレータの出側にはアキュ ームレータが設けられ、負荷の変動により冷媒液がコンプレッサに直接流入しな いように、一時的に冷媒液を貯蔵して、これをガス化した後にコンプレッサに送 り込む構造になっている。また、軽量化の観点から、近年では、すべての部品を アルミニウムにより製造したエバポレータが普及しており、従来、アキュームレ ータと冷媒管とを接続する際には、例えば図４に示すように、アキュームレータ １と冷媒管５の端部とをつき合せてティグ溶接している。９はステンレス製の溶 け込み防止用のスリーブである。

【０００３】 図５および図６は考えられる他の溶接方法を示す。これらの方法では、いずれ かの端部１３，１５に段部を形成し、例えば、その端部１３の外径を小さくして （図５）、あるいはその端部１５の内径を大きくして（図６）、両者を嵌合させ た後に、重ね合せ部１０を外周部側から溶接する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、アキュームレータ１と冷媒管５の端部とをつき合せて行なう従 来のティグ溶接では、つきあわせ部分に間隙が生じるので、この間隙部に電流が 集中して流れるために、その間隙部からアルミニウムが溶け出して、ピンホール が発生するため自動溶接化が困難であると共に、製品の品質の安定化が図れない という問題がある。また、図５および図６に示す方法では、段部を形成する分だ け肉厚が薄くなるので、アルミニウムの溶け出しが多くなり、しかも溶接時の初 期電流値を高く設定できないので、自動溶接時に溶接品質の安定化が図れないと いう問題がある。

【０００５】 そこで、本考案は、上述した従来の技術が有する問題点を解消し、アキューム レータと冷媒管との接続部分の間隙をなくすることにより、溶接端面のアルミニ ウムの溶け出しを防止し、溶接自動化時における溶接品質の安定化を図ることの できるアキュームレータ・冷媒管の接続構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、アルミニウム製のアキュームレータの 冷媒入口部もしくは冷媒出口部に形成される接続口にアルミニウム製の冷媒管を 接続する接続構造において、アキュームレータの接続口、または冷媒管の端部の いずれか一方の外周部を、他方の内周部に挿入して両者を重ね合せると共に、こ の重ね合せ部に溶け込み防止用のステンレス製のスリーブを嵌め込み、重ね合せ 部を外周部側から溶接したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、アキュームレータの接続口、または冷媒管の端部のいずれか 一方の外周部が、他方の内周部に挿入され、両者が重ね合されることによって、 アキュームレータと、冷媒管の端部とが接続される。このようにすれば、従来の つき合せ溶接により生じていた端面のアルミニウムの溶け出しが防止されると共 に、ラップ構造のために、溶接時の初期電流値を高く設定できるので、溶接自動 化時における溶接品質の安定化を図ることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案によるアキュームレータ・冷媒管の接続構造の一実施例を、図４ 乃至図６と同一部分には同一符号を付して示した図１乃至図３を参照して説明す る。ただし、以下の明細書中において、アルミニウムの語は、純アルミニウムの ほかにアルミニウム合金を含むものとする。

【０００９】 図３において、１００は冷蔵庫のエバポレータを示している。このエバポレー タは、複数枚のアルミニウム製のフィン１０１，１０１…を並設しておき、この フィン１０１，１０１…の孔中に蛇行状に曲げたアルミニウム製の冷媒チューブ １０３を圧入して組み立てられる。また、この冷媒チューブ１０３の出口には、 アキュームレータ１が接続され、このアキュームレータ１にはアルミニウム製の 冷媒管５が接続されるしくみである。

【００１０】 しかして、この実施例によると、アキュームレータ１と冷媒管５との接続構造 に特徴がある。

【００１１】 図１に示すように、アキュームレータ１の接続口１ａは先端広がりに、いわゆ るラッパ状に形成され、この接続口１ａには、冷媒管５の端部５ａが挿入されて いる。これによると、アキュームレータ１の接続口１ａは、冷媒管５の端部５ａ に重ね合され（ラップする）、この重ね合された部分１０の内周には、溶け込み 防止用のスリーブ９が嵌め込まれる。

【００１２】 次に、図１に示す実施例の作用を説明する。

【００１３】 まず、アキュームレータ１の接続口１ａをラッパ状に開口させて、そこにステ ンレス製の溶け込み防止用のスリーブ９を嵌め込み、さらにスリーブ９の外周に 冷媒管５の端部５ａを嵌め込む。もちろん、冷媒管５の端部５ａは接続口１ａ内 に挿入されるが、この際、冷媒管５の端部５ａの外周直径は、アキュームレータ １の接続口１ａの最狭部１ｂ直径よりも大きくしておく。

【００１４】 すると、冷媒管５の端部５ａは、アキュームレータ１の内部まで侵入すること なく、接続口１ａの最狭部１ｂの手前に留まる。

【００１５】 このように、冷媒管５の端部５ａが、接続口１ａの内壁に接触するまで挿入さ れたら、重ね合された部分１０の外周側から溶接する。

【００１６】 これによると、アキュームレータ１の接続口１ａは、冷媒管５の端部５ａに重 なり合うので、従来のつき合せ溶接と異なり、端面のアルミニウムの溶け出しが 抑えられ、しかも溶接時の初期電流値を高く設定できるので、溶接自動化時にお ける溶接品質の安定化が図られる。

【００１７】 図２は他の実施例を示す。

【００１８】 この実施例では、冷媒管５の端部５ａの外径がしぼられ、この端部５ａの内周 には、溶け込み防止用のスリーブ９が嵌め込まれ、この端部５ａはアキュームレ ータ１の接続口１ａに挿入される。そして、アキュームレータ１の接続口１ａの 外周側から溶接する。

【００１９】 以上、一実施例に基づいて本考案を説明したが、本考案は、これに限定される ものでないことは明らかである。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、上述のように構成されているので、従来のつきあわせ溶接により生 じていたアルミニウムの端面溶け出しが防止されると共に、溶接自動化時の溶接 品質の向上が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるアキュームレータ・冷媒管の接続
構造の一実施例を示す断面図である。

【図２】同じく他の実施例を示す断面図である。

【図３】本考案によるアキュームレータを備えるエバポ
レータを示す正面図である。

【図４】従来のアキュームレータ・冷媒管の接続構造を
示す断面図である。

【図５】従来のアキュームレータ・冷媒管の接続構造を
示す断面図である。

【図６】従来のアキュームレータ・冷媒管の接続構造を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ アキュームレータ １ａ 接続口 １ｂ 最狭部 ５ 冷媒管 ５ａ 端部 ９ スリーブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミニウム製のアキュームレータの冷
   媒入口部もしくは冷媒出口部に形成される接続口にアル
   ミニウム製の冷媒管を接続する接続構造において、前記
   アキュームレータの接続口、または前記冷媒管の端部の
   いずれか一方の外周部を、他方の内周部内に挿入して両
   者を重ね合せると共に、この重ね合せ部に溶け込み防止
   用のステンレス製のスリーブを嵌め込み、前記重ね合せ
   部を外周部側から溶接したことを特徴とするアキューム
   レータ・冷媒管の接続構造。