JPH0635230A - 電子写真用キヤリア - Google Patents

電子写真用キヤリア

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JPH0635230A
JPH0635230A JP4195505A JP19550592A JPH0635230A JP H0635230 A JPH0635230 A JP H0635230A JP 4195505 A JP4195505 A JP 4195505A JP 19550592 A JP19550592 A JP 19550592A JP H0635230 A JPH0635230 A JP H0635230A
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武志 池田
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靖子 天野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、静電潜像担持体に対してキヤリア
付着がおこりにくく、高精細なトナー画像を形成し得る
電子写真用キヤリアを提供することにある。 【構成】 本発明は、キヤリア粒子の平均粒径が5〜1
00μmであり、嵩密度が3.0g/cm3 以下であ
り、該キヤリアの磁気特性が磁気的に飽和した後の10
00エルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が30
乃至150emu/cm3 であり、磁場0エルステッド
における磁化の強さ(残留磁化:σr)が25emu/
cm3 以上であり、保磁力が300エルステッド未満で
ある電子写真用キヤリアに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーと混合されて静
電荷像現像用現像剤を構成する電子写真用キヤリアに関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法として米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報お
よび特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記
載されている。これらの方法は、光導電層に原稿に応じ
た光像を照射することにより静電潜像を形成し、次い
で、ノーマル現像の場合は、該静電潜像上にこれとは反
対の極性を有するトナ−と呼ばれる着色微粉末を付着さ
せて該静電潜像を現像し、必要に応じて紙等の転写材に
トナー画像を転写した後、熱、圧力、加熱加圧あるいは
溶剤蒸気等により定着し複写物を得るものである。
【0003】該静電潜像を現像する工程は、潜像とは反
対の極性に帯電せしめたトナー粒子を静電引力により吸
引せしめて静電潜像上に付着させるものであるが(反転
現像の場合は、潜像の電荷と同極性の摩擦電荷を有する
トナーを使用)、一般にかかる静電潜像をトナーを用い
て現像する方法としては大別して少量のトナーとキヤリ
アとを混合した二成分系現像剤を用いる方法と、キヤリ
アを用いることなくトナー単独のいわゆる一成分系現像
剤を用いる方法とがある。
【0004】ところで、電子写真法は、文書複写として
は一応満足できるレベルに達しているもののコンピュー
タの発達、ハイビジョンの発達等により、フルカラー画
像の出力画像に対しては、デジタル画像処理、現像時に
交番電界印加等の種々の手法により、高画質化及び高品
位化が計られている。さらに、今後も更なる高画質化、
高品位化が望まれる。
【0005】従来、フルカラー画像を出力するには、二
成分系現像剤が用いられてきた。一般にかかる二成分系
現像剤を構成するキヤリアは、鉄粉に代表される導電性
キヤリアと、鉄粉、ニッケル、フェライト等の粒子の表
面を絶縁性樹脂により被覆したいわゆる絶縁性キヤリア
に大別される。高画質化を計るために交番電界を印加す
る場合、キヤリアの抵抗が低いと潜像電位をキヤリアが
リークし、良好な現像画像が得られなくなるため、キヤ
リアとしてはある程度以上の抵抗が必要である。キヤリ
アコアが導電性の場合、キヤリアコアをコートして用い
るのが好ましい。また、抵抗がある程度高いフェライト
がコア材として好ましく用いられている。
【0006】一般に、鉄粉は、高磁気力のため、現像剤
中のトナーが潜像を現像する現像領域において、現像剤
の磁気ブラシが硬くなるために、はき目を生じたり、ガ
サツキ等を生じるために高画質な現像画像を得ることが
困難である。そこで、キヤリアの磁気力を低くして高画
質化を計るためにもフェライトが好ましく用いられてい
る。
【0007】高品位画像を形成するために、特開昭59
−104663号公報にキヤリアの飽和磁化の値を50
emu/g以下にすることで、ハキ目のない良好な現像
画像を得ることができると提案されているが、飽和磁化
の値をだんだん小さくしたキヤリアを用いると細線の再
現性は良好になる反面、磁極から離れるにしたがってキ
ヤリアが静電潜像担持体(例えば感光ドラム)上に付着
する現像(キヤリア付着)が顕著になってくる。
【0008】また、特公平4−3868号公報には、保
磁力が300ガウス以上という、いわゆるハードフェラ
イトをキヤリアとして用いることが提案されている。し
かしながら、これは高保磁力を有するハードフェライト
をキヤリアとして使いこなすためには、現像装置の大型
化が避けられない。小型の高画質カラー複写機を実現す
るためには、固定磁芯を用いた現像剤担持体を使用する
ことが好ましく、この場合高保磁力を有するハードフェ
ライトキヤリアは、その自己凝集性のため、かえって搬
送性が悪くなるという問題点がある。
【0009】さらに、特開平2−88429号公報にス
ピネル相及びランタノイド系元素を含むマグネットプラ
ンバイト相よりなるハードフェライトをキヤリアとして
用いることが提案されている。しかしながら、このキヤ
リアは、上記問題点に加え、導電性を有しているので、
より高画質画像を得るための交番電界による現像を行う
システムにおいては、電荷がキヤリアを通してリークす
るために現像を乱すという点で好ましくない。
【0010】したがって、交番電界による現像を行うシ
ステムにおいて、キヤリアの抵抗はある程度以上あるこ
とが重要である。
【0011】以上のように、キヤリア付着を防止しつ
つ、高画質、特にハイライト部の再現性を満足するよう
な電子写真用キヤリアが待望されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決した電子写真用キヤリアを提供することに
ある。
【0013】本発明の目的は、キヤリア付着を防止しつ
つ、オリジナル原稿に忠実(すなわち、潜像に忠実)な
現像を実施し得る電子写真用キヤリアを提供することに
ある。
【0014】さらに、本発明の目的は、高解像性、ハイ
ライト部の良好な再現性、高細線再現性に優れた電子写
真用キヤリアを提供することにある。
【0015】さらに、本発明の目的は、交番電界の現像
においても、キヤリア付着のない高画質な現像画像を得
る電子写真用キヤリアを提供することにある。
【0016】さらに、本発明の目的は、高画質画像を得
るための固定磁芯系現像剤担持体を用いた小型現像器に
適用し得る電子写真用キヤリアを提供することにある。
【0017】さらに、本発明の目的は、多数枚の複写に
よっても画像劣化のない高画質画像を維持できる電子写
真用キヤリアを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、電
子写真用キヤリアにおいて、該キヤリア粒子の平均粒径
が5〜100μmであり、嵩密度が3.0g/cm3
下であり、該キヤリアの磁気特性が図−1に示すよう
に、1000エルステッドにおける磁化の強さ
(σ1000)が30乃至150emu/cm3 以下であ
り、残留磁化σrが25emu/cm3以上であり、保
磁力が300エルステッド未満であり、さらに、キヤリ
アの磁気特性は、下記の式を満たす電子写真用キヤリア
に関する。
【0019】
【外2】 [式中、σ1000は、1000エルステッドにおけるキヤ
リアの磁化の強さ(emu/cm3 )を示し、σ300
は、300エルステッドにおけるキヤリアの磁化の強さ
(emu/cm3 )を示す。]
【0020】以下本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明のキヤリアが、従来のキヤリアの持
つ諸問題点を改善し、キヤリア付着を防ぎつつ、原稿に
忠実、すなわち、潜像に忠実な現像を実施し得るキヤリ
アを提供することができるのは、以下の理由によると考
えられる。
【0022】潜像に対して忠実な現像を行うためには、
現像極での磁場においてキヤリアの磁化の強さを30乃
至150emu/cm3 にすることが重要である。これ
は、現像極における磁場の強さは、一般に1000エル
ステッド程度であり、そのときのキヤリアの磁化の強さ
が弱いことで、現像剤の磁気ブラシが短く、密になり、
さらに、磁気ブラシが柔らかくなることで潜像に対して
忠実な現像が達成できる。このように、磁気ブラシが短
く、密で、柔らかくなることにより、特に現像剤を振動
させる交番電界を現像部に印加する現像においては、現
像効率が上がり、また、より高い忠実な現像ができる。
また、本発明のもう一つの効果である画質の劣化を防止
し、初期の高画質画像を維持できるのは、このような低
磁気力のキヤリアを用いることで、固定磁石を内包する
現像スリーブに二成分系現像剤をコートする際、規制部
材付近でのキヤリアブラシの相互の磁気的な結合力が弱
く、穂が柔らかいためにトナーに対してシェアを余りか
けていないので、高画質画像を長期にわたって維持でき
る。
【0023】さらに、詳細な検討を行ったところ、キヤ
リア付着は磁場の強さが0乃至300エルステッドにお
いて生じやすく、そのときのキヤリアの磁化の強さがあ
る程度高いときには起こらないか、または、起こりにく
いことが判明した。また、キヤリア付着は現像のバイア
ス条件にも左右され、特に交番電界による現像を行う場
合、直流電界に比べ、キヤリアが電荷を有すると静電潜
像担持体に移行し易くなり、キヤリアを現像スリーブに
ひきとめるには磁気力が必要となる。従って、キヤリア
付着を抑えるためには上記磁場における磁化の強さが必
要である。本発明では、図−1のヒステリシスカーブに
示されるように1000エルステッドでの磁化の強さσ
1000は30乃至150emu/cm3 と、従来のキヤリ
アに比べ小さいながらも、0乃至300エルステッドで
の磁化の強さを強くすることによって、高画質化を計り
つつ、キヤリア付着を防ぐことができる。
【0024】一般に、残留磁化の大きな磁性材料は、保
磁力も大きく、いわゆる永久磁石のようなハードフェラ
イトの如き磁性材料であり、前述のようにキヤリアの自
己凝集によるトナーとの混合性の不良や現像剤搬送の不
良が生じやすいことから、現像剤担持体が回転磁芯アプ
リケータの如き、大型で特殊な現像器が必要となる。
【0025】本発明は、そのような一般的なハード磁性
材料を用いるのではなく、保磁力が300エルステッド
未満であるキヤリアを用いることにより、固定磁芯系現
像剤担持体を用いた小型現像器でもトナーとの混合性が
良好で、現像剤搬送性の良好な現像剤を調製することが
できる。
【0026】本発明に用いられるキヤリアは、該キヤリ
ア粒子の磁気特性が以下のようになることが必要であ
る。
【0027】すなわち、磁気的に飽和させた後の100
0エルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は30乃
至150emu/cm3 であることが必要である。さら
に高画質化を達成するためには、好ましくは30乃至1
20emu/cm3 であることがよい。150emu/
cm3 より大きい場合には、現像極での現像ブラシの密
度が従来とあまり変わらず、高画質なトナー画像が得ら
れにくくなる。30emu/cm3 未満であると、0乃
至300エルステッドにおける磁気的な拘束力も減少す
るためにキヤリア付着を生じやすい。
【0028】また、残留磁化の強さは、25emu/c
3 以上であることが必要である。残留磁化が25em
u/cm3 未満であると、特に高画質化のためにコント
ラスト電位を大きくとったり、または、振幅の大きい交
番電界を用いる現像システムにおいて、キヤリア付着が
生じやすくなり、現像後の転写プロセスにおいてキヤリ
ア付着部分が転写不良を起こす等により、高画質なトナ
ー画像が得られにくい。
【0029】さらに、保磁力が300エルステッド未満
であることが必要である。300エルステッド以上であ
るとキヤリア自体の自己凝集のために、トナーとの混合
性に劣ったり、特に、固定磁石を内包した現像スリーブ
においてキヤリアが現像スリーブ上を容易に動くことが
できず、現像スリーブ上での搬送性が悪くなり、現像剤
のコート状態が悪くなるために高画質なトナー画像が得
られにくい。
【0030】さらに、本発明において重要なことは、磁
場0乃至300エルステッド近傍における磁化の強さで
あり、下記の式を満たすことが重要である。
【0031】
【外3】 [式中、σ1000は、1000エルステッドにおけるキヤ
リアの磁化の強さ(emu/cm3 )を示し、σ300
は、300エルステッドにおけるキヤリアの磁化の強さ
(emu/cm3 )を示す。]より好ましくは、この値
が0.30(emu/cm3 )以下であるのが良い。
【0032】ここで、図3のヒステリシスカーブをもっ
て説明する。0.40(emu/cm3 )を越えると、
高画質化を計りつつ、キヤリア付着を防ぐことが困難に
なる。すなわち、σ1000を満足するような値をとると高
画質化が、はかれる反面キヤリア付着を生じやすくな
る。また、σ300 を満足するような値をとると、キヤリ
ア付着は防ぐことができる反面、σ1000の値が大きくな
り、高画質なトナー画像を得ることが困難になる。
【0033】本発明において、磁気特性の測定は、理研
電子(株)製の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH
−50を用いて行う。一般に現像装置における現像極は
1キロエルステッド程度の磁場であり、本発明における
キヤリアの磁気特性は±1キロエルステッドの磁場をつ
くり、そのときのヒステリシスカーブより求める。本発
明におけるキヤリアの磁気特性は、サンプルを円筒状の
プラスチック容器にゆるく入れた後、1キロの磁場をか
けた状態で強くパッキングを行い、固定し、その状態で
の磁気特性を測定する。この状態での測定値を、本発明
の磁気特性として用いる。その時のサンプルホルダーの
体積は0.332cm3 であり、これをもって単位体積
当たりの磁化の強さを求める。
【0034】本発明のキヤリア粒子の平均粒径は、5〜
100μmであることが好ましく、さらに好ましくは2
0〜80μmが良い。5μmより小さいと感光体へのキ
ヤリア付着が生じ易くなり、また、100μmを越える
と現像極における磁気ブラシが粗になり、高画質なトナ
ー画像が得られにくい。本発明において、キヤリアの粒
径は、光学顕微鏡によりランダムに300個以上抽出
し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3により
水平方向フィレ径をもってキヤリア粒径として、測定す
る。
【0035】本発明のキヤリアの嵩密度は、3.0g/
cm3 以下が好ましい。3.0g/cm3 を越えると現
像スリーブの回転により、キヤリアが現像スリーブ上に
磁気的に保持される力に比べ、キヤリア粒子1個にかか
る遠心力が大きくなり、キヤリア飛散を生じ易くなる。
本発明のキヤリアの嵩密度の測定は、JIS Z 25
04に記載の方法に準じて行う。
【0036】本発明のキヤリアの球形度は、2以下が好
ましい。本発明のキヤリアは、球形度が2を越えると、
現像剤としての流動性が劣るようになり、現像極におい
て磁気ブラシの形状が悪くなるために高画質なトナー画
像が得られにくくなる。本発明のキヤリアの球形度の測
定は、日立製作所(株)製フィールドエミッション走査
電子顕微鏡S−800によりキヤリアをランダムに30
0個以上抽出し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luz
ex3を用いて、次式によって導かれる形状係数を求め
る。
【0037】
【外4】 [式中、MX LNGはキヤリアの最大径を示し、AR
EAは、キヤリアの投影面積を示す。]SF1は1に近
いほど球形に近いことを意味している。
【0038】本発明のキヤリアの比抵抗は108 〜10
13Ω・cmの範囲にあることが好ましい。108Ω・c
m未満では、バイアス電圧を印加する現像方法では現像
領域において現像スリーブから感光体表面へと電流がリ
−クしやすく、良好なトナー画像が得られにくい。ま
た、1013Ω・cmを越えると、低湿の如き条件下でチ
ャージアップ現象を引き起こしやすく、濃度ウス、転写
不良、カブリ等のトナー画像劣化の原因となりやすい。
本発明において、比抵抗の測定には、図−4の如き測定
方法を用いる。すなわち、セルAに、キヤリアを充填
し、該充填キヤリアに接するように電極1及び2を配
し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測
定することにより比抵抗を求める方法を用いる。上記測
定方法においては、キヤリアが粉末であるために充填率
に変化が生じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があ
り、注意を要する。本発明における比抵抗の測定条件
は、充填キヤリアと電極との接触面積S=約2.3cm
2 、厚みd=約1mm、上部電極2の荷重275g、印
加電圧100Vとする。
【0039】本発明のキヤリアの特徴である前出の磁気
特性を達成するために、金属酸化物磁性材料あるいは、
鉄系の合金、例えば、炭素鋼、クロム鋼、コバルト−ク
ロム鋼、バイカロイ、アルニコ合金等を用いることが好
ましい。より好ましくは、磁性フェライトよりなり、該
フェライト粒子が周期律表IA、IIA、IIIA、I
VA、VA、VIA、IB、IIB、IVB、VB、V
IB、VIIB、VIII族の中から選ばれる元素を少
なくとも1種類以上含有しており、その他の元素の含有
量が1重量%未満であるキヤリアを用いることが好まし
い。
【0040】具体的には、キヤリア粒子が、Fe及びO
を主要な必須元素として有するフェライトで形成され、
該フェライトが、さらにLi,Be,B,C,N,N
a,Mg,Al,Si,P,S,K,Ca,Ti,V,
Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,A
s,Se,Rb,Sr,Zr,Nb,Mo,Tc,R
u,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,T
e,Cs,Ba,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,
Pt,Au,Tl,Pb及びBiからなるグループから
選択される元素を少なくとも1種を含有し、Fe,O及
び該グループの元素を除く他の元素の含有量が1重量%
未満であることが好ましい。ここで、上記以外の元素が
入ると本発明の所望の磁気特性を示すキヤリアが得られ
にくくなり、さらに、キヤリアの抵抗値が下がりやすく
なるために好ましくない。
【0041】また、本発明のキヤリアは、スピネル構造
単相、マグネットプランバイト構造単相、少なくともス
ピネル構造またはマグネットプランバイト構造を有する
複合相、スピネル構造およびマグネットプランバイト構
造の複合相を有することが好ましい。スピネル相とマグ
ネットプランバイト相とのモル比が1:1乃至10:1
が好ましく用いられる形態である。また、スピネル構造
相とマグネットプランバイト構造相とは互いに余り反応
していないことが好ましい。
【0042】このような組成形態をとることにより、磁
気的に飽和した後の1000エルステッドにおける磁化
の強さ(σ1000)が、30乃至150emu/cm3
あり、残留磁化σrが25emu/cm3 以上であり、
保磁力が300エルステッド未満の磁気特性を有するキ
ヤリアを良好に生成することができる。
【0043】本発明において、キヤリアを構成する結晶
の測定は、X線回折法および蛍光X線を用いて行った。
【0044】本発明のキヤリアは、焼結法、アトマイズ
法等の製造方法によって製造が可能であり、必要に応じ
て2種以上の結晶微粉末を混合焼結させる等の方法によ
り、本発明の磁気特性を有するキヤリアを良好に製造す
ることもできる。
【0045】また、本発明のキヤリアは、上述の組成の
フェライト粒子を任意の磁場において着磁させた後に用
いることで本発明の特微的な磁気特性を達成することが
容易となる。なお、着磁させる方法として、直流の電磁
石によりたとえば±10キロエルステッドの磁場中にキ
ヤリア粒子を暴露すること等が挙げられる。
【0046】また、本発明のキヤリアは、比抵抗コント
ロールを行ったり、耐久性を向上させるために、必要に
応じてキヤリア粒子表面を樹脂でコートして用いること
ができる。コート樹脂としては、公知の適当な樹脂を用
いることができる。例えば、アクリル系樹脂、フッ素系
樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系
樹脂等でコートして用いることができる。
【0047】本発明のキヤリアと組合せて用いるトナー
としては、より高画質画像を得るために重量平均粒径1
〜20μm、好ましくは4〜10μmを用いるのが良
い。トナーの重量平均粒径は、種々の方法によって測定
できるが、本発明においてはコールターカウンターを用
いて行う。
【0048】また、より高画質画像を得るために、トナ
ーの凝集度は低い方が好ましく、トナーの凝集度は、3
0%以下が特に好ましい。なお、凝集度の測定は次のよ
うに行う。
【0049】パウダーテスター(細川ミクロン(株))
に上から60mesh、100mesh、200mes
h、の順でフルイを3段重ねてセットし、秤取した試料
5gを静かにフルイの上にのせ、電圧17Vで振動を1
5秒間与え各フルイ上に残ったトナーの重さを測定し、
下式に従って凝集度を算出する。
【0050】
【外5】
【0051】凝集度を下げるために、該トナーにシリ
カ、酸化チタン、アルミナ等の流動性向上剤を内添、あ
るいは外添して用いることが好ましい。特に、トナーに
疎水性を有する流動性向上剤を外添することが好まし
い。
【0052】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明する。こ
れらは本発明を何ら限定するものではない。尚、以下の
配合における%及び部は重量%及び重量部を示す。
【0053】実施例1 モル比で、Fe23 =60モル%、CuO=20モル
%、ZnO=20モル%になるように秤量し、ボールミ
ルを用いて混合を行い、仮焼を行った。一方、Fe2
3 =82モル%、SrCO3 =10モル%、ZnO=8
モル%になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を
行い、仮焼を行った。これらの仮焼物を、それぞれボー
ルミルにより粉砕を行い、前記処方の仮焼物と後記処方
の仮焼物を2:1の重量割合で混合し、ポリビニルアル
コール、消泡剤及び分散剤を加えスラリーを作り、スプ
レードライヤーを用いて造粒乾燥し、次いで焼結を行っ
た。焼結した粒子を分級することで、平均粒径が55μ
mのキヤリア粒子を得た。そのとき得られたキヤリアの
形状はほぼ球形(球形度1.10)をしていた。キヤリ
アのX線回折及び蛍光X線の分析の結果、スピネル相
(Cu−Zn−フェライト)とマグネットプランバイト
相(Srフェライト)との比は、ほぼ仕込量と同量の
2:1になっていた。また、キヤリアの嵩密度は2.3
2g/cm3 であった。また、キヤリア粒子の抵抗を測
定したところ6.2×109 Ω・cmであった。このキ
ヤリアを10キロエルステッドの磁場で飽和させた後、
磁気測定を行ったところ、キヤリアの磁気特性は、σ
1000=142emu/cm3 、σr=104emu/c
3 、σ300 =122emu/cm3 、Hc=260エ
ルステッドであった。そのとき、|σ1000−σ300 |/
σ1000は0.14であった。
【0054】さらに、このキヤリアの表面に、スチレン
−メタクリル酸2−エチルヘキシル(50/50)共重
合体を流動層式コート方法により約0.8重量%コーテ
ィングした。その時のキヤリアの比抵抗は9.5×10
12Ω・cmであり、樹脂コートキヤリアの磁気特性は、
上述のキヤリアコアと実質的に同一であった。 ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得
られたポリエステル樹脂100重量部 ・フタロシアニン顔料 5重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4重
量部
【0055】上記材料を十分予備混合を行った後、溶融
混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm
程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微
粉砕機で微粉砕した。更に、得られた微粉砕物を分級し
て重量平均径が8.4μmである負帯電性のシアン色の
粉体(トナー)を得た。
【0056】上記シアントナー100重量部と、ヘキサ
メチルジシラザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.8
重量部とを混合して、トナー粒子表面にシリカ微粉体を
有するシアントナーを調製した。
【0057】樹脂コートフェライトキヤリアを10キロ
エルステッドの磁場で数秒間磁化した(すなわち、着
磁)後、キヤリアとトナーとをトナー濃度5重量%とな
るように混合し二成分現像剤を得た。着磁前と着磁後の
キヤリアの磁気特性を図2に示す。これをキヤノン製フ
ルカラーレーザー複写機CLC−500を改造した改造
機を用いて画像出しを行った。このときの現像器および
感光ドラムの現像領域部分の模式図を図5に示す。現像
スリーブと現像剤規制部材との距離は400μmであ
り、現像スリーブと感光ドラムとの周速比が1.3:1
であり、現像スリーブの周速は、300mm/secで
あり、また、現像条件は、現像極の磁場の強さ1000
エルステッド、交番電界2000VP-P 、周波数300
0Hzであり、スリーブと感光ドラムの距離は500μ
mとした。このとき、現像スリーブ上の現像極付近の現
像ブラシの穂立ちを顕微鏡観察した結果、緻密で、穂長
が短くなっていることがわかった。
【0058】画像出しの結果、ベタ画像の濃度も十分で
あり、また、ガサツキもなく、特に、ハーフトーン部の
再現性、ライン画像の再現性が非常に良好であった。さ
らに、画像部、非画像部ともにキヤリア付着はなかっ
た。また、現像器を200rpmのスピードで空回転を
30分間行った後の、画出しにおいても、画質に関して
特に問題はなく、キヤリア付着もなく、非常に良好であ
った。
【0059】比較例1 モル比で、Fe23 =85モル%、SrCO3 =15
モル%になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を
行った。混合粉を仮焼し、その後、粉砕した。粉砕した
試料をスラリー状にし、そのスラリーをスプレードライ
ヤーにて造粒し、造粒粉の焼結を行った。得られた焼結
粉末を風力分級機により分級し、平均粒径が59μmの
キヤリア粒子を得た。そのとき得られたキヤリアの形状
はほぼ球形(球形度1.18)をしていた。嵩密度は、
2.01g/cm3 であった。キヤリア粒子の比抵抗を
測定したところ、9.5×108 Ω・cmであった。こ
のキヤリアを10キロエルステッドの磁場における磁気
測定を行ったところ、磁気特性は、σ1000=101em
u/cm3 、σr=76emu/cm3 、σ300 =89
emu/cm3 、Hc=2040エルステッドであっ
た。そのとき、|σ1000−σ300 |/σ1000は0.12
であった。
【0060】得られたキヤリアを実施例1と同様にして
表面樹脂コートした。このときのキヤリアの比抵抗は
3.5×1012Ω・cmであった。このキヤリアを実施
例1と同様にして飽和磁化した後、このキヤリアと実施
例1で用いたトナーを実施例1と同様に混合し、二成分
現像剤とした。
【0061】この現像剤を実施例1と同様にして、画出
し試験を行ったところキヤリアの自己凝集性のために現
像スリーブ上での現像剤の流動性が悪く、トナー混合や
現像剤の搬送が良好にできなかった。
【0062】比較例2 実施例1で用いたスピネル相(Cu−Znフェライト)
とマグネットプランバイト相(Srフェライト)との混
合比を1:2に変える以外、実施例1と同様にキヤリア
を作製し、平均粒径が52μmのキヤリア粒子を得た。
そのとき得られたキヤリアの形状はほぼ球形をしてい
た。また、X線回折および蛍光X線の分析の結果、スピ
ネル相(Cu−Zn−フェライト)とマグネットプラン
バイト相(Srフェライト)との比は、ほぼ仕込量と同
量の1:2になっていた。嵩密度は、2.07g/cm
3 であった。キヤリア粒子の抵抗を測定したところ、
5.1×109 Ω・cmであった。このキヤリアを10
キロエルステッドの磁場で飽和させた後、磁気測定を行
った結果、そのときの磁気特性は、σ1000=117em
u/cm3 、σr=94emu/cm3 、σ300 =10
6emu/cm3 、Hc=1090エルステッドであっ
た。そのとき、|σ1000−σ300 |/σ1000は0.09
であった。
【0063】得られたキヤリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキヤリアの比抵抗は7.5
×1012Ω・cmであった。このキヤリアを実施例1と
同様にして飽和磁化した後、このキヤリアと実施例1で
用いたトナーを実施例1と同様に混合し、現像剤とし
た。
【0064】この現像剤を実施例1と同様にして、画出
し試験を行ったところ比較例1と同様にキヤリアの自己
凝集性のために現像スリーブ上での現像剤の流動性が悪
く、トナー混合や現像剤の搬送が良好にできなかった。
【0065】比較例3 モル比で、Fe23 =62モル%、ZnO=16モル
%、CuO=22モル%になるように秤量し、ボールミ
ルを用いて混合を行った。これを比較例1と同様にし
て、平均粒径が50μmのキヤリア粒子を得た。そのと
き得られたキヤリアの形状はほぼ球形をしていた。ま
た、嵩密度は、2.77g/cm3 であった。また、キ
ヤリア粒子の抵抗を測定したところ、4.0×109 Ω
・cmであった。このキヤリアを10キロエルステッド
の磁場における磁気測定を行った結果、そのときの磁気
特性は、σ1000=214emu/cm3 、σr=2em
u/cm3 、σ300 =113emu/cm3 、Hc=1
0エルステッドであった。そのとき、|σ1000−σ300
|/σ1000=0.47であった。
【0066】得られたキヤリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキヤリアの比抵抗は3.2
×1012Ω・cmであった。
【0067】さらに、得られたキヤリアと実施例1で用
いたトナーとを実施例1と同様に混合し、現像剤とし
た。この現像剤を実施例1と同様にして、画出し試験を
行ったところ現像スリーブ上での現像剤の流動性は良好
であり、搬送には優れていたが、現像極における現像剤
の磁気ブラシが粗くなっているのが観察され、画像上ハ
ーフトーン部でのガサツキが見られた。また、実施例1
と同様に空回転試験を行ったところ、特に、ハーフトー
ン部でのガサツキが見られた。
【0068】実施例2 モル比で、Fe23 =50モル%、CuO=20モル
%、ZnO=30モル%になるように秤量し、一方、F
23 =85モル%、BaO=12モル%、ZnO=
3モル%になるように秤量し、それぞれボールミルを用
いて混合を行った。
【0069】これらを各々仮焼した後、ボールミルによ
り粉砕を行い、前記処方をそれぞれ1.5:1の割合で
混合し、ポリビニルアルコール、消泡剤および分散剤を
加えスラリーを作り、スピラコーターを用いて造粒乾燥
して、焼結を行った。さらに分級することで平均粒径が
45μmのキヤリア粒子を得た。そのとき得られたキヤ
リアの形状はほぼ球形をしていた。実施例1と同様に、
X線回折測定および蛍光X線測定の結果、スピネル相と
マグネットプランバイト相(Baフェライト)とのモル
比はほぼ仕込量と同じ比率(1.6:1)であった。ま
た、嵩密度は、2.30g/cm3 であった。また、キ
ヤリア粒子の抵抗を測定したところ、9.2×109 Ω
・cmであった。このキヤリアを10キロエルステッド
の磁場で飽和させた後、磁気測定を行った結果、そのと
きの磁気特性は、σ1000=67emu/cm3 、σr=
36emu/cm3 、σ300 =52emu/cm3 、H
c=170エルステッドであった。そのとき、|σ1000
−σ300 |/σ1000=0.22であった。
【0070】得られたキヤリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキヤリアの比抵抗は1.3
×1012Ω・cmであった。
【0071】さらに、得られたキヤリアを実施例1のキ
ヤリア同様磁化した後、このキヤリアと実施例1で用い
たトナーとを実施例1と同様に混合し、現像剤とした。
この現像剤を実施例1と同様にして、画出し試験を行っ
たところ、現像スリーブ上での磁気ブラシの密度が密
で、ハーフトーン部でのガサツキもなく、また、細線の
再現性に非常に優れていた。さらに、σ1000の値が小さ
いにもかかわらず画像部、非画像部ともにキヤリア付着
は良好であった。また、空回転後の画像は、黒ベタ部の
濃度も十分で、ハーフトーン部もガサツキは良好であ
り、キヤリア付着もなく良好であった。
【0072】比較例4 モル比で、Fe23 =60モル%、SrCO3 =3モ
ル%、ZnO=21モル%、CuO=16モル%になる
ように秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。これ
を比較例1と同様にして、平均粒径が52μmのキヤリ
ア粒子を得た。そのとき得られたキヤリアの形状はほぼ
球形をしていた。X線回折測定および蛍光X線測定の結
果、スピネル相(Cu−Znフェライト)とマグネット
プランバイト相(Srフェライト)とのモル比は、ほぼ
15:1であった。また、嵩密度は、2.32g/cm
3 であった。また、キヤリア粒子の抵抗を測定したとこ
ろ、1×109 Ω・cmであった。このキヤリアの磁気
測定を行った結果、そのときの磁気特性は、σ1000=5
8emu/cm3 、σr=6emu/cm3 、σ300
20emu/cm3 、Hc=60エルステッドであっ
た。そのとき、|σ10 00−σ300 |/σ1000=0.66
であった。
【0073】得られたキヤリアを実施例1と同様にして
表面コートした。このときのキヤリアの比抵抗は1.5
×1012Ω・cmであった。
【0074】さらに、得られたキヤリアを実施例1のキ
ヤリア同様磁化した後、このキヤリアと実施例1で用い
たトナーを実施例1と同様に混合し、現像剤とした。こ
の現像剤を実施例1と同様にして、画出し試験を行った
ところ、σ1000の値が小さくなっているため現像スリー
ブ上での磁気ブラシの密度が密で、ハーフトーン部での
ガサツキもなく、また、細線の再現性に非常に優れてい
たが、0乃至300エルステッドにおける磁化の強さが
弱いために非画像部にキヤリア付着が認められ、それに
伴い非画像部でのトナーカブリが観察された。
【0075】実施例3 モル比で、Fe=61モル%、Al=9モル%、Ni=
15モル%、Co=15モル%になるように調合し、そ
の溶湯から水アトマイズ法を用いてキヤリア粒子を得
た。得られたキヤリアを熱処理を行い、さらに、風力分
級機により分級し、平均粒径が42μmのキヤリア粒子
を得た。そのとき得られたキヤリアの形状はほぼ球形を
していた。また、嵩密度は、2.96g/cm3 であっ
た。また、キヤリア粒子の抵抗を測定したところ、8.
2×102 Ω・cmであった。このキヤリアの磁気測定
を行った結果、そのときの磁気特性は、σ1000=89e
mu/cm3、σr=37emu/cm3 、σ300 =6
0emu/cm3 、Hc=165エルステッドであっ
た。そのとき、|σ1000−σ300 |/σ1000=0.33
であった。
【0076】得られたキヤリアに実施例1で用いた樹脂
を実施例1と同様にしてコートした。このとき得られた
キヤリアの比抵抗は、2×109 Ω・cmであった。
【0077】このキヤリアを実施例1のキヤリア同様着
磁した後、このキヤリアと実施例1で用いたトナーとを
実施例1と同様に混合し、現像剤とした。この現像剤を
実施例1と同様にして、画出し試験を行ったところ、現
像スリーブ上での磁気ブラシの密度が密で、特に、ハー
フトーン部でのガサツキがなく、また、細線の再現性に
非常に優れていた。また、画像部、非画像部ともにキヤ
リア付着は良好で、高画質な画像を出力できた。また、
空回転試験でもハーフトーン部のガサツキ、画質は初期
とほぼ同等であり、キヤリア付着もなく良好であった。
【0078】実施例4 実施例1で用いたキヤリアと以下のトナーとを混合して
現像剤とした。トナーとして、 ポリスチレン樹脂 100重量部 カーボンブラック 5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4重量
【0079】上記材料を実施例1と同様にして作製し
た。そのときの重量平均径は8.0μmであった。
【0080】上記トナー100重量部と、ヘキサメチル
ジシラザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.7重量部
とをヘンシェルミキサーにより混合して、トナー粒子表
面にシリカ微粉体を有する黒トナーを調製した。
【0081】該キヤリアを実施例1と同様に10キロエ
ルステッドの磁場で磁化した後、キヤリアとトナーとを
トナー濃度6重量%となるように混合し現像剤を得た。
これを実施例1と同様に画像出し試験を行った。
【0082】この結果、ベタ画像の濃度も十分であり、
また、ガサツキもなく、ハーフトーン部の均一再現性、
特に、ライン画像の再現性が良好であった。さらに、画
像部、非画像部ともにキヤリア付着はなく良好であっ
た。空回転試験の結果も実施例1と同様に良好であっ
た。
【0083】本発明のキヤリア物性について、表1に示
し、また、評価結果について表2に示した。表2中の◎
は非常に良好、○は良好、△は可、×は不可を示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】本発明の電子写真用キヤリアは、現像極
におけるキヤリアの磁化の強さを低くすることで高画質
化を達成しつつ、かつ、残留磁化を上げ、さらに保磁力
を大きくしないことにより、静電潜像担持体へのキヤリ
ア付着がなく、固定磁芯系現像スリーブを用いた小型現
像器にも好ましく使用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気特性カーブ(ヒステリシスカーブ)を模式
的に示した概略図である。横軸は、外部磁場(エルステ
ッド)であり、縦軸は、キヤリアの単位体積当たりの磁
化の強さを示す。
【図2】実施例1のキヤリアの着磁前と着磁後の磁気特
性を示す図である。
【図3】磁気特性カーブ(ヒステリシスカーブ)を模式
的に示した概略図である。枠内に示される数値は、(σ
1000−σ300 )/σ1000の値である。
【図4】電気抵抗の測定装置を模式的に示した概略図で
ある。
【図5】現像装置および感光体ドラムを模式的に示した
概略図である。
【符号の説明】
1 下部電極 2 上部電極 3 絶縁物 4 電流計 5 電圧計 6 定電圧装置 7 キヤリア 8 ガイドリング 20 感光体ドラム(静電潜像担持体) 21 現像容器 22 現像剤担持体 23 固定磁芯 23a〜e 磁極 24 現像剤規制部材 25 キヤリア返し部材 26 トナー 27 現像剤 30 トナー補給ローラー 31 現像剤搬送ローラー 32 現像剤攪拌ローラー 40 交番電界印加手段
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】本発明において、磁気特性の測定は、理研
電子(株)製の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH
−50を用いて行う。一般に現像装置における現像極は
1キロエルステッド程度の磁場であり、本発明における
キヤリアの磁気特性は±10キロエルステッドの磁場を
つくり、そのときのヒステリシスカーブより求める。本
発明におけるキヤリアの磁気特性は、サンプルを円筒状
のプラスチック容器にゆるく入れた後、10キロエルス
テッドの磁場をかけた状態で強くパッキングを行い、固
定し、その状態での磁気特性を測定する。この状態での
測定値を、本発明の磁気特性として用いる。その時のサ
ンプルホルダーの体積は0.332cm3であり、これ
をもって単位体積当たりの磁化の強さを求める。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板橋 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キヤリア粒子の平均粒径が5〜100μ
    mであり、嵩密度が3.0g/cm3 以下であり、キヤ
    リアの磁気特性は、1000エルステッドにおける磁化
    の強さ(σ1000)が30乃至150emu/cm3 であ
    り、磁場0エルステッドにおける磁化の強さ(残留磁
    化:σr)が25emu/cm3 以上であり、保磁力が
    300エルステッド未満であり、さらに、キヤリアの磁
    気特性は、下記の式を満たすことを特徴とする電子写真
    用キヤリア。 【外1】 [式中、σ1000は、1000エルステッドにおけるキヤ
    リアの磁化の強さ(emu/cm3 )を示し、σ300
    は、300エルステッドにおけるキヤリアの磁化の強さ
    (emu/cm3 )を示す。]
  2. 【請求項2】 キヤリア粒子が、Fe及びOを主要な必
    須元素として有するフェライトで形成され、該フェライ
    トが、さらにLi,Be,B,C,N,Na,Mg,A
    l,Si,P,S,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,
    Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Se,R
    b,Sr,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,P
    d,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Te,Cs,B
    a,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,
    Tl,Pb及びBiからなるグループから選択される元
    素を少なくとも1種を含有し、Fe,O及び該グループ
    の元素を除く他の元素の含有量が1重量%未満である請
    求項1の電子写真用キヤリア。
  3. 【請求項3】 キヤリア粒子が、スピネル構造単相、マ
    グネットプランバイト構造単相、少なくともスピネル構
    造またはマグネットプランバイト構造を有する複合相、
    または、スピネル構造およびマグネットプランバイト構
    造の複合相を有する請求項1または2の電子写真用キヤ
    リア。
  4. 【請求項4】 スピネル相とマグネットプランバイト相
    とのモル比が1:1乃至10:1である請求項1の電子
    写真用キヤリア。
  5. 【請求項5】 キヤリアの比抵抗が108 〜1013Ω・
    cmである請求項1の電子写真用キヤリア。
  6. 【請求項6】 キヤリア粒子が樹脂で被覆されている請
    求項1の電子写真用キヤリア。
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