JPH0635173B2 - 生漆を含む漆製品及びその製造法 - Google Patents

生漆を含む漆製品及びその製造法

Info

Publication number
JPH0635173B2
JPH0635173B2 JP25309290A JP25309290A JPH0635173B2 JP H0635173 B2 JPH0635173 B2 JP H0635173B2 JP 25309290 A JP25309290 A JP 25309290A JP 25309290 A JP25309290 A JP 25309290A JP H0635173 B2 JPH0635173 B2 JP H0635173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lacquer
coating layer
raw
layer
raw lacquer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25309290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04129735A (ja
Inventor
嘉久 宮坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP25309290A priority Critical patent/JPH0635173B2/ja
Publication of JPH04129735A publication Critical patent/JPH04129735A/ja
Publication of JPH0635173B2 publication Critical patent/JPH0635173B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生漆を含む漆製品及びその製造法に関するもの
である。より詳しくは、本発明は、生漆を用いた従来の
漆製品がもつ独特の質感を失わず、しかも、従来の生漆
を用いた漆製品よりも優れた物理的特性を有する生漆を
含む漆製品及びその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
生漆は、日本古来から巾広く使われている塗料であり、
この生漆を用いた従来の漆製品は伝統的な漆工法によっ
て製造されている。即ち、生漆を用いた従来の漆製品
は、素材の上に、生漆を刷毛塗りし、これを自然乾燥さ
せ、次いでサンディングするという工程を複数回繰り返
し行って、一定の厚みの漆塗膜層を形成することによっ
て製造されている。
乾燥した生漆の塗膜層は、焼き漆の塗膜層に比べて、よ
り深い光沢性があるといった点で独特の質感を持つとい
う特性がある。
そのため、生漆を用いた従来の漆製品は、今日において
も家具調度品、什器類、茶道具、美術工芸品等の分野に
おいて根強い人気がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、生漆を用いた従来の漆製品は、生漆の塗膜層が
直接表面に露出しているので、耐熱性、耐薬品性及び耐
擦傷性に欠けるという問題点があった。即ち、生漆を用
いた従来の漆製品の上に60℃〜80℃の熱湯が入った
茶器を置くと生漆の塗膜層が白化してしまったり、ビー
ル等のアルコール類が生漆の塗膜層の上に付着すると、
生漆の塗膜層に形が付いたりするのである。また、生漆
の塗膜層の表面硬度は1H〜3H程度であるので、簡単
に傷が付きやすいのである。
さらに、生漆の塗膜層は、乾燥固化後も漆の酵母菌が活
性な状態にあるので、色変化や形状変化を起こすという
問題点もあった。
一方、前記の漆工法においては、重ね塗りする生漆の塗
膜層の乾燥を全て自然乾燥によっているため、例えば生
漆の塗膜層の厚みが200ミクロンの漆製品を得るには
約10日間も要するという問題点があった。
また、漆工法は、数多くの製造工程からなるばかりでな
く、生漆の塗膜層を複数回の刷毛塗り作業によって形成
するので、製品単価が高くならざるを得ないという問題
点があった。
さらに、同様の理由から、漆工法の技術取得には約5ケ
年〜8ケ年を要するので、この技術の取得希望者が少な
くなり、後継者難という問題点も発生している。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上述の従来技術に内在する解決すべき種々
の問題点について検討を行った結果、それらの全てを解
決できる新規な生漆を用いた漆製品及びその製造法を提
供することに成功したのである。
即ち、本発明に係る生漆を含む漆製品は、大きくは次の
二態様い分かれる。
その一つの太陽は、素材1上に、生漆とポリオールとイ
ソシアネート化合物とを含む漆塗膜層3が設けられ、さ
らにその上にウレタンアクリレートを主成分とする紫外
線硬化型樹脂を含む透明オーバコート樹脂層4が設けら
れたことを特徴とする生漆を含む漆製品である。
他の態様は、素材1上に、アンダーコート樹脂層2が設
けられ、その上に生漆とポリオールとイソシアネート化
合物とを含む漆塗膜層3が設けられ、さらにその上にウ
レタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂を
含む透明オーバコート樹脂層4が設けられたことを特徴
とする生漆を含む漆製品である。
また、前記した第一の態様の生漆を含む漆製品の製造法
は、素材1上に、生漆とポリオールとイソシアネート化
合物とを含む漆塗膜層3を塗布し、指触乾燥させた後、
硬化させ、この漆塗膜層3の上にウレタンアクリレート
を主成分とする紫外線硬化型樹脂を含む透明オーバコー
ト樹脂層4を塗布した後、紫外線照射により硬化させる
ことを特徴とするものである。
前記した第二の態様の生漆を含む漆製品の製造法は、素
材1上に、アンダーコート樹脂層2を塗布し、乾燥さ
せ、その上に生漆とポリオールとイソシアネート化合物
とを含む漆塗膜層3を塗布し、指触乾燥させた後、硬化
させ、この漆塗膜層3の上にウレタンアクリレートを主
成分とする紫外線硬化型樹脂を含む透明オーバコート樹
脂層4を塗布した後、紫外線照射により硬化させること
を特徴とするものである。
次に、本発明の構成を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明において使用する素材1としては、木,紙,プラ
スチック(FRPを含む),石,ガラス,陶器,金属な
どの各種のものを挙げることができる。これらの素材1
は、次工程に入る前に必要により生地研磨される。な
お、この素材1は、他色を隠蔽する必要がある場合に
は、着色されることもある。
次に、前記した素材1の表面にアンダーコート樹脂層2
が形成される。このアンダーコート樹脂層2を設ける理
由は、後述する漆塗膜層3の塗布面を平滑にするためで
ある。従って、素材1が平滑面を呈する場合には、この
アンダーコート樹脂層2を形成することなく、素材1上
に漆塗膜層3を直接形成してもよい。アンダーコート樹
脂層2を構成する樹脂としては、特に限定されることは
ないが、漆塗膜層3との密着性を考慮すれば、例えば不
飽和ポリエステル樹脂とスチレンモノマーとの組成物が
好ましい。アンダーコート樹脂層2には、これ以外に例
えば着色のための顔料を混入してもよい。アンダーコー
ト樹脂層2は、素材1上に樹脂を塗布した後、樹脂が紫
外線硬化型樹脂の場合には紫外線照射により、この他の
場合には他の乾燥方法により乾燥されて形成される。そ
の厚さは、通常10μm〜30μm程度である。なお、
素材1が比較的柔かいものである場合には、下地を固め
たり、耐熱性を向上させたりするために、セラミックス
微粉を利用すればよい。例えば、素材1がプラスチック
の場合には素材中に、木材や紙の場合にはアンダーコー
ト樹脂層2中に、セラミックス微粉を根入すればよい。
また、これらの素材1の場合において、アンダーコート
樹脂層2を形成する前に、セラミックス微粉とバインダ
ーとからなる厚さ3μm〜6μm程度のセラミックス層
5を形成してもよい。なお、このバインダーとしては、
例えばポリウレタン樹脂が好ましい。このようにして形
成されたアンダーコート樹脂層2は、次工程に移る前に
サンデイングされる。
漆塗膜層3は、生漆とポリオールとイソシアネート化合
物とを含むものである。この漆塗膜層3の組成は、本発
明において最も重要な要件である。生漆の中にポリオー
ル及びイソシアネート化合物を混入しているので、漆塗
膜層3を固化させることにより、漆の酵母菌を不活性化
させることができる。つまり、生漆の質感を保持したま
ま、生漆の色変化や形状変化の進行を止めることができ
る。また、それと同時に、後述する透明オーバコート樹
脂層4との密着性の向上を図ることができる。漆塗膜層
3は、前記したアンダーコート樹脂層2の上に塗布した
後、指触乾燥させてから自然硬化させて形成される。こ
こで指触乾燥の工程を経るのは、この工程を経ることな
く直接硬化させると、漆塗膜層3に気泡が生じ、ピンポ
ールなって残り、表面の平滑性が損なわれるからであ
る。漆塗膜層3は、生漆40〜50部、ポリオール20
〜35部、イソシアネート化合物5〜10部の範囲の組
成物が好ましい。その理由は、生漆の配合割合が少なす
ぎると生漆の質感が得られず、一方、多すぎると高価に
なり、また、ポリオールやイソシアネート化合物が少な
すぎると乾燥し難くなり、一方、多すぎると漆塗膜層3
に皺が発生するからである。漆塗膜層3には、その他の
添加物として、着色剤としての顔料(金属粉を含む)、
漆塗膜層3の硬度の向上や耐熱性の向上のために用いら
れる前記したセラミックス微粉、薄め液としてのウレタ
ンシンナーを用いることができる。膜厚10μm〜30
μm程度に形成された漆塗膜層3は、次工程に入る前に
必要によりサンデイングされる。
透明オーバコート樹脂層4は、ウレタンアクリレートを
主成分とする紫外線硬化型樹脂を含むものである。この
透明オーバコート樹脂層4は、前記した漆塗膜層3を保
護する作用を有するものであり、本発明における要な要
件の一つである。透明オーバコート樹脂層4を構成する
樹脂としては、生漆の漆製品より優れた物理的特性を発
揮する樹脂であって且つ透明性があればよく、この目的
からして、ウレタンアクリレートと酢酸ブチル−トルエ
ンとを含む組成物が好ましい。なお、これらの組成物に
染料を混入しておいてもよい。透明オーバコート樹脂層
4は、漆塗膜層3の上に樹脂組成物を塗布した後、紫外
線照射されて厚さ5μm〜20μm程度の膜厚に形成さ
れる。この透明オーバコート樹脂層4を形成する前に、
漆塗膜層3との密着性を向上させるために、密着材層6
を形成しておいてもよい。この密着材層6を構成する樹
脂としては、ウレタン系樹脂やアミノアルキッド樹脂が
適当であり、特に透明オーバコート樹脂層4を構成する
樹脂と同じウレタンアクリレートと酢酸ブチル−トルエ
ンとを含む組成物であって、ウレタンアクリレートの配
合割合が少ないものが好適である。なお、この密着材層
6も紫外線照射により乾燥させることが可能である。形
成された透明オーバコート樹脂層4はサンデイングされ
る。
透明オーバコート樹脂層4の表面を艶消し仕上げのもの
とする場合には、以上の工程によって目的とする生漆を
含む漆製品が得られる。一方、透明オーバコート樹脂層
4の表面を鏡面仕上げのものとする場合には、透明オー
バコート樹脂層4の表面をワックス系研磨材により研磨
して目的とする生漆を含む漆製品が得られる。
〔作用〕
本発明に係る生漆を含む漆製品における漆塗膜層3は、
生漆を含むので生漆の質感を呈する作用があると共にポ
リオールとイソシアネート化合物とを含むので次の作用
がある。即ち、生漆中の酵母菌が不活性化され、生漆の
色変化や形状変化の進行を止めることができ、また、透
明オーバコート樹脂層4との密着性が優れている。な
お、本発明者は、生漆のみの漆止膜層上に透明オーバコ
ート樹脂層を形成する試みをしたが、両者の密着性が悪
く、製品化できないことを確認している。
透明オーバコート樹脂層4は、紫外線硬化型樹脂によっ
て構成されているので、耐擦傷性や耐熱性があり、漆塗
膜層3を保護すると共に、漆塗膜層3の生漆の質感に深
みを与える作用がある。
また、本発明に係る漆製品の製造方法においては、漆塗
膜層3が、生漆とポリオールとイソシアネート化合物と
の混合物によって構成されているので、この漆塗膜層3
をスプレーガンで形成することもできる。
漆塗膜層3にポリオールとイソシアネート化合物とを含
むので、漆ムロを必要としない。
透明オーバコート樹脂層4は紫外線硬化型樹脂で構成さ
れているので、紫外線照射するだけで簡単に保護皮膜が
得られる。
透明オーバコート樹脂層4以外の層にも、紫外線硬化型
樹脂を使用することができ、この場合には各塗膜の乾燥
時間を大幅に少なくすることができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 生地研磨した木製の板1の上に、ポリウレタン樹脂10
0部にセラミックス微粉10部を混入したものを塗り込
み、2時間自然乾燥させ、膜厚5μmのセラミックス層
5を形成した。
次いで、セラミックス層5の表面をサンデイングした
後、不飽和ポリエステル樹脂100部とスチレンモノマ
ー20部とを混合したものを前記セラミックス層の表面
にスプレーガンを用いて塗布し、UV照射装置を用いて
樹脂を硬化させた。肉厚をもたせるために3回にわけて
実施し、厚さ70μmのアンダーコート樹脂層2を形成
した。
次に、アンダーコート樹脂層2の表面をサンデイングし
た後、生漆50部、ポリオール35部、イソシアネート
化合物10部、カーボンブラック(黒色顔料)3部、セ
ラミックス微粉2部、ウレタンシンナー20部からなる
組成物を混合したものをスプレーガンを用いて塗布し、
クリーンルームで約3時間放置して指触乾燥させ、さら
にこれを70℃の乾燥室に1時間入れ、樹脂を硬化させ
て膜厚20μmの漆塗膜層3を形成した。
漆塗膜層3の表面をサンデイングした後、ウレタンアク
リレートと酢酸ブチル−トルエンとの混合物(50部:
50部)を漆塗膜層3の表面にスプレーガンを用いて塗
布し、UV照射装置を用いて樹脂を硬化させて、膜厚5
μmの密着材層6を形成した。
密着材層6の表面をサンデイングした後、ウレタンアク
リレートと酢酸ブチル−トルエンとの混合物(90部:
10部)を密着材層6の表面にスプレーガンを用いて塗
布し、UV照射装置を用いて樹脂を硬化させて、膜厚1
0μmの透明オーバコート樹脂層4を形成した。
次いで、透明オーバコート樹脂層4上にシリコーンワッ
クスを塗布し、鏡面仕上げを行った。
以上の工程を経て、黒色鏡面仕上げの生漆を含む木製の
板を得た。この板の表面の質感、硬度、耐熱性及び耐薬
品性について調べた。その結果を、表−1に示す。
実施例2 生地研磨した木製の板1の上に、不飽和ポリエステル樹
脂100部とスチレンモノマー20部とセラミックス微
粉10部とを混合したものをスプレーガンを用いて塗布
し、UV照射装置を用いて樹脂を硬化させた。肉厚をも
たせるために3回にわけて実施し、厚さ15μmのアン
ダーコート樹脂層2を形成した。
次に、アンダーコート樹脂層2の表面をサンデイングし
た後、生漆45部、ポリオール30部、イソシアネート
化合物7部、タメ顔料3部、セラミックス微粉5部、ウ
レタンシンナー20部からなる組成物を混合したものを
スプレーガンを用いて塗布し、クリーンルームで約4時
間放置して指触乾燥させ、さらにこれを70℃の乾燥室
に1時間入れ、樹脂を硬化させて膜厚30μmの漆塗膜
層3を形成した。
漆塗膜層3の表面をサンデイングした後、ウレタンアク
リレートと酢酸ブチル−トルエンとの混合物(50部:
50部)を漆塗膜層3の表面にスプレーガンを用いて塗
布し、UV照射装置を用いて樹脂を硬化させて、膜厚1
0μmの密着材層6を形成した。
密着材層6の表面をサンデイングした後、ウレタンアク
リレートと酢酸ブチル−トルエンとの混合物(90部:
10部)を密着材層6の表面にスプレーガンを用いて塗
布し、UV照射装置を用いて樹脂を硬化させて、膜厚1
0μmの透明オーバコート樹脂層4を形成した。
以上の工程を経て、タメ色の生漆を含む艶消しの木製の
板を得た。この板の表面の質感、硬度、耐熱性及び耐薬
品性について調べた。その結果を、表−1に併せて示
す。
実施例3 生地研磨した大理石の板1上に、生漆50部、ポリオー
ル25部、イソシアネート化合物10部、弁柄(赤色顔
料)3部、ウレタンシンナー20部からなる組成物を混
合したものをスプレーガンを用いて塗布し、クリーンル
ームで約2時間放置して指触乾燥させ、さらにこれを7
0℃の乾燥室に1時間入れ、樹脂を硬化させて膜厚30
μmの漆塗膜層3を形成した。
漆塗膜層3の表面をサンデイングした後、ウレタンアク
リレートと酢酸ブチル−トルエンとの混合物(80部:
20部)をスプレーガンを用いて塗布し、UV照射装置
を用いて樹脂を硬化させて、膜厚5μmの透明オーバコ
ート樹脂層4を形成した。以上の工程を経て、朱色の生
漆を含む艶消しの大理石の板を得た。この板の表面の質
感、硬度、耐熱性及び耐薬品性について調べた。その結
果を、表−1に併せて示す。
比較例1 生地研磨した木製の板1の上に、生漆を用いた従来の漆
工法により、生漆の塗膜層を形成した。この板の表面の
質感、硬度、耐熱性及び耐薬品性について調べた。その
結果を、表−1に併せて示す。
〔効果〕 本発明は、以上の構成からなるので、以下の諸効果が得
られる。
本発明に係る生漆を含む漆製品は、漆塗層膜に生漆を使
用しているので、生漆の質感を有している。
また、本発明に係る生漆を含む漆製品は、漆塗膜層が直
接表面に露出せず、紫外線硬化型樹脂からなる透明オー
バコート樹脂層で覆われているので、耐熱性、耐薬品性
及び耐擦傷性に優れている。
さらに、本発明に係る生漆を含む漆製品は、生漆を含む
塗膜層の乾燥固化後には、漆の酵母菌が不活性な状態に
あるので、色変化や形状変化を起す恐れがない。
本発明に係る漆製品の製造方法は、漆塗膜層が生漆とポ
リオールとイソシアネート化合物とを含むので、スプレ
ーガンの使用が可能となり、安価(従来法の約1/5〜
110)且つ簡単(従来法の約1/20〜1/25)に
漆塗膜層形成できる。
また、本発明に係る漆製品の製造方法は、透明オーバコ
ート樹脂層を紫外線硬化型樹脂で構成しているので、紫
外線照射により乾燥させることができ、他の各層も紫外
線照射により乾燥させることができ、短期間で製造する
ことができる。
以上のような諸効果を有するので、生漆を用いた従来の
漆製品では到底考えられなかった耐熱性や耐薬品性の要
求される分野への展開も可能となる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係る生漆を含む漆製品の一実施例の断
面図を示す。 図中 1……素材、2……アンダーコート樹脂層、3…
…漆塗膜層、4……透明オーバコート樹脂層、5……セ
ラミックス層、6……密着材層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材1上に、生漆とポリオールとイソシア
    ネート化合物とを含む漆塗膜層3が設けられ、さらにそ
    の上にウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化
    型樹脂を含む透明オーバコート樹脂層4が設けられたこ
    とを特徴とする生漆を含む漆製品。
  2. 【請求項2】素材1上に、アンダーコート樹脂層2が設
    けられ、その上に生漆とポリオールとイソシアネート化
    合物とを含む漆塗膜層3が設けられ、さらにその上にウ
    レタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂を
    含む透明オーバコート樹脂層4が設けられたことを特徴
    とする生漆を含む漆製品。
  3. 【請求項3】素材1上に、生漆とポリオールとイソシア
    ネート化合物とを含む漆塗膜層3を塗布し、指触乾燥さ
    せた後、硬化させ、この漆塗膜層3の上にウレタンアク
    リレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂を含む透明オ
    ーバコート樹脂層4を塗布した後、紫外線照射により硬
    化させることを特徴とする請求項(1)に記載の生漆を含
    む漆製品の製造法。
  4. 【請求項4】素材1上に、アンダーコート樹脂層2を塗
    布し、乾燥させ、その上に生漆とポリオールとイソシア
    ネート化合物とを含む漆塗膜層3を塗布し、指触乾燥さ
    せた後、硬化させ、この漆塗膜層3の上にウレタンアク
    リレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂を含む透明オ
    ーバコート樹脂層4を塗布した後、紫外線照射により硬
    化させることを特徴とする請求項(2)に記載の生漆を含
    む漆製品の製造法。
JP25309290A 1990-09-21 1990-09-21 生漆を含む漆製品及びその製造法 Expired - Fee Related JPH0635173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25309290A JPH0635173B2 (ja) 1990-09-21 1990-09-21 生漆を含む漆製品及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25309290A JPH0635173B2 (ja) 1990-09-21 1990-09-21 生漆を含む漆製品及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04129735A JPH04129735A (ja) 1992-04-30
JPH0635173B2 true JPH0635173B2 (ja) 1994-05-11

Family

ID=17246383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25309290A Expired - Fee Related JPH0635173B2 (ja) 1990-09-21 1990-09-21 生漆を含む漆製品及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0635173B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008001785A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Meiji Univ 漆系塗料、その製造方法及び漆塗装材
CN105199597A (zh) * 2015-10-28 2015-12-30 湖北宝石花工艺品有限公司 一种高光黑色生漆涂料制备方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0728773B2 (ja) * 1992-09-09 1995-04-05 常雄 沖 漆塗り電磁調理テーブル
FR2708875B1 (fr) * 1993-08-12 1995-09-29 Schmitt Ind Sarl Procédé de traitement d'éléments meublants susceptibles de résister à des contraintes importantes.
JP4593744B2 (ja) * 2000-08-16 2010-12-08 グローブライド株式会社 釣竿
JP4773122B2 (ja) * 2005-03-31 2011-09-14 エスケー化研株式会社 漆塗料組成物
JP2010253960A (ja) * 2010-08-09 2010-11-11 Globeride Inc 管状体
JP6026866B2 (ja) * 2012-11-26 2016-11-16 興亜硝子株式会社 漆模様ガラス容器および漆模様ガラス容器の製造方法
CN115385719B (zh) * 2022-07-11 2023-04-14 南京工业大学 一种紫外光固化制备陶瓷膜的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008001785A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Meiji Univ 漆系塗料、その製造方法及び漆塗装材
CN105199597A (zh) * 2015-10-28 2015-12-30 湖北宝石花工艺品有限公司 一种高光黑色生漆涂料制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04129735A (ja) 1992-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3341396A (en) Marbleizing process and article
US3816155A (en) Decorative wood graining method and articles
US7258897B1 (en) Process for producing an ornamental surface on a substrate
US3230284A (en) One-coat marbleizing process
KR100605090B1 (ko) 인조대리석 및 그 제조방법
JPH0635173B2 (ja) 生漆を含む漆製品及びその製造法
CN1050003A (zh) 艺术书画装饰板及其制造方法
JPH0240702B2 (ja)
CN108636740A (zh) 一种钢琴烤漆家具制作工艺
JP3096115B2 (ja) 鏡面化粧板の製造方法
JPH02222754A (ja) 塗装方法
JP3217399B2 (ja) 成形体への転写層の形成方法
KR101222060B1 (ko) 내오염성, 내스크래치성, 내수성 및 내매직성이 우수한 표면처리제 조성물 및 이 조성물로 표면 처리된 시트
JPH02203968A (ja) 塗装方法
JPH08309949A (ja) 凹凸模様を有する化粧板の製造方法
JP2751327B2 (ja) 塗装方法
JPH10500367A (ja) 装飾材料を形成する方法
JPH0222028B2 (ja)
KR910005042B1 (ko) 불포화 폴리 에스테르 수지에 의한 진주 무늬 형성 방법
JP2683387B2 (ja) 化粧板及びその製造方法
JPS6174680A (ja) 凹凸面の塗装方法
JPH10286521A (ja) 木目調の立体模様を形成する表面加工方法
JPS59500902A (ja) ガラス繊維、埋込み大理石及びシマメノウ製品の製造のためのロバ−ツ方式
TW202031817A (zh) 底材塗層處理方法
JPS5651267A (en) Preparation of artificial veneer decorative board

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees