JP4773122B2 - 漆塗料組成物 - Google Patents
漆塗料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4773122B2 JP4773122B2 JP2005104589A JP2005104589A JP4773122B2 JP 4773122 B2 JP4773122 B2 JP 4773122B2 JP 2005104589 A JP2005104589 A JP 2005104589A JP 2005104589 A JP2005104589 A JP 2005104589A JP 4773122 B2 JP4773122 B2 JP 4773122B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lacquer
- component
- group
- amino group
- coating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
漆が古くから好まれる理由として、漆がもつ独自の特性にある。つまり、優雅な肌合いや光沢、ふっくら感や、深み感、しっとり感を有するとともに、電気的絶縁性も非常に高く、耐薬品性、耐久性、耐水性、防腐性等にも優れているからである。
一般に、前記ラッカーゼの硬化乾燥活性が強く発揮されるのは、温度が25〜35℃、相対湿度が70〜80%の高湿度雰囲気であることが知られている。高湿度雰囲気下では漆の乾燥は速いが、湿度が60%以下になると乾燥性が低下もしくは乾燥しなくなる。また、温度が20℃以下では活性が低下し、15℃以下では漆は乾燥しない。これらの理由は、ラッカーゼが湿度空気から効率よく酸素を取り入れることができ、ウルシオールのヒドロキシル基から水素を脱離して酸化させ、ウルシオールキノンを生成する作用を有するからであると考えられている。
さらに、漆やカシューナットシェルオイル等の貯蔵においては、外気に触れると皮張り等が発生しやすいため、これらの貯蔵には細心の注意をはらわなければならなかった。
さらに、漆やカシューナットシェルオイルに、オルガノファンクショナルシラン(硬化促進剤)を加えると、発熱を伴って増粘するため、オルガノファンクショナルシランは少量ずつ添加しなければならず(段落0012記載)、その混合時の取扱いにも、細心の注意をはらわなければならなかった。
1.(A)漆(但し、エポキシ基を含む化合物を除く)、
(B)ポリアミドアミン、
(C)エポキシ基を含有する化合物、を含有し、
(A)と(B)の混合比率が、〔(A)のヒドロキシル基/(B)のアミノ基〕の当量比率で0.5/10〜100/10であり、
(B)と(C)の混合比率が、〔(B)のアミノ基/(C)のエポキシ基〕の当量比率で10/9.5〜10/1であることを特徴とする漆塗料組成物。
2.(i)(A)漆(但し、エポキシ基を含む化合物を除く)と、(B)ポリアミドアミンを主成分とする主剤、
(ii)(C)エポキシ基を含有する化合物を主成分とする硬化剤、
とからなり
(A)と(B)の混合比率が、〔(A)のヒドロキシル基/(B)のアミノ基〕の当量比率で0.5/10〜100/10であり、
(B)と(C)の混合比率が、〔(B)のアミノ基/(C)のエポキシ基〕の当量比率で10/9.5〜10/1であることを特徴とする漆塗料組成物。
特に、本発明では、(B)成分として、加水分解性基を含有するものを除くアミノ基含有化合物を用いることを特徴とする。加水分解性基を含有しないことにより、(A)成分中に含まれる水分によって加水分解反応が進行することなく、貯蔵時や使用時に取扱いやすい漆塗料を得ることができる。また、乾燥工程においては、高湿度条件下においても、加水分解反応が進行せず、漆の性質を損なうことのない漆塗膜を形成することができる。
また、本発明では、(A)成分と(B)成分の反応よりも、(B)成分と(C)成分の反応速度のほうが速い場合が多く、〔(B)のアミノ基と(C)のアミノ基と反応可能な官能基〕の当量比率を10/9.5〜10/1とすることによって、たとえ(B)成分と(C)成分の反応が完全に進行してしまったとしても、(A)成分と反応する(B)成分が存在しているため、(A)成分と(B)成分の反応も進行し、塗膜の乾燥・硬化時間を短くすることができ、かつ、漆の性質を損なうことのない、漆独自の美観性を有する塗膜を形成することができる。
また本発明では、(A)成分と、(B)成分を主成分とする主剤に、(C)成分を主成分とする硬化剤を加えて、塗膜化することが好ましい。
このような方法では、まず、(A)成分と(B)成分を混合することで、(A)成分が(B)成分とある程度反応し、(A)成分がオリゴマー化される。次いで、(C)成分を加えることで、(B)成分と(C)成分の反応が進行し、塗膜の乾燥・硬化時間を短くすることができる。また、詳細は明らかでないが、(A)成分と(B)成分を混合した際、(B)成分中のアミノ基が、漆と酸素との接触を阻害し、空気との接触界面での皮張り等を抑制することができるものと思われる。よって、液状状態での漆の安定性を向上させることができ、貯蔵時や使用時に取扱いやすい漆塗料を得ることができる。
アルケニルカテコールとしては、具体的に、3−(8−ペンタデセニルカテコール)、3−(8−,11−ペンタデセニルカテコール)、3−ペンタデカトリエニルカテコール、4−(8−ペンタデセニルカテコール)等が挙げられる。
また、(A)成分には、天然漆液に含まれる多糖類、含窒素化合物、ラッカーゼ酵素等が含まれていてもよい。
(A)成分のヒドロキシル基当量が50g/eq未満である場合は、(A)成分と(B)成分との相溶性が悪くなり、均一で強靭な塗膜を得ることが困難となる。ヒドロキシル基当量が1000g/eqより大きい場合は、(A)成分と(B)成分の反応速度が低下する場合があり、乾燥速度が長くなることがある。
(B)成分としては、例えば、
アンモニア、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のアルコールアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン等の分子中に1個のアミノ基を含有するアミノ基含有化合物等、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン(ジプロピレントリアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6,−トリスアミノメチルヘキサン、ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン等の脂肪族アミン類、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N―アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン等の脂環族、ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼン等の芳香族アミン、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト、ポリアミン―エチレンオキシドアダクト、ポリアミン―プロピレンオキシドアダクト、シアノエチル化ポリアミン、ケチミン、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化酸無水物、ダイマー酸とポリアミンの縮合によって生成するポリアミド樹脂等の分子中に2個以上のアミノ基を含有するアミノ基含有化合物等、が挙げられる。
例えば(B)成分として分子中に2個のアミノ基を有するアミノ基含有化合物を用いた場合、次のような反応で漆塗膜が形成されていると考えられる。
(i)2個のアミノ基が2個のヒドロキシル基((A)成分)と反応する場合、(ii)2個のアミノ基が2個のエポキシ基((C)成分)と反応する場合、(iii)1個のアミノ基が1個のヒドロキシル基((A)成分)と反応し、もう1個のアミノ基が1個のエポキシ基((C)成分)と反応する場合が考えられる。
本発明では、(i)、(ii)、(iii)のうち、特に(i)、(iii)の反応が進むことによって、乾燥時間が短く、かつ、漆の性質を損なうことのない塗膜を得ることができる。たとえ(ii)の反応が優先的に進んだとしても、本発明では、(A)成分、(B)成分、(C)成分を特定の混合比率で混合することにより、必ず(i)、(iii)の反応が進むこととなり、乾燥時間が短く、かつ、漆の性質を損なうことのない塗膜を得ることができる。
特に、本発明では、(iii)の反応が進むことが好ましく、このような反応が進むことにより、(B)成分が橋架となる形で(A)成分と(C)成分が結合され、乾燥時間が短く、かつ、漆の性質を損なうことのない均一で強靭な塗膜を得ることができる。
(b−1)成分を含むことにより、(A)成分と(b−1)成分との反応が進行し、かつ、(A)成分と(b−2)成分との反応が促進され、(A)成分のみによる硬化反応(漆の硬化反応)を抑制することができる。よって、乾燥速度を向上させ、均一で強靭な塗膜を得ることができる。
(b−2)成分と(b−1)成分の混合比率は、重量比率で(b−2)成分:(b−1)成分が、100:0.1〜50、さらには100:0.5〜30であることが好ましい。このような範囲よりも(b−1)成分が多い場合は、(A)成分と(C)成分を橋架けする形で結合できる(b−2)成分が少なくなるため、均一で強靭な塗膜を得られ難くなる。
(B)成分の活性水素当量が200g/eq未満である場合は、(A)成分や(C)成分との相溶性が悪くなる傾向があり、均一で強靭な塗膜を得ることは困難となる。活性水素当量が1000g/eqより大きい場合は、(B)成分と(A)成分や(C)成分との反応速度が低下する場合があり、乾燥時間が長くなることがある。
エポキシ当量が100g/eq未満である場合は、架橋密度が高くなるため、クラックが生じやすい塗膜となる。エポキシ当量が400g/eqより大きい場合は、(A)成分との相溶性が悪くなる場合があり、均一で強靭な塗膜を得ることが困難となる。
例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分は、塗装直前に混合し、塗装することができるが、この際、
(1)(A)成分、(B)成分、(C)成分を一括で混合してもよいし、
(2)(A)成分と(B)成分を混合したもの(主剤)と、(C)成分(あるいは(C)成分と(B)成分を混合したもの)(硬化剤)を混合してもよいし、
(3)(B)成分と(C)成分を混合したものと、(A)成分(あるいは(A)成分と(B)成分を混合したもの)を混合してもよい。
本発明では、特に、(2)の方法で混合することが好ましく、このような方法では、前述した(iii)の反応が進みやすいため好ましい。通常(A)成分と(B)成分の反応よりも、(C)成分と(B)成分の反応の方が速いため、(2)の方法の中でも、特に(A)成分と(B)成分を混合した後に、(C)成分(あるいは(C)成分と(B)成分の混合液)を添加する方法が、乾燥時間を短く、かつ、漆の性質を損なうことのない強靭な塗膜を得ることができるため、好ましい。
例えば、溶剤としては、トルエン、キシレン、リモネン、ピネン、セスキテルペン、ガムテルペン、テレビン油、各種アルコール等の1種または2種以上を混合したものが好ましく用いることができ、塗料の粘度の調製等に使用することができる。
塗付量としては、用途に合わせて適宜設定すればよいが、通常、50〜500g/m2とすればよい。
本発明の漆塗料組成物は、漆室などの特殊な設備を使用する必要がないため、インテリアや家具、建築物等の大きい被塗物でも、簡便に塗装することができる。
表1に示す原料を用いて、温度23℃、相対湿度50%下(以下、「標準状態」ともいう。)で、漆A100重量部に対し、アミン化合物A80重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。
さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂A100重量部を添加し、漆塗料1を得た。
なお、漆塗料1におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は5/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/6.3であった。
また、得られた漆−アミン混合溶液を容器(240mm×240mm×350mm)に入れ、ふたをしない状態で、温度23℃、相対湿度50%下、15時間静置しておいたところ、漆−アミン混合溶液に異常はみられず、皮張りも発生していなかった。
得られた漆塗料1を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度150℃の恒温槽に設置したところ、30分で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
また、得られた漆塗料1を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度23℃、相対湿度50%下に設置したところ、15時間で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
表1に示す原料を用いて、標準状態で漆B60重量部に対し、アミン化合物A100重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。
さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂A140重量部を添加し、漆塗料2を得た。
なお、漆塗料2におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は3/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/7.4であった。
また、得られた漆−アミン混合溶液を容器(240mm×240mm×350mm)に入れ、ふたをしない状態で、温度23℃、相対湿度50%下、15時間静置しておいたところ、漆−アミン混合溶液に異常はみられず、皮張りも発生していなかった。
得られた漆塗料2を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度150℃の恒温槽に設置したところ、30分で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
表1に示す原料を用いて、標準状態で漆B60重量部に対し、アミン化合物B100重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。
さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂A140重量部を添加し、漆塗料3を得た。
なお、漆塗料3におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は3.8/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/8.8であった。
また、得られた漆−アミン混合溶液を容器(240mm×240mm×350mm)に入れ、ふたをしない状態で、温度23℃、相対湿度50%下、15時間静置しておいたところ、漆−アミン混合溶液に異常はみられず、皮張りも発生していなかった。
得られた漆塗料3を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度150℃の恒温槽に設置したところ、30分で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
表1に示す原料を用いて、標準状態で漆B80重量部に対し、アミン化合物A100重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。
さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂A120重量部を添加し、漆塗料4を得た。
なお、漆塗料4におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は3.1/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/6.3であった。
また、得られた漆−アミン混合溶液を容器(240mm×240mm×350mm)に入れ、ふたをしない状態で、温度23℃、相対湿度50%下、15時間静置しておいたところ、漆−アミン混合溶液に異常はみられず、皮張りも発生していなかった。
得られた漆塗料4を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度150℃の恒温槽に設置したところ、30分で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
表1に示す原料を用いて、標準状態で漆B60重量部に対し、アミン化合物A100重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂B350重量部を添加し、漆塗料5を得た。
なお、漆塗料5におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は3.1/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/5.8であった。
また、得られた漆−アミン混合溶液を容器(240mm×240mm×350mm)に入れ、ふたをしない状態で、温度23℃、相対湿度50%下、15時間静置しておいたところ、漆−アミン混合溶液に異常はみられず、皮張りも発生していなかった。
得られた漆塗料5を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度150℃の恒温槽に設置したところ、30分で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
実施例5で得られた漆塗料5を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度80℃の恒温槽に設置したところ、45分で塗膜が完全に硬化することが確認された。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていた。
表1に示す漆Aのみを125μmのアプリケーターでガラス板に塗布して、温度150℃の恒温槽に設置した。得られた塗膜は、赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていたが、完全に硬化するまでに100分程かかってしまった。
また、表1に示す漆Aのみを125μmのアプリケーターでガラス板に塗布して、温度23℃、相対湿度50%下に設置したところ、完全に硬化するまでに約1週間かかってしまった。
なお、漆Aのみを容器(240mm×240mm×350mm)に入れ、ふたをしない状態で、温度23℃、相対湿度50%下、15時間静置しておいたところ、表面に皮張りが見られた。
表1に示す漆Bのみを125μmのアプリケーターでガラス板に塗布して、温度150℃の恒温槽に設置した。得られた塗膜は、黒赤褐色であり、漆独自の質感、つや、光沢が得られていたが、完全に硬化するまでに120分程かかってしまった。
表1に示す原料を用いて、標準状態で漆B60重量部に対し、アミン化合物A50重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂B420重量部を添加し、漆塗料6を得た。
なお、漆塗料6におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は6.2/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/14であった。
得られた漆塗料6を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度150℃の恒温槽に設置したところ、塗膜が完全に硬化するまでに60分かかってしまい、得られた塗膜の表面から液状物が溶出してしまった。
表1に示す原料を用いて、標準状態で漆B60重量部に対し、アミン化合物A100重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。さらにエポキシ樹脂B35重量部を添加し、漆塗料7を得た。
なお、漆塗料7におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は3.1/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/0.73であった。
得られた漆塗料7は、約10分程度でゲル化してしまい、塗膜を形成することが困難であった。
表1に示す原料を用いて、標準状態で、漆A100重量部に対し、アミン化合物C109重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂A100重量部を添加し、漆塗料8を得た。
なお、漆塗料8におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は3.3/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/4.3であった。
得られた漆塗料8は、約10分程度でゲル化してしまい、塗膜を形成することが困難であった。
表1に示す原料を用いて、標準状態で、漆A15重量部に対し、アミン化合物C310重量部を混合し、漆−アミン混合溶液を得た。さらに得られた漆−アミン混合溶液に、エポキシ樹脂B400重量部を添加し、漆塗料9を得た。
なお、漆塗料9におけるヒドロキシル基/アミノ基の当量比率は0.25/10、アミノ基/エポキシ基の当量比率は10/2.13であった。
得られた漆塗料9を125μmのアプリケーターでガラス板に塗付して、温度80℃の恒温槽に設置したところ、40分で塗膜が完全に硬化することが確認された。しかし、得られた塗膜に、漆独自の質感、つや、光沢は確認されなかった。
Claims (2)
- (A)漆(但し、エポキシ基を含む化合物を除く)、
(B)ポリアミドアミン、
(C)エポキシ基を含有する化合物、を含有し、
(A)と(B)の混合比率が、〔(A)のヒドロキシル基/(B)のアミノ基〕の当量比率で0.5/10〜100/10であり、
(B)と(C)の混合比率が、〔(B)のアミノ基/(C)のエポキシ基〕の当量比率で10/9.5〜10/1であることを特徴とする漆塗料組成物。 - (i)(A)漆(但し、エポキシ基を含む化合物を除く)と、(B)ポリアミドアミンを主成分とする主剤、
(ii)(C)エポキシ基を含有する化合物を主成分とする硬化剤、
とからなり
(A)と(B)の混合比率が、〔(A)のヒドロキシル基/(B)のアミノ基〕の当量比率で0.5/10〜100/10であり、
(B)と(C)の混合比率が、〔(B)のアミノ基/(C)のエポキシ基〕の当量比率で10/9.5〜10/1であることを特徴とする漆塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005104589A JP4773122B2 (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 漆塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005104589A JP4773122B2 (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 漆塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006282848A JP2006282848A (ja) | 2006-10-19 |
JP4773122B2 true JP4773122B2 (ja) | 2011-09-14 |
Family
ID=37405094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005104589A Expired - Fee Related JP4773122B2 (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 漆塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4773122B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59135262A (ja) * | 1983-01-24 | 1984-08-03 | Asahi Pen:Kk | 二液系スプレ−用漆調塗料 |
JPH02105880A (ja) * | 1988-10-14 | 1990-04-18 | Nippon Soda Co Ltd | 塗料組成物 |
JPH0635173B2 (ja) * | 1990-09-21 | 1994-05-11 | 嘉久 宮坂 | 生漆を含む漆製品及びその製造法 |
JPH06220396A (ja) * | 1993-01-29 | 1994-08-09 | Saitou Kk | 塗料組成物 |
JP3669435B2 (ja) * | 2002-02-18 | 2005-07-06 | 福島県 | 漆を主体とする粘土状塑性造形材料 |
-
2005
- 2005-03-31 JP JP2005104589A patent/JP4773122B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006282848A (ja) | 2006-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2018089603A3 (en) | Curable compositions and their use as coatings and footwear components | |
JPS5599971A (en) | Thermosetting coating composition and substrate coating method | |
CN111303747B (zh) | 双组份涂料组合物以及由其制成的制品 | |
CN101198631A (zh) | 可辐射固化的聚氨酯分散体 | |
US6875470B2 (en) | Undercoating for concrete | |
WO2019107124A1 (ja) | アクリルポリシロキサン樹脂系塗料組成物およびその用途 | |
US4148950A (en) | Epoxy surfacer cements containing polyamine-ketimine mixtures | |
CN106715513B (zh) | 涂料用改性环氧树脂和单组分漆型涂料 | |
JP3720899B2 (ja) | 水性エポキシ樹脂硬化性組成物 | |
JP4773122B2 (ja) | 漆塗料組成物 | |
KR20120115027A (ko) | 폴리우레탄 수분산 수지, 그 제조방법 및 이를 포함하는 pcm용 도료 조성물 | |
CN102575137B (zh) | 硅晶圆用黏合性树脂组合物 | |
JPH11171977A (ja) | アミン系硬化剤、及びこれを含む硬化性樹脂組成物 | |
US20210230365A1 (en) | Polyaspartate compositions | |
JPH11209458A (ja) | 自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤及び該硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物 | |
CN111423796B (zh) | 双组份修色剂以及由其制成的制品 | |
KR102601703B1 (ko) | 목재보호용 도료 조성물 | |
JPH0726475B2 (ja) | コンクリート型枠用塗装木質板およびその製造方法 | |
JP2002102792A (ja) | コンクリート型枠用塗装合板の製造方法 | |
JP2005046686A (ja) | ポリウレア塗膜の形成方法 | |
JP2002003792A (ja) | ベース塗料 | |
US10287390B2 (en) | Method of preparing accelerator, curing agent and diluent and applying the same to eliminate amine blushing and amine blooming | |
CN115820099A (zh) | 一种无溶剂聚天冬氨酸酯聚脲涂料及其制备方法 | |
JPH0134469B2 (ja) | ||
JP5092586B2 (ja) | 水性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080319 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110414 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110621 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110623 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |