JP2010253960A - 管状体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 漆本来の質感を保持しつつ、乾燥性の改善を行い、硬度不足、乾燥時の塗膜のシワ、色調や艶のバラツキなどを防止し、耐水性および耐擦傷性の向上を図り、更に釣竿の製造過程における歩留まりの向上を図り、それにより安価で品質の安定した、質感の高い管状体を提供すること。
【解決手段】 管状体1本体の外側に、塗膜層2を形成するとともに、この塗膜層2上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層3を設けたことを特徴とする。この管状体は、管状体本体1の外側に塗膜層を形成する工程と、塗膜層2上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆塗料を塗布して漆層3を形成する工程と、加湿して漆層3を硬化させる工程と、加熱または光の照射により漆層3を硬化・乾燥させる工程とを備える方法により製造される。
【選択図】 図2
【解決手段】 管状体1本体の外側に、塗膜層2を形成するとともに、この塗膜層2上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層3を設けたことを特徴とする。この管状体は、管状体本体1の外側に塗膜層を形成する工程と、塗膜層2上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆塗料を塗布して漆層3を形成する工程と、加湿して漆層3を硬化させる工程と、加熱または光の照射により漆層3を硬化・乾燥させる工程とを備える方法により製造される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、外観品質に優れた、釣竿やゴルフのシャフト等の管状体、およびその製造方法に関する。
釣竿やゴルフのシャフト等の管状体は、その外観が美感に優れているとともに、大きな外力が加わったり、長期の使用によっても被覆層の密着性が損なわれないことが望まれている。
従来、釣竿に天然漆からなる被膜層を設ける場合、塗装後の乾燥と高湿度を維持するための特殊な漆風呂と呼ばれる設備が必要である。漆の乾燥は、空気中の酸素によって硬化するという特性を有することから、乾燥時間が長時間必要となり、乾燥開始から24時間たっても高度がB以下であり、一週間たっても完全乾燥の8割程度しか進まないこともあり、また半年たって本来の硬度が増加することもある。
つまり、乾燥条件によっては、外観の色調、艶のバラツキが生じ易く、塗膜が厚い場合には、表層と内層の乾燥に差が生じて、塗膜にシワが生じてしまうこともある。特に、釣竿のように長いものの場合には、先部と元部で色調の差や艶の差が生じ易く、生産の効率が悪い上、乾燥前の塗膜に触れて、漆かぶれを発生することも多くある。
更に、乾燥(重合度)のバラツキによっては、太陽の光や蛍光灯の紫外線により、塗膜表面が急速に劣化し、艶を失ってしまうこともあり、そのような場合には、色の経時変化も大きくなり、ユーザーからの苦情の原因となることも考えられる。
本発明は、このような問題を解決するためになされ、その目的は、漆本来の質感を保持しつつ、乾燥性の改善を行い、硬度不足、乾燥時の塗膜のシワ、色調や艶のバラツキなどを防止し、耐水性および耐擦傷性の向上を図り、更に釣竿の製造過程における歩留まりの向上を図り、それにより安価で品質の安定した、質感の高い管状体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、使用中における艶、色等の経時的な変化を防止し、性能の安定化および向上を図る管状体を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、漆層を薄く形成したとしても、優れた外観品質を有しつつ、持ち重りの少ない高性能の管状体を提供することにある。
このような目的を達成するため、本発明は、管状体本体の外側に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層を設けたことを特徴とする管状体を提供する。
このように構成される本発明の管状体は、経時変化により漆層に艶や色の変化が生じることがなく、また硬化不良によるスリ傷の発生や水による白化、ブリスター等の不具合を防止し、耐久性に優れている。また、管状体に撓みや変形力が繰返し作用しても、漆層は、強固に管状体本体に密着しているため、剥離することがなく、安定した性能を保持することが出来る。更に、本発明の管状体は、漆層に天然漆を用いているため、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を最大限生かした、優れた外観とすることが出来る。
また、本発明は、管状体本体の外側に、装飾層を含む塗膜層を形成するとともに、この塗膜層上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層を設けた管状体において、前記漆層の厚さは、前記装飾層よりも厚く、かつ50μm以下であることを特徴とする管状体を提供する。
このように構成される本発明の管状体は、上記管状体と同様、経時変化により漆層に艶や色の変化が生じることがなく、また、硬化不足によるスリ傷の発生や見ずによる白化、ブリスター等の不具合も防止でき、耐久性に優れている。また、管状体に撓みや変形力が繰返し作用しても、漆層は、塗膜層を介して強固に管状体本体に密着しているため、剥離することがなく、安定した性能を保持することが出来るとともに、漆層に天然漆を用いているため、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を最大限生かした、優れた外観とすることが出来る。
更に、本発明は、複数の竿管を継ぎ合わせた釣竿であって、竿管本体の外側に、装飾層を含む塗膜層を形成するとともに、この塗膜層上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層を設けてなり、元竿側竿管の前記漆層の厚さは、穂先側竿管の前記漆層の厚さよりも厚いことを特徴とする釣竿を提供する。
このように構成される本発明の釣竿では、比較的肉厚にせざるを得ない漆層を、釣り座の位置によって調整することにより、全体として外観の優れた、持ち重りのしない釣竿を得ることが出来る。
更にまた、本発明は、管状体本体の外側に塗膜層を形成する工程と、前記塗膜層上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤を混合した漆塗料を塗布して漆層を形成する工程と、加湿して前記漆層を硬化させる工程と、加熱または光の照射により前記漆層を硬化・乾燥させる工程とを備える管状体の製造方法を提供する及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料。
このように構成される本発明の管状体の製造方法によると、管状体本体の外側に、塗膜層を介して天然漆を含む漆層を簡単に形成することが出来るとともに、経時変化により漆層に艶や色の変化が生じることがなく、また、硬化不足によるスリ傷の発生や見ずによる白化、ブリスター等の不具合も防止でき、耐久性に優れている。また、管状体に撓みや変形力が繰返し作用しても、漆層は、塗膜層を介して強固に管状体本体に密着しているため、剥離することがなく、安定した性能を保持することが出来るとともに、漆層に天然漆を用いているため、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を最大限生かした、優れた外観とすることが出来る。
また、複数の硬化工程を採用することにより、漆層を塗膜層を介して管状体本体に極めて強固に密着させることが出来るので、漆層の剥離等のない安定した性能の管状体とすることが出来る。更に、漆層に天然漆を用いているため、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を最大限生かした、優れた外観の管状体を製造することが出来る。
本発明において、使用される天然漆は、通常、樹齢10年前後の漆の木から採取した樹液を原料とし、これを加熱して粘度を下げ、ろ過して不純物を除去し、次いで加熱して水分を蒸発させた、いわゆる精製漆を用いることが出来る。
天然漆は、通常、主成分としてウルシオール(平均約2個の水酸基を有するフェノール誘導体の一つ、その他にラッコール、チチオールなどがある。)を60〜85%含有し、これにゴム質4〜10%、ラッカーゼ0.5〜2%、含窒素分1〜4%、水分3〜35%を含むものである。
天然漆は、通常、主成分としてウルシオール(平均約2個の水酸基を有するフェノール誘導体の一つ、その他にラッコール、チチオールなどがある。)を60〜85%含有し、これにゴム質4〜10%、ラッカーゼ0.5〜2%、含窒素分1〜4%、水分3〜35%を含むものである。
本発明においては、このような天然漆に限らず、漆の匂い等の特性を有する人工漆を用いることも可能である。即ち、空気中の酸素によって硬化する漆材料であれば、人工漆も、本発明の対象とすることが出来る。
本発明においては、この天然漆に、合成樹脂硬化剤を混合して、漆層を形成する。合成樹脂硬化剤としては、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水分散型ジイソシアネート等のポリイソシアネートを好ましく用いることが出来る。
ポリイソシアネートの分子量は、100〜300程度であるのが好ましい。ポリイソシアネート以外の熱硬化性合成樹脂硬化剤としては、アミン系樹脂等がある。
上記合成樹脂硬化剤以外にも、不飽和ポリエステル;ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂などのプレポリマーや、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテルなどの光重合開始剤等の添加剤を用いることで、光の照射により硬化する性質を付与することも可能である。
合成樹脂硬化剤の添加量は、10〜60重量%程度であるのが望ましい。この添加量が多すぎると、漆独特の艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等がうすれる傾向となり、少なすぎると、乾燥性の改善効果がうすれる傾向となる。
このように、本発明によると、合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した天然漆材料を用いることにより、空気中の酸素による硬化と、硬化剤による硬化とで、漆層に縮み、皺、割れが発生するのを効果的に防止することが出来、耐久性に優れた管状体を得ることが可能である。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、合成樹脂硬化剤を混合した天然漆材料を用いることにより、経時変化により漆層に艶や色の変化が生じることがなく、また硬化不良によるスリ傷の発生や水による白化、ブリスター等の不具合を防止し、耐久性に優れている。また、管状体に撓みや変形力が繰返し作用しても、漆層は、強固に管状体本体に密着しているため、剥離することがなく、安定した性能を保持することが出来る。更に、本発明の管状体は、漆層に天然漆を用いているため、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を最大限生かした、優れた外観とすることが出来る。
また、特に、漆層を塗膜層を介して形成することにより、管状体に撓みや変形力が繰返し作用しても、漆層は、塗膜層を介して強固に管状体本体に密着しているため、剥離することがなく、安定した性能を保持することが出来る。
更に、本発明の管状体は、漆層に天然漆を用いているため、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を最大限生かした、優れた外観とすることが可能である。
以上のような優れた効果を有する本発明の管状体は、釣竿やゴルフのシャフト等に好適に用いることが出来る。
以上のような優れた効果を有する本発明の管状体は、釣竿やゴルフのシャフト等に好適に用いることが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管状体に用いられる管状体本体1の斜視図である。この管状体本体1は、FRP製または金属製である。この管状体本体1の表面には、図2に示すように、塗膜層2および漆層3が順次被覆されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る管状体に用いられる管状体本体1の斜視図である。この管状体本体1は、FRP製または金属製である。この管状体本体1の表面には、図2に示すように、塗膜層2および漆層3が順次被覆されている。
塗膜層2は、下塗装、装飾層、またはこれらの組み合せにより構成される。下塗装は、管状体本体1と漆層3との密着性を向上させるために設けられ、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の合成樹脂からなる。装飾層は、管状体本体1と漆層3との密着性を向上させるとともに、装飾性を向上させるために設けられ、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、金属、セラミック等からなる。
塗膜層2の厚さは、5〜30μmであるのが好ましい。塗膜層2が薄すぎると、上述の塗膜層2の機能を果たすことが出来ず、厚すぎると、全体として重量が重くなって操作性に欠けることになる。
漆層3は、5〜50ミクロン程度の厚さとすることが好ましい。この範囲の厚さとすることにより、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然の漆の特徴を生かしつつ、耐久性のある塗膜とすることが可能である。
なお、塗膜層2は、通常、図3に示すように、下塗装4、装飾層5,6からなる複数層により構成されるが、下塗装4、装飾層5,6のうちの1層でもよく、場合によっては、省略することも可能である。即ち、管状体本体1の外層が、エポキシ樹脂等の樹脂量が多い(樹脂含量30〜100%)場合には、漆層3との密着性が、塗膜層2と漆層3との密着性と同等となるので、塗膜層2を省略することが出来る。
図3は、塗膜層2を複数層、即ち、下塗装4と2層の装飾層5,6により構成した例を示す。この例では、管状体本体1の外表面は、テープピッチ残りの凹凸面となっており、この凹凸面は、下塗装4により平坦化されている。2層の装飾層5,6のうち、装飾層5は、顔料または染料を含む着色層または光反射層であり、装飾層6は、半透明状の層である。
下塗装4の厚さは、5〜30μm程度が好ましく、装飾層5,6の合計の厚さは、5〜20μm程度が好ましい。
このように、塗膜層2として或いは塗膜層2の一部に、顔料、染料、粒子等を混入した装飾層5を用いることにより、この装飾層5のデザインが漆層の深みのある外観と組み合わされて、外観品質を向上させることが出来る。
このように、塗膜層2として或いは塗膜層2の一部に、顔料、染料、粒子等を混入した装飾層5を用いることにより、この装飾層5のデザインが漆層の深みのある外観と組み合わされて、外観品質を向上させることが出来る。
なお、下地の装飾層5,6の厚さを漆層3の厚さよりも薄くして、相対的に漆層3の厚さを厚くすることにより、より深みのある外観を得ることが出来るとともに、漆層3の特徴を生かすことが出来る。
また、漆層3に粒子を混入することにより、漆の深みのある外観に更に立体感が加わり、外観の品質をより向上させることが出来る。更に、下地の装飾層と組み合わせた新深みと装飾性に優れた外観を得ることが出来る。
漆層3の厚さは、均一であることが望ましい。特に、厚さの均一性をプラスマイナス15%以下、好ましくは10%以下とすることにより、色の変化を防止することが出来るとともに、安定した色合いにすることが出来る。
更に、漆層3にシリコンやフッ素等の撥水材料を混入し、表面に一部露出するように漆層3を形成することにより、水滴の付着を防止することが出来るとともに、漆層の色調の変化を防止することが出来る。また、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アクリレート等の紫外線吸収剤を塗膜の硬化を阻害しない量だけ添加し、色調の劣化を防止することも出来る。
なお、各層の硬度は任意であるが、漆層3の硬度を塗膜層(下塗装)の硬度よりも高くすることにより、漆層3の剥離や割れ等を防止することが出来、耐久性を一層向上させることが出来る。
次に、本発明の管状体を釣竿に適用する場合について説明する。
1本の釣竿または複数本の釣竿を継ぎ合わせて1本の釣竿としたとき、穂先側は、漆層を形成しないか、または薄く形成し、中間部分は穂先側よりも厚く形成し、元竿側も穂先側よりも厚く形成し、または最も厚く形成することが望ましい。
1本の釣竿または複数本の釣竿を継ぎ合わせて1本の釣竿としたとき、穂先側は、漆層を形成しないか、または薄く形成し、中間部分は穂先側よりも厚く形成し、元竿側も穂先側よりも厚く形成し、または最も厚く形成することが望ましい。
このように、漆層の厚さを釣竿の穂先側で薄く(例えば、5〜10μm)、元竿側で厚く(例えば、20〜50μm)形成することにより、1本の釣竿のうち、釣り人の目に近い部分では、漆様の外観を強調することが出来、釣り人の目から遠い、漆様の外観が判別し難い穂先側では、外観よりも持ち重りを防止することが可能である。その結果、外観品質の向上と軽量化を図ることができるとともに、持ち重りを防止して操作性の優れた釣竿を得ることが出来る。
また、釣竿全体のうちでは、段塗り部、節付け部、継合部のような、撓みの少ない位置に漆層を相対的に厚く形成し、撓みの多い位置には漆層を相対的に薄く形成することにより、外観品質を損なうことなく、漆層の割れや剥離の防止を図ることが出来る。
釣竿の一部にのみ漆層を形成する場合には、竿管の継合部(雄竿管)に形成することで、しっくりした合せにすることが出来、使用時に継合が外れにくくすることが出来る。
以上説明した本発明の管状体は、次のような方法により製造することが出来る。
まず、管状体本体の表面をスコッチベルトや化学研磨により研磨する。次いで、研磨された管状体本体の表面に、エポキシまたはウレタン塗料を1回又は複数回塗装することにより、下塗装を15μmの厚さに行なう。次に、染料、顔料、粒子等を混合した装飾用塗料を、1回又は複数回塗装することにより、20μmの厚さの装飾層を形成する。
まず、管状体本体の表面をスコッチベルトや化学研磨により研磨する。次いで、研磨された管状体本体の表面に、エポキシまたはウレタン塗料を1回又は複数回塗装することにより、下塗装を15μmの厚さに行なう。次に、染料、顔料、粒子等を混合した装飾用塗料を、1回又は複数回塗装することにより、20μmの厚さの装飾層を形成する。
その後、装飾層上に、天然漆に合成樹脂硬化剤として50重量%のポリイソシアネートを混合した塗料を、30μmの厚さに塗装する。このように漆を含む塗料を塗装した管状体を、乾燥炉(漆ムロ)内で乾燥した後、加熱乾燥炉内で乾燥して、漆を硬化させる。乾燥炉(漆ムロ)内の乾燥は、湿度80%で12時間程度行ない、加熱乾燥炉内の乾燥は、80℃以上、好ましくは130〜150℃で、90分〜120分間行なう。
なお、漆の硬化は、加熱硬化に限らず、赤外線や紫外線光硬化により行なってもよい。また、加湿と加熱を同時に行なうことも可能である。
このようにして、塗布し、乾燥した後の漆層の表面を、化学研磨や、コンパウンド研磨により、鏡面状に研磨すると、漆層の表面は、艶と深みが顕著に表れ、一層、外観の品質が向上する。
このようにして、塗布し、乾燥した後の漆層の表面を、化学研磨や、コンパウンド研磨により、鏡面状に研磨すると、漆層の表面は、艶と深みが顕著に表れ、一層、外観の品質が向上する。
以上のような方法によると、漆層を内部から確実に硬化することが出来るので、耐久性に優れた管状体を得ることが出来る。また、漆層を形成するにもかかわらず、管状体全体としての乾燥時間を短縮することが出来るので、生産性の向上を図ることが出来る。
また、漆層は、薄い層を多数回塗装することなく、1回の塗装で得ることが出来るので、この点でも生産性に優れている。
このようにして、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を生かした管状体を得ることが可能である。
このようにして、艶、色合い、深み、肉持ち感、臭い等の天然漆の特徴を生かした管状体を得ることが可能である。
1…管状体本体
2…塗膜層
3…漆層
4…下塗装
5,6…装飾層
2…塗膜層
3…漆層
4…下塗装
5,6…装飾層
Claims (4)
- 管状体本体の外側に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層を設けたことを特徴とする管状体。
- 管状体本体の外側に、装飾層を含む塗膜層を形成するとともに、この塗膜層上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層を設けた管状体において、前記漆層の厚さは、前記装飾層よりも厚く、かつ50μm以下であることを特徴とする管状体。
- 複数の竿管を継ぎ合わせた釣竿であって、竿管本体の外側に、装飾層を含む塗膜層を形成するとともに、この塗膜層上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆層を設けてなり、元竿側竿管の前記漆層の厚さは、穂先側竿管の前記漆層の厚さよりも厚いことを特徴とする釣竿。
- 管状体本体の外側に塗膜層を形成する工程と、
前記塗膜層上に、天然漆材料に合成樹脂硬化剤及び/又は合成樹脂硬化促進剤並びに合成樹脂硬化補助材料を混合した漆塗料を塗布して漆層を形成する工程と、
加湿して前記漆層を硬化させる工程と、
加熱または光の照射により前記漆層を硬化・乾燥させる工程と、
を備える管状体の製造方法。
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