JPH05320576A - 漆塗料 - Google Patents
漆塗料Info
- Publication number
- JPH05320576A JPH05320576A JP14891692A JP14891692A JPH05320576A JP H05320576 A JPH05320576 A JP H05320576A JP 14891692 A JP14891692 A JP 14891692A JP 14891692 A JP14891692 A JP 14891692A JP H05320576 A JPH05320576 A JP H05320576A
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- JP
- Japan
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- organic solvent
- lacquer
- titanium alkoxide
- urushi
- coating
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキシド
の有機溶剤溶液とを混合し、チタニウムアルコキシドの
加水分解により生じる酸化チタンを漆中に含有させた。 【効果】 漆塗膜の耐候性が向上する。
の有機溶剤溶液とを混合し、チタニウムアルコキシドの
加水分解により生じる酸化チタンを漆中に含有させた。 【効果】 漆塗膜の耐候性が向上する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性の優れた漆塗料
に関するものである。
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】漆塗料は光沢、硬度、付着性、耐酸性、
耐水性等にすぐれた高級感ある塗膜を与えるので、食
器、家具、美術工芸品等、各種木工品や金属製品の塗装
に古くから使われてきた。しかしながら、その塗膜は耐
候性において劣るという欠点があり、特に紫外線に弱
く、直射日光に長期間さらすと表面光沢が減少し、さら
には白亜化を起こす。
耐水性等にすぐれた高級感ある塗膜を与えるので、食
器、家具、美術工芸品等、各種木工品や金属製品の塗装
に古くから使われてきた。しかしながら、その塗膜は耐
候性において劣るという欠点があり、特に紫外線に弱
く、直射日光に長期間さらすと表面光沢が減少し、さら
には白亜化を起こす。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
の漆塗料よりも耐候性においてすぐれた塗膜を与える漆
塗料を提供しようとするものである。
の漆塗料よりも耐候性においてすぐれた塗膜を与える漆
塗料を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明が提供することに
成功した漆塗料は、漆の有機溶剤溶液とチタニウムアル
コキシドの有機溶剤溶液とを混合してなる漆塗料、およ
び、漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキシドの有機
溶剤溶液との組み合わせよりなる２液混合型漆塗料であ
る。本発明による漆塗料は、塗装の常法により塗装する
ことができるが、２液混合型のものの場合は、使用直前
に２液が混合され、塗装される。
成功した漆塗料は、漆の有機溶剤溶液とチタニウムアル
コキシドの有機溶剤溶液とを混合してなる漆塗料、およ
び、漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキシドの有機
溶剤溶液との組み合わせよりなる２液混合型漆塗料であ
る。本発明による漆塗料は、塗装の常法により塗装する
ことができるが、２液混合型のものの場合は、使用直前
に２液が混合され、塗装される。
【０００５】漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキシ
ドの有機溶剤溶液とを混合すると、チタニウムアルコキ
シドは漆溶液中の微量の水分および漆構成成分中の水酸
基と反応して加水分解し、酸化チタンを生成する。この
加水分解反応は、両溶液が混合された塗料の段階では完
了せず、一部のチタニウムアルコキシドはそのまま、あ
るいはその部分加水分解物の状態で、漆と共に塗装され
ることもあるが、それらも、塗装後に塗膜が空気中から
吸収する水分によって、塗膜が硬化するまでには加水分
解を完了する。
ドの有機溶剤溶液とを混合すると、チタニウムアルコキ
シドは漆溶液中の微量の水分および漆構成成分中の水酸
基と反応して加水分解し、酸化チタンを生成する。この
加水分解反応は、両溶液が混合された塗料の段階では完
了せず、一部のチタニウムアルコキシドはそのまま、あ
るいはその部分加水分解物の状態で、漆と共に塗装され
ることもあるが、それらも、塗装後に塗膜が空気中から
吸収する水分によって、塗膜が硬化するまでには加水分
解を完了する。
【０００６】酸化チタン系顔料は各種塗料に白色顔料と
して配合されることが多く、その紫外線吸収作用が塗膜
の耐候性向上にも有効であることは知られているが、本
発明の漆塗料中でチタニウムアルコキシドから生成する
酸化チタンは一般的な塗料に配合される酸化チタン系顔
料に比べると極めて微細である。このため、紫外線遮蔽
作用にすぐれ、塗膜の耐候性を顕著に向上させる一方、
可視光線隠蔽力はあまり大きくないから漆塗膜が本来有
する質感を大きく変えたり損なったりすることがない。
して配合されることが多く、その紫外線吸収作用が塗膜
の耐候性向上にも有効であることは知られているが、本
発明の漆塗料中でチタニウムアルコキシドから生成する
酸化チタンは一般的な塗料に配合される酸化チタン系顔
料に比べると極めて微細である。このため、紫外線遮蔽
作用にすぐれ、塗膜の耐候性を顕著に向上させる一方、
可視光線隠蔽力はあまり大きくないから漆塗膜が本来有
する質感を大きく変えたり損なったりすることがない。
【０００７】本発明の漆塗料を調製するのに用いる有機
溶剤としては、漆に対してはベンゼン、トルエン、キシ
レン、ケロシンなどが、またチタニウムアルコキシドに
対してはベンゼン、トルエン、キシレン、エタノール、
プロパノール、ブタノールなどが適当である。漆として
は、生うるしなど、塗装用に通常利用されているものを
用いることができる。また、チタニウムアルコキシドと
しては、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウ
ムブトキシド、チタニウムエトキシド等が適当である。
溶剤としては、漆に対してはベンゼン、トルエン、キシ
レン、ケロシンなどが、またチタニウムアルコキシドに
対してはベンゼン、トルエン、キシレン、エタノール、
プロパノール、ブタノールなどが適当である。漆として
は、生うるしなど、塗装用に通常利用されているものを
用いることができる。また、チタニウムアルコキシドと
しては、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウ
ムブトキシド、チタニウムエトキシド等が適当である。
【０００８】漆とチタニウムアルコキシドは、少量の溶
媒に溶かし、漆に対するチタニウムアルコキシドの比率
が約１０〜５００重量％になるように用いる。チタニウ
ムアルコキシドの比率が高くなるほど耐候性は良くなる
が、耐酸性や熱水に対する耐性は悪くなるので、塗膜が
置かれる環境を考慮して配合比率を選定することが望ま
しい。漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキシドの有
機溶剤溶液とを別々に用意しておき、それらを使用直前
に混合する２液混合型のものは、漆に直接使用すると漆
成分の分離を引き起こすアルコール系溶媒も一方の成分
のチタニウムアルコキシド用溶媒には使用することがで
きる点で有利である。
媒に溶かし、漆に対するチタニウムアルコキシドの比率
が約１０〜５００重量％になるように用いる。チタニウ
ムアルコキシドの比率が高くなるほど耐候性は良くなる
が、耐酸性や熱水に対する耐性は悪くなるので、塗膜が
置かれる環境を考慮して配合比率を選定することが望ま
しい。漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキシドの有
機溶剤溶液とを別々に用意しておき、それらを使用直前
に混合する２液混合型のものは、漆に直接使用すると漆
成分の分離を引き起こすアルコール系溶媒も一方の成分
のチタニウムアルコキシド用溶媒には使用することがで
きる点で有利である。
【０００９】
【実施例】実施例１ チタニウムテトライソプロポキシドをベンゼンに溶解
し、濃度３.３５×10-4mol/lの溶液にした。別に、漆
２.３８ｇをベンゼン１５mlに溶かした漆溶液を調製し
た。両溶液を種々の比率で混合し、混合液０.０１mlを
スライドガラス上に滴下し、これを、スライドガラスに
２０００rpmの回転を１５秒間与えることによりスライ
ドガラス上に展開させたのち常温の空気中で乾燥した。
形成された塗膜の外観はいずれも良好であった。
し、濃度３.３５×10-4mol/lの溶液にした。別に、漆
２.３８ｇをベンゼン１５mlに溶かした漆溶液を調製し
た。両溶液を種々の比率で混合し、混合液０.０１mlを
スライドガラス上に滴下し、これを、スライドガラスに
２０００rpmの回転を１５秒間与えることによりスライ
ドガラス上に展開させたのち常温の空気中で乾燥した。
形成された塗膜の外観はいずれも良好であった。
【００１０】スライドガラス上に形成された塗膜につい
て、下記の方法で耐酸性、有機溶剤耐性、熱水耐性、お
よび耐候性を調べた。 耐酸性：１０％硫酸水溶液に８時間浸漬し、塗膜の外観
変化を観察する。 有機溶剤耐性：メチルイソブチルケトンに８時間浸漬
し、外観変化を観察する。 熱水耐性：沸騰水に８時間浸漬し、外観変化を観察す
る。 耐候性：ＪＩＳ k6732に従い、サンシャインカーボンア
ーク灯式耐候性試験器により調べた。
て、下記の方法で耐酸性、有機溶剤耐性、熱水耐性、お
よび耐候性を調べた。 耐酸性：１０％硫酸水溶液に８時間浸漬し、塗膜の外観
変化を観察する。 有機溶剤耐性：メチルイソブチルケトンに８時間浸漬
し、外観変化を観察する。 熱水耐性：沸騰水に８時間浸漬し、外観変化を観察す
る。 耐候性：ＪＩＳ k6732に従い、サンシャインカーボンア
ーク灯式耐候性試験器により調べた。
【００１１】試験結果を表１に示す。なお、いずれの試
験項目も判定基準は下記のとおりである。 ◎ 変化がない。 ○ 膜に微細なクラックが発生した。 △ 膜の剥離が生じた。 × 膜の剥離、侵食が激しく、脆弱化した。
験項目も判定基準は下記のとおりである。 ◎ 変化がない。 ○ 膜に微細なクラックが発生した。 △ 膜の剥離が生じた。 × 膜の剥離、侵食が激しく、脆弱化した。
【００１２】
【表１】 漆：Ti(RO)4混合比 耐酸性 有機溶剤耐性 熱水耐性 耐候性 １００： ０ ◎ ◎ ○ × １００： １０ ◎ ◎ ○ △ １００： ５０ ○ ◎ ○ ○ １００：１００ ○ ◎ ○ ◎ １００：５００ △ ◎ △ ◎ １００：１０００ × ◎ × ◎ （注）Ti(RO)4：チタニウムイソプロポキシド
【００１３】
【発明の効果】上述のように、チタニウムアルコキシド
を配合して極微細な酸化チタンが塗膜中に導入されるよ
うにした本発明によれば、漆塗膜の優れた質感を損なう
ことなしに耐候性を顕著に向上させることができる。
を配合して極微細な酸化チタンが塗膜中に導入されるよ
うにした本発明によれば、漆塗膜の優れた質感を損なう
ことなしに耐候性を顕著に向上させることができる。
Claims (2)
- 【請求項１】 漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキ
シドの有機溶剤溶液とを混合してなる漆塗料。 - 【請求項２】 漆の有機溶剤溶液とチタニウムアルコキ
シドの有機溶剤溶液との組み合わせよりなる２液混合型
漆塗料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14891692A JPH05320576A (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 漆塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14891692A JPH05320576A (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 漆塗料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05320576A true JPH05320576A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=15463532
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14891692A Pending JPH05320576A (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 漆塗料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05320576A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002059497A (ja) * | 2000-08-16 | 2002-02-26 | Daiwa Seiko Inc | 管状体およびその製造方法 |
| JP2010253960A (ja) * | 2010-08-09 | 2010-11-11 | Globeride Inc | 管状体 |
-
1992
- 1992-05-18 JP JP14891692A patent/JPH05320576A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002059497A (ja) * | 2000-08-16 | 2002-02-26 | Daiwa Seiko Inc | 管状体およびその製造方法 |
| JP2010253960A (ja) * | 2010-08-09 | 2010-11-11 | Globeride Inc | 管状体 |
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