JPH06349473A - 電池セパレーター - Google Patents

電池セパレーター

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JPH06349473A
JPH06349473A JP6106048A JP10604894A JPH06349473A JP H06349473 A JPH06349473 A JP H06349473A JP 6106048 A JP6106048 A JP 6106048A JP 10604894 A JP10604894 A JP 10604894A JP H06349473 A JPH06349473 A JP H06349473A
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battery
separator
acid
monomer
battery separator
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Peter J Degen
ピーター・ジョン・ディジェン
Joseph Yuen Lee
ジョセフ・ユエン・リー
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Pall Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低い電解抵抗、長期安定性、高い電解液吸収
能および保持能、高い気体透過度、縦横両方向に高い強
度を兼ね備えた薄い電池セパレータ。 【構成】 多孔度:約50〜95%;平均ポアーサイ
ズ:約0.1〜2μm;電解抵抗:約1〜50mΩ−i
(約6.45〜323mΩ−cm);35%KO
Hおよび5%KmnOの水溶液に50℃で1時間浸漬
したのち、最大減量1%、および電解抵抗の変化25%
以下;引張り強さ:長さおよび幅の両方向に約3.5〜
5.5lb/in(約625−982g/cm);KO
H吸収率:約5〜30;ガーレイ空気透過度:約1〜3
00秒/10ml;ならびに、厚さ:約0.5〜10m
il(約12.7〜254μm)の特性を有する、モノ
マーと放射線グラフトした超高分子量ポリエチレンの微
孔質膜からなる、電池セパレーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は一般に電池、詳細には電池に用いる微孔質セパ
レーターに関するものである。
【0002】発明の背景 電池には種々の組み合わせの電極を用いた多種多様な物
理的形態のものがある。電気自動車および他の電気機械
の出現に伴って、高エネルギー密度の電池に対する需要
が増加した。この需要は電池のデザインに影響を及ぼし
た。これらの用途に対しては、相互に近接した電極を備
えた電池を作成することが望ましい。しかしこのような
電池を作成すると、電極が近接しているため電池が内部
短絡を生じる危険性が増大する。
【0003】上記の問題の一例として、ニッケル−カド
ミウム型アルカリ電池が挙げられる。従来これらの電池
は焼結陰極を用いていた。今日では、蓄電容量を高める
ためにこの型の電極の代わりにプラスチック接着電極が
用いられている。しかし繰り返して蓄電および放電する
と、このような電極を備えた電池は焼結電極を備えた電
池より早く内部短絡を生じやすい。この内部短絡の問題
は、活性カドミウム物質が生長して陰極から陽極へ移動
する″マイグレーション″として知られている現象によ
り起こる。
【0004】上記の問題を克服する1方法は、微孔質セ
パレーターの使用によるものである。活性カドミウム物
質の生長が微孔質セパレーターによって遅延し、従って
この方法は活性カドミウム物質の生長により起こる内部
短絡を実質的に完全に阻止しうる。ただしこのようなセ
パレーターについての問題の1つは、それらの気体透過
度が低く、電池の不都合な破裂または通気の可能性をも
たらすことである。第2の問題は、膜の適切な湿潤性を
達成する目的でそれらのセパレーターに界面活性剤を含
有させることにより生じる。それらの界面活性剤は場合
によりセパレーターから滲出し、電池の周囲を汚染し、
電池の早期破損および劣化を引き起こす。
【0005】湿潤性電池セパレーターは米国特許第5,
126,219号明細書に示されており、これらのセパ
レーターは少なくとも20%の空隙率を有するウェブと
して形成された超高分子量のフィラメントおよび繊維か
ら作成される。湿潤性は、押出し前の押出し用ポリオレ
フィン混合物に微細な吸湿性充填材を含有させることに
より付与される。このような配合物は単純な被覆によっ
て付与されるより永続的な湿潤性を材料に付与するが、
実用に際してはなお問題がある。
【0006】セパレーターの使用を必要とする電池系は
多数ある。残念ながら各系にはセパレーター特性に関し
てそれ自身に固有の要件がある。しかし、ある種のセパ
レーター特性はそれらが使用される個々の電池系とは無
関係に望ましいと考えられる: (a)薄く、かつ陽極と陰極の分離性に信頼性がある、
(b)電解液中での電解抵抗が極めて低い、(c)高め
られた温度においてすら、電解液およびオキシダントに
暴露された際に長期間にわたって耐薬品性である、
(d)大量の電解液を吸収および保有することができ
る、(e)気体透過性が良好である、ならびに(f)縦
方向および横方向に機械的強度が高い。これらの基準す
べてを満たす市販のセパレーターはない。
【0007】従って多様な望ましい特性を兼ね備えた電
池セパレーターが依然として要望されている。本発明の
目的は、この種の電池セパレーター、およびこの種のセ
パレーターを収容した電池を提供することである。
【0008】これらおよび他の本発明の目的および利
点、ならびに付加された発明性は、本明細書に提示され
た本発明の説明から明らかになるであろう。
【0009】発明の概要 本発明は、モノマーと放射線グラフトした超高分子量ポ
リエチレンの微孔質膜からなる、下記の特性を有する電
池セパレーターを提供する: (a)約50−約95%の多孔度、(b)約0.1−約
20μmの平均ポアーサイズ、(c)約1−約50mΩ
−in2(約6.45−約323mΩ−cm2)の電解抵
抗、(d)35%KOHおよび5%KMnO4の水溶液
に50℃で1時間浸漬したのち、最大減量1%、および
電解抵抗の変化25%以下、(e)長さおよび幅の両方
向に約3.5−約5.5lb/in(約625−約98
2g/cm)の引張り強さ、(f)約5−約30のKO
H吸収率、(g)約1−300秒/10mlのガーレイ
空気透過度。このセパレーターは好ましくは約0.5−
約10mil(約12.7−約254μm)の厚さを有
する。
【0010】さらに本発明は、反対の極性の電極少なく
とも一対、電解液、および反対の極性の電極間に配置さ
れた本発明のセパレーターからなる電池を提供する。
【0011】好ましい形態の詳細な記述 本発明は、従来の電池セパレーターでは同時に達成し得
ない特定の特性を兼ね備えた電池セパレーターを提供す
る。特に本発明のセパレーターは、KOH電解液中での
電解抵抗が極めて低く、これにより極めて高率の容量を
提供する。さらにセパレーターは永久的に湿潤性であ
り、電解液中および水中で貯蔵した際にセパレーターか
ら滲出する可能性のある界面活性剤または吸湿性充填材
はセパレーターに含有されず、長期間ですら滲出は生じ
ない。従って電解抵抗は経時変化しない。またセパレー
ターは高いKOH吸収率、高い気体透過度を備え、かつ
対称的な機械的強度を示し、方向による弱さを示さな
い。さらに本発明のセパレーターは、沸点から−40℃
に及ぶ広い温度範囲にわたってKOH電解液中で卓越し
た安定性を示し、卓越した酸化安定性を備え、かつ沸騰
KMnO4/KOH下に置かれた場合にほとんど減量を
生じない。また本発明のセパレーターはヒートシールす
ることができる。
【0012】本発明のセパレーターは、モノマーと放射
線グラフトした超高分子量ポリエチレンの微孔質膜から
なり、下記の特性を有する: (a)約50−約95%の多孔度、(b)約0.1−約
20μmの平均ポアーサイズ、(c)約1−約50mΩ
−in2(約6.45−約323mΩ−cm2)の電解抵
抗、(d)35%KOHおよび5%KMnO4の水溶液
に50℃で1時間浸漬したのち、最大減量1%、および
電解抵抗の変化25%以下、(e)長さおよび幅の両方
向に約3.5−約5.5lb/in(約625−約98
2g/cm)の引張り強さ、(f)約5−約30のKO
H吸収率、(g)約1−300秒/10mlのガーレイ
空気透過度。
【0013】本発明のセパレーターは好ましくは約0.
5−約10mil(約12.7−約254μm)の厚さ
を有する。有利には、本発明のセパレーターは80℃の
温度に1時間保持したのち、ほぼ長さ2%および幅1%
を上回る収縮を生じることがなく、約72−約95dy
ne/cmのCWSTを有し、約5−約20mΩ−in
2(約32−約129mΩ−cm2)の電解抵抗を有す
る。好ましくは、沸騰水中で30分間の抽出後もCWS
Tが一定に維持されている。
【0014】本発明の電池セパレーターは下記の材料お
よび方法に従って製造される。基材 出発原料は高分子量ポリエチレンからなる微孔質ポリエ
チレン基材である。ポリエチレンは、超高分子量(″U
HMW″)、すなわちASTM D 1238−70に
従って測定した際の標準負荷メルトインデックス約0.
04/10分以下、好ましくは0、および固有粘度約
3.0以上(デカヒドロナフタリン中、135℃で測
定)をもつべきである。好ましいUHMWポリエチレン
は、ASTMD 4020−81に従って測定した際に
公称重量平均分子量約500,000−約5,000,
000をもつものである。本明細書において有用である
ものとして記載する高い方の分子量範囲のUHMWポリ
エチレンを用いることが極めて好ましい。比較的低い分
子量のポリオレフィン少量をこれにブレンドしてもよ
い。これらのUHMWポリエチレンは当技術分野で知ら
れているもの、たとえばスタミランUH(STAMYL
AN UH、登録商標)(DMS、オランダ国ゲレー
ン)である。
【0015】本発明に有用な微孔質UHMWポリエチレ
ン基材は、ポアーに関して層成ラメラ状リーフ様構造
(stacked,lamellar leaf−li
kestructure)をもつべきである。リーフ様
ラメラ構造は図1の曲折したポアー構造を表す有用な基
材の走査電子顕微鏡写真に示されるように、走査電子顕
微鏡下で見ることができる。これに対し望ましくない基
材、たとえばある種のセルガード(Celgard、登
録商標)フィルムの直線的なポアー構造が、セルガード
・テクニカル・インフォメーション−フィルムパンフレ
ット(セラニーズ・コーポレーション,1985)に示
されている。基材は好ましくは欧州特許第500,17
3号明細書に示されるゲル押出し法により製造される。
この種の基材は各種グレードのものがDMS(オランダ
国ゲレーン)から微孔質UHMW−PE疎水性電池セパ
レーターとして市販されている。
【0016】微孔質基材は下記の特性をもつべきであ
る:約0.5−約10mil(約12.7−約254μ
m)、好ましくは約1−5mil(約25.4−127
μm)の厚さ、約3.0−約50g/m2の基本重量、
縦(長さ)および横(幅)の両方向に約3.5−約5.
5lb/in(約625−約982g/cm)の引張り
強さ、50−95%の多孔度、および0.1−20μm
のポアーサイズ。放射線グラフト 微孔質ポリエチレン基材は、その本来の特性、たとえば
通気性、微孔性、機械的強度などを不都合に変化させる
ことなく、永久的に親水性にすることにより、有用な電
池セパレーターに変換される。
【0017】放射線グラフトはこの結果を達成するため
に好ましい方法である。放射線源は放射性同位体、たと
えばコバルト60、ストロンチウム90およびセシウム
137からのもの、または機器、たとえばX線機器、電
子加速器、および紫外線装置からのものであってもよ
い。
【0018】グラフト処理はポリエチレン基材を親水性
にする活性モノマーの使用をも伴う。個々のモノマーの
選択は電池系の種類に依存する。グラフトに有用なモノ
マーには、ポリエチレンのグラフトに一般に用いられて
いる材料、たとえばカルボキシル基を含むモノマーが包
含される。これらのモノマーの例にはアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、ヒドロキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、
ヒドロキシエチルメタクリレート、およびヒドロキシプ
ロピルメタクリレートが含まれる。好ましいモノマーは
メタクリル酸および/またはヒドロキシエチルメタクリ
レートである。上記モノマーの混合物も使用しうる。
【0019】グラフトは一般に下記のいずれかの方法に
より行われる。基材を乾燥状態で照射し、次いでモノマ
ー溶液に浸漬する。あるいは基材をモノマー溶液の存在
下で照射することができる。モノマー溶液は上記のモノ
マー1種または2種以上を含むであろう。上記溶液中の
モノマーの割合は約0.1重量%から約100容量%ま
で広範に及びうる。好ましいグラフト法を以下の実施例
に詳述する。
【0020】電池セパレーターの作成に際し、長期間に
わたって湿潤性を維持しうる微孔質膜を用いることによ
って、既知の微孔質シート状セパレーターと比較して大
幅に増大した電解液吸収能を備えたセパレーターが得ら
れる。この特性は、存在する唯一の電解液はセパレータ
ーおよび電極板に吸収されたものであるという点でセパ
レーターが電解液を吸収および保持しうる能力が重要で
ある″スターブド電解液(starved elect
rolyte)″(再結合(recombinan
t))型電池に特に有用である。親水性が永久的である
ことも、より良好な性能およびより長い電池寿命をもた
らす。セパレーター評価法 本発明のセパレーターは多様な特性を備えている。それ
らの特性が満たされているか否かを判定するためにセパ
レーター試料を評価する方法を以下の節に提示する。
【0021】セパレーターの多孔度を測定する方法は、
一定容量の空気が一定の圧力において膜を貫通するのに
要する時間を測定するガーレイ・デンソメーター(Gu
rley Densometer)を用いる。短い時間
ほど、より多孔質の膜を反映する。より精確な測定は、
膜の密度(D)およびバルクポリマーの密度(D0)を
測定し、次式により多孔度を計算するものである: 多孔度% = (D−D0)/D0 × 100 セパレーターの平均ポアーサイズを測定する方法は、最
大および平均流通ポアーサイズを提示するクールターポ
ロメーターを用いるバブルポイント法である。
【0022】セパレーターの電解抵抗を測定する方法
は、クーパー(J.Cooper)ら編、″Chara
cteristics of Separators
forAlkaline Silver Oxide−
Zinc Secondary Batteries″
(エア・フォース・アエロプロパルジョン・ラボラトリ
ー、オハイオ州デイトン、1965年9月)、6B章に
記載されている。被験セパレーターの試料を3切し、次
いで40%KOH電解液に24±1℃で1時間浸漬す
る。試験に用いた電池はポール(Pall)RAIモデ
ル2401であり、1000Hzで作動する白金電極を
備えた2個の半電池からなる。40%KOH中でこの電
池の適所にセパレーターを備えた場合の電池抵抗
(Rs)、およびセパレーターを備えていない場合の電
池抵抗(Rc)の測定値を記録する。セパレーターの電
解抵抗(R)は次式により得られる: R = Rs−Rc セパレーターの引張り強さは、ASTM D−638−
60Tに従って測定される。卓上型インストロンテスタ
ーを下記の条件下で用いる:1−1/2 ×1/2in
(3.81−1.27cm)の試料、1in(2.54
cm)の掴み具分離(grip separatio
n)、2in/分(5.08cm/分)のひずみ速度、
および23℃の温度。破断点引張り強さはF/Wとして
計算され、ここでFは破断点負荷(lb)であり、Wは
試料の幅(in)である。伸び率%は、掴み具間の初期
距離を破断点伸びから差し引き、この数値を掴み具間の
初期距離で割り、この数値を100倍して伸び率%を得
ることにより決定される。
【0023】KOH吸収率およびKOH吸収速度は、そ
の材料がKOHを吸収する能力を定量化するものであ
る。試料の吸収率を測定するために、0.2−0.5の
試料を秤量し、次いで200mlの40%KOHを入れ
たビーカーに室温(RT)で1時間入れておく。試料を
取り出し、過剰の電解液を3分間排液する。次いで湿潤
試料を再度秤量する。吸収率は湿潤時の試料の重量を乾
燥時の試料の重量で割ったものである。セパレーターの
吸収速度を測定するためには、直径1−1/2in
(3.81cm)のセパレーターディスクを、40%K
OHで満たしたビーカーに装入する。試料面積の90−
100%をぬらすのに要する時間を記録する。完全飽和
に許容される最高時間は90秒である。
【0024】セパレーターの酸素安定性、すなわち耐酸
化性は、酸化に対して安定でないセパレーターを電池に
用いると電気的性能が低く、これが短い保存および有効
寿命として現れるという点で重大である。耐酸化性を測
定するために用いられる試験は、クーパー(J.Coo
per)ら編、″Characteristicsof
Separators for Alkaline
Silver Oxide−Zinc Seconda
ry Batteries″(エア・フォース・アエロ
プロパルジョン・ラボラトリー、オハイオ州デイトン、
1965年9月)、8章に記載されている。この試験で
は、250mlの35%KOHおよび5%KMnO4
入れたビーカーに約1gの乾燥試料を装入し、それに完
全に浸漬する必要がある。ガラスカバーを施した状態で
ビーカーを50℃に1時間保持する。次いで試料を5%
シュウ酸で洗浄し、続いてDI水で洗浄すべきである。
次いで試料を乾燥させ、再度秤量する。減量%および電
解抵抗の変化を計算することにより、安定性を判定す
る。減量%は次式により求められる: 減量% = (Wi−Wf)/Wi × 100 ここでWiは試料の初期重量であり、Wfは最終重量であ
る。
【0025】高められた温度におけるセパレーターの長
期安定性は、試料を80℃のKOHに24時間浸漬した
のちの試料の寸法および電解抵抗の変化を調べることに
より測定しうるパラメーターである。これらのパラメー
ターの大きな変化はいずれも劣化を示すものである。長
期安定性を測定するためには、4−1/2 × 1−1
/2in(11.4−3.81cm)のセパレーター試
料を試験し、40%KOH中におけるその初期電解抵抗
を測定する。次いで試料を40%KOHに浸漬し、80
℃に24時間保持する。冷却後に試料の寸法およびその
電解抵抗を測定する。寸法の変化は膨張率%として計算
される。この%は浸漬後の試料の面積を当初の面積から
差し引き、この数値を試料の当初の面積で割り、そして
100倍することにより決定される。
【0026】セパレーターの空気透過度は、軽度の加圧
下で一定容量の空気が標準面積を貫流するのに必要な時
間の測定値である。この方法はASTM D−726−
58に記載されている。この試験に用いた計測器はガー
レイ・デンソメーター、モデル4110である。試験を
実施するために、試料をデンソメーターに装入し、固定
する。シリンダーの傾斜を100cc(100ml)の
線にまで高め、次いでその自重により落下させる。10
0ccの空気が試料内を通過するのに要する時間(秒)
を記録する。
【0027】試料の厚さは、試料の1平方フィートの切
片全体における10カ所の厚さ測定値の平均である。
【0028】多孔質素材の臨界湿潤表面張力(CWS
T)は、予め定められた期間内に多孔質素材により吸収
された液体と吸収されていない液体との間の表面張力で
ある。従って多孔質素材のCWSTより低い表面張力を
もつ液体は接触した際に即座にその素材をぬらし、かつ
その素材が多孔質であれば直ちに貫流するであろう。こ
れに対し多孔質素材のCWSTより高い表面張力をもつ
液体は低い差圧では全く貫流せず、また十分に高い差圧
では不均一に貫流する可能性がある。米国特許第4,8
80,548号明細書に示されるように、多孔質素材の
CWSTは、表面張力が2−4dyne/cmずつ異な
る一連の液体の液滴を別個に付与し、各液体の吸収また
は非吸収を経時的に観察することにより測定しうる。
【0029】セパレーターを溶剤、たとえば水または塩
化メチレンで抽出したのちのセパレーターの湿潤性を測
定するために、再湿潤試験を考案した。湿潤性が永久的
でない場合、急速にCWSTが低下し、電解抵抗が増大
するであろう。この試験を実施するためには、セパレー
ター試料のCWSTおよび電解抵抗を測定し、記録す
る。この試料から4−1/2 × 1−1/2in(1
1.4−3.81cm)の試験片を切り取り、80℃の
水に30分間浸漬する。冷却し、さらにすすいだのち、
試験片を風乾し、CWSTおよび電解抵抗を測定する。
次いでCWSTおよび電解抵抗を、当初の試料について
の試験により得た数値と比較する。同じセパレーター試
料から2個目の4−1/2 × 1−1/2in(1
1.4−3.81cm)の試験片を切り取り、塩化メチ
レンにRTで15分間浸漬する。次いでこの試験片をD
I水で洗浄し、風乾する。次いでCWSTおよび電解抵
抗を測定し、当初の試料についての試験により得た数値
と比較する。電池の種類 本発明のセパレーターは、浸液電池(flooded
cell)およびスターブド電解液型アルカリ電池を含
めた各種の電池に現在用いられているセパレーターと交
換することができる。セパレーターは他の各種の電池、
たとえばニッケル−カドミウム、ニッケル−金属水素化
物、ニッケル−亜鉛、ニッケル−鉄、亜鉛−空気、銀−
カドミウム、亜鉛−二酸化マンガン、および亜鉛−ハロ
ゲン(たとえば亜鉛−塩素、および亜鉛−臭素)電池に
用いることもできる。上記の電池のデザインおよび作成
法は当業者に周知であり、本明細書中では詳述しない。
【0030】以下の実施例により本発明をさらに説明す
るが、もちろん本発明の範囲を何らかの形で限定するも
のと解すべきでない。実施例で述べる%は、特に指示し
ない限りすべて容量%である。実施例1 この例は本発明の電池セパレーターの製造に有用な種類
の微孔質ポリエチレン膜の特性を示す。
【0031】種々の多孔度をもつ微孔質ポリエチレン膜
4種類を、DMSからミクロポーラスUHMW−PE疎
水性電池セパレーターの名称で入手した。それぞれの膜
につき種々の試験を行い、それらの特性を下記の表1に
示す。
【0032】
【表1】 特性 基材1A 基材1B 基材1C 基材1D 厚さ(mil) 0.8 0.7 0.8 1.2 (μm) (20) (18) (20) (30) 基本重量(g/m2) 8.59 6.55 3.9 7.26 引張り強さ(lb/in) MD=3.8 3.1 1.6 1.7 (g/cm) (679) (554) (286) (304) TD=4.1 4.7 3.3 4.1 (732) (839) (589) (732) 伸び率(%) MD=16.3 21.9 25 23 TD=21.8 17.8 15 12 CWST(dyne/cm) 30 30 33 30 KLアルコール(psi) 2.5 13 6-7 2-5 (kg/cm2) (0.18) (0.91) (0.42-0.49) (0.14-0.35) 融点(℃,DSC) 140.5 142.8 143.4 -- 熱安定度 (収縮率%) 120℃/4時間 16.60 29.69 89 25 100℃/8時間 4.63 6.29 21 12 100℃/4時間 1.56 8.96 20 13 80℃/16時間 1.56 1.75 10 6 実施例2 実施例1の微孔質ポリエチレン膜のうち2種類、すなわ
ち基材1Aおよび1Bを、6%メタクリル酸、10%ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、0.05%ジエチレン
グリコールジメタクリレート、25%TBA、および5
8.95%DI水からなるモノマー浴中を30フィート
/分(9.1m/分)の速度で通過させた。膜は直ちに
透明になった。この湿潤膜を10Mradの電子ビーム
線で照射した。照射後に膜を60℃のオーブン内で1時
間加熱した。次いで膜をDI水中で2時間すすぎ、60
℃の空気循環炉内で20分間乾燥させた。それぞれ2A
および2Bと表示されるセパレーターは水湿潤性であ
り、90dyne/cmのCWSTをもち、9mΩ−i
2(58mΩ−cm2)という極めて低い電解抵抗を示
した。実施例1に示したように、グラフトしていない膜
は疎水性であり、約30dyne/cmのCWSTをも
ち、極めて高い電解抵抗を示した。
【0033】本発明のセパレーターAおよびBの他の特
性を、比較のために市販のセパレーターであるセルガー
ド(登録商標)3401(ヘキスト・セラニーズ)の特
性と共に表2に示す。
【0034】
【表2】 特性 実施例2A 実施例2B セルガード3401 厚さ(mil) 1.5 1.0 1.0 (μm) (38) (25.4) (25.4) 基本重量(g/m2) 10.87 7.75 16.87 引張り強さ(lb/in)(g/cm) MD 4.5 4.5 19.2 (804) (804) (3429) TD 4.0 4.6 1.8 (714) (821) (321) 電解抵抗(mΩ-in2(mΩ-cm2) 40% KOH中,室温) 9 8 22 (58) (52) (142) CWST(dyne/cm) 90<5秒 90<1分 90<1分 CWST MeCl2に15分間浸漬後 86<10秒 86<10秒 32 ガーレイ空気流通 6 55 306 (秒/10ml) KOH吸収速度(秒) 6 8 6 KOH吸収率 13.5 22.5 2.91 (湿潤g/乾燥g) KOH膨張率(%) 室温 長さ 0 0 0 幅 0 0 0 80℃ 長さ +0.6 +0.5 +0.5 幅 +0.8 +0.8 +0.8 熱安定度(%) 乾燥:80℃,1時間 -1.3 -1.3 -2.5 湿潤(KOH中):80℃,1時間 +1.4 +1.3 +1.3 長期安定度 (mΩ-in2(mΩ-cm2) 80℃/24時間) 初期抵抗 9 8 21 (58) (52) (135) 最終抵抗 9 6 14 (58) (39) (90) 上記のように、試料2Aおよび2Bは厚さが極めて薄
く、セルガード3401より低い基本重量を有する。こ
れらの試料は縦方向と横方向で非対称的な引張り強さを
示すことがない。それらはセルガード3401よりはる
かに高い気体透過度を示し、かつはるかに多量のKOH
電解液を吸収する。これらの特性はスターブド型二次電
池にとって極めて重要である。実施例3 実施例1の微孔質ポリエチレン膜、すなわち基材1Cを
リーメイ(Reemay、登録商標)インターリーフと
共に巻き取り、0.8%メタクリル酸、0.5%ヒドロ
キシエチルメタクリレート、20%TBA、1%ポリエ
チレングリコール(600)ジメタクリレート、および
77.7%DI水からなるモノマー溶液に浸漬した。次
いでこのロールを15分間排気し、シールした。次いで
ロールを10,000rad/時の線量で全線量0.2
Mradになるまでガンマ線で照射した。ロールをほど
き、DI水中で2時間すすいだ。次いでこれを60℃の
空気循環炉内で20分間乾燥させた。得られたセパレー
ターは水湿潤性であり、0.8mil(20μm)の厚
さおよび36mΩ−in2(232mΩ−cm2)の電解
抵抗を示した。この試料はガンマ線照射により親水性が
得られることを示す。種々の電解液中でのセパレーター
の寸法安定性を表3に示す。
【0035】
【表3】 電解液 長さの膨張 幅の膨張 40% KOH 0 % 0% 28% NaOH 0 % 3%20% H2SO4 5.5% 0% 実施例4 実施例1の微孔質ポリエチレン膜、すなわち基材1C
を、10%メタクリル酸、1.5%ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート600、30%TBA、および5
8.5%DI水からなるモノマー浴中を30フィート/
分(9.1m/分)の速度で通過させた。膜は直ちに透
明になった。次いでこの湿潤膜を全線量10Mradに
なるまで電子ビーム線で照射した。得られたセパレータ
ーをDI水中で1時間すすぎ、60℃の空気循環炉内で
20分間乾燥させた。得られたセパレーターは水湿潤性
であり、0.9mil(23μm)の厚さおよび14m
Ω−in2(90mΩ−cm2)の電解抵抗を示した。高
められた温度でのセパレーターの電解抵抗を表4に示
す。
【0036】
【表4】 温度 電解抵抗 mΩ−in(mΩ−cm 25℃ 17(110) 40℃ 9 (58) 50℃ 5 (32) 60℃ 6 (39) 70℃ 6 (39) このセパレーターはKOH電解液中で40−70℃の温
度において比較的安定であり、さらに極めて低い電解抵
抗を示す。実施例5 実施例1の微孔質ポリエチレン膜、すなわち基材1D
を、窒素の不活性雰囲気下で全線量10Mradになる
まで電子ビーム線で照射し、次いで10%MA、30%
TBA、および60%蒸留水からなるモノマー浴に浸漬
した。グラフトされた膜を室温に48時間放置したの
ち、これをDI水中で2時間すすぎ、一夜風乾した。こ
のセパレーターは水湿潤性であり、85dyne/cm
のCWSTを示した。セパレーターは40%KOHで1
5秒以内に湿潤し、40%濃H2SO4溶液では直ちに湿
潤した。セパレーターは良好な均一性をもち、10mΩ
−in2(65mΩ−cm2)の電解抵抗を示した。セパ
レーターは50℃で24時間後もKOH電解液および濃
2SO4の両方に親和性であった。実施例6 2リニアフィートの実施例1のポリエチレン膜、すなわ
ち基材1Dを、間に紙を挟んでロール状に巻き取った。
次いでこのロールを、10%アクリル酸モノマー水溶液
を入れた試験管に導入した。試験管を真空ポンプで5分
間排気し、シールした。試験管およびその内容物をCo
−60ヴォールト内において10,000rad/時の
線量で20時間照射した。放射線処理後に、グラフトし
た膜を熱湯で洗浄し、乾燥させた。得られたセパレータ
ー膜は水湿潤性であり、25mΩ−in2(161mΩ
−cm2)の電解抵抗を示した。この試料はメタクリル
酸以外の酸をグラフトに用いても親水性セパレーターが
得られることを示す。実施例7 実施例6の操作を反復し、ただし10%アクリル酸モノ
マー水溶液の代わりに10%メタクリル酸モノマー水溶
液を用いた。得られたセパレーターは水湿潤性であり、
40%KOH中で12mΩ−in2(77mΩ−c
2)、40%H2SO4中で18mΩ−in2(116m
Ω−cm2)の電解抵抗を示した。このセパレーターは
KOHおよびH2SO4電解液の両方において安定であっ
た。KOHおよびH2SO4中で1週間後に、セパレータ
ーは40%KOH中で10mΩ−in2(65mΩ−c
2)、40%H2SO4中で27mΩ−in2(174m
Ω−cm2)の電解抵抗を示した。セパレーターの物理
的完全性には変化がなかった。実施例8 実施例1の微孔質ポリエチレン膜、すなわち基材1Bの
ロールを、不活性窒素雰囲気(酸素濃度40ppm未
満)下で全線量10Mradになるまで電子ビームで照
射した。膜を直ちに、10%ヒドロキシエチルメタクリ
レート、6%メタクリル酸、0.05%ジエチレングリ
コールジメタクリレート、25%TBA、および58.
95%脱イオン水を含有する浴中に導通した。ロールを
窒素下に室温で4日間保存した。次いでそれを4時間、
細流洗浄し、風乾した。得られたセパレーターは水で直
ちに湿潤し、その幅および長さ全体にわたって卓越した
電解抵抗の均一性を示した。このセパレーターの他の特
性を、市販のセルガード(登録商標)3401セパレー
ターとの比較と共に表5に示す。
【0037】
【表5】 特性 セルガード3401 実施例8 膜の種類 微孔質 微孔質 厚さ(mil) 1.0 1.8 (μm) (25.4) (46) 基本重量(g/m2) 16.9 13.5 電解抵抗(mΩ-in2(mΩ-cm2) 35% KOH中,23℃) 15 9 (97) (58) 35% KOH吸収率(%) ブロット乾燥法 80 290 グールド法(%)(2分間排液) 220 650 膨張率(%) 35% KOH中 長さ +0.1 +0.5 幅 +0.4 +1.2 ガーレイ空気流通(秒/10ml) 350 130 引張り強さ(lb/in)(g/cm) MD 19.2 4.5 (3429) (804) TD 1.8 4.6 (321) (821) 破断点伸び(%) MD 44 19.4 TD 536 16.0 KOH安定度(%) 35% KOH中 -8 0 1時間煮沸(減量) 膨張率(%) 空気中 80℃,1時間 長さ -3.6 -0.8 幅 0 0 100℃,1時間 長さ -4.6 -0.9 幅 0 0ヒートシール性 有り 有り 上記に示すように、本発明のセパレーターはセルガード
3401より低い電解抵抗を示す。またそれは、より多
量のKOH電解液を吸収し、より高い気体透過度を示
す。またこの例は、本発明によるセパレーターを製造す
るための、膜の電子ビームグラフト法の他の形態を証明
する。実施例9 この例は、極めて低い温度で本発明のセパレーターによ
り得られる卓越した電気抵抗を証明する。実施例8は、
本発明のセパレーターが室温で、周知の市販微孔質電池
セパレーターであるセルガード(登録商標)3401よ
り低い電解抵抗を示すことを証明した。本発明のセパレ
ーターにより得られる低い抵抗によって、電池をより高
い速度で放電および蓄電することが可能となり、これは
極めて望ましい特性である。本発明のセパレーターおよ
び市販のセパレーターの電気抵抗を、低温でさらに比較
した。零下温度で温度低下に伴って、本発明のセパレー
ターの電気抵抗はセルガード3401セパレーターと比
較してはるかに低い速度で増大した。従って低温で、本
発明のセパレーターを用いた電池は通常のセパレーター
を用いた電池より高いエネルギーおよび容量をもつであ
ろう。種々の温度における実施例8の本発明セパレータ
ーおよびセルガード3401セパレーターの電気抵抗を
表6に示す。
【0038】
【表6】セパレーター 25℃ −10℃ −20℃ −30℃ −40℃ 実施例8 9mΩ-in2 26 44 86 158 (58mΩ-cm2) (168) (284) (555) (1019) セルガード 20 56 85 155 310 3401 (129) (361) (548) (1000) (2000) 実施例10 この例は、高められた温度で本発明のセパレーターが保
有する卓越した酸化安定性を証明する。
【0039】実施例8で製造したセパレーターから採取
した試料を2″×4″(5.08×10.16cm)の
ストリップに切断し、5%KMnO4/35%KOHの
ビーカー内で50℃において1時間加熱した。セルガー
ド(登録商標)3401セパレーターから同様な試料を
採取し、同様に試験した。両方の試料を5%シュウ酸で
洗浄してKMnO4残留物を溶解し、DI水ですすい
だ。両方の試料の暴露前および暴露後に減量(%)、初
期電気抵抗、および最終電気抵抗を測定し、これらの試
験の結果を表7に示す。
【0040】
【表7】 セパレーター 減量* 初期抵抗 最終抵抗* % mΩ-in2 mΩ-in2 (mΩ-cm2) (mΩ-cm2) 実施例8 0.15 9 7 (58) (45) セルガード 15 20 >>5000 3401 (129) >>(32258) * 3回の別個の試験の平均 これらの結果は、本発明のセパレーターを用いた電池が
同一条件に暴露された通常のセパレーターより長い有効
寿命をもつであろうということを証明する。セルガード
3401セパレーターは、本発明のセパレーターに実質
的に影響を及ぼさなかった条件下ではるかに高い減量を
示し、実質的に非導電性となった。
【0041】実施例11 この例は、本発明のセパレーターが保有する親水性の永
続性を証明する。湿潤剤または吸湿剤−−これらの物質
はセパレーターから滲出してセパレーターを再び疎水性
にする可能性がある−−を膜に添加することにより親水
性を達成する他のセパレーターと異なり、本発明のセパ
レーターは滲出による劣化を受けにくい。この事実を説
明するために2試験を行った。第1の試験は試料を80
℃の水で30分間抽出するものであり、他方の試験は試
料を室温の塩化メチレンで15分間抽出するものであっ
た。本発明およびセルガード(登録商標)3401のセ
パレーターの試料につきCWSTおよび電気抵抗を測定
し、結果を表8に示す。
【0042】
【表8】 水抽出 MeCl2抽出 MeCl2抽出 初期 後の 後の 初期抵抗 後の抵抗 セパレ CWST CWST CWST mΩ-in2 mΩ-in2 ーター (dyne/cm) (dyne/cm) (dyne/cm) (mΩ-cm2) (mΩ-cm2) 実施例2A 90 90<5秒 86 9 10 (58) (65) 実施例2B 90 90<5秒 86 8 10 (52) (65) セルガード 90 90>5秒 32 22 >5000 3401 80 10秒 (142) (>32258) セルガード3401セパレーターは塩化メチレンなどの
有機溶剤に暴露された際にその親水性を失って疎水性に
なることが明らかである。さらにその電解抵抗が急激に
増大する。これに対し、同様に有機溶剤に暴露した際に
本発明のセパレーターには認めうるほどの変化はない。実施例12 この例は、高温−低温循環条件下での電気化学的性能の
領域において本発明のセパレーターが優れていることを
証明する。
【0043】亜鉛陰極板および酸化銀陽極板を備え、実
施例8で製造したセパレーター、およびセルガード(登
録商標)3401セパレーターを用いて、電気化学的電
池を作成した。電解液としては40%KOHを用いた。
開回路電圧を測定し、記録した。電池を60℃に30分
間加熱し、次いで5℃に75分間冷却した。室温にまで
昇温させたのち、再び開回路電圧を測定し、記録した。
このサイクルを多数回反復し、第1サイクルの場合と同
様に開回路電圧を観察した。循環後に電池を分解し、セ
パレーターを検査した。
【0044】表9に示した結果が表すように、本発明の
セパレーターを用いた電池の開回路電圧はこのような加
熱−冷却サイクル下でセルガード3401を用いたもの
ほど急激に低下しなかった。本発明のセパレーターの使
用により平均して約1.50ボルトの電圧が得られ、
1.10ボルトを下回ることはない。セルガード340
1セパレーターを用いた電池はその電圧が1.50ボル
トよりはるかに低く、1.10ボルトを下回る。
【0045】この結果は一連の作用により説明すること
ができる。第1に、セルガード3401セパレーターを
用いた電池の酸化銀電極板はより速やかに白色に還元さ
れ、これによりセパレーター中の湿潤剤を酸化して、よ
り濃色となす。第2に、電解液の膨張および収縮は、セ
ルガード3401セパレーターに永久的に結合してはい
ない湿潤剤の滲出を助長する。第3に、電極板表面の酸
化銀の一部はセルガード3401セパレーターの湿潤剤
を酸化し、これにより電圧を低下させる。
【0046】
【表9】 開回路電圧 実施例8 セルガード (ボルト) 3401 初期 1.69 1.70 加熱サイクル1 1.69 1.68 冷却サイクル1 1.59 1.42 加熱サイクル2 1.59 1.48 冷却サイクル2 1.55 1.25 加熱サイクル3 1.56 1.28 冷却サイクル3 1.52 1.10 加熱サイクル4 1.54 1.15 冷却サイクル4 1.52 1.06 室温で一夜 1.69 1.70 加熱サイクル5 1.69 1.68 冷却サイクル5 1.59 1.42 加熱サイクル6 1.59 1.45 冷却サイクル6 1.55 1.27 加熱サイクル7 1.56 1.28 冷却サイクル7 1.52 1.10 加熱サイクル8 1.54 1.15冷却サイクル8 1.52 1.06 電池分解 セパレーター 淡褐色 著しく濃い 褐色 Ag2O電極板 一部はなお褐色 大部分が白色 本明細書に引用した参考文献はすべてそれらの全体を参
考として採用する。
【0047】好ましい形態を強調して本発明を記述した
が、これらの好ましい形態の変法を採用することがで
き、本発明は本明細書に詳述したもの以外の形態で実施
しうることは当業者に自明であろう。従って本発明は特
許請求の範囲に定めた本発明の精神および範囲に含まれ
るすべての変更を包含する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池セパレーターの製造に有用な基材
の組織を示す走査電子顕微鏡写真である。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマーと放射線グラフトした超高分子
    量ポリエチレンの微孔質膜からなる、下記の特性を有す
    る電池セパレーター: (a)約50−約95%の多孔度、 (b)約0.1−約20μmの平均ポアーサイズ、 (c)約1−約50mΩ−in2(約6.45−約32
    3mΩ−cm2)の電解抵抗、 (d)35%KOHおよび5%KMnO4の水溶液に5
    0℃で1時間浸漬したのち、最大減量1%、および電解
    抵抗の変化25%以下、 (e)長さおよび幅の両方向に約3.5−約5.5lb
    /in(約625−約982g/cm)の引張り強さ、 (f)約5−約30のKOH吸収率、 (g)約1−300秒/10mlのガーレイ空気透過
    度、ならびに (h)約0.5−約10mil(約12.7−約254
    μm)の厚さ。
  2. 【請求項2】 セパレーターが80℃の温度に1時間保
    持されたのち長さ約2%および幅1%を上回る収縮を生
    じない、請求項1に記載の電池セパレーター。
  3. 【請求項3】 セパレーターが約72−約95dyne
    /cmのCWSTを有する、請求項2に記載の電池セパ
    レーター。
  4. 【請求項4】 沸騰水中で30分間の抽出後もCWST
    が実質的に一定に維持されている、請求項3に記載の電
    池セパレーター。
  5. 【請求項5】 電解抵抗が約5−約20mΩ−in
    2(約32−約129mΩ−cm2)である、請求項3に
    記載の電池セパレーター。
  6. 【請求項6】 モノマーがカルボン酸基を有するモノマ
    ーよりなる群から選ばれる、請求項1に記載の電池セパ
    レーター。
  7. 【請求項7】 モノマーがアクリル酸、メタクリル酸、
    マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ク
    ロトン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリ
    ウム、メタクリル酸カリウム、ヒドロキシアルキルアク
    リレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、および
    それらの混合物よりなる群から選ばれる、請求項6に記
    載の電池セパレーター。
  8. 【請求項8】 モノマーがアクリル酸、メタクリル酸、
    ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピル
    メタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
    ロキシプロピルアクリレート、およびそれらの混合物よ
    りなる群から選ばれる、請求項6に記載の電池セパレー
    ター。
  9. 【請求項9】 反対の極性の電極少なくとも一対、電解
    液、および反対の極性の電極間に配置された請求項1に
    記載の電池セパレーターからなる電池。
  10. 【請求項10】 電池がベント式ニッケル−カドミウム
    電池である、請求項9に記載の電池。
  11. 【請求項11】 電池がベント式ニッケル−金属水素化
    物電池である、請求項9に記載の電池。
  12. 【請求項12】 電池がベント式ニッケル−亜鉛電池で
    ある、請求項9に記載の電池。
  13. 【請求項13】 電池がベント式ニッケル−鉄電池であ
    る、請求項9に記載の電池。
  14. 【請求項14】 電池が亜鉛−空気電池である、請求項
    9に記載の電池。
  15. 【請求項15】 電池が銀−カドミウム電池である、請
    求項9に記載の電池。
  16. 【請求項16】 電池が亜鉛−二酸化マンガン電池であ
    る、請求項9に記載の電池。
  17. 【請求項17】 電池が亜鉛−ハロゲン電池である、請
    求項9に記載の電池。
  18. 【請求項18】 膜が曲折ポア構造を有する、請求項1
    に記載の電池セパレーター。
  19. 【請求項19】 膜がポアに関して層成ラメラ様リーフ
    構造を有する、請求項18に記載の電池セパレーター。
  20. 【請求項20】 モノマーがカルボン酸基を有するモノ
    マーよりなる群から選ばれる、請求項19に記載の電池
    セパレーター。
  21. 【請求項21】 モノマーがアクリル酸、メタクリル
    酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
    酸、クロトン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸
    ナトリウム、メタクリル酸カリウム、ヒドロキシアルキ
    ルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、
    およびそれらの混合物よりなる群から選ばれる、請求項
    20に記載の電池セパレーター。
  22. 【請求項22】 モノマーがアクリル酸、メタクリル
    酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
    ピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、
    ヒドロキシプロピルアクリレート、およびそれらの混合
    物よりなる群から選ばれる、請求項20に記載の電池セ
    パレーター。
  23. 【請求項23】 反対の極性の電極少なくとも一対、電
    解液、および反対の極性の電極間に配置された請求項1
    9に記載の電池セパレーターからなる電池。
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