JPH06346214A - 角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法 - Google Patents
角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法Info
- Publication number
- JPH06346214A JPH06346214A JP14083093A JP14083093A JPH06346214A JP H06346214 A JPH06346214 A JP H06346214A JP 14083093 A JP14083093 A JP 14083093A JP 14083093 A JP14083093 A JP 14083093A JP H06346214 A JPH06346214 A JP H06346214A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法を
提供する。 【構成】 角鋼管に溶融亜鉛めっきを施す際に、該角鋼
管のコーナ部に作用する歪の大きさをεとし、その引張
強さをTSとしたとき、割れ性を評価する割れ性指数と
してk=2TS+100 εの関係式を用いて、この割れ性
指数kが上限値である129.0 を超えたときは割れ性が発
生すると判定することにより、製品の品質,歩留りの向
上を図ることを可能にする。
提供する。 【構成】 角鋼管に溶融亜鉛めっきを施す際に、該角鋼
管のコーナ部に作用する歪の大きさをεとし、その引張
強さをTSとしたとき、割れ性を評価する割れ性指数と
してk=2TS+100 εの関係式を用いて、この割れ性
指数kが上限値である129.0 を超えたときは割れ性が発
生すると判定することにより、製品の品質,歩留りの向
上を図ることを可能にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は角鋼管における溶融亜鉛
割れ性の評価方法に関する。
割れ性の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から角鋼管は構造用部材の一つとし
て広く使用されているが、外観や防食性などを保持する
ために通常溶融亜鉛めっき処理して使用される。一方、
角鋼管を溶融亜鉛めっきする際に、そのコーナ部に粒界
割れ(亜鉛割れ)の発生する場合がある。
て広く使用されているが、外観や防食性などを保持する
ために通常溶融亜鉛めっき処理して使用される。一方、
角鋼管を溶融亜鉛めっきする際に、そのコーナ部に粒界
割れ(亜鉛割れ)の発生する場合がある。
【0003】ところで、このような溶融亜鉛割れを防止
する方策の一つとして、例えば特開昭64− 56853号公報
に耐溶融亜鉛割れ性に優れた角鋼管が提案されている。
すなわちその内容は、角鋼管の化学成分がC成分を必須
成分とするとともに、その成分(%)を0.13以上とし、
C, Si, Mnの成分の1種以上の成分(%)が下記(1)式
を満足する成分(%)とし、残部をFe及び不可避不純物
としたことを特徴とする耐溶融亜鉛割れ性に優れた角鋼
管。
する方策の一つとして、例えば特開昭64− 56853号公報
に耐溶融亜鉛割れ性に優れた角鋼管が提案されている。
すなわちその内容は、角鋼管の化学成分がC成分を必須
成分とするとともに、その成分(%)を0.13以上とし、
C, Si, Mnの成分の1種以上の成分(%)が下記(1)式
を満足する成分(%)とし、残部をFe及び不可避不純物
としたことを特徴とする耐溶融亜鉛割れ性に優れた角鋼
管。
【0004】 dC =7.9 −3.4 C−9.8Si −3.2Mn ≧4 ……………(1) ここにおいてdC は溶融亜鉛割れ感受性指数。である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融亜
鉛割れは成分のみにより影響されるのではなく、強度と
角成型時の歪の大きさに影響されるものであるので、上
記した特開昭64− 56853号の場合においては、以下のよ
うな問題がある。 溶融亜鉛割れ感受性指数dC ≧4であっても割れ防
止ができない場合があること。 逆に、dC <4であっても割れ防止ができる場合が
あること。 また、dC ≧4では製品引張強さTS≦52.0が限界
であるが、顧客によってはTS>52.0のコラム(50kgf/
mm2 クラス:SI単位では×9.8N/mm2に相当するが、以
下においてはkgf/mm2 で表記するものとする)を要求さ
れる場合があるのに対応することができないこと。
鉛割れは成分のみにより影響されるのではなく、強度と
角成型時の歪の大きさに影響されるものであるので、上
記した特開昭64− 56853号の場合においては、以下のよ
うな問題がある。 溶融亜鉛割れ感受性指数dC ≧4であっても割れ防
止ができない場合があること。 逆に、dC <4であっても割れ防止ができる場合が
あること。 また、dC ≧4では製品引張強さTS≦52.0が限界
であるが、顧客によってはTS>52.0のコラム(50kgf/
mm2 クラス:SI単位では×9.8N/mm2に相当するが、以
下においてはkgf/mm2 で表記するものとする)を要求さ
れる場合があるのに対応することができないこと。
【0006】本発明は、上記のような従来技術の有する
課題を解決した角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方
法を提供することを目的とする。
課題を解決した角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、角鋼管に溶融
亜鉛めっきを施す際に、該角鋼管のコーナ部に作用する
歪の大きさをεとし、その引張強さをTSとしたとき、
割れ性を評価する指数としてk=2TS+ 100εの関係
式を用いて、該角鋼管の割れ性を判定することを特徴と
する角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法である。
亜鉛めっきを施す際に、該角鋼管のコーナ部に作用する
歪の大きさをεとし、その引張強さをTSとしたとき、
割れ性を評価する指数としてk=2TS+ 100εの関係
式を用いて、該角鋼管の割れ性を判定することを特徴と
する角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法である。
【0008】なお、前記割れ性指数の上限値を129.0 に
設定するようにすればよい。
設定するようにすればよい。
【0009】
【作 用】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意実験
・研究を行った結果、角鋼管を溶融亜鉛めっきする際、
そのコーナ部に発生する割れの有無は、コーナ部に作用
する歪の大きさεとその製品の引張強さTSに関係する
ことを見出した。すなわち、割れ性を評価する割れ性指
数kは下記(1) 式で表すのが適当である。
・研究を行った結果、角鋼管を溶融亜鉛めっきする際、
そのコーナ部に発生する割れの有無は、コーナ部に作用
する歪の大きさεとその製品の引張強さTSに関係する
ことを見出した。すなわち、割れ性を評価する割れ性指
数kは下記(1) 式で表すのが適当である。
【0010】 k=2TS+ 100ε ……………(1) このコーナ部歪量εは、図1に示すように、角鋼管1の
肉厚をt(mm)とし、そのコーナ部の曲率半径をR(m
m)とすると、下記(2) 式の関係で表される。 ε=t/(2R−t) ……………(2) 材質がSTKC400Rの溶融亜鉛めっきされた角鋼管につい
て、引張強さTSを49kgf/mm2 から55kgf/mm2 までの7
水準におけるコーナR部歪量ε(%)と割れ性指数kと
の関係を調査した。その結果を図2において、めっき割
れなしを○印で、めっき割れ発生を×印で示した。
肉厚をt(mm)とし、そのコーナ部の曲率半径をR(m
m)とすると、下記(2) 式の関係で表される。 ε=t/(2R−t) ……………(2) 材質がSTKC400Rの溶融亜鉛めっきされた角鋼管につい
て、引張強さTSを49kgf/mm2 から55kgf/mm2 までの7
水準におけるコーナR部歪量ε(%)と割れ性指数kと
の関係を調査した。その結果を図2において、めっき割
れなしを○印で、めっき割れ発生を×印で示した。
【0011】この図から明らかなように、角鋼管の割れ
性限界指数kc は、下記(3) 式 kc ≦129.0 ……………(3) の範囲において割れを防止し得ることがわかる。以上の
ことから、本発明によれば、引張強さTSが54kgf/mm2
以下の角鋼管について、割れ性指数の上限値を129.0 に
設定することにより、溶融亜鉛割れ性を正確に評価する
ことが可能である。
性限界指数kc は、下記(3) 式 kc ≦129.0 ……………(3) の範囲において割れを防止し得ることがわかる。以上の
ことから、本発明によれば、引張強さTSが54kgf/mm2
以下の角鋼管について、割れ性指数の上限値を129.0 に
設定することにより、溶融亜鉛割れ性を正確に評価する
ことが可能である。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
本発明法を用いて、材質がSTKC400Rで、各部サイズが表
1に示すような角鋼管
本発明法を用いて、材質がSTKC400Rで、各部サイズが表
1に示すような角鋼管
【0013】
【表1】
【0014】に溶融亜鉛めっきを施す際の割れ性を評価
し、その結果を目視による評価と比較して表2に示し
た。なお、比較のために、前出特開昭64− 56853号によ
る溶融亜鉛割れ感受性指数dC での判定結果をも同表に
併せて示した。
し、その結果を目視による評価と比較して表2に示し
た。なお、比較のために、前出特開昭64− 56853号によ
る溶融亜鉛割れ感受性指数dC での判定結果をも同表に
併せて示した。
【0015】
【表2】
【0016】この表2から明らかなように、本発明例の
判定結果は40kgf/mm2 クラス, 50kgf/mm2 クラスとも目
視結果とよく一致していることがわかる。なお、比較例
の溶融亜鉛割れ感受性指数dC の判定結果では、50kgf/
mm2 クラスの一部において目視結果と合致しないものが
あることがわかる。
判定結果は40kgf/mm2 クラス, 50kgf/mm2 クラスとも目
視結果とよく一致していることがわかる。なお、比較例
の溶融亜鉛割れ感受性指数dC の判定結果では、50kgf/
mm2 クラスの一部において目視結果と合致しないものが
あることがわかる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶融亜鉛割れ性をめっきの事前工程において正確に評価
することができるので、製品の品質や歩留りの向上に寄
与することが可能である。
溶融亜鉛割れ性をめっきの事前工程において正確に評価
することができるので、製品の品質や歩留りの向上に寄
与することが可能である。
【図1】角鋼管の各部サイズを示す部分正面図である。
【図2】コーナ部歪量と割れ性指数の関係を示す特性図
である。
である。
1 角鋼管
Claims (2)
- 【請求項1】 角鋼管に溶融亜鉛めっきを施す際に、
該角鋼管のコーナ部に作用する歪の大きさをεとし、そ
の引張強さをTSとしたとき、割れ性を評価する割れ性
指数としてk=2TS+ 100εの関係式を用いて、該角
鋼管の割れ性を判定することを特徴とする角鋼管におけ
る溶融亜鉛割れ性の評価方法。 - 【請求項2】 前記割れ性指数の上限値を129.0 に設
定することを特徴とする請求項1記載の角鋼管における
溶融亜鉛割れ性の評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14083093A JPH06346214A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14083093A JPH06346214A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346214A true JPH06346214A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15277716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14083093A Pending JPH06346214A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 角鋼管における溶融亜鉛割れ性の評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06346214A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018053288A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 新日鐵住金株式会社 | 凸条付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法と、ホットスタンプ成形体 |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP14083093A patent/JPH06346214A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018053288A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 新日鐵住金株式会社 | 凸条付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法と、ホットスタンプ成形体 |
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