JPH0539523A - 表面性状の優れた厚鋼板の製造方法 - Google Patents
表面性状の優れた厚鋼板の製造方法Info
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- JPH0539523A JPH0539523A JP21800991A JP21800991A JPH0539523A JP H0539523 A JPH0539523 A JP H0539523A JP 21800991 A JP21800991 A JP 21800991A JP 21800991 A JP21800991 A JP 21800991A JP H0539523 A JPH0539523 A JP H0539523A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は産業機械,建材等の分野に使用さ
れ、製造法を規制することにより表面性状が優れた厚鋼
板を製造する方法を提供する。 【構成】 C:0.05〜0.25%,Si:0.5〜
1.50%,Mn:0.3〜1.5%,さらに必要によ
りNb,V,Tiを含有するスラブを1150℃以上,
1300℃以下に加熱し、表面温度が1000℃以上で
1パス当り10mm以上の圧下を1回以上加え、850
℃以上で圧延を終了し、その後冷却する厚鋼板の製造方
法である。 【効果】 スケール厚も薄く表面性状に優れた厚鋼板が
得られ、冷間加工等に際してスケール剥離がなく塗装後
の美観も良好である。また切断能率が向上し、さらには
型枠等に使用するときは赤錆汚染がなくなり、美観が向
上する。
れ、製造法を規制することにより表面性状が優れた厚鋼
板を製造する方法を提供する。 【構成】 C:0.05〜0.25%,Si:0.5〜
1.50%,Mn:0.3〜1.5%,さらに必要によ
りNb,V,Tiを含有するスラブを1150℃以上,
1300℃以下に加熱し、表面温度が1000℃以上で
1パス当り10mm以上の圧下を1回以上加え、850
℃以上で圧延を終了し、その後冷却する厚鋼板の製造方
法である。 【効果】 スケール厚も薄く表面性状に優れた厚鋼板が
得られ、冷間加工等に際してスケール剥離がなく塗装後
の美観も良好である。また切断能率が向上し、さらには
型枠等に使用するときは赤錆汚染がなくなり、美観が向
上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械,建材等の分
野に使用される表面性状が優れた厚鋼板の製造方法に関
する。
野に使用される表面性状が優れた厚鋼板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に産業機械,建材等に使用される4
0〜50キロの厚鋼板は、製造コストを廉価とするため
圧延まま(As−roll)で製造されている。
0〜50キロの厚鋼板は、製造コストを廉価とするため
圧延まま(As−roll)で製造されている。
【0003】更にこの様な分野では、材質上の厳しい要
求や鋼板の表面性状についても特別な要求はないため、
同じAs−rollの製造方法でもその製造条件が大幅
に異なっていた。
求や鋼板の表面性状についても特別な要求はないため、
同じAs−rollの製造方法でもその製造条件が大幅
に異なっていた。
【0004】上記の製造方法による鋼板は、鋼板表面の
スケール厚が50μmを超えるような場合や、スケール
厚は薄いけれど赤スケールが鋼板表面に付着した鋼板な
ど、鋼板の表面性状が大きく異なる状態であった。
スケール厚が50μmを超えるような場合や、スケール
厚は薄いけれど赤スケールが鋼板表面に付着した鋼板な
ど、鋼板の表面性状が大きく異なる状態であった。
【0005】一方最近のこの分野での鋼板の使用状況
は、大きく変わり始めている。最近の例では、鋼板の切
断加工で能率や精度の点からレーザー切断が使用されは
じめており、レーザー切断性は鋼板表面の粗度が影響す
ることが明かとなっている。
は、大きく変わり始めている。最近の例では、鋼板の切
断加工で能率や精度の点からレーザー切断が使用されは
じめており、レーザー切断性は鋼板表面の粗度が影響す
ることが明かとなっている。
【0006】また鋼板の冷間加工では、冷間加工時に剥
離するスケールが塗装後の美観の問題となっている。さ
らには建築用の鋼製コンクリート枠では、赤錆の剥離に
よるコンクリートの汚染が問題となっている。
離するスケールが塗装後の美観の問題となっている。さ
らには建築用の鋼製コンクリート枠では、赤錆の剥離に
よるコンクリートの汚染が問題となっている。
【0007】これらの特性を要約すると、より薄く、剥
離しないで、表面粗度が良好で赤錆が出ないことを具備
した鋼板となる。しかしながら、これまで製造された厚
鋼板において、この様な特性を兼ね備えた鋼板は見当ら
なかった。
離しないで、表面粗度が良好で赤錆が出ないことを具備
した鋼板となる。しかしながら、これまで製造された厚
鋼板において、この様な特性を兼ね備えた鋼板は見当ら
なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】熱延鋼板の分野では、
表面性状の優れた高強度熱延鋼板の製造方法として、例
えば特開平01−209374号公報で、相当量のSi
添加とスラブ加熱温度,加熱時間,圧延温度,圧延終了
後の巻き取り温度の規制により、表面性状が良好な熱延
鋼板が製造出来ることを示している。
表面性状の優れた高強度熱延鋼板の製造方法として、例
えば特開平01−209374号公報で、相当量のSi
添加とスラブ加熱温度,加熱時間,圧延温度,圧延終了
後の巻き取り温度の規制により、表面性状が良好な熱延
鋼板が製造出来ることを示している。
【0009】しかしながら熱延鋼板の製造では、圧延に
よる歪速度が厚鋼板に比較して5倍程度も大きく、さら
に圧延後に所定の温度で鋼板を巻取ることにより、鋼板
表面のスケールの組成が大きく変化する。即ち厚鋼板で
は、圧延後、板の状態で空冷され鋼板表裏面は大気に曝
される。
よる歪速度が厚鋼板に比較して5倍程度も大きく、さら
に圧延後に所定の温度で鋼板を巻取ることにより、鋼板
表面のスケールの組成が大きく変化する。即ち厚鋼板で
は、圧延後、板の状態で空冷され鋼板表裏面は大気に曝
される。
【0010】これに対し熱延鋼板では、圧延後巻取るこ
とにより冷却速度が大幅に低下し、コイルの内面では鋼
板表面が直接大気と接することがない。このため鋼板表
面のスケール組成や性状も厚鋼板と熱延鋼板では異な
る。
とにより冷却速度が大幅に低下し、コイルの内面では鋼
板表面が直接大気と接することがない。このため鋼板表
面のスケール組成や性状も厚鋼板と熱延鋼板では異な
る。
【0011】本発明は、厚鋼板の製造法を厳しく規制す
ることにより、表面性状が優れた厚鋼板の製造方法を提
供することを目的とする。
ることにより、表面性状が優れた厚鋼板の製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため種々検討を重ねた結果、適当量のSi
添加とスラブ加熱温度,圧延条件を規制することによ
り、表面性状の優れた厚鋼板の製造を可能にしたもので
あり、その要旨は以下の通りである。
題を解決するため種々検討を重ねた結果、適当量のSi
添加とスラブ加熱温度,圧延条件を規制することによ
り、表面性状の優れた厚鋼板の製造を可能にしたもので
あり、その要旨は以下の通りである。
【0013】第1の本発明は、C:0.05〜0.25
%,Si:0.5〜1.50%,Mn:0.3〜1.5
%,P:0.025%以下,S:0.020%以下,A
l:0.06%以下,N:0.006%以下を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼をスラブとした
後、加熱炉にて1150℃以上,1300℃以下の温度
で加熱し、その後の熱間圧延でスラブ表面温度が100
0℃以上の温度域で1パス当り10mm以上の圧下を1
回以上加え、850℃以上で圧延を終了し、その後冷却
することを特徴とする表面性状の優れた厚鋼板の製造方
法である。
%,Si:0.5〜1.50%,Mn:0.3〜1.5
%,P:0.025%以下,S:0.020%以下,A
l:0.06%以下,N:0.006%以下を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼をスラブとした
後、加熱炉にて1150℃以上,1300℃以下の温度
で加熱し、その後の熱間圧延でスラブ表面温度が100
0℃以上の温度域で1パス当り10mm以上の圧下を1
回以上加え、850℃以上で圧延を終了し、その後冷却
することを特徴とする表面性状の優れた厚鋼板の製造方
法である。
【0014】また第2の本発明は、C:0.05〜0.
25%,Si:0.5〜1.50%,Mn:0.3〜
1.5%,P:0.025%以下,S:0.020%以
下,Al:0.06%以下,N:0.006%以下を含
有し、更にNb:0.05%以下,V:0.06%以
下,Ti:0.02%以下の一種又は二種以上を含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼をスラブと
した後、加熱炉にて1150℃以上,1300℃以下の
温度で加熱し、その後の熱間圧延でスラブ表面温度が1
000℃以上の温度域で1パス当り10mm以上の圧下
を1回以上加え、850℃以上で圧延を終了し、その後
冷却することを特徴とする表面性状の優れた厚鋼板の製
造方法である。
25%,Si:0.5〜1.50%,Mn:0.3〜
1.5%,P:0.025%以下,S:0.020%以
下,Al:0.06%以下,N:0.006%以下を含
有し、更にNb:0.05%以下,V:0.06%以
下,Ti:0.02%以下の一種又は二種以上を含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼をスラブと
した後、加熱炉にて1150℃以上,1300℃以下の
温度で加熱し、その後の熱間圧延でスラブ表面温度が1
000℃以上の温度域で1パス当り10mm以上の圧下
を1回以上加え、850℃以上で圧延を終了し、その後
冷却することを特徴とする表面性状の優れた厚鋼板の製
造方法である。
【0015】
【作用】本発明における成分及び加熱,圧延条件の限定
によりもたらされる作用を以下に述べる。
によりもたらされる作用を以下に述べる。
【0016】Cは強度確保のため0.05%以上必要で
あり、0.25%を超えると溶接性が劣化するため、
0.05〜0.25%の範囲に制限される。
あり、0.25%を超えると溶接性が劣化するため、
0.05〜0.25%の範囲に制限される。
【0017】Siは本発明の目的とする鋼板表面のスケ
ール厚さ,粗度,地鉄との密着性を良好とするため必須
の元素である。Si:0.5未満では、密着性の良いF
e2 SiO4 (ファイアライト)の生成が少なく効果が
ないため下限とした。また1.5%以上では溶接性に害
を与えるため、その上限を1.5%とした。
ール厚さ,粗度,地鉄との密着性を良好とするため必須
の元素である。Si:0.5未満では、密着性の良いF
e2 SiO4 (ファイアライト)の生成が少なく効果が
ないため下限とした。また1.5%以上では溶接性に害
を与えるため、その上限を1.5%とした。
【0018】Siの効果はスラブ加熱時に鋼中のSiが
スラブ表面に濃化し、地鉄との密着性が良いファイアラ
イトを生成させる。その後Fe3 O4 (マグネタイ
ト),Fe2 O3 (ヘマタイト)等のスケールが生成す
る。
スラブ表面に濃化し、地鉄との密着性が良いファイアラ
イトを生成させる。その後Fe3 O4 (マグネタイ
ト),Fe2 O3 (ヘマタイト)等のスケールが生成す
る。
【0019】ファイアライトとマグネタイトの境界は、
高温ほど密着力が弱いため1000℃以上の温度域で1
パス当り10mm以上の圧下を1回以上加えることによ
り、加熱時に生じたマグネタイトやヘマタイトは剥離し
てしまう。しかしながらファイアライト以外のスケール
は一旦剥離するが、その後の圧延温度域で再びマグネタ
イトやヘマタイトが生成する。
高温ほど密着力が弱いため1000℃以上の温度域で1
パス当り10mm以上の圧下を1回以上加えることによ
り、加熱時に生じたマグネタイトやヘマタイトは剥離し
てしまう。しかしながらファイアライト以外のスケール
は一旦剥離するが、その後の圧延温度域で再びマグネタ
イトやヘマタイトが生成する。
【0020】850℃以上の温度域の圧延でスケールの
剥離と生成が繰り返されるが、結果としてスケールは高
温圧延ほど厚くなる。さらに低温域の圧延では、スケー
ルの剥離が顕著となり新たなスケールの生成は少なくな
る。この場合は高温域と異なり、新たなスケール生成が
少ないため圧延により部分的に剥離したスケールは常温
までその状態である。
剥離と生成が繰り返されるが、結果としてスケールは高
温圧延ほど厚くなる。さらに低温域の圧延では、スケー
ルの剥離が顕著となり新たなスケールの生成は少なくな
る。この場合は高温域と異なり、新たなスケール生成が
少ないため圧延により部分的に剥離したスケールは常温
までその状態である。
【0021】即ちスケールが剥離した部分と剥離してい
ない部分が存在するため、表面粗度が大きく劣化する。
さらにこの温度域で剥離するスケールは、赤色のヘマタ
イトで鋼板表裏面に粉状に付着した状態である。
ない部分が存在するため、表面粗度が大きく劣化する。
さらにこの温度域で剥離するスケールは、赤色のヘマタ
イトで鋼板表裏面に粉状に付着した状態である。
【0022】従って鋼板表面性状を良好とするために
は、適当量のSiの添加とともに製造上の適正条件の設
定が重要である。なお本発明鋼の製造法の要件は後で詳
細に説明する。
は、適当量のSiの添加とともに製造上の適正条件の設
定が重要である。なお本発明鋼の製造法の要件は後で詳
細に説明する。
【0023】Mnは強度,靱性を確保するため重要な元
素であり、0.3%以上必要であるが、しかしMnが多
すぎると溶接性を劣化させるため、その上限を1.5%
とした。
素であり、0.3%以上必要であるが、しかしMnが多
すぎると溶接性を劣化させるため、その上限を1.5%
とした。
【0024】P,Sは材質上低いほど好ましいが、Pが
0.025%,Sが0.02%以下であれば所定の効果
を発揮出来るため、この値を上限とした。
0.025%,Sが0.02%以下であれば所定の効果
を発揮出来るため、この値を上限とした。
【0025】Alは脱酸として有効であるが、0.06
%以上では非金属介在物を増加させ好ましくないため、
この値を上限とした。
%以上では非金属介在物を増加させ好ましくないため、
この値を上限とした。
【0026】Nは0.006%以下であれば溶接性やス
ラブ鋳造時のヒビ割れにも害を及ぼさないので、この値
を上限とした。
ラブ鋳造時のヒビ割れにも害を及ぼさないので、この値
を上限とした。
【0027】Nb,Vは炭窒化物を形成し、強度を増加
させる効果がある。しかしながら多すぎると溶接性を害
するため、その上限をそれぞれ0.05%,0.06%
とした。
させる効果がある。しかしながら多すぎると溶接性を害
するため、その上限をそれぞれ0.05%,0.06%
とした。
【0028】Tiは溶接部の靱性向上に効果があるが、
0.02%を超えると溶接部靱性を害するため、0.0
2%を上限とした。
0.02%を超えると溶接部靱性を害するため、0.0
2%を上限とした。
【0029】次に加熱,圧延条件について述べる。
【0030】図1に従来鋼と本発明法による鋼の加熱温
度とスケール厚さの関係を示す。このデータは、20m
m厚のスラブを所定の温度に於て大気中で1時間加熱
し、その後1回の圧延で4mmの圧下をして空冷したも
のである。
度とスケール厚さの関係を示す。このデータは、20m
m厚のスラブを所定の温度に於て大気中で1時間加熱
し、その後1回の圧延で4mmの圧下をして空冷したも
のである。
【0031】従来鋼は加熱温度が高いほどスケール厚が
厚くなる傾向であるのに対し、本発明法による鋼は加熱
温度が高いほどスケール厚が減少する傾向である。この
現象は、前述した加熱温度が高いほどファイアライトと
マグネタイトの界面の密着力が低下するためである。
厚くなる傾向であるのに対し、本発明法による鋼は加熱
温度が高いほどスケール厚が減少する傾向である。この
現象は、前述した加熱温度が高いほどファイアライトと
マグネタイトの界面の密着力が低下するためである。
【0032】従って、スラブ加熱時に生成したスケール
のうち、地鉄との密着性の良いファイアライトを残し、
他のスケールを剥離させる条件の設定が重要である。こ
の点に関し本発明者らは鋭意検討し、実製造工程では1
000℃以上の温度域で1パス当り10mm以上の圧下
を1回以上加えることにより、達成出来ることを見出し
た。
のうち、地鉄との密着性の良いファイアライトを残し、
他のスケールを剥離させる条件の設定が重要である。こ
の点に関し本発明者らは鋭意検討し、実製造工程では1
000℃以上の温度域で1パス当り10mm以上の圧下
を1回以上加えることにより、達成出来ることを見出し
た。
【0033】つぎに、850℃未満の低温域での圧下で
スケール厚が減少することは以前から知られていたが、
そのメカニズムについては知られていなかった。この温
度域でのスケールは、最表面から脆いヘマタイト,密着
性の良いマグネイトが生成しているが、低温域の圧下で
最表面のヘマタイトに亀裂が生じ、その亀裂の周辺では
スケール組成がマグネタイトからヘマタイトに変化す
る。
スケール厚が減少することは以前から知られていたが、
そのメカニズムについては知られていなかった。この温
度域でのスケールは、最表面から脆いヘマタイト,密着
性の良いマグネイトが生成しているが、低温域の圧下で
最表面のヘマタイトに亀裂が生じ、その亀裂の周辺では
スケール組成がマグネタイトからヘマタイトに変化す
る。
【0034】ヘマタイトに変化した部分は、脆いため圧
延による外力により剥離する。このようにしてスケール
厚は減少するが、完全には剥離せず、表面は凸凹が多い
状態となり粗度が劣化する。
延による外力により剥離する。このようにしてスケール
厚は減少するが、完全には剥離せず、表面は凸凹が多い
状態となり粗度が劣化する。
【0035】従って鋼板表面のスケール剥離により凸凹
を生じさせないことが重要であり、本発明者らは鋭意検
討し、850℃以上の温度域の圧延でスケール表面が凸
凹にならないことを見出した。また850℃以上の温度
域では、この範囲内で圧延温度が低いほどスケール厚は
薄くなるため、より低温での圧延が好ましい。
を生じさせないことが重要であり、本発明者らは鋭意検
討し、850℃以上の温度域の圧延でスケール表面が凸
凹にならないことを見出した。また850℃以上の温度
域では、この範囲内で圧延温度が低いほどスケール厚は
薄くなるため、より低温での圧延が好ましい。
【0036】以上の2点が本発明方法の製造上の要件で
あるが、スラブ加熱温度1150〜1300℃は、上記
要件の1000℃以上の温度域での圧下を可能とさせる
ためと、成分元素の溶体化のためである。また本発明方
法の要件として、圧延終了後に空冷としているが、水冷
としても本発明方法の効果は持続される。
あるが、スラブ加熱温度1150〜1300℃は、上記
要件の1000℃以上の温度域での圧下を可能とさせる
ためと、成分元素の溶体化のためである。また本発明方
法の要件として、圧延終了後に空冷としているが、水冷
としても本発明方法の効果は持続される。
【0037】
【実施例】表1に本発明法による鋼と比較鋼の化学成分
を示し、表2に加熱,圧延条件と鋼板の表面性状示す。
を示し、表2に加熱,圧延条件と鋼板の表面性状示す。
【0038】鋼1〜10は本発明法による鋼であり、圧
延後の鋼板表面性状はいずれもスケール厚が20μm以
下と薄く、表面粗度も10μm以下で良好である。また
曲げ評価によるスケールの密着性も良好で、スケールの
色はうす青であった。
延後の鋼板表面性状はいずれもスケール厚が20μm以
下と薄く、表面粗度も10μm以下で良好である。また
曲げ評価によるスケールの密着性も良好で、スケールの
色はうす青であった。
【0039】これに対し比較鋼11,12,13では、
鋼板の製造条件は本発明法による鋼と同じであるが、鋼
成分のSiが低いためスケール厚が厚く、表面粗度も粗
く密着性もあまり良くない。
鋼板の製造条件は本発明法による鋼と同じであるが、鋼
成分のSiが低いためスケール厚が厚く、表面粗度も粗
く密着性もあまり良くない。
【0040】比較鋼14,15では、鋼成分のSiが低
く鋼板の製造条件の圧延温度も低いためスケールは薄い
が、表面粗度が極めて粗く、しかも赤スケールが鋼板表
面に付着した状態である。
く鋼板の製造条件の圧延温度も低いためスケールは薄い
が、表面粗度が極めて粗く、しかも赤スケールが鋼板表
面に付着した状態である。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の製造方法によ
れば、スケール厚も薄くかつ表面性状に優れた厚鋼板を
得ることができ、従って産業機械の製造に際して、本厚
鋼板をそのまま冷間加工してもスケール剥離がなく、塗
装後の美観も良好である。またレーザー切断時の加工精
度や能率が向上するため、作業能率が大幅に向上し、さ
らには鋼製コンクリート枠等に使用するときは、その枠
表面に見られた赤錆によるコンクリートの汚染がなくな
り、美観が向上する。
れば、スケール厚も薄くかつ表面性状に優れた厚鋼板を
得ることができ、従って産業機械の製造に際して、本厚
鋼板をそのまま冷間加工してもスケール剥離がなく、塗
装後の美観も良好である。またレーザー切断時の加工精
度や能率が向上するため、作業能率が大幅に向上し、さ
らには鋼製コンクリート枠等に使用するときは、その枠
表面に見られた赤錆によるコンクリートの汚染がなくな
り、美観が向上する。
【図1】従来鋼と本発明法による鋼のスケール厚さと加
熱温度との関係を示す図面である。
熱温度との関係を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 吉二 千葉県君津市君津1 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.25%,Si:0.
5〜1.50%,Mn:0.3〜1.5%,P:0.0
25%以下,S:0.020%以下,Al:0.06%
以下,N:0.006%以下を含有し、残部が鉄及び不
可避的不純物からなる鋼をスラブとした後、加熱炉にて
1150℃以上,1300℃以下の温度で加熱し、その
後の熱間圧延でスラブ表面温度が1000℃以上の温度
域で1パス当り10mm以上の圧下を1回以上加え、8
50℃以上で圧延を終了し、その後冷却することを特徴
とする表面性状の優れた厚鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 C:0.05〜0.25%,Si:0.
5〜1.50%,Mn:0.3〜1.5%,P:0.0
25%以下,S:0.020%以下,Al:0.06%
以下,N:0.006%以下を含有し、更にNb:0.
05%以下,V:0.06%以下,Ti:0.02%以
下の一種又は二種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物からなる鋼をスラブとした後、加熱炉にて115
0℃以上,1300℃以下の温度で加熱し、その後の熱
間圧延でスラブ表面温度が1000℃以上の温度域で1
パス当り10mm以上の圧下を1回以上加え、850℃
以上で圧延を終了し、その後冷却することを特徴とする
表面性状の優れた厚鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21800991A JPH0539523A (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | 表面性状の優れた厚鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21800991A JPH0539523A (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | 表面性状の優れた厚鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539523A true JPH0539523A (ja) | 1993-02-19 |
Family
ID=16713200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21800991A Withdrawn JPH0539523A (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | 表面性状の優れた厚鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0539523A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07268537A (ja) * | 1994-03-29 | 1995-10-17 | Nippon Steel Corp | 構造用厚鋼板 |
JPH07278655A (ja) * | 1994-04-15 | 1995-10-24 | Nippon Steel Corp | 構造用厚鋼板の製造方法 |
JPH0978180A (ja) * | 1995-09-20 | 1997-03-25 | Nippon Steel Corp | 高密度エネルギー線切断性に優れた鋼材及びその製造方法 |
JPH0987799A (ja) * | 1995-09-27 | 1997-03-31 | Nippon Steel Corp | 耐スケール剥離性に優れる厚鋼板、及びその製造方法 |
WO2017043034A1 (ja) * | 2015-09-07 | 2017-03-16 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 鉄系基材に形成される酸化被膜、およびこの酸化被膜を形成した摺動部材、並びに、この摺動部材を備える機器 |
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1991
- 1991-08-05 JP JP21800991A patent/JPH0539523A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2017043034A1 (ja) * | 2015-09-07 | 2018-06-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 鉄系基材に形成される酸化被膜、およびこの酸化被膜を形成した摺動部材、並びに、この摺動部材を備える機器 |
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