JP3262971B2 - レーザー切断性が優れた厚鋼板及びその製造方法 - Google Patents

レーザー切断性が優れた厚鋼板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械、橋梁、造船
分野で使用されるレーザー切断性が優れた鋼板及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、産業機械、橋梁等の分野で使用
される400〜490N/mm2の厚鋼板は、製造コス
トを廉価とするため、圧延まま(As−roll)で製
品とされている。この様な方法で製造された鋼板の表面
状態は、その製造条件により大幅に異なった状態とな
る。すなわち、鋼板表面には黒皮のスケールが形成さ
れ、そのスケールの厚みが50μmを超えるものや、或
は、鋼板表面のスケールは薄いが赤スケールの粉末が表
面に付着した鋼板など、鋼板の表面状態はその製造条件
により大きく異なる状態であった。
【0003】一方この分野では、鋼板の加工法として従
来のガス切断に代わりレーザー切断による加工の普及が
目ざましい。これは切断加工で、環境、精度、能率等、
どれをとってもレーザー切断がガス切断より優れている
ためである。しかしながら、レーザー切断性は鋼の成分
や表面状態に大きく左右されることも知られており、こ
のため、上記の様な表面状態の厚鋼板にレーザー切断を
適用することが技術上の問題点であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は鋼成分と鋼板
の製造条件を最適範囲に規定することにより、レーザー
切断性が良好な特性を備えた産業機械、橋梁、造船等の
分野への適用が可能である鋼板及びその製造方法を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)重量%で、 C :0.06〜0.25% Si :0.05〜0.2% Mn :0.5〜1.5% (但し、Si+Mn=1.24〜1.7%の条件を満足
する) P :0.03%以下 S :0.02%以下 Al :0.03%以下 N :0.006%以下 を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼をス
ラブとした後、加熱炉にて950℃以上、1250℃以
下の温度で加熱し、圧延中に、100Kg/mm 2 以上
の圧力で鋼板表裏面に水を噴射して、デスケーリングを
3回以上実施し、圧延を850〜750℃で終了して常
温まで空冷して鋼板表面の光沢を15%以下とすること
を特徴とするレーザー切断性が優れた厚鋼板の製造方
法。 (2)重量%で、 C :0.06〜0.25% Si :0.05〜0.2% Mn :0.5〜1.5% (但し、Si+Mn=1.24〜1.7%の条件を満足
する) P :0.03%以下 S :0.02%以下 Al :0.03%以下 N :0.006%以下 を基本成分とし、さらに Mo :0.4%以下 Nb :0.04%以下 V :0.08%以下 の1種または2種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物からなる鋼をスラブとした後、加熱炉にて950
℃以上、1250℃以下の温度で加熱し、圧延中に、1
00Kg/mm 2 以上の圧力で鋼板表裏面に水を噴射し
て、デスケーリングを3回以上実施し、圧延を850〜
750℃で終了して常温まで空冷して鋼板表面の光沢を
15%以下とすることを特徴とするレーザー切断性が優
れた厚鋼板の製造方法。
【0006】
【作用】本発明の基本となる考え方を以下に述べる。
【0007】本発明が対象としている板厚20mm以下
の鋼板においては、レーザー切断のエネルギーはレーザ
ー光と鋼の酸化反応熱が利用され、それぞれに影響因子
がことなる。すなわち、a)レーザービームが光と同様
な特性を持っているため、鋼板の表面性状に大きく影響
される、b)レーザー切断時に加熱された部分では鉄の
酸化反応熱が切断性に影響を与える、c)レーザー切断
時に溶けた溶鋼の粘性は切断面の品位やドロスの付着状
態に影響する等の影響因子がある。
【0008】本発明者らは、これらの影響因子について
鋭意検討し、鋼板のレーザー切断性を向上させるために
は、鋼板表面のレーザー吸収率を上げ、酸化反応熱を適
正に制御することが重要であることを見い出した。
【0009】そして、 本発明者らは、レーザー切断性
に大きく影響する鋼板表面のレーザー吸収率に鋼板表面
性状がどの様に影響するかを究明し、以下の結果を得
た。
【0010】すなわち、レーザーの特性は可視光線と良
く似ており、レーザー切断時には鋼板表面でレーザーの
反射および吸収が生じる。このうち熱エネルギーに変換
されるのは吸収されるレーザーであること。レーザー吸
収率は鋼板表面の光沢に大きく影響されており、光沢の
制御がレーザー吸収率を向上させるために重要であるこ
とを見いだした。さらに、光沢は 1スケール表面の色
調、 2スケール表面の粗さに影響されることを知っ
た。色調は黒←→白の軸で評価すると、黒くすることで
光沢を抑えることが出来、このためには、750℃未満
の圧延は色調を白くするため避ける必要がある。
【0011】また、表面粗さは粗いほど光沢を低く抑え
る効果が見られるが、実用的にはRaで1〜4μm程度
で効果を発揮できる。本発明者らは、結果として、光沢
値を15%以下にすることが良好なレーザー切断性を得
る限界値であることを見いだした。そのため、加熱炉に
て950〜1250℃で加熱したスラブを圧延し850
〜750℃で圧延終了して常温まで空冷することとし
た。
【0012】また、圧延中に100kg/mm2以上の
圧力で鋼板の表面に水を噴射してデスケーリングを3回
以上実施する理由は、鋼板表面に剥離したスケールやゴ
ミを残さないようにし、且つ、必要以上にスケールを厚
くしないようにして、光沢値15%以下を確保するため
である。
【0013】また、レーザー切断性を向上させるために
は、前記の(b)、(c)の影響因子を鋼成分によって
制御することが重要である。鋼板のレーザー切断時はア
シストガスに酸素を使用しており、これは鉄との酸化を
促進し、酸化反応熱を生成する働きがある。そのため、
レーザー切断性には、アシストガス中の酸素の純度が大
きな影響を及ぼすことが知られている。
【0014】本発明者らはレーザー切断性の影響因子で
ある酸化反応熱の生成には、鋼成分が影響することを突
き止めた。即ち、レーザー切断時に高温に加熱された領
域で鉄の酸化反応がおきているが、鋼中のC量が多い
と、C+Oの反応がおき、鉄の酸化反応を抑制する。こ
のため、酸化反応による熱発生が少なくなる。
【0015】また、レーザー切断に寄与するレーザー光
と酸化反応の比率は切断する鋼板の板厚で大きく異な
り、板厚が薄い場合はレーザー光のエネルギーが主体で
あり、厚い場合は酸化反応熱が主体となる。
【0016】本発明鋼の対象とする板厚が20mm以
下、特に10〜20mmの板厚の鋼板では、酸化反応熱
を制御する必要があり、鋼中のC量が低くすぎると酸化
反応が過大となり、バーニングを起こし易くなり、多す
ぎるとエネルギーが不足し、切断不可となる。このた
め、適正範囲が存在する。また、酸化反応熱が過大なS
iやMn量を適正な範囲に制御することが重要である。
本発明鋼のC量であれば、SiとMnの和で1.24
1.7%が適正範囲である。
【0017】以下に個々の合金元素の制限範囲について
述べる。
【0018】Cは前述した様に、低すぎるとレーザー切
断時にバーニングをおこすため、また、高すぎると酸化
反応熱が不足し、切断不可となるため、0.06%〜
0.25%を制限範囲とした。
【0019】Siはレーザー切断時の溶鋼の粘性をあ
げ、切断性を劣化させるが、鋼の製造時の脱酸に有効で
あるため、0.05〜0.2%を制限範囲とした。
【0020】Mnは過大な場合、レーザー切断性を劣化
させるため上限1.5%とした。また、下限は強度や靱
性の確保のため0.5%とした。
【0021】また、上述した様に、過大なSiやMnの
添加はレーザー切断性を劣化させるため、Si+Mn=
1.24〜1.7%とする必要がある。
【0022】P,Sは材質上低いほど好ましいが、Pが
0.03%以下、Sが0.02%以下であれば所定の効
果を発揮できるためその上限とした。
【0023】Alは脱酸上必要であるが、0.03%を
超えると非金属介在物を増加させ好ましくないため、
0.03%を上限とした。
【0024】Nは0.006%以下であれば、溶接性や
スラブ鋳造時のヒビ割れにも害をおよぼさないため、そ
の上限とした。
【0025】以上のべた鋼成分の範囲で、レーザー切断
性が良好な鋼板を得ることができるが、特性を損なわず
にさらに高い強度をえるため、以下の元素を1種又は2
種以上添加することが有効である。
【0026】Moは固溶強化元素で、鋼板の強度を高め
る効果が大きい。しかしながら、多量の添加は溶接性を
害するため、上限の値は0.4%である。
【0027】Nb,Vは析出硬化元素で、鋼板の強度を
高める効果が大きい。しかしながら、多量の添加は溶接
性や溶接部の靱性を損なうため、上限の値をそれぞれN
b0.04%,V0.08%とした。
【0028】
【実施例】表1に本発明による鋼と比較鋼の化学成分を
示し、表2に加熱、圧延条件とレーザー切断の結果を示
す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】 鋼1〜は本発明による鋼であり、鋼板表面の光沢が
〜14でレーザー切断性(ピアス性、切断面品質)が
優れている。これに対し、比較鋼は鋼板表面の光沢は
低いが、C量が高く、レーザー切断性(ピアス)が悪
い。
【0031】比較鋼は鋼板表面の光沢は低いが、C、
Si量が高く、レーザー切断性 (ピアス、切断面)が
悪い。
【0032】比較鋼は鋼板表面の光沢は低いが、Mn
量が高く、レーザー切断性(ピアス、切断面)が悪い。
【0033】比較鋼10は鋼板表面の光沢は低いが、
C,Mn量が高く、レーザー切断性(ピアス、切断面)
が悪い。
【0034】比較鋼11は鋼成分は本発明鋼と同じであ
るが、圧延終了温度が低いため、光沢が多く、レーザー
切断性(ピアス、切断面)が悪い。
【0035】
【発明の効果】以上説明した様に本発明の製造方法によ
ればレーザー切断性が良好な鋼板を得ることができる。
また、本発明の鋼板はレーザー切断加工を施す鋼板とし
て最も適した鋼板であり、産業機械、橋梁、造船等の分
野へ適用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 康信 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平5−112821(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/02 B21B 45/08 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.06〜0.25% Si :0.05〜0.2% Mn :0.5〜1.5% (但し、Si+Mn=1.24〜1.7%の条件を満足
    する) P :0.03%以下 S :0.02%以下 Al :0.03%以下 N :0.006%以下 を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼をス
    ラブとした後、加熱炉にて950℃以上、1250℃以
    下の温度で加熱し、圧延中に、100Kg/mm 2 以上
    の圧力で鋼板表裏面に水を噴射して、デスケーリングを
    3回以上実施し、圧延を850〜750℃で終了して常
    温まで空冷して鋼板表面の光沢を15%以下とすること
    を特徴とするレーザー切断性が優れた厚鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.06〜0.25% Si :0.05〜0.2% Mn :0.5〜1.5% (但し、Si+Mn=1.24〜1.7%の条件を満足
    する) P :0.03%以下 S :0.02%以下 Al :0.03%以下 N :0.006%以下 を基本成分とし、さらに Mo :0.4%以下 Nb :0.04%以下 V :0.08%以下 の1種または2種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的
    不純物からなる鋼をスラ ブとした後、加熱炉にて950
    ℃以上、1250℃以下の温度で加熱し、圧延中に、1
    00Kg/mm 2 以上の圧力で鋼板表裏面に水を噴射し
    て、デスケーリングを3回以上実施し、圧延を850〜
    750℃で終了して常温まで空冷して鋼板表面の光沢を
    15%以下とすることを特徴とするレーザー切断性が優
    れた厚鋼板の製造方法。
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