JP3258711B2 - プレス成形性および溶接性に優れたほうろう用鋼板 - Google Patents

プレス成形性および溶接性に優れたほうろう用鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐つまとび性、焼成歪
などのほうろう用鋼板としての最低限の特性を満足し、
かつプレス成形性および溶接性に優れたほうろう用冷延
鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ほうろうは鋼板表面にガラス質を焼き付
けた不燃性材料で耐熱性をはじめとして、耐候性、耐薬
品性、耐水性および耐汚染性など種々の特性を備える
他、表面が美麗であるという種々の特徴がある。これに
かかわるほうろう用の素地は主に冷延鋼板が多く、要求
される特性としては耐焼成歪特性、耐つまとび性、密着
性および耐泡・黒点性などがあり、これらの特性を満足
し、かつプレス成形性ならびに溶接性なども備えていな
ければならない。
【0003】プレス成形性に優れた連鋳製ほうろう用鋼
板の代表的なものは、特公平4−16539 号公報に開示さ
れているようなTi添加Alキルド鋼である。しかしなが
ら、この種の鋼板は、プラズマ溶接やTIG溶接などで
継ぎ手溶接をした際、溶接部が凹状になったり、ブロー
ホールを形成したりし、ほうろう加工後の表面に筋状欠
陥や泡欠陥を発生したりしていた。
【0004】従来、この欠陥を防止する手段としては、
ほうろうメーカーにおいて溶接速度を遅くしたり、溶接
電流を比較的高めに設定したりする方法が取られていた
が、必ずしも適切な手段ではなく、生産性が低下する上
にかなりの不良率で欠陥品を発生しているのが現状であ
る。よって、ほうろうメーカーではTi添加Alキルド鋼の
ような優れたプレス成形性を備え、かつ溶接性の優れた
鋼板を切望していた。
【0005】
【発明が解決する課題】そこで、本発明はプレス成形性
がTi添加Alキルド鋼と同等もしくはそれ以上で、かつ溶
接性が極めて優れるほうろう用鋼板を提案することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は重量
比にして、 C:0.0050%以下、 Mn:0.05〜1.0 %、 Al:0.010 %以下、 N:0.0200%以下、 B:0.0030超〜0.0200%、 Cu:0.01〜0.10%、 Nb:0.003 〜0.100 %、 O:0.020 超〜0.100 %、 P:0.020 %未満、 S:0.020 %未満、 を含有し、かつB/N≧1、Nb/C≧7をそれぞれ満足
し、残部が鉄および不可避的不純物からプレス成形性お
よび溶接性に優れたほうろう用鋼板であり、また重量比
にして、さらにSeを0.001 〜0.050 %を残部の鉄の同量
と置換して前記成分に含有させたプレス成形性および溶
接性に優れたほうろう用鋼板である。
【0007】
【作用】本発明はNbを添加し材質劣化の原因になる固溶
CをNbC として固定し、プレス成形性を著しく向上させ
た上、従来の連続鋳造鋼のようにAlを添加し、鋼中の酸
素含有量を低減せずに溶接性を向上させた鋼板である。
次に本発明ほうろう用鋼板の成分限定理由について説明
する。
【0008】C:0.0050%以下 Cは侵入型固溶元素であり、0.0050%超の含有はプレス
成形性を著しく劣化させることから極力低減する必要が
ある。よって本発明のC量の上限を0.0050%とした。 Mn:0.05〜1.0 % Mnは赤熱脆性の原因になるSをMnS として固定するの
に、また本発明のように酸素が多量に添加されている成
分系においては、MnO を形成してつまとび欠陥の原因に
なる水素をトラップさせることができることから、本発
明では有効な元素である。これらの効果を引き出すに
は、少なくとも0.05%以上の含有量が必要である。しか
しながら1.0 %超の添加は溶鋼コストを上昇させてしま
うことから上限を1.0 %とした。
【0009】P:0.020 %未満 Pは0.020 %以上の含有量では、ほうろう前処理時の酸
洗速度を増大させ、泡・黒点といったほうろうの表面欠
陥を発生させやすくすることから0.020 %未満の含有量
とした。 S:0.020 %未満 SはMnと硫化物を形成して鋼中に分散することから耐つ
まとび性を改善する元素であるが、0.020 %以上の含有
はPと同様にほうろうの前処理時の酸洗速度を著しく増
大させ、泡・黒点欠陥の原因になるスマットの生成を促
進することからSの含有量を0.020 %未満とした。ま
た、プレス成形性の極めて良好な鋼板を得るには0.005
%にするのが好ましい。
【0010】Al:0.010 %以下 Alは、通常、製鋼段階での脱酸剤として使用されるもの
であるが、本発明では酸素を耐つまとび性を改善する目
的から特定範囲にコントロールしている。そのためAlは
それに必要な量であれば十分である。しかし、0.010 %
超の含有量は本発明において重要な元素である酸素をAl
2O3 として除去してしまうことから本発明では0.010 %
以下の範囲に限定した。
【0011】O:0.020 超〜0.100 % Oは耐つまとび性を改善する元素であり、また、本発明
では溶接性を著しく向上させる元素であることからその
含有は非常に重量であるが、0.020 %以下の含有量では
溶接性の著しい向上は得られない。一方、0.100 %超の
含有では連鋳スラブのブローホールが多く、スラブ表面
手入れのコストがかかる上、製品歩留まりが悪くなるこ
とから、その含有量の範囲を0.020 超〜0.100 %とし
た。
【0012】N:0.0200%以下 Nは本発明ではBNを形成し耐つまとび性を確保すること
から有効な元素であるが、0.0200%超の含有はBを多量
に添加しなければならなくなり、またBNを鋼中に多量に
分散し、延性を著しく劣化させてしまうことからN量の
上限を0.0200%とした。プレス成形性を重要視する場合
にはより少ない含有量とするのが好ましい。
【0013】B:0.0030超〜0.0200% BはB2O3、BNなどのB系酸化物、ならびに、析出物を形
成して耐つまとび性を確保する上に、さらに固溶Nによ
る時効劣化を防止する効果をもっており有効な元素であ
る。よってBの含有量は少なくとも0.0030%超の含有が
必要である。しかしながら0.0200%超の含有は熱間圧延
時に割れが生じやすくなってしまうことから、本発明で
はB量の範囲を0.0030%超〜0.0200%とした。
【0014】Cu:0.010 〜0.100 % Cuはほうろう前処理時の酸洗速度をコントロールする目
的から添加している元素であり、これらの効果を引き出
すには0.010 以上の含有量が好ましい。しかしながら0.
100 %超の添加はほうろう前処理時に酸洗されにくくな
り、密着性に有効な微細な凹凸が鋼板表面に形成されな
くなることから、その添加量を0.010 〜0.100 %とし
た。
【0015】Nb/C≧7 Nb/C≧7とした理由は、7未満では熱延段階、焼鈍段
階でNbC を形成させることが困難であり、プレス成形性
を確保することができなくなるからである。この弊害を
防止するためには少なくとも7以上の含有が必要であ
る。 B/N≧1 B/N≧1とした理由は、時効劣化の原因になるNをBN
として固定するためである。
【0016】Se:0.001 〜0.050 % Seは主に溶接性を改善する目的から必要に応じて添加す
るものであるが、その効果を引き出すには0.001 %以上
の添加が必要であり、また0.050 %超の添加は表面性状
を劣化させることから、その添加量を0.001 〜0.050 %
とした。その他、不可避的不純物については極力低減す
る必要があるが、本発明ではとくに規制はしない。
【0017】また、本発明では製造方法についてとくに
規制するものではないが、以下に本発明の効果を引き出
すのに有効な手段について簡単に説明する。熱延巻取温
度は熱延母板の段階でNbC を析出させて冷延焼鈍後のプ
レス成形性を良好ならしめるには 500℃以上の温度とす
ることが好ましい。再結晶焼鈍はとくに箱焼鈍法、連続
焼鈍法どちらでも適用可能であるが、焼鈍温度範囲は再
結晶温度〜 900℃とすることが望ましい。すなわち、再
結晶温度以下の温度では圧延組織が残り、プレス割れが
発生しやすく、一方 900℃超の温度では(111)集合
組織がランダム化し、プレス成形性の劣化が著しいから
である。
【0018】
【実施例】表1に示したような化学組成の連続鋳造スラ
ブを製造した。1200℃の加熱炉に3時間挿入し、粗圧延
後、仕上圧延機にて仕上温度 880℃、板厚3.5mm になる
ように熱間圧延し、 550〜 700℃の範囲内の温度で巻取
った。酸洗後、冷間圧延を施して板厚 0.7mmの冷延板と
し、 900℃以下の温度で30秒以内の均熱保持をする短時
間焼鈍を行った。圧下率 0.5%の調質圧延を施した後、
JIS5号引張試験片に加工して圧延方向に対して0
°、45°、90°方向の機械的特性について調査した。結
果は3方向の平均値で示した。さらに溶接性は溶接電流
130A、速度50cm/min でTIG溶接を行い、溶接開始
から孔あきが発生するまでの溶接距離で評価した。これ
らの結果を表2に示した。
【0019】一方、これらの鋼板に表3に示したような
直接一回掛けほうろう加工を行い、泡欠陥、つまとび欠
陥の発生状況を目視で観察した。その結果、本発明の化
学組成を満足した鋼板は、プレス成形性、耐つまとび性
および表面性状が良好であり(黒点欠陥が発生せず)、
かつ溶接性は良好で仕上がりの形状も平滑であった。
【0020】これに対して、本発明外の鋼板は機械的特
性、溶接性あるいはほうろう特性のいずれかに問題が認
められた。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【発明の効果】本発明によって製造された鋼板はプレス
成形性および溶接性が良好であり、この鋼板を使用する
ことにより、ほうろうメーカーでの溶接条件をロット単
位で変更する必要性がなくなるばかりでなく、生産性を
一層向上させることも可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−232947(JP,A) 特開 昭61−276958(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/16 C22C 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にして、 C:0.0050%以下、 Mn:0.05〜1.0 %、 Al:0.010 %以下、 N:0.0200%以下、 B:0.0030超〜0.0200%、 Cu:0.010 〜0.100 %、 Nb:0.003 〜0.100 %、 O:0.020 超〜0.100 %、 P:0.020 %未満、 S:0.020 %未満、 を含有し、かつB/N≧1、Nb/C≧7をそれぞれ満足
    し、残部が鉄および不可避的不純物から成るプレス成形
    性および溶接性に優れたほうろう用鋼板。
  2. 【請求項2】 重量比にして、 Se:0.001 〜0.050 % を残部の鉄の同量と置換してなる請求項1記載のプレス
    成形性および溶接性に優れたほうろう用鋼板。
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