JPH06345940A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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JPH06345940A
JPH06345940A JP14228293A JP14228293A JPH06345940A JP H06345940 A JPH06345940 A JP H06345940A JP 14228293 A JP14228293 A JP 14228293A JP 14228293 A JP14228293 A JP 14228293A JP H06345940 A JPH06345940 A JP H06345940A
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phenol resin
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Nobuhisa Fujimura
宜久 藤村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール樹脂、硬化剤としてヘキサメチレ
ンテトラミン、充填材として有機質充填材と無機質充填
材とを含有するフェノール樹脂成形材料であって、フェ
ノール樹脂はフェノール核に結合するメチレン結合にお
いてオルソ結合対パラ結合の比が1.5〜2.5である
ノボラック型フェノール樹脂とオルソ結合対パラ結合の
比が1.0未満であるノボラック型フェノール樹脂から
なり、成形材料全体に対して、前記フェノール樹脂の合
計配合量が35〜50重量%であり、硬化剤としてヘキ
サメチレンテトラミンが4.0〜7.0重量%であり、
更に沸点が80℃〜150℃である物質を含有すること
を特徴とするフェノール樹脂成形材料。 【効果】 ツメの長いサブマリンゲートや、ランナとの
角度の広いサブマリンゲートを有する金型での連続成形
性に優れており、かつ、硬化時間を短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱時剛性が低く、かつ
速硬化性に優れたフェノール樹脂成形材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般にフェノール樹脂成形材料の多くは
熱時剛性を高め速硬化性を付与する処方となっている。
射出成形においてはゲート無仕上げを不要とするために
は、サブマリンゲートによる成形が行なわれているが、
成形品の形状や金型の大きさから、サブマリンゲート部
のツメが長いものや、あるいは、ランナー部とサブマリ
ンゲート部との角度の広いものがある。このような形状
では成形時、サブマリンゲート部のツメ折れが発生し、
金型内に残るため、次の成形時にゲート詰まりにより材
料が充填されないなど連続成形性に問題が生じている。
このため従来では、フェノール樹脂成形材料の硬化性を
遅くして、熱時剛性を下げたり、熱可塑性樹脂などで変
性し、可撓性を付与することによりサブマリンゲートで
の前記のような障害をなくし、連続成形性を改善してい
たが、硬化時間が長くなったり、コストが高くなるなど
の不具合いが生じている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、サブマリンゲートでのツメ折れが無く、連続成
形性及び充填性が良好であり、かつ、速硬化性に優れた
フェノール樹脂成形材料を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール樹
脂(a)、及び硬化剤としてヘキサメチレンテトラミン
(b)、充填材として有機質充填材(c)と無機質充填
材(d)とを含有するフェノール樹脂成形材料であっ
て、フェノール樹脂(a)はフェノール核に結合するメ
チレン結合においてオルソ結合対パラ結合の比が1.5
〜2.5であるノボラック型フェノール樹脂(a1)と
オルソ結合対パラ結合の比が1.0未満であるノボラッ
ク型フェノール樹脂(a2)からなり、成形材料全体に
対して、フェノール樹脂(a)の合計配合量が35〜5
0重量%であり、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミ
ン(b)を4.0〜7.0重量%であり、更に沸点が8
0℃〜150℃である物質(e)を含有することを特徴
とするフェノール樹脂成形材料である。本発明のフェノ
ール樹脂成形材料に用いられるノボラック型フェノール
樹脂のひとつは、フェノール核に結合するメチレン結合
のオルソ結合対パラ結合の比が1.5〜2.5のもので
ある。このノボラック型フェノール樹脂(a1)は成形
材料に速硬化性を付与する。オルソ結合対パラ結合の比
が1.5〜2.5であるノボラック型フェノール樹脂
(a1)とオルソ結合対パラ結合の比が1.0未満であ
るノボラック型フェノール樹脂(a2)との割合は、両
者の合計量を100重量%としたとき前者が25〜40
重量%、後者が75〜60重量%である。25重量%以
下では十分な速硬化性が得られず、40重量%以上では
ゲル化時間が短かく、射出成形時にシリンダー内で硬化
することがある。好ましくは前者は27〜35重量%で
ある。本発明において、硬化剤のヘキサメチレンテトラ
ミン(b)は成形材料全体に対して4.0〜7.0重量
%配合することが好ましい。4.0重量%以下ではフェ
ノール樹脂との反応が進まず十分に硬化しない。7.0
重量%以上では成形材料の熱時剛性が高くなり、サブマ
リンゲートのツメが折れる、成形品内部でのヘキサメチ
レンテトラミンの分解によるアンモニアガス発生量が多
くなり成形品にフクレが発生するなどの欠点が多くな
る。本発明のフェノール樹脂成形材料は、速硬化性を維
持しながらシリンダー内の熱安定性を向上させ、成形金
型内への充填性も良好にし、成形品特性を安定向上させ
るために、沸点が80℃〜150℃である物質(e)を
含有せしめる。このような物質としては、例えば、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、
キシレン、水、プロパノール、エチレングリコール等の
各種液状物質が挙げられる。特に、メチルエチルケト
ン、トルエン、水、プロパノールが好ましい。
【0005】上記の物質(e)は射出シリンダー内で溶
融した成形材料の温度をその物質の沸点以下に抑える作
用をするとともに、成形材料のフローを大きくし、かつ
溶融トルクを高くする。従って、成形材料の射出シリン
ダー内での熱安定性が向上し、成形金型への充填性が向
上する。この物質の配合量は、成形材料全体中0.5〜
4重量%が適当である。0.5重量%未満では上記の効
果が十分に現れず、4重量%を越えてもこれ以上は効果
の向上は期待できず、逆に得られた成形品の収縮率が大
きくなるなどの問題が生じてくる。特に好ましい配合量
は0.5〜2.5重量%である。充填材として用いられ
る有機質充填材(c)と無機質充填材(d)は、特に限
定されるものではないが、有機質充填材(c)として
は、木粉、パルプ、粉砕布、合板粉等が、また無機質充
填材(d)としては、炭酸カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、クレー、ガラス繊維等が単
独あるいは併用して用いられる。成形材料化の方法は、
上記のフェノール樹脂、充填材、添加剤等のブレンド物
をロール、コニーダ、押出し機等を利用して、加熱溶融
混練した後、ペレット化あるいは冷却粉砕して材料化す
る方法が一般的である。上記のようにして得られたフェ
ノール樹脂成形材料は、射出成形など通常の成形方法で
成形される。
【0006】
【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料はフェノール
核に結合するメチレン結合においてオルソ結合対パラ結
合の比が1.5〜2.5であるノボラック型フェノール
樹脂とオルソ結合対パラ結合の比が1.0未満であるノ
ボラック型フェノール樹脂との割合を25〜40重量%
対75〜60重量%とし、成形材料全体に対してこれら
のフェノール樹脂の合計配合量が35〜50重量%であ
り、また、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを
4.0〜7.0重量%配合することにより、速硬化性と
熱時剛性の低減化を達成し、更に、沸点が80〜150
℃である物質を含有することにより、射出シリンダー内
で熱安定性の向上と成形金型内への充填性の向上とを達
成するものである。これにより、ツメの長いサブマリン
ゲートあるいは、ランナとの角度の広いサブマリンゲー
トを有する成形金型においても、連続成形性が良好であ
り、かつ、成形サイクルを短縮することができ、得られ
た成形品の特性を安定向上させる。
【0007】
【実施例】表1に示す原料を所定の配合でミキシングロ
ールにて加熱混練し、粉砕して成形材料を製造した。
【表1】 得られた成形材料について、硬化性(フクレの出ない最
小硬化時間)、熱時剛性(バコール硬度)、及び曲げ強
さを測定し、結果を表1の下欄に示した。 〔測定方法〕 (1)フクレの出ない最小硬化時間:金型温度を180
℃とし、射出成形により60φ×12mm厚の試験片を成
形し、硬化時間を60秒から1秒ずつ短縮する。フクレ
の発生した硬化時間の1秒前の硬化時間をフクレの出な
い最小硬化時間とする。フクレはマイクロメータで成形
品の厚みを測定し、0.05mmを越えたときをフクレと
した。 (2)バコール硬度:金型温度を180℃とし、射出成
形により、硬化時間20秒で60φ×4mm厚の試験片を
成形し、ノックピンで付き出し後10秒後の表面硬度を
バコール計により測定する。 (3)曲げ強さ:JIS K 6911に準じて測定し
た。
【0008】
【発明の効果】本発明は、ツメの長いサブマリンゲート
や、ランナとの角度の広いサブマリンゲートを有する金
型での連続成形性に優れており、かつ、硬化時間を短縮
することができるので、工業的なフェノール樹脂成形材
料として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂(a)、及び硬化剤とし
    てヘキサメチレンテトラミン(b)、充填材として有機
    質充填材(c)と無機質充填材(d)とを含有するフェ
    ノール樹脂成形材料であって、フェノール樹脂(a)は
    フェノール核に結合するメチレン結合においてオルソ結
    合対パラ結合の比が1.5〜2.5であるノボラック型
    フェノール樹脂(a1)とオルソ結合対パラ結合の比が
    1.0未満であるノボラック型フェノール樹脂(a2)
    からなり、成形材料全体に対して、フェノール樹脂
    (a)の合計配合量が35〜50重量%であり、硬化剤
    としてヘキサメチレンテトラミン(b)が4.0〜7.
    0重量%であり、更に沸点が80℃〜150℃である物
    質(d)を含有することを特徴とするフェノール樹脂成
    形材料。
  2. 【請求項2】 フェノール核に結合するメチレン結合の
    オルソ結合対パラ結合の比が1.5〜2.5であるノボ
    ラック型フェノール樹脂(a1)とオルソ結合対パラ結
    合の比が1.0未満であるノボラック型フェノール樹脂
    (a2)との割合がこれらの合計量100重量%に対し
    て25〜40重量%対75〜60重量%であることを特
    徴とする請求項1記載のフェノール樹脂成形材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101275690B1 (ko) * 2011-07-12 2013-06-17 강남화성 (주) 속경화성 페놀수지 성형재료 및 그의 제조방법

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