JPH06344495A - ガスバリヤーフィルム - Google Patents

ガスバリヤーフィルム

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JPH06344495A
JPH06344495A JP5138472A JP13847293A JPH06344495A JP H06344495 A JPH06344495 A JP H06344495A JP 5138472 A JP5138472 A JP 5138472A JP 13847293 A JP13847293 A JP 13847293A JP H06344495 A JPH06344495 A JP H06344495A
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JP
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film
gas
carbon
diamond
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JP5138472A
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Motokazu Yuasa
基和 湯浅
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明性を有し、マイクロ波を透過すると共に、
ガスバリヤー性に優れたガスバリヤーフィルム。 【構成】プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に
非結晶質のダイヤモンド状炭素膜が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリヤーフィルム
に関し、特にレトルト食品包装、薬品包装、エレクトロ
ルミネッセンス素子の保護等に使用されるガスバリヤー
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品、薬品等は、酸素、湿気
などによる変質を防止するために、ガス透過性の小さい
材料で包装されている。特に、レトルト食品の包装材料
として、透明性を有し、かつマイクロ波を透過すると共
に、ガスバリヤー性の優れたフィルムに対する要求が高
まりつつある。
【0003】一方、プラスチックフィルム上に、例えば
真空蒸着によりAl金属層を設けることによって、ガス
透過性が極めて低くなることが知られている。しかしな
がら、Al金属層を設けたフィルムは透明性が悪い上
に、電子レンジで使用できないという問題点があった。
【0004】また、透明なレトルト用防湿フィルムとし
て、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の透明なプ
ラスチックフィルム表面に、蒸着によってAl2 3
SiO2 等の無機化合物層を設けたフィルムが開示され
ている(特公昭62−49856号公報、特開平4−1
39233号公報)。しかしながら、上記レトルト用防
湿フィルムはAl金属層を設けたフィルムに比べて、ガ
スバリヤー性(防湿性、防酸素性等)が劣るという問題
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、透明性を有
し、マイクロ波を透過すると共に、ガスバリヤー性に優
れたガスバリヤーフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のガスバリヤーフ
ィルムは、プラスチック基材の少なくとも片面に非晶質
のダイヤモンド状炭素膜が形成されたものである。
【0007】本発明でいうダイヤモンド状炭素膜とは、
非晶質のダイヤモンドライクカーボンである。このダイ
ヤモンド状炭素膜はC−C結合の理論的結合距離(1.
24Å)が金属酸化物の結合距離(SiO2 の場合は
1.51Å)よりも小さいため、水蒸気や酸素等のガス
を透過しにくい。また、一般的にはダイヤモンド状炭素
膜の誘電率は約5.5で、SiO2 の4.5に近いため
マイクロ波を透過することができる。
【0008】上記ダイヤモンド状炭素膜を形成するため
に、炭素と水素を含有する原料ガスが使用される。上記
炭素と水素を含有する原料ガスとしては、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等
のアルカン系ガス類;エチレン、プロピレン、ブテン、
ペンテン等のアルケン系ガス類;ペンタジエン、ブタジ
エン等のアルカジエン系ガス類;アセチレン、メチルア
セチレン等のアルキン系ガス類;ベンゼン、トルエン、
キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の
芳香族炭化水素系ガス類;シクロプロパン、シクロヘキ
サン等のシクロアルカン系ガス類;シクロペンテン、シ
クロヘキセン等のシクロアルケン系ガス類;メタノ−
ル、エタノ−ル等のアルコ−ル系ガス類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン系ガス類;メタナール、エ
タナール等のアルデヒド系ガス類等が挙げられる。上記
ガスは、単独で使用されてもよいし、二種以上が併用さ
れてもよい。
【0009】また、炭素と水素を含有する原料ガスとし
ては、上記ガス類と水素ガスとの混合物;一酸化炭素ガ
ス、二酸化炭素ガス等炭素と酸素のみから構成されるガ
スと上記ガス類との混合物;一酸化炭素ガス、二酸化炭
素ガス等炭素と酸素のみから構成されるガスと水素ガス
との混合物;一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等炭素と
酸素のみから構成されるガスと酸素ガス、水蒸気との混
合物などが挙げられる。
【0010】さらに、炭素と水素を含有する原料ガスと
しては、上記原料ガスと希ガスとの混合ガスが挙げられ
る。希ガスは、周期律表第0族の元素からなるガスであ
り、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等
が挙げられ、これらは単独で使用れてもよいし、2種以
上が併用されてもよい。
【0011】上記希ガスを混合するとプラズマの電子密
度が大きくなるため、ダイヤモンド状炭素薄膜の成膜速
度が速くなる傾向がある。
【0012】上記混合ガス中における希ガスの混合量
は、混合ガスの種類や成膜圧力等によって適宜決定され
るが、過剰でも過小でも、得られる薄膜がグラファイト
状になり、ダイヤモンド状炭素薄膜の成膜速度が低下す
るので、混合ガス中20〜90vol%が好ましい。
【0013】上記混合ガス中における水素ガスの混合量
は、使用される混合ガスの種類や成膜圧力等によって適
宜決定され、特に限定されるものではない。
【0014】また、炭素源としては、黒鉛、ダイヤモン
ド等の炭素同素体の固体も使用可能であり、水素ガス雰
囲気プラズマ中に設置して使用される。
【0015】上記原料ガスをプラズマによって励起する
手段としては、例えば、直流を印加してプラズマ分解す
る方法;高周波を印加してプラズマ分解する方法;マイ
クロ波放電によってプラズマ分解する方法;電子サイク
ロトロン共鳴によってプラズマ分解する方法;熱フィラ
メントによる加熱によって熱分解する方法等が挙げられ
る。これらの中で、電子サイクロトロン共鳴によってプ
ラズマ分解する方法は、成膜速度が速く成膜温度が低い
ので好ましい。
【0016】また、ダイヤモンド状炭素膜をプラスチッ
クフィルム基材上に形成する方法としては、スパッタリ
ングやイオンプレーティング法等の物理蒸着法;プラズ
マCVD法などの化学蒸着法等が採用されるが、成膜温
度が室温から制御できる有磁場マイクロ波によるプラズ
マCVD法が好ましい。
【0017】上記ダイヤモンド状炭素膜の膜厚は、必要
に応じて決定されるが、薄くなると緻密な連続膜となら
ない可能性があり、厚くなると金属基材との密着性が悪
くなったり、膜応力により被覆物が変形するので、0.
01〜1μmが好ましい。
【0018】本発明では、上記ダイヤモンド状炭素薄膜
の表面にはフッ素化層が形成されていてもよい。このフ
ッ素化層により高い防湿性が得られる。
【0019】上記フッ素化層は、フッ素を含有する原料
をプラズマによって励起し、ダイヤモンド状炭素膜に接
触させることによって得られる。
【0020】上記フッ素を含有する原料としては、例え
ば、四フッ化炭素、六フッ化炭素等のフッ素含有ガス、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロエチレン(FEP)共重
合体等のフッ素含有樹脂の固体が挙げられる。
【0021】上記フッ素含有ガスは、アルゴンやヘリウ
ム等の希ガスと混合して使用してもよいが、希ガス量が
多くなるとフッ素化層が軟質化するので、30vol%
以下が好ましい。
【0022】上記フッ素を含有するた原料はプラズマに
よって励起され、ダイヤモンド状炭素膜の表面の水素
と、プラズマによって励起されたフッ素含有励起種との
置換により、ダイヤモンド状炭素膜の表面にフッ素化層
を形成する。このフッ素化層の厚さは、緻密な膜質を維
持するために200Å以下が好ましい。また、フッ素化
層におけるフッ素の量はX線電子分光法の表面分析で5
0atm%以上が好ましい。
【0023】上記ダイヤモンド状炭素膜の表面はフッ素
化されることにより撥水性を示すが、高い防湿性を発現
するために、該表面の水に対する接触角は90度以上が
好ましい。
【0024】上記プラスチックフィルム基材としては、
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等のポリエステルフィルム;ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリスチ
レンフィルム;ポリアミドフィルム;ポリ塩化ビニルフ
ィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリアクリロニト
リルフィルム等が使用可能でる。
【0025】上記プラスチックフィルム基材は、延伸フ
ィルムまた未延伸フィルムのいずれでもよく、厚さは
0.5〜1mmが好ましい。
【0026】上記プラスチックフィルム基材表面の密着
性を高めるために、必要に応じて、該基材表面を脱脂、
脱水するための洗浄等の清浄化処理、基材表面に真空容
器内でAr(アルゴン)等の不活性ガスや酸素ガス等の
活性ガスによるプラズマ処理など公知の処理を行っても
よい。
【0027】<ダイヤモンド状炭素膜の形成方法>以
下、図面を参照しながら本発明に使用される装置を説明
する。図1は、本発明の成形体の製造方法に使用される
装置の1例を示す模式断面図である。図1において、1
は真空容器であり、真空容器1はプラズマ発生室2と成
膜室3からなっている。プラズマ発生室2の側面中央部
には、マイクロ波発振器4が、マイクロ波導入管5によ
ってプラズマ発生室2に連設されており、プラズマ発生
室2とマイクロ波導入管5の周辺部には磁場コイル6が
設置されている。
【0028】一方、真空容器1内には、基材7のダイヤ
モンド状炭素膜形成面がマイクロ波導入管5に対向する
ようにして上記基材7を保持するための保持具8が設置
されている。さらに、保持具8は基材7に直流バイアス
を印加するための直流バイアス電源9と導線によって接
続されている。
【0029】上記保持具8は、低温で基材に成膜する場
合のために、冷却用液体循環器(図示せず)が接続さ
れ、保持具8内部に冷却液10が循環している。また、
保持具8には基材7の背面の温度を測定するための熱電
対11が設置されている。
【0030】上記プラズマ発生室2には、原料ガスを導
入するための2本のガス導入管12及び13が接続され
ており、ガス導入管12が保持具8に近い位置に設けら
れている。尚、成膜室3の壁面には、真空容器1内の圧
力を調整するための排気装置(図示せず)と接続する排
気口14が設けられている。
【0031】以下に、有磁場マイクロ波によるプラズマ
CVD法によりダイヤモンド状炭素膜を形成する方法に
ついて説明する。
【0032】まず、真空容器1内に保持具8によって清
浄な面を有するプラスチックフィルム基材7を設置した
後、真空容器1内を高真空とする。この時の真空度は、
他の不純物ガスの残留による成膜への影響をなくすた
め、10-4Torr以下が好ましい。
【0033】次いで、ガス導入管12、13から原料ガ
スを導入して所定の圧力に保つ。この時の圧力は1×1
-4〜50Torrが好ましい。
【0034】原料ガスの導入方法は、特に限定されるも
のではなく、導入管12もしくは13から一括して導入
してもよいし、導入管12及び13を用いて原料ガスを
構成する成分ガス毎に別々に導入してもよい。但し、後
者の導入方法を採用する場合は、炭素含有ガスは基材7
に近い導入管13より導入するのが好ましい。
【0035】次いで、磁場コイル6によって所定の磁場
強度の磁場を印加すると共に、マイクロ波発振器4によ
って所定の周波数のマイクロ波を発生させ、マイクロ波
導入管5を経由し石英窓15を通じて真空容器1内にマ
イクロ波を導入する。
【0036】その結果、真空容器1内に導入された原料
ガスは励起されてプラズマ状態となり、炭素含有活性種
が基材7に接触することにより、該基材7上にダイヤモ
ンド状炭素膜が形成される。
【0037】上記所定の磁場強度及び周波数は、特に限
定されるものではないが、電子サイクロトロン共鳴に必
要な条件を満たす値とするのが好ましい。この条件と
は、一定磁場における電子のサイクロトロン周波数とマ
イクロ波周波数とが一致することをいい、例えば、マイ
クロ波周波数が2.45GHzの場合、磁場強度が87
5ガウスである。尚、この時均一な膜を形成するために
基材7に直流バイアスを印加するのが好ましく、直流バ
イアス値としては−300〜100Vが好ましく、より
好ましくは−150〜10Vである。
【0038】成膜中の基材7は冷却装置の付いた保持具
8によって保持され、その温度は室温から基材7のガラ
ス転移点の間で保持されるのが好ましい。上記基材に対
する熱的影響の少ない低温で成膜する場合は、基材7の
温度は接触する保持具8の温度を制御することにより設
定する。また、上記基材7は、保持具8を介してプラズ
マの温度以下に設定する。
【0039】上記基材7の温度制御は、液体あるいは気
体の循環方式、熱線、通電加熱等の方法によって行われ
るが、少なくとも基材7のガラス転移点以下に保持され
るのが好ましく、そのために熱容量の大きい液体の循環
方式が好ましい。この際、循環させる液体としては、所
定の温度に加温あるいは冷却された液体が挙げられ、例
えば、水、エチレングリコール(不凍液)、アルコール
類、さらに低温化する場合、液体窒素、液体ヘリウム等
が好適に使用される。
【0040】<フッ素化層の形成>次いで、上記で形成
されたダイヤモンド状炭素膜上に、フッ素化層を形成す
る方法について説明する。フッ素化層を形成する方法
は、生産性や密着性を向上させるために、ダイヤモンド
状炭素膜の形成に使用する方法と同一の方法が好まし
く、電子サイクロトロン共鳴法を利用したプラズマを用
いるのが好ましい。
【0041】上記基材7にダイヤモンド状炭素膜を形成
した後、真空容器1内を再び高真空とする。この時の真
空度は、他の不純物ガスの残留による影響をなくするた
め、10-4Torr以下が好ましい。
【0042】フッ素を含有する原料の導入方法は、特に
限定されるものではなく、原料がフッ素含有ガスの場合
は、導入管12もしくは13から一括して導入してもよ
いし、導入管12及び13を用いて原料ガスを構成する
成分ガスを別々に導入してもよい。但し、後者の導入方
法を採用する場合は、フッ素含有ガスは基材7に近い導
入管12より導入するのが好ましい。
【0043】次いで、磁場コイル6によって所定の磁場
強度の磁場を印加すると共に、マイクロ波発振器4によ
って所定の周波数のマイクロ波を発生させ、マイクロ波
導入管5を経由し石英窓15を通じて真空容器1内にマ
イクロ波を導入する。
【0044】その結果、真空容器1内に導入されたフッ
素を含有する原料ガスは励起されてプラズマ状態とな
り、フッ素含有活性種がダイヤモンド状炭素膜に接触す
ることにより、該炭素膜上にフッ素化層が形成される。
【0045】上記所定の磁場強度及び周波数は、特に限
定されるものではないが、電子サイクロトロン共鳴に必
要な条件を満たす値とするのが好ましい。この条件と
は、一定磁場における電子のサイクロトロン周波数とマ
イクロ波周波数とが一致することをいい、例えば、マイ
クロ波周波数が2.45GHzの場合、磁場強度が87
5ガウスである。尚、この時均一なフッ素化層を形成す
るために基材7に直流バイアスを印加するのが好まし
く、直流バイアス値としては−200〜200Vが好ま
しく、より好ましくは−70〜10Vである。
【0046】フッ素化層処理中の基材7の温度は、室温
から基材7のガラス転移点の間で保持されるのが好まし
く、基材7に接触する保持具8の温度を制御することに
よって、該基材7を所定の温度に設定する。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0048】(実施例1)図1に示した装置において、
真空容器1内のステンレス製保持具8に、厚さ12μm
のポリエステルフィルム(東レ社製「ルミラーS1
0」)基材7を設置し、真空容器1内を1×10-5To
rrに減圧した。
【0049】次いで、ガス流量60sccmのエチレン
ガスをガス導入管13より真空容器1内に導入し、1×
10-3Torrの圧力とした後、周波数2.45GH
z、1.2kWのマイクロ波及び2.2kガウスの磁場
を印加すると共に、−100Vの直流バイアス電流を印
加して1時間成膜を行った。
【0050】この時の基材7表面付近の磁場強度は87
5ガウスであり、膜厚0.2μmの膜を得た。得られた
膜をラマン分光法で評価した結果、非結晶質のダイヤモ
ンドライクカーボン膜であることが確認された。
【0051】(実施例2)実施例1と同様にしてポリエ
ステルフィルム基材上に非結晶質のダイヤモンド状炭素
膜を形成した後、真空容器1内を5×10-5Torrに
減圧し、ガス導入管12から四フッ化炭素ガスを200
sccmで導入し、0.1Torrの圧力とした。次い
で、1.2kWのマイクロ波を印加すると共に、基材に
−30Vバイアスを印加して5分間フッ素化処理を行っ
た。
【0052】フッ素化処理により得られた層につき、X
線電子分光法でフッ素化層の有無と厚さを測定した結
果、フッ素が72原子%存在しており、厚さ約70Åの
フッ素化層の形成されていることが確認された。膜に水
滴を落とし接触角を測定した結果110度であった。
【0053】(実施例3)実施例1と同様にしてポリエ
ステルフィルム基材上に非結晶質のダイヤモンド状炭素
膜を形成した後、真空容器1内を5×10-5Torrに
減圧し、ガス導入管13からフロンガスを170scc
m及びヘリウムガスを30sccmで導入し、真空容器
1内を0.1Torrとした。次いで、1.2kWのマ
イクロ波を印加すると共に、基材に−30Vバイアスを
印加して5分間フッ素化処理を行った。
【0054】得られた層をX線電子分光法で測定した結
果、フッ素が65原子%存在しており、約80Åの層で
あることが確認された。また、膜上に水滴を落とし接触
角を測定したところ98度であった。
【0055】(実施例4)30分間成膜を行い、膜厚
0.1μmのダイヤモンド状炭素膜を形成したこと以外
は、実施例2と同様にして、表面にフッ素化層を有する
ポリエステルフィルムを得た。
【0056】(比較例1)厚さ12μmのポリエステル
フィルム(東レ社製「ルミラーS10」)。
【0057】(比較例2)公知の電子ビーム型真空蒸着
装置で蒸発源としてSiOを用いて、圧力3×10-4
orrの酸素雰囲気下で、厚さ12μmのポリエステル
フィルム(東レ社製「ルミラーS10」)上に厚さ0.
2μmのSiOX を蒸着した。
【0058】〔ダイヤモンド状炭素膜及びフッ素化層の
評価〕上記実施例及び比較例で基材に形成されたダイヤ
モンド状炭素膜及びフッ素化層につき下記の評価を行
い、その結果を表1に示した。 (1)透湿度 Mocon社製ガス透過率測定装置を使用して、40
℃、相対湿度100%の条件で測定した。 (2)酸素透過度 Mocon社製ガス透過率測定装置を使用して、40℃
の酸素雰囲気で測定した。 (3)光線透過率 波長550nmに対する光線透過率を測定した。 (4)透明性 肉眼で着色の有無、透明性を判定した。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明のガスバリヤーフィルムの構成
は、上述の通りであり、透明性を有し、マイクロ波が透
過可能であると共に、ガス透過性が極めて小さいので、
レトルト食品、薬品、エレクトロルミネッセンス素子等
の包装に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される装置の一例を示す模式断面
図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 プラズマ発生室 3 成膜室 4 マイクロ波発振器 5 マイクロ波導入管 6 磁場コイル 7 基材 8 保持具 9 直流バイアス電源 10 循環液 11 加熱装置 12、13 ガス導入管 14 排気口 15 石英窓

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム基材の少なくとも片
    面に非晶質のダイヤモンド状炭素膜が形成されているこ
    とを特徴とするガスバリヤーフィルム。
JP5138472A 1993-06-10 1993-06-10 ガスバリヤーフィルム Pending JPH06344495A (ja)

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