JPH06344108A - ダイカストの溶湯充填方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】製品部分に溶湯を充填するためのランナ，ゲー
ト及びゲートの厚さを変化させることのできる機構をも
ち、ゲート厚さを鋳造中に変化することを特徴とするダ
イカストの溶湯充填方法。 【効果】複雑な形状、かつゲート位置の限られた様な製
品に対し、任意も方向へ溶湯を充填させていくことがで
き、これにより、より鋳肌の優れた、鋳巣の少ない製品
を鋳造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト鋳造方法に
おいて、アルミ溶湯をランナー，ゲートを通過し、製品
部へ充填する場合に係り、溶湯の充填方向が変化し、湯
流れが良好である製品の鋳造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ゲートは金型内に堀り込まれたも
ので、その厚さは製品により異なるが、固定的であり、
充填中に厚さが変化できるゲートの構造のものはない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、ゲ
ートを通過した溶湯が慣性的に支配された流れを見せる
ために起きる充填中の乱流による湯廻り不良、あるい
は、キャビティ内の空気の巻き込みによる鋳巣の発生を
防ぐのに限界があった。又、鋳造方案の決定にはゲート
の断面積等については一般的な式があるものの、その位
置の決定には試行錯誤を繰り返している。

【０００４】本発明の目的は、乱流の少ない湯流れが良
好である製品を作ると共に、鋳造方案の決定に要する時
間も短縮することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、金型内ゲー
ト部分にゲートの形状のブロックとこれを移動させるシ
リンダを設置し、射出シリンダの信号によりこのシリン
ダを前後に移動させることにより達成される。

【０００６】

【作用】プランジャスリーブへ注入された溶湯はピスト
ンチップによって押され、キャビティ内に充填される。
ゲート通過時、ゲートが厚い場合は、ランナの方向とほ
ぼ直線的な方向へ充填されるが、ゲートが薄い場合、つ
まり、ランナとの肉厚比（ゲート厚／ランナ厚）が小さ
い場合、溶湯はランナの方向とは大きく異なった方向へ
曲げられる。これを射出シリンダの位置により溶湯の充
填状態を検知しゲートブロックの前後退の作用により行
う。充填初期にゲートを薄くするかあるいは厚くするか
の選択は可能である。

【０００７】

【実施例】図１は本発明のダイカスト金型とダイカスト
マシンの一部を示す断面図である。プランジャチップ５
内に注入された溶湯はピストンチップ６に押されてキャ
ビティ７に充填される。このとき、ゲートブロック移動
用シリンダ８は後退状態にある。

【０００８】図２は上記と同一部分である。このときゲ
ートブロック移動用シリンダ８は前進状態にある。

【０００９】図３は金型内の溶湯の充填方向を示したも
のである。ランナ１１がこの図の様に堀られていた場
合、ゲート１２を通過した溶湯は、ゲートが厚い場合、
キャビティ１３の対角線方向へ充填され、ゲートが薄い
場合、ランナ１１の方向とは異なった曲げられた方向へ
と充填が進行する。ゲート厚さの変化はシリンダを用い
たもの以外に、スプリングを用いる方法がある。

【００１０】

【発明の効果】本発明により、複雑な形状、かつゲート
位置の限られた様な製品に対し、任意の方向へ溶湯を充
填させていくことができ、これにより、より鋳肌の優れ
た、鋳巣の少ない製品を鋳造することができる。又、従
来、数回の試作により、改善を行って最適方案を決定す
る方法と比較し回数と時間が大幅に短縮できる。さら
に、金型を改善の都度溶接，加工する必要が無いので金
型の寿命延長にも効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ダイカストマシンの一部の断面図。

【図２】ダイカストマシンの一部の断面図。

【図３】ダイカスト金型の移動金型の正面図。

【符号の説明】

１…移動ダイプレート、２…移動金型、３…固定型、４
…固定ダイプレート、５…プランジャスリーブ、６…ピ
ストンチップ、７…キャビティ、８…ゲートブロック可
動用シリンダ、９…ゲートブロック、１０…溶湯。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】製品部分に溶湯を充填するためのランナ，
   ゲート及びゲートの厚さを変化させることのできる機構
   をもち、ゲート厚さを鋳造中に変化することを特徴とす
   るダイカストの溶湯充填方法。