JP3251435B2 - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JP3251435B2 JP19961594A JP19961594A JP3251435B2 JP 3251435 B2 JP3251435 B2 JP 3251435B2 JP 19961594 A JP19961594 A JP 19961594A JP 19961594 A JP19961594 A JP 19961594A JP 3251435 B2 JP3251435 B2 JP 3251435B2
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裕一 内山
泰樹 大兼政
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製品の射出成形方
法に関し、特に自動車のバンパー等、比較的薄肉で大型
な樹脂製品の成形に適した射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の射出成形方法としては、
例えば本願出願人が特開平5−228967号公報に開
示したように、樹脂製品を成形するための溶融樹脂を充
填するキャビティと、このキャビティにフィルムゲート
を介して連通するランナー部と、このランナー部に連通
する複数の樹脂注入孔とを金型内に設け、その複数の樹
脂注入孔からあらかじめ定めた順位に従ってランナー部
に溶融樹脂を注入し、さらに、該ランナー部からフィル
ムゲートを介してキャビティ内に溶融樹脂を射出する手
法が知られている。この場合、同号公報のものにおいて
は、キャビティ内に得られる製品にウェルドマーク等が
生じるのを防止するために、例えば第1順位の樹脂注入
孔からランナー部に注入された溶融樹脂が該ランナー部
を流れて第2順位の樹脂注入孔の位置に達した後に、該
第2順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂の注入を開始する
ようにしている。
【0003】ところで、かかる射出成形方法において
は、少なくとも第2順位以降の順位の樹脂注入孔には、
その溶融樹脂の注入タイミングを制御するために、例え
ば該樹脂注入孔を開閉自在とするゲートピンが挿通され
る。該ゲートピンは、その先端部の外周面が樹脂注入孔
の開口端近傍の内周面から内奥側に離間した状態で該樹
脂注入孔を開いて前記ランナー部に連通させ、その状態
から該ゲートピンの先端部の外周面が樹脂注入孔の開口
端近傍の内周面に摺接する位置に移動されたときに該樹
脂注入孔を閉塞するようになっている。そして、前記の
射出成形に際しては、第1順位の樹脂注入孔から溶融樹
脂を注入する際には、第2順位の樹脂注入孔はゲートピ
ンにより閉じられており、その後、第1順位の樹脂注入
孔からの溶融樹脂が第2順位の樹脂注入孔の位置に達す
ると、該第2順位の樹脂注入孔が開かれて該第2順位の
樹脂注入孔からの溶融樹脂の注入が開始され、その注入
の終了後には、ゲートピンにより再び閉じられる。
【0004】一方、このような射出成形において、前記
ゲートピンを有する樹脂注入孔にあっては、その開閉に
際して、樹脂注入孔の開口端近傍の内周面とゲートピン
の先端部とが摺接するため、その摺接箇所で摩耗を生じ
易く、このような摩耗を生じると、樹脂注入孔の開口端
近傍の内周面やゲートピンの先端部に射出成形時の溶融
樹脂が付着・残存し易くなる。そして、このように樹脂
注入孔の開口端近傍の内周面やゲートピンの先端部に付
着・残存する溶融樹脂は、前記キャビティ内に充填され
た溶融樹脂を固化すべく金型が冷却される際や、射出成
形の休止時に冷却されて固化し、それによって、所謂コ
ールドスラグ(樹脂カス)が樹脂注入孔の開口端近傍の
内部に生じる。
【0005】しかしながら、このようなコールドスラグ
が特に第2順位以降の樹脂注入孔において生じるとキャ
ビティ内に得られる樹脂製品の表面に所謂デフォームが
生じやすいという不都合があった。
【0006】すなわち、樹脂注入孔の開口端近傍の内部
に生じたコールドスラグは、次に射出成形を行う際に、
該樹脂注入孔からランナー部に流出する。そして、第2
順位以降の樹脂注入孔にあっては、先行順位の樹脂注入
孔からの溶融樹脂により、前記ランナー部がほぼ充填さ
れた状態でその溶融樹脂の注入を開始するので、該第2
順位以降の樹脂注入孔からの溶融樹脂は、該樹脂注入孔
の近傍箇所でランナー部からただちにフィルムゲートを
介してキャビティ内に流入しようとし、従って、該樹脂
注入孔から流出したコールドスラグも該樹脂注入孔の近
傍箇所でフィルムゲートに向かって流れる。この場合、
該コールドスラグは、一般に比較的大きいため、フィル
ムゲートを通過してキャビティ内に侵入することはない
が、該コールドスラグが流れた箇所でフィルムゲートを
介してキャビティ内に流入する溶融樹脂がその流入を該
コールドスラグにより妨げられて分断され、それによっ
て、キャビティ内に得られる樹脂製品の表面に筋状のデ
フォームが生じる。
【0007】尚、第1順位の樹脂注入孔にゲートピンを
備えた場合には、該樹脂注入孔内にコールドスラグが生
じ、そのコールドスラグが射出成形に際してランナー部
に流出することがある。しかるに、該第1順位の樹脂注
入孔からの溶融樹脂は、まずランナー部を充填するよう
に流れた後にフィルムゲートを介してキャビティ内に流
入しようとするので、該第1順位の樹脂注入孔から流出
するコールドスラグは、その大部分がランナー部の端部
に流れてそこに留まる。従って、ランナー部からフィル
ムゲートを介してキャビティ内に流入する溶融樹脂の流
れが該コールドスラグにより妨げられることはほとんど
なく、樹脂製品にデフォーム等が生じることもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、コールドスラグによるデフォームの発生等を防止
して、優れた品質の樹脂製品を成形することができる射
出成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために、樹脂製品を成形するための溶融樹脂を充
填するキャビティと、該キャビティにフィルムゲートを
介して連通するランナー部と、該ランナー部に連通する
複数の樹脂注入孔とを備えた金型を用い、前記複数の樹
脂注入孔からあらかじめ定められた順位で前記ランナー
部に溶融樹脂を注入すると共に、該ランナー部から前記
フィルムゲートを介して前記キャビティに該溶融樹脂を
射出し、この時、少なくとも第1順位の樹脂注入孔から
注入された溶融樹脂の流頭が第2順位の樹脂注入孔の位
置に達した後に、該第2順位の樹脂注入孔を開閉自在に
該樹脂注入孔に挿通されたゲートピンを開弁して該第2
順位の樹脂注入孔から溶融樹脂を注入する射出成形方法
において、前記第1順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂の
注入に先立って、前記第2順位の樹脂注入孔のゲートピ
ンを該樹脂注入孔の内壁から内奥側に離間した開位置側
から該樹脂注入孔の内壁に摺接して該樹脂注入孔を閉塞
する閉位置に移動せしめることにより該第2順位の樹脂
注入孔内のコールドスラグを前記ランナー部側に排出せ
しめる工程を備えたことを特徴とする。
【0010】さらに、前記金型を用いた前記樹脂製品の
成形の休止時に前記ゲートピンを開弁状態に保持するこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、前記第1順位の樹脂注入孔か
ら溶融樹脂を前記ランナー部に注入するのに先立って、
前記ゲートピンを備えた前記第2順位の樹脂注入孔にお
いて、該ゲートピンが前記開位置側から閉位置に移動さ
れる。この時、該ゲートピンの先端部は前記第2順位の
樹脂注入孔の開口端近傍の内壁に摺接しつつ該樹脂注入
孔の内奥側から開口端に向かって移動するので、該ゲー
トピンの先端部や樹脂注入孔の開口端近傍の内壁にコー
ルドスラグが付着している場合には、該コールドスラグ
がゲートピンにより押し出されるようにして該樹脂注入
孔内から前記ランナー部側に排出される。その後に、前
記第1順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂の注入を開始す
ると、該溶融樹脂は、前記第2順位の樹脂注入孔の位置
を通って前記ランナー部を流れるので、先に第2順位の
樹脂注入孔内から排出されたコールドスラグは、第1順
位の樹脂注入孔から注入された溶融樹脂と共に、第2順
位の樹脂注入孔の位置から流され、前記ランナー部の端
部等、周縁部に運搬される。そして、第2順位の樹脂注
入孔からの溶融樹脂の注入は、該第2順位の樹脂注入孔
の位置からコールドスラグが流された状態で行われるの
で、該第2順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂が該樹脂注
入孔の近傍箇所でランナー部から前記フィルムゲートを
介して前記キャビティ内に流入する際には、その流路上
からコールドスラグが排除されており、従って、円滑且
つ均一的にキャビティ内に流入する。
【0012】尚、第2順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂
は、第1順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂の内部に注入
されることとなるため、それらの溶融樹脂は円滑に融合
し、且つその融合状態でランナー部からフィルムゲート
を介してキャビティ内に流入するので、キャビティ内に
得られる樹脂製品に所謂ウェルドマーク等が生じること
もない。
【0013】また、前記ゲートピンは、射出成形の休止
時に閉位置に保持すると、金型の一部である樹脂注入孔
の内壁との接触により、必要以上に冷却され易く、その
冷却が進行すると、該ゲートピンの先端部にコールドス
ラグが生成され易くなるのであるが、射出成形の休止時
に、該ゲートピンを樹脂注入孔の内壁から離間する開弁
状態に保持しておくことにより、該ゲートピンが必要以
上に冷却されるのが防止され、該ゲートピンの先端部に
コールドスラグが生成されるのを防止することが可能と
なる。
【0014】
【実施例】本発明の一例を図1乃至図4を参照して説明
する。図1は本実施例に使用する金型の要部の断面図、
図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII
−III線断面図、図4は図1の金型による射出成形方
法を説明するためのタイミングチャートである。
【0015】図1乃至図3を参照して、本実施例の射出
成形において使用する金型1は、例えば平板状の樹脂製
品(図示しない)を成形するためのものであり、その上
型2と下型3との間に、成形する樹脂製品と同形状のキ
ャビティ4が形成され、さらにこのキャビティ4の側縁
部にその長手方向に延在するランナー部5が薄膜状のフ
ィルムゲート6を介して連通して設けられている。そし
て、上型2には、ランナー部5に連通する複数(本実施
例では3個)の樹脂注入孔7a,7b,7cが設けら
れ、そのうちの一つの樹脂注入孔7aは、ランナー部5
の長手方向の中央部に連通し、残りの二つの樹脂注入孔
7b,7cは、樹脂注入孔7aの両側に該樹脂注入孔7
aから同じ間隔を存する箇所でランナー部5に連通して
いる。
【0016】この場合、図2に示すように、ランナー部
5には、各樹脂注入孔7a〜7cに対応する箇所でフィ
ルムゲート6と反対側に張り出した張出部5a〜5cが
設けられ、各樹脂注入孔7a〜7cは、それぞれ張出部
5a〜5cを介してランナー部5に連通している。
【0017】尚、ランナー部5は、図2に示すようにフ
ィルムゲート6よりも長く形成されている。また、各樹
脂注入孔7a〜7cは、上型2に設けられている図示し
ないホットランナーを介して互いに連通されており、後
述の射出成形に際しては、該ホットランナーを介して各
樹脂注入孔7a〜7cに加圧された溶融樹脂が分配・供
給されるようになっている。
【0018】各樹脂注入孔7a〜7cには、図1及び図
3に示すように、その内奥側から開口端に向かって移動
自在なゲートピン8が挿通されている。尚、図3では樹
脂注入孔7bのゲートピン8を示したが、他の樹脂注入
孔7a,7cについても同様である。
【0019】前記ゲートピン8は、図3に実線で示すよ
うにその先端部が各樹脂注入孔7a〜7cの開口端近傍
の内周面から離間した位置(開位置)と、同図仮想線示
のようにその先端部の外周面が各樹脂注入孔7a〜7c
の開口端近傍の内周面に摺接して該樹脂注入孔7a〜7
cを閉塞する位置(閉位置)との間で図示しないシリン
ダ等により上下に移動自在とされている。この場合、上
記閉位置においては、ゲートピン8の先端は、各樹脂注
入孔7a〜7c内からランナー部5の張出部5a〜5c
内に若干突出するようになっている。
【0020】尚、図1及び図3に示すように、ランナー
部5の前記樹脂注入孔7b,7cに対応する箇所におい
ては、その箇所に溶融樹脂が流れてきたことを検知する
ためのセンサ9b,9cが下型3に設けられている。
【0021】次に、かかる構成の金型1を用いた本実施
例の射出成形方法を説明する。尚、以下に説明する射出
成形において、前記樹脂注入孔7a〜7cのうち、中央
の樹脂注入孔7aは1番目に溶融樹脂の注入を行う第1
順位の樹脂注入孔であり、その両側の樹脂注入孔7b,
7cは2番目に溶融樹脂の注入を行う第2順位の樹脂注
入孔である。
【0022】本実施例においては、射出成形を開始する
前には、各樹脂注入孔7a〜7cのゲートピン8はいず
れも図1に示すように開位置に移動されており、各樹脂
注入孔7a〜7cは開かれている。そして、図4に示す
ように射出成形を開始する直前に樹脂注入孔7b,7c
のゲートピン8が前記閉位置に移動されて該樹脂注入孔
7b,7cが閉じられる。
【0023】この時、樹脂注入孔7b,7cの開口端近
傍の内周面や樹脂注入孔7b,7cのゲートピン8,8
の先端部の外周面に前記コールドスラグが付着している
場合には、該ゲートピン8,8が前記閉位置に移動され
る際に、その先端部の外周面が樹脂注入孔7b,7cの
開口端近傍の内周面に摺接することにより、該コールド
スラグが各ゲートピン8,8により押し出されるように
して、各樹脂注入孔7b,7c内から前記ランナー部5
の張出部5b,5cに排出される。この場合、各樹脂注
入孔7b,7cから排出されるコールドスラグはその直
下の張出部5b,5c内に落下する。
【0024】次いで、この状態で、各樹脂注入孔7a〜
7cに加圧された溶融樹脂が上型2に設けられたホット
ランナー(図示しない)を介して分配・供給される。こ
の時、第1順位の樹脂注入孔7aは開かれているので、
該樹脂注入孔7aから前記張出部5aを介してランナー
部5に溶融樹脂が注入され、射出成形が開始される。こ
の場合、図2に示すように樹脂注入孔7aから注入され
る溶融樹脂A1 は、まず、ランナー部5を充填するよう
にその中央部から両端部側に向かって該ランナー部5を
流れ、それに続いてランナー部5の略中央部を中心とし
てキャビティ4内に放射状に拡散していくように該ラン
ナー部5からフィルムゲート6を介してビティ4内に射
出される。
【0025】上記のように樹脂注入孔7aから注入され
る溶融樹脂A1 がランナー部5を流れる際には、該溶融
樹脂A1 は前記ランナー部5の張出部5b,5cにも流
れ、また、該張出部5b,5cに侵入した溶融樹脂の一
部は該張出部5b,5cから流出して、ランナー部5の
端部側に向かって流れていく。このため、前述のように
樹脂注入孔7b,7cの直下の位置に排出されたコール
ドスラグ(図2に参照符号Xを付して示す)は、図2に
示すように溶融樹脂A1 により樹脂注入孔7b,7cの
直下の箇所から押し流され、最終的には、張出部5b,
5cの前記フィルムゲート6と反対側の壁部やランナー
部5の端部の箇所に溜まる。
【0026】尚、樹脂注入孔7aの開口端近傍の内周面
や、それに対応するゲートピン8の先端部にコールドス
ラグが付着している場合には、樹脂注入孔7aからの溶
融樹脂A1 と共にランナー部5に流入するが、そのよう
なコールドスラグも溶融樹脂A1 がまず、ランナー部5
の中央部から両端部側に流れることにより、樹脂注入孔
7b,7cから排出されたコールドスラグXと同様にラ
ンナー部5の端部等に押し流される。
【0027】一方、樹脂注入孔7aから注入される溶融
樹脂A1 がランナー部5を流れて、その張出部5b,5
cに流入・充填すると、それが、前記センサ9a,9b
により検知される。そして、その検知に応じて、図4に
示すように樹脂注入孔7b,7cのゲートピン8,8が
前記閉位置に移動されて該樹脂注入孔7b,7cが開か
れる。
【0028】この時、図3に示すように、これらの樹脂
注入孔7b,7cから溶融樹脂A2が先に注入された溶
融樹脂A1 内に注入される。この場合、ランナー部5に
は、その張出部5a〜5cを含めて樹脂注入孔5からの
溶融樹脂A1 がほぼ充填された状態であり、また、該溶
融樹脂A1 がランナー部5からフィルムゲート6を介し
てキャビティ4内に流入し始める段階であるので、樹脂
注入孔7b,7cから注入される溶融樹脂A2 は溶融樹
脂A1 と融合しつつ、図2に破線の矢印で示すようにた
だちにフィルムゲート6を介してキャビティ4内に流入
しようとする。そして、この時、樹脂注入孔7b,7c
から排出されたコールドスラグXは既に前記のように樹
脂注入孔7aからの溶融樹脂A1 により押し流されてお
り、溶融樹脂A2 の流路からは離間している。
【0029】従って、樹脂注入孔7b,7cからの溶融
樹脂A2 はコールドスラグXに妨げられることなく、円
滑に溶融樹脂A1 と共にフィルムゲート6を介してキャ
ビティ4内に流入する。
【0030】尚、樹脂注入孔7b,7cからの溶融樹脂
2 は樹脂注入孔7aからの溶融樹脂A1 の内部に注入
されるので、それらの流頭同士が衝突するようなことは
なく、それらの溶融樹脂A1 ,A2 は円滑に融合し、そ
の融合状態でフィルムゲート6を介してキャビティ4内
に流入する。
【0031】上記のようにして、キャビティ4内に溶融
樹脂A1 ,A2 が充填されると、図4に示すように各樹
脂注入孔7a〜7cのゲートピン8は閉じられ、この状
態で金型1が冷却されてキャビティ4内の溶融樹脂が冷
却・固化される。
【0032】そして、この冷却後には、金型1の上型2
及び下型3が型開きされ、キャビティ4内の固化した樹
脂製品が取り出される。また、この時、各樹脂注入孔7
a〜7cのゲートピン8は開かれ、この状態で射出成形
は休止される。この場合、キャビティ4内の溶融樹脂を
冷却・固化する際には、各樹脂注入孔7a〜7cのゲー
トピン8が閉位置に移動されて金型1と接触するため、
該ゲートピン8から金型1に熱が逃げて該ゲートピン8
が冷却されることとなるが、その後には、該ゲートピン
8が開位置に移動されて金型1の樹脂注入孔7a〜7c
の内周面から離間するため、該ゲートピン8が必要以上
に冷却されるのが防止される。これにより、該ゲートピ
ン8の先端部には、前記コールドスラグが生じ難くな
り、該コールドスラグが過剰に生じるのが防止される。
【0033】このように、本実施例においては、各樹脂
注入孔7a〜7cのゲートピン8の先端部にコールドス
ラグが生じ難いようになっていると共に、該ゲートピン
8の先端部や各樹脂注入孔7a〜7cの開口端近傍の内
周面にコールドスラグが生じた場合であっても、そのコ
ールドスラグが第1順位の樹脂注入孔7aからの溶融樹
脂A1 によりランナー部5の端部等に押し流されること
により、ランナー部5からフィルムゲート6を介してビ
ティ4内に各樹脂注入孔7a〜7cの溶融樹脂A1 ,A
2 が流入する際に、その流入が前記コールドスラグによ
り妨げられるようなことはない。そして、各樹脂注入孔
7a〜7cから注入される溶融樹脂A1,A2 は互いに
円滑に融合する。従って、キャビティ4内に得られる樹
脂製品の表面にデフォームやウェルドマーク等が生じこ
とがなく、外観品質等に優れた樹脂製品を成形すること
ができる。
【0034】尚、本実施例では、射出成形に先立って第
2順位の樹脂注入孔7b,7cのゲートピン8のみを閉
じて、コールドスラグを該樹脂注入孔7b,7c内から
排出するようにしたが、第1順位の樹脂注入孔7aのゲ
ートピン8を射出成形に先立って一旦閉じ、それにより
該樹脂注入孔7a内のコールドスラグを排出させるよう
にしてもよい。
【0035】また、本実施例では、第1順位の樹脂注入
孔7aにゲートピン8を設けたが、該樹脂注入孔7aに
あっては、ゲートピン8を設けないようにすることも可
能であることはもちろんである。
【0036】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、第1順位の樹脂注入孔からランナー部に注入
される溶融樹脂が第2順位の樹脂注入孔の位置に達した
後に第2順位の樹脂注入孔から溶融樹脂を注入する射出
成形方法において、第1順位の樹脂注入孔からの溶融樹
脂の注入に先立って、第2順位の樹脂注入孔のゲートピ
ン閉位置に移動させて第2順位の樹脂注入孔内のコール
ドスラグをランナー部側に排出せしめるようにしたこと
によって、第2順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂の注入
を開始する際には、第1順位の樹脂注入孔からの溶融樹
脂により、ランナー部の端部等、ランナー部からキャビ
ティ内への溶融樹脂の流入を妨げることのない箇所にコ
ールドスラグを押し流しておくことができ、それによっ
て、コールドスラグによるデフォームの発生等を防止し
て、優れた品質の樹脂製品を成形することができる。
【0037】また、射出成形の休止時に樹脂注入孔内の
ゲートピンを該樹脂注入孔の内壁から離間した開位置に
保持しておくことによって、該ゲートピンが必要以上に
冷却されて該ゲートピンの先端部にコールドスラグが生
じるのを防止することができ、それによって、射出成形
時にコールドスラグにより生じるデフォームの発生等の
弊害を極力回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形方法の一例を適用する金型の
断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】図1の金型を用いた射出成形方法を説明するた
めのタイミングチャート。
【符号の説明】
1…金型、4…キャビティ、5…ランナー部、6…フィ
ルムゲート、7a〜7c…樹脂注入孔、8…ゲートピ
ン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−64002(JP,A) 特開 平6−64003(JP,A) 特開 平5−228967(JP,A) 実開 平5−58247(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/74 B29L 31:30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製品を成形するための溶融樹脂を充填
    するキャビティと、該キャビティにフィルムゲートを介
    して連通するランナー部と、該ランナー部に連通する複
    数の樹脂注入孔とを備えた金型を用い、前記複数の樹脂
    注入孔からあらかじめ定められた順位で前記ランナー部
    に溶融樹脂を注入すると共に、該ランナー部から前記フ
    ィルムゲートを介して前記キャビティに該溶融樹脂を射
    出し、この時、少なくとも第1順位の樹脂注入孔から注
    入された溶融樹脂の流頭が第2順位の樹脂注入孔の位置
    に達した後に、該第2順位の樹脂注入孔を開閉自在に該
    樹脂注入孔に挿通されたゲートピンを開弁して該第2順
    位の樹脂注入孔から溶融樹脂を注入する射出成形方法に
    おいて、前記第1順位の樹脂注入孔からの溶融樹脂の注
    入に先立って、前記第2順位の樹脂注入孔のゲートピン
    を該樹脂注入孔の内壁から内奥側に離間した開位置側か
    ら該樹脂注入孔の内壁に摺接して該樹脂注入孔を閉塞す
    る閉位置に移動せしめることにより該第2順位の樹脂注
    入孔内のコールドスラグを前記ランナー部側に排出せし
    める工程を備えたことを特徴とする射出成形方法。
  2. 【請求項2】前記金型を用いた前記樹脂製品の成形の休
    止時に前記ゲートピンを開弁状態に保持することを特徴
    とする請求項1記載の射出成形方法。
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