JPH0976296A - 複数品の成形用金型およびこの金型を使用した複数品の成形方法 - Google Patents
複数品の成形用金型およびこの金型を使用した複数品の成形方法Info
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Abstract
を1面の金型で成形できる、複数品の成形方法を提供す
る。 【解決手段】 容積の大きいキャビティ(3)と、小さ
いキャビティ(4)とが設けられている金型(1、1
0)を使用する。容積の大きいキャビティ(3)にラン
ナ(11)が連通するように切換コア(20)を切り換
え、そして該キャビティ(3)に溶融樹脂を射出・充填
して保圧冷却する。その間に、小さいキャビティ(4)
に射出するための樹脂材料を可塑化する。次いで、小さ
いキャビティ(4)にランナ(12)が連通するように
切換コア(20)を切り換え、そして該キャビティ
(4)に溶融樹脂を射出・充填して保圧冷却する。可動
金型(10)を開いて、形状、容積に差のある2種の成
形品を1面の金型(1、10)により得る。
Description
型とからなり、これらの金型に形状、容積等が異なる複
数個のキャビティが設けられている複数品の成形用金型
およびこの金型を使用した複数品の成形方法に関するも
のである。
して成形品を得る射出成形方法は、従来周知で、この成
形方法により色々な形状の製品を得ることができるが、
特にこの成形法は1品種の多量生産、例えば容器ならば
容器を大量に生産するには適し、この成形法により大量
に成形されている。ところで、最近になって上記のよう
な大量生産方式から、複数品の小量生産、例えば本体と
蓋体、本体と取っ手のような製品を成形する成形法に移
り変わりつつある。このように本体と蓋体とを成形する
とき、1面の金型で本体を成形し、他の金型で蓋体を成
形することもできるが、2面の金型を使用すると、生産
管理が複雑になる、生産効率が落ちコスト高になる、設
置スペースが広くなる、等の問題が生じるので、1面の
金型で2品種の成形品を成形するのが望ましい。
金型で2品種の成形品を成形すると、生産効率等は上げ
ることができるが、成形品の容積が異なるとキャビティ
に充填する時間が異なるので、問題が生じることがあ
る。すなわち小容積の製品を得る条件で射出すると、大
容積の製品を得るキャビティに充填不足が生じ、これに
対し大容積の製品を得る条件で射出すると、小容積の製
品を得るキャビティは過充填となる。そこで、容積の大
きいキャビティに通じるゲートは大きくし、小さいキャ
ビティのゲートは小さくして、上記問題を解決する試み
もなされているが、製品の容積の差が大きいと、ショー
トショット、バリ等の欠陥が生じゲートの大小では限界
があり、実際には成形不可能である。したがって、本発
明は、形状、容積等において複数個の製品間に差があ
り、この差が例え大きくても、複数個の製品を1面の金
型で成形できる、複数品の成形用金型およびこの金型を
使用した複数品の成形方法を提供することを目的として
いる。
成形用金型は、上記目的を達成するために、固定金型と
可動金型とからなり、これらの金型には形状、容積等が
異なる複数個のキャビティが設けられていると共に、こ
れらの複数個のキャビティに連通したランナには、ラン
ナを切り換える切換コアが設けられるように構成され
る。請求項2記載の発明は、請求項1記載の切換コア
は、複数個の位置を採るように構成され、前記切換コア
が所定位置を採ったときには、固定金型に設けられてい
るスプルは、複数個のキャビティに連通しているランナ
の所定のランナと連通するように構成される。請求項3
記載の発明は、請求項1記載の金型を使用して、少なく
とも、切換コアを複数個のキャビティの中の第1のキャ
ビティにランナが連通するように切り換え、そして該キ
ャビティに溶融樹脂を射出・充填して第1成形品を成形
する第1射出工程と、該第1射出工程後の、前記切換コ
アを第2のキャビティにランナが連通するように切り換
え、そして該キャビティに溶融樹脂を射出・充填して第
2成形品を成形する第2射出工程とにより、少なくとも
2種の成形品を1面の金型により成形するように構成さ
れる。請求項4記載の発明は、請求項1記載の金型を使
用して、切換コアを冷却固化に1番時間のかかる1番目
のキャビティにランナが連通するように切り換え、そし
て該キャビティに溶融樹脂を射出・充填して保圧冷却
し、その間に、次に時間のかかる2番目のキャビティに
射出するための樹脂材料を可塑化し、次いで、前記切換
コアを前記2番目のキャビティにランナが連通するよう
に切り換え、そして該キャビティに溶融樹脂を射出・充
填して保圧冷却し、その間に、次に射出するための樹脂
材料を可塑化する、以上の操作を繰り返しながら、少な
くとも2種の成形品を1面の金型により成形するように
構成される。
型締めする。切換コアを複数個のキャビティの中の第1
のキャビティ例えば冷却固化に1番時間のかかるキャビ
ティにランナが連通するように切り換える。そして溶融
樹脂を射出・充填する。第1のキャビティに射出した溶
融樹脂がある程度固化するのを待つ。この間に請求項4
記載の発明では、次に射出するための樹脂材料を可塑化
する。第1のキャビティの溶融樹脂が固化したら、例え
ばランナ部分が固化したら、切換コアを冷却固化に次に
時間のかかる他のキャビティにランナが連通するように
切り換える。そして該キャビティに溶融樹脂を射出・充
填して固化するのを待つ。この間に同様に請求項4記載
の発明では、次に射出するための樹脂材料を可塑化す
る。可動金型を開いて2種の成形品を取り出す。以上の
操作を繰り返しながら、2種の成形品を1面の金型によ
り成形する。または、前述したようにして、複数個のキ
ャビティにランナが順次連通するように切換コアを切り
換えて、射出充填して3種以上の成形品を1面の金型に
より成形する。
する。図1の(イ)に示されているように、本形態に係
わる金型も、固定金型1と可動金型10とを備えてい
る。そして固定金型1には、周知のホットスプル2が設
けられている。また、固定金型1には、本体と蓋体、本
体と取っ手等のように、形状、容積等の異なる成形品を
成形するためのキャビティが設けられているが、図の実
施例では模式的に容積の大きい第1のキャビティ3と、
これよりも小さい第2のキャビティ4が2個、所定の間
隔をおいて設けられている。
のキャビティ3、4にそれぞれ連通する第1、2のラン
ナ11、12がパーティングラインに沿って形成されて
いる。これらの第1、2のランナ11、12は、その略
中間部において、固定金型1のホットスプル2と連通し
ている。そして連通した近傍に切換コア20が設けられ
ている。切換コア20は、図1の(ロ)にも示されてい
るように、可動金型10内のボア21内にスライド可能
に設けられ、駆動装置例えばエアシリンダ装置22のロ
ッド23で、図において左右方向にスライド的に駆動さ
れるようになっている。図に示されている位置では、第
2のランナ12が閉鎖され、そして図において右方に引
かれると、第1、2のランナ11、12が共に固定金型
1のホットスプル2と連通するようになっている。可動
金型10には、第1、2のキャビティ3、4にそれぞれ
対応して、エジェクタロッド13、14が設けられてい
る。そして、これらのエジェクタロッド13、14は、
周知のようにエジェクタプレート15にその端部が取り
付けられている。
法を説明する。例えば2条件コントローラを備えた射出
機で、容積の大きい第1のキャビティ3に射出する樹脂
材料を計量する。そして図1の(ロ)、(ハ)に示され
ているように、第2のランナ12を切換コア20で閉鎖
して、ノズルNから溶融樹脂をホットスプル2、第1ラ
ンナ11およびゲートを介して容積の大きい第1のキャ
ビティ3に設定された所定の圧力で射出する。射出が終
わったら、容積の小さい第2キャビティ4に射出するた
めの樹脂材料を計量する。第1のキャビティ3に射出し
た溶融樹脂が固化したら、すなわち第1のランナ11部
分の樹脂が固化したら、エアシリンダ装置22により切
換コア20を第1、2のランナ11、12から退避させ
る。そうすると、第1のランナ11は樹脂で閉鎖されて
いるので、固定金型1のホットスプル2は、第2のラン
ナ12を介して容積の小さい第2のキャビティ4にのみ
連通するようになる。そこで、同様にしてノズルNから
溶融樹脂を、ホットスプル2、第2ランナ12およびゲ
ートを介して第2のキャビティ4に所定の圧力で射出す
る。第2のキャビティ4に射出している状態は、図2の
(イ)に示されている。
固化したら、図2の(ロ)に示されているように、可動
金型10を開いてエジェクタロッド13、14で第1、
2の成形品J、J’を突き出す。第1、2の成形品J、
J’を取り出し、そして可動金型10を固定金型1に対
して型締めするまでに第1のキャビティ3に射出する樹
脂材料を計量する。以下、同様にして成形する。
れる。例えば第1、2ランナ部分に切換コア20が設け
られているので、ゲートは第1、2キャビティ3、4に
見合った大きさに選定することができ、しかも2条件コ
ントローラを備えた射出機を使用しているので、成形品
にショートショット、バリ等の欠陥が生じるようなこと
はない。また、冷却固化に時間のかかる容積の大きい第
1のキャビティ3の方を先に充填するので、成形効率を
向上させることができる。さらには、2回に分けて計量
し、そして射出するので、容量の小さい射出機でも全体
の容量の大きい成形品を得ることもできる。
る時間は、容積の大きい第1のキャビティ3の方が長い
と単純に仮定しているが、冷却固化に要する時間は成形
品の形状によっても異なる。したがって、実施に際して
は第1、2のキャビティ3、4の形状、容積等から射出
順序を決定するのが望ましい。
の他の実施の形態を模式的に示す平面図であるが、同図
に示されているように、本発明の他の形態によると、第
1〜第3の、3個のキャビティ3’、4’、5’には、
第1〜第3の3個のランナ11’、12’、13’がそ
れぞれ連通し、これらのランナ11’、12’、13’
は部分14で合流している。そして合流した部分14の
近傍にスライド式の切換コア20’が設けられている。
なお、前述した実施の形態と同様に、図には示されてい
ないが、合流している部分14には紙面に垂直にホット
スプル2が臨んでいる。
ように、例えばエアシリンダ装置により切換コア20’
を駆動して、その円弧状の先端部が部分14の内周面に
当接する第1位置にすると、第2および第3のランナ1
2’、13’は切換コア20’で塞がれ、第1のランナ
11’のみがホットスプル2と連通する。これにより第
1のキャビティ3’に溶融樹脂を充填することができ
る。充填後、切換コア20’を図3の(ロ)に示されて
いるように第2位置に引くと、第1のランナ11’は樹
脂で既に充填され、そして第3のランナ13’は切換コ
ア20’で塞がれているので、第2のランナ12’のみ
がホットスプル2と連通する。したがって、第2のキャ
ビティ4’に溶融樹脂を同様にして充填することができ
る。さらに、図3の(ハ)に示されているように第3の
位置にすると、第1および第2のランナ11’、12’
は、樹脂で既に充填され、第3のランナ13’のみがホ
ットスプル2と連通する。これにより第3のキャビティ
5’に溶融樹脂を充填することができる。
は3個のキャビティ3、4または3’、4’、5’と、
これらの3個のキャビティ3、4または3’、4’、
5’に連通した2あるいは3個のランナ11’、1
2’、13’とが設けられているが、切換コア20の周
りに上記実施の形態と同様にして4個以上のランナを設
け、これらのランナに連通した形状、容積等の異なるキ
ャビティを4個以上設けることもできる。このとき、キ
ャビティの形状、容積等が同じキャビティが混在しても
よいことは勿論である。また、上記実施の形態による
と、1個のランナには1個のキャビティが接続されてい
るが、1個のランナに例えば同じ容積のキャビティを複
数個設けることもできる。これによりキャビティの数が
増えても切換コア20の構造が簡単になる効果が得られ
る。さらには、切換コア20はスライド式になっている
が、回転式に構成することもできる。また、上記成形例
では2条件コントローラを備えた射出機で2回に分けて
計量しているが、1回で計量し、そして2回に分けて、
あるいは複数回に分けて射出することもできる。
形状、容積等が異なる複数個のキャビティが設けられて
いると共に、これらの複数個のキャビティに連通したラ
ンナには、ランナを切り換える切換コアが設けられてい
るので、この切換コアによりランナを切り換え、そして
射出充填することにより、成形品の形状、容積等に大き
な差がっても、ショートショット、バリ等のない品質の
高い2種以上の成形品を1面の金型で得られる、という
本発明特有の効果が得られる。また、請求項4記載の発
明によると、射出・充填し冷却固化している間に次の射
出のための樹脂材料を計量するので、上記効果と同様に
成形サイクルを短縮することができると共に、容量の小
さい射出機でも全体の容量の大きい成形品を得ることが
できる。また、キャビティに見合って計量し、そして見
合った射出圧で射出することができるので、一層品質の
高い成形品を得ることもできる。
この金型を使用した成形順序を示す図で、その(イ)は
金型を模式的に示す断面図、その(ロ)は可動金型の一
部を示す平面図、その(ハ)は第1のキャビティに射出
を終わった状態を模式的に示す断面図である。
形順序を示す図で、その(イ)は第1のキャビティに射
出を終わり、第2のキャビティに射出している状態を模
式的に示す断面図、その(ロ)は可動金型を開いて成形
品を取り出している状態を示す断面図である。
の一部を模式的に示すと共に、この金型を使用した成形
順序を示す図で、その(イ)は第1のキャビティに射出
を終わった状態を、その(ロ)は第1、2のキャビティ
に射出を終わった状態を、そして、その(ハ)は第1、
2のキャビティに射出を終わり第3のキャビティに射出
している状態を模式的に示す平面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 固定金型(1)と可動金型(10)とか
らなり、これらの金型(1、10)には形状、容積等が
異なる複数個のキャビティ(3、4、3’、4’、
5’)が設けられていると共に、これらの複数個のキャ
ビティ(3、4、3’、4’、5’)に連通したランナ
(11、12、11’、12’、13’)には、ランナ
(11、12、11’、12’、13’)を切り換える
切換コア(20、20’)が設けられていることを特徴
とする複数品の成形用金型。 - 【請求項2】 請求項1記載の切換コア(20、2
0’)は、複数個の位置を採るように構成され、前記切
換コア(20、20’)が所定位置を採ったときには、
固定金型(1)に設けられているスプル(2)は、複数
個のキャビティ(3、4、3’、4’、5’)に連通し
ているランナ(11、12、11’、12’、13’)
の所定のランナと連通する、複数品の成形用金型。 - 【請求項3】 請求項1記載の金型を使用して、少なく
とも、 切換コア(20)を複数個のキャビティ(3、4)の中
の第1のキャビティ(3)にランナ(11)が連通する
ように切り換え、そして該キャビティ(3)に溶融樹脂
を射出・充填して第1成形品(J)を成形する第1射出
工程と、 該第1射出工程後の、前記切換コア(20)を第2のキ
ャビティ(4)にランナ(12)が連通するように切り
換え、そして該キャビティ(4)に溶融樹脂を射出・充
填して第2成形品(J’)を成形する第2射出工程とに
より、 少なくとも2種の成形品(J、J’)を1面の金型によ
り成形することを特徴とする複数品の成形方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の金型を使用して、切換コ
ア(20)を冷却固化に1番時間のかかる1番目のキャ
ビティ(3)にランナ(11)が連通するように切り換
え、そして該キャビティ(3)に溶融樹脂を射出・充填
して保圧冷却し、その間に、次に時間のかかる2番目の
キャビティ(4)に射出するための樹脂材料を可塑化
し、 次いで、前記切換コア(20)を前記2番目のキャビテ
ィ(4)にランナ(12)が連通するように切り換え、
そして該キャビティ(4)に溶融樹脂を射出・充填して
保圧冷却し、その間に、次に射出するための樹脂材料を
可塑化する、以上の操作を繰り返しながら、少なくとも
2種の成形品を1面の金型により成形することを特徴と
する複数品の成形方法。
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JP26470095A JP3527802B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 複数品の成形用金型およびこの金型を使用した複数品の成形方法 |
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