JPH0634218Y2 - パネル開閉構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車のエンジンフードの開閉などに適用で
きるパネル開閉構造に関する。

〈従来の技術〉 例えば、自動車のエンジンフードはシングルピボットを
介して開閉されるものの他、ダブルリンクヒンジを介し
て開閉されるものが知られているが、ダブルリンクヒン
ジを使用したものの方が開時の開口が大きいので好まし
い。また、開閉の際のエンジンフードの自重の影響を軽
減して楽に開閉するために、エアスプリングを用いられ
る。

このような従来のエンジンフードの開閉構造を第３図お
よび第４図（ａ），（ｂ）に示す。これらの図面に示す
ように、フードパネル01はダブルリンクヒンジ02を介し
てボデー03に開閉自在に取付けられている。ダブルリン
クヒンジは第５図に示すように、ボデー03に固着される
ベース02aとフードパネル01に固着されるアーネ02bとが
２本のリンク02c,02dとで連結された構造を有してい
る。また、ガススプリング04は一端がフードパネル01
に、他端がボデー03にそれぞれ回動自在に取付けられて
おり、フードパネル01を常に上方へ付勢するようになっ
ている。そして、第４図（ａ）に示す開状態ではガスス
プリング04の付勢する力によりフードパネル01を支え、
一方、第４図（ｂ）に示す閉状態ではガススプリング04
の付勢する力のフードパネル01を押上げる方向への分力
がパネル１の重量による力に対して小さくなるように設
定されている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかながら、前述した従来の構造では、閉状態におい
て、フードパネル01先端部は、その先端部に設けられた
図示しないラッチにより固定されているが、ダブルリン
クヒンジ02が取付けられた後端部は、シングルピボット
の構造のものほど固定されないので多少浮きぎみになる
という問題がある。したがって、送行時等にガタを生じ
易い。

本考案はこのような事情に鑑み、ダブルリンクヒンジ取
付け側のガタの発生を防止したパネル開閉構造を提供す
ることを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 前記目的を達成する本考案のパネル開閉構造は、本体に
対してダブルリンクヒンジを介して開閉自在に取付けら
れたパネルと、一端が上記パネル側に他端が上記本体側
にそれぞれ回動自在に連結されたエアスプリングとを有
するパネル開閉構造において、上記エアスプリングき他
端は上記本体に傾動自在に取付けられたリンクを介して
当該本体側に対して連結されており、該リンクは上記パ
ネルの開状態では最下端に傾動すると共に閉状態では最
上端に傾動し且つ最上端にとける上記エアスプリングと
の連結端が当該エアスプリングの上記ぱねるとの連結端
より上方に位置することを特徴とする。

〈作用〉 パネル閉状態では、リンクが最上端に傾動してエアスプ
リングのリンクとの連結端がエアスプリングのパネルと
の連結端のより上方に位置し、パネルはエアスプリング
により閉方向に付勢される。一方、開状態ではリンクが
最下端に傾動してエアスプリングは、より直立に近い状
態で保持され、該エアスプリングの力はパネルを押上げ
る方向に送行に作用する。

〈実施例〉 以下、本考案の好適な一実施例を図面を参照しながら説
明する。

第１図（ａ）〜（ｃ）には本発明の自動車のエンジンフ
ードに応用した実施例を示す説明図、第２図はその要部
拡大図である。これらの図面に示すように、パネル１は
ダブルリンクヒンジ２を介してボデー３に回動自在に取
付けられている。そして、一端4aがパネル１に回動自在
に取付けられているエアスプリング４の他端4bはリンク
５を介してボデー３に連結している。このリンク５の基
端5aは上，下位置決め部6a,6bを有するストッパ６に回
動自在に取付けられており、該ストッパ６がボデー３に
ボルト７を介して締結され、これによりリンク５はボデ
ー３に対して上，下位置決め部6a,6b間で傾動できるよ
うになっている。そして、該リンク５の先端5bはガスス
プリング４の他端4bと回動自在に連結している。

かかる構造を採用すると、第１図（ａ）に示す閉状態で
は、エアスプリング４のパネル１と連結する一端4aよ
り、リンク５と連結する他端4bの方が上方に位置するの
で、図示しないラッチにより先端（図中左側）が固定さ
れているパネル１はエアスプリング４により下方向に付
勢され、この力によりパネル１の後端部（図中右側）は
下方に押付けられ、安定に保持される。これにより、走
行時にもパネル１の後端部がガタつくことがない。

そして、パネル１を開方向に回動すると、エアスプリン
グ４とリンク５とが一直線状態になる第１図（ｂ）の状
態を過ぎた後にリンク５は下方に傾動する。この傾動に
よりエアスプリング４は直立方向に回動し、パネル１を
押上げる力が増大する。かかるエアスプリングの押上げ
力によりパネル１は容易に開方向に回動し、第１図
（ｃ）に示す開状態でも安定に保持される。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案のパネル開閉構造によれ
ば、パネルの閉状態てエアスプリングはパネルを閉方向
に付勢すると共に、開状態ではエアスプリングの力がパ
ネルを押上げる方向に有効に作用するので、開閉状態を
安定に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ），（ｂ），（ｃ）は本考案の一実施例にか
かるパネル開閉構造を示す説明図、第２図はその要部詳
細図、第３図は従来技術にかかるエンジンフードの開閉
構造を示す外観図、第４図（ａ），（ｂ）はその説明
図、第５図はダブルリンクヒンジの斜視図である。 図面中、 １はフードパネル、 ２はダブルリンクヒンジ、 ３はボデー、 ４はエアスプリング、 ５はリンク、 ６はストッパ、 6a,6bは上，下位置決め部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体に対してダブルリンクヒンジを介して
   開閉自在に取付けられたパネルと、一端が上記パネル側
   に他端が上記本体側にそれぞれ回動自在に連結されたエ
   アスプリングとを有するパネル開閉構造において、上記
   エアスプリングの他端は上記本体に傾動自在に取付けら
   れたリンクを介して当該本体側に対して連結されてお
   り、該リンクは上記パネルの開状態では最下端に傾動す
   ると共に閉状態では最上端に傾動し且つ最上端における
   上記エアスプリングとの連結端が当該エアスプリングの
   上記パネルとの連結端より上方に位置することを特徴と
   するパネル開閉構造。