JPH0633827Y2 - 魚釣用リールの折畳みハンドル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は魚釣用スピニングリールの折畳みハンドルに関
する。

〔従来の技術〕

従来スピニングリールにおいて携帯、包装等を都合良く
する為にハンドルを折畳む方式として、ハンドルをハン
ドルとハンドル軸を含む平面に対して直角に内方に折畳
み、ハンドルの収納を一層コンパクトに行ない得るよう
にしたものが知られている。（例えば特開昭55-58040号
公報参照） 〔考案が解決しようとする課題〕 しかしながら、従来の技術においては、ハンドル軸に突
設した柄部に設けた係合凹部に、ハンドルにスライド自
在に装着したハンドルストッパーの係合片を楔状に着脱
してハンドルを折畳み自在に形成したもので、上記柄部
の片側だけにしか係合凹部を設けてない為、ハンドルを
片側にだけしか折畳むことができないので、折畳んだ
後、ハンドルを回転してコンパクトに収納される位置に
持っていくか、又はコンパクトになる位置までハンドル
を回転した後、折畳むといった操作が必要であってコン
パクトに収納するのに手間がかゝり、又ハンドル軸の柄
部にハンドルを組込み際、方向性があるので組み間違い
が生じ易かったり、ハンドル固定時、ハンドル軸の軸方
向及び回転方向のガタが生じ、回転動作が行ないにくい
等の問題点を有していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、ハン
ドルを左右どちらにもコンパクトに素早く折畳み収納で
きるようにすると共に、ハンドル装着時、ハンドルとハ
ンドル台座との間にハンドル軸の軸方向及び回転方向の
ガタを生じないように、ハンドル回転動作を円滑に行な
い得るようにし、しかも組立て易いようにした魚釣用リ
ールの折畳みハンドルを提供しようとするものである。

〔問題を解決する為の手段〕

上記目的を達成する為に、本考案における魚釣用リール
の折畳みハンドルは、ハンドル軸の端部に突設したハン
ドル台座にハンドルの二又状部を嵌合軸着し、上記ハン
ドル台座の端面に形成した係合凹部にハンドルに摺動自
在に、かつ上記係合凹部に係合する方向へバネにて付勢
して取付けた操作レバーを係脱自在に係合してハンドル
をハンドル台座とハンドルを含む平面に対して直交する
方向に折畳むようにした魚釣用リールの折畳みハンドル
において、上記係合凹部をハンドル台座の先端部中央
に、ハンドル台座とハンドルを含む平面に対し平行に貫
通形成し、該ハンドル台座にハンドル及び操作レバーを
組込む時、上記操作レバーの係合部12cを上記係合凹部
の左右どちら側からでも組込み可能とし、かつハンドル
を左右両側へ折畳み可能に形成すると共に、ハンドルの
頂壁と操作レバーの係合部とが相対する面、又は操作レ
バーの係合部とハンドル台座の係合凹部とが相対する面
の少なくともどちらか一方の相対する面の形状を、正面
略Ｖ字状に形成し、更に上記ハンドルの頂壁と操作レバ
ーの係合部とが相対する面を上記係合凹部に対して操作
レバーの係合部がバネ力により圧入固定されるよう、上
記係合凹部の底面と操作レバーの係合部の下面とが係合
する係合面に対して所望角度だけ傾斜して形成し、係脱
自在に係合するようにしてなるものである。

〔作用〕

ハンドルは、ハンドル台座の係合凹部に操作レバーの係
合部を係合すると共に、該係合部とハンドルとを所望角
度だけ傾斜させて係合し、更にハンドルの頂壁と操作レ
バーの係合部とが相対する面、又は操作レバーの係合部
とハンドル台座の係合凹部とが相対する面の少なくとも
どちらか一方の相対する面の形状を、正面略Ｖ字形状に
形成し係合することで上記係合部がハンドル台座とハン
ドルとの楔状にバネ力によって圧入させることによりハ
ンドル台に対してハンドル軸の軸方向のガタを生じるこ
となく、更に操作レバーの正面略Ｖ字形状をした係合部
の両側傾斜面が係合するのでハンドル軸が回転する方向
のガタも生じることなく固定される。

そして、操作レバーをバネ力に抗して摺動すると、上記
係合凹部と係合部及び凹溝と突条の係合が夫々外れ、ハ
ンドルはハンドルピンを中心としてハンドル台座とハン
ドルを含む平面に対して直交する右方向と左方向へ選択
的に折畳むことができる。

又、ハンドル台座の係合凹部は、ハンドル台座の先端中
央に、ハンドル台座とハンドルを含む平面に対し平行に
貫通して正面略凹溝状としてあるので操作レバーを組込
む時、組込みの方向性がなく、組み間違いがなく、組立
て易い。

〔実施例〕

以下実施例につき図面を参照して説明する。

第１図〜第４図において、ハンドル軸１の先端に一体に
形成されたハンドル台座２には、厚肉板状の取付部３が
一体に突設させてあり、該取付部３の先端中央には、ハ
ンドル台座２とハンドル６を含む平面に対し平行に、つ
まり板厚方向へ係合凹部４を正面略凹字形状に貫通形成
させてある。

上記取付部３には、先端に摘手５を有するハンドル６の
基端折曲部に前後対向して設けられた二又状部７、７を
嵌合してハンドルピン８を軸としてハンドル６が上記係
合凹部４の幅方向、つまり第３図に矢印Ａ、Ｂで示した
左右方向に折畳みできるように軸着してあると共に、二
又状部７、７の端面7a、7aはハンドル台座２に摺動自在
に当接して左右方向の折畳み作用を阻害しないように円
弧状に形成されている。

又、ハンドル６の基端折曲部には、上記二又状部７、７
と直交し、かつその二又状部７、７のハンドル６の先端
よりの上部を貫通するように割溝孔９が形成させてある
と共に、ハンドル６の上面には上記割溝孔９と連通する
摺動凹溝10がハンドル６の長さ方向へ長く設けてあり、
該摺動凹溝10の下部には上記割溝孔９と摺動凹溝10に夫
々連通するバネ収容用凹溝11が設けてある。

而して、上記割溝孔９と摺動凹溝10には、摺動部12a
と、該摺動部12aの上端に一体に、かつハンドル６の長
さ方向へ長く設けられている操作部12bと、摺動部12aの
下部から一体に、かつハンドル６の基端側へ突出した上
記係合凹部４に係脱自在に設けた係合部12cとを有する
操作レバー12がハンドル６の長さ方向へ摺動自在に嵌装
され、上記摺動部12aにハンドル６の長さ方向へ長く貫
通形成した長孔12dには、ハンドル６に軸架したハンド
ルピン13を嵌合すると共に、バネ収容用凹溝11には、上
記操作レバー12をハンドル６の基端側へ付勢するバネ14
が内装されている。

又、上記摺動凹溝10のハンドル６の基端側上部は頂壁15
によって閉塞され、該頂壁15の下面と、この下面と対向
する上記操作レバー12における係合部12cの上面には、
相互にハンドル６の長さ方向へ摺動自在に嵌合される突
条16と凹溝17が、上記係合凹部４と係合部12cとの水平
に設けられている係合面ａに対してハンドル６の基端側
へ傾斜下降するよう所望角度αに傾斜して形成され、上
記係合部12cが上記係合凹部４と上記頂壁15との間にバ
ネ力によって圧入され、上記係合部12cが楔として機能
し、ハンドル台座２とハンドル６がハンドル軸の軸方向
において緊定状態に固定されるようにしてある。更に
又、上記突条16と凹溝17を第３図のごとく正面略Ｖ字形
状にしてもよく、これにより正面略Ｖ字形状をした突条
16と凹溝17との両側傾斜面が相互に楔状にせり合って、
ハンドル台座２とハンドル６とがハンドル軸の回転方向
において緊定状態に固定されることとなる。更に上記係
合凹部４の底面4aと、上記係合部12cの下面12eは係脱自
在に適合するよう正面略Ｖ字形状に形成されていると共
に、上記突条16と凹溝17も係脱自在に適合するよう正面
略Ｖ字形状に形成され、これより対向するＶ字形状の傾
斜面が楔状にせり合って上記係合部12cと、上記ハンド
ル台座２及びハンドル６がハンドル軸の回転方向で緊定
状態に固定されるように構成されている。

図示例は、上記係合凹部４と係合部12cの座面を夫々Ｖ
字形状としてあるが、これを逆Ｖ字形状としてもよく、
又上記突条16を係合部12cに、凹溝17をハンドル６の頂
壁15に設けるようにしてもよい。

〔考案の効果〕 本考案は、上述の通り構成されているので、操作レバー
12をバネ力に抗して摺動し、係合部12cをハンド台座２
の係合凹部４から外すと共に、ハンドル６と操作レバー
12に突条16と凹溝17の係合を外すことにより、ハンドル
６を左右両方向へ選択的に折畳みできるので図示しない
リール本体に対するハンドル６の向きに応じて都合の良
い方向へ迷わず折畳みできるから素早くコンパクトに収
納することができる。

又ハンドル台座２の係合凹部４を、ハンドル台座２とハ
ンドル６を含む平面に対し平行に貫通形成したことによ
り、ハンドル台座２に方向性を有しないので、ハンドル
６及び操作レバー12を左右どちらからも組立てできて組
立易くなり、更にハンドル６の頂壁15と、操作レバー12
の係合部12cとが相対する面、又は操作レバー12の係合
部12cとハンドル台座２の係合凹部４とが相対する面の
少なくともどちらか一方の相対する面の形状を正面略Ｖ
字形状に形成することにより、Ｖ字形状の両側傾斜面が
楔状にせり合ってハンドル台座２とハンドル６とがハン
ドル軸の回転方向で緊定状態に固定され、又ハンドル６
の頂壁15と操作レバー12の係合部12cとが相対する面を
ハンドル台座２の係合凹部４と上記係合部12cとの係合
面ａに対して所望角度αに傾斜して形成したので係合部
12cがハンドル台座２とハンドル６をハンドル軸の軸方
向と回転方向との二方向へ固定する楔機能を有すること
によってハンドル使用時、ガタを生じることがなく、円
滑に回転動作できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はハンドルの使用状態を夫々示す縦断側
面図と平面図、第３図は第１図におけるII−II線矢視横
断正面図、第４図はハンドルを折畳んだ状態を示す横断
正面図である。 １……ハンドル軸、２……ハンドル台座 ４……係合凹部、６……ハンドル ７、７……二又状部、12……操作レバー 12c……係合部、14……バネ 15……頂壁、16……突条 17……凹溝、ａ……係合面、α……角度

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドル軸１の端部に突設したハンドル台
   座２にハンドル６の二又状部７、７を嵌合軸着し、上記
   ハンドル台座の端面に形成した係合凹部４にハンドルに
   摺動自在に、かつ上記係合凹部に係合する方向へバネ14
   にて付勢して取付けた操作レバー12を係脱自在に係合し
   てハンドルをハンドル台座とハンドルを含む平面に対し
   て直交する方向に折畳むようにした魚釣用リールの折畳
   みハンドルにおいて、上記係合凹部をハンドル台座の先
   端部中央に、ハンドル台座とハンドルを含む平面に対し
   平行に貫通形成し、該ハンドル台座にハンドル及び操作
   レバーを組込む時、上記操作レバーの係合部12cを上記
   係合凹部の左右どちら側からでも組込み可能とし、かつ
   ハンドルを左右両側へ折畳み可能に形成すると共に、ハ
   ンドルの頂壁15と操作レバーの係合部とが相対する面、
   又は操作レバーの係合部とハンドル台座の係合凹部とが
   相対する面の少なくともどちらか一方の相対する面の形
   状を、正面略Ｖ字形状に形成し、更に上記ハンドルの頂
   壁と操作レバーの係合部とが相対する面を上記係合凹部
   に対して操作レバーの係合部がバネ力により圧入固定さ
   れるよう、上記係合凹部の底面4aと操作レバーの係合部
   の下面12eとが係合する係合面ａに対して所望角度αだ
   け傾斜して形成し、係脱自在に係合するように設けてな
   ることを特徴とする魚釣用リールの折畳みハンドル。