JPH06336445A - 光学異性体用分離剤 - Google Patents

光学異性体用分離剤

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JPH06336445A
JPH06336445A JP5126147A JP12614793A JPH06336445A JP H06336445 A JPH06336445 A JP H06336445A JP 5126147 A JP5126147 A JP 5126147A JP 12614793 A JP12614793 A JP 12614793A JP H06336445 A JPH06336445 A JP H06336445A
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JP
Japan
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lactoglobulin
separating agent
optical isomers
silica gel
separating
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Application number
JP5126147A
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English (en)
Inventor
Atsushi Haginaka
淳 萩中
Hiroo Wada
啓男 和田
Hironari Fujima
宏也 藤間
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Shinwa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Shinwa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 β−ラクトグロブリン又は分子構造の一部
を修飾したβ−ラクトグロブリンを担体に結合した固定
相からなることを特徴とする光学異性体用分離剤。 【効果】 安価でかつ有機溶媒による変性に対して安
定であり、光学異性体を効率良く分離することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学異性体用分離剤に関
し、さらに詳しくは、β−ラクトグロブリン又は分子構
造の一部を修飾したβ−ラクトグロブリンを使用した光
学異性体用分離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素原子を含むキラルな化学物質に
ついて、その光学異性体を分離することが特に医薬品の
分野において強く要求されている。すなわち一つのラセ
ミ体を構成する複数の光学異性体の中の一つのものが特
別に顕著な医薬上の有用性、例えば顕著な薬理作用、顕
著な生体内利用性を示し、あるいは反対に顕著な毒性を
示すことが一般事実として明らかになり、従って医薬品
としてはラセミ体によって投与されるよりも、分離され
た光学異性体によって投与される方がより合理的であ
り、治療効果を高める結果となる場合があるからであ
る。光学異性体の分離については従来から幾多の実験室
的方法が報告されてきたが、工業的規模において実施で
きるものは少なく、これは非常に困難な技術課題である
と考えられてきた。しかしカラムクロマトグラフィーの
進歩により、とりわけ液体クロマトグラフィーにより光
学異性体を分離する方法が一般に知られるようになり、
例えば下記文献1)〜7)に示されるような方法が提案
されている。
【0003】1) イエルゲン・ヘルマンソン:ジャー
ナル・オブ・クロマトグラフィー,325(1985)
379頁−384頁(Joergen Hermansson :Journal of
Chromatography , 325(1985)379-384) 2) エス・アレンマルクら:ジャーナル・オブ・クロ
マトグラフィー,264(1983)63頁−68頁
(S.Allenmark et al :Journal of Chromatography ,
264(1983)63-68) 3) エス・アレンマルクら:ジャーナル・オブ・クロ
マトグラフィー,237(1982)473頁−477
頁(S.Allenmark et al :Journal of Chromatography
, 237(1982)473-477) 4) 特開昭60−41619号公報 5) 三輪敏紳ら:ケミカル・アンド・ファーマシュー
ティカル・ブリテン,35巻(1987)682頁−6
86頁(T.Miwa et al:Chemical and Pharmaceutical
Bulletin , Vol 35(1987)682-686) 6) 萩中 淳ら:クロマトグラフィア,29巻(19
90)587頁−592頁(J.Haginaka et al:Chroma
tographia , Vol 29(1990)587-592) 7) 特開昭64−3129号公報
【0004】上記文献のうち、1)はキラルなα1 −酸
性糖蛋白を使用する技術を開示している。2)および
3)は牛血清アルブミンをそれぞれシリカおよびアガロ
ースに結合せしめた固定相を使用して分離する方法を開
示している。4)はオロソムコイド、その官能類似体等
を使用して分離する方法を開示している。5)および
6)はオボムコイドを担体に結合せしめた固定相を使用
して分離する方法を開示している。7)はアビジンを担
体に結合せしめた固定相を使用して分離する方法を開示
している。しかしながら1)〜7)の技術における使用
資材は一般に高価である。またこれらの技術における分
離方法は主として多量の有機溶媒を使用する液体クロマ
トグラフィーによって行われるので、使用資材は有機溶
媒による変性に対して安定でなければならないが、例え
ばアルブミン、オロソムコイドはこの条件を十分に満足
することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、より安価でかつ有機溶媒による変性に対して安定で
あり、かつ光学異性体を効率良く分離することができる
光学異性体用分離剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために種々の検討を行った。その結果、乳汁よ
り簡単に入手することができるβ−ラクトグロブリンを
使用することにより上記目的を達成することができるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、β−ラクトグロブリン又は分子構造の一部を
修飾したβ−ラクトグロブリンを担体に結合した固定相
からなることを特徴とする光学異性体用分離剤を提供す
るものである。以下、本発明を詳細に説明する。β−ラ
クトグロブリンはカゼインを除くホエータンパク質の約
55%を占める分子量が約41600、等電点5.19の
蛋白質である。β−ラクトグロブリンは脱脂乳をpH4.6
として沈殿するカゼインを除き、pH6.0で硫酸アンモニ
ウムを半飽和として生じるグロブリン区分を除き、更に
硫酸アンモニウムを飽和して生じる沈殿を水に溶解し
て、透析後pH5.2として白濁した状態で数日室温に放置
すると結晶として得ることができる。従って本発明に用
いられるβ−ラクトグロブリンとして、このようにして
安価に製造したβ−ラクトグロブリンを使用することが
好ましいが、本発明に使用するβ−ラクトグロブリンの
入手方法は特別に限定される必要はない。
【0007】本発明に用いられる担体はβ−ラクトグロ
ブリン又はその分子構造の一部を修飾したβ−ラクトグ
ロブリンと結合し、固定相を形成し得るものであればよ
い。本発明の光学異性体用分離剤は、主として液体クロ
マトグラフィーに使用されるが、このような用途に使用
する場合の担体としては、例えば、シリカゲル、ガラ
ス、セルロース、カーボンまたは合成ポリマー等を挙げ
ることができる。β−ラクトグロブリンを担体に結合す
る方法は、固定相を形成するために通常に行われている
方法に従って行えばよい。従って、例えばアミノプロピ
ルシリカゲルやアミノ基が結合した合成ポリマーを担体
とし、N,N−ジサクシニミジルカーボネートを架橋剤
としてβ−ラクトグロブリンを結合したり、若しくはガ
ラスを担体とし、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを架橋剤としてβ−ラクトグロブリンを結合し
たり、若しくはセルロースを担体とし、ブロムシアンで
活性化してからこれにβ−ラクトグロブリンを結合した
りする方法が考えられる。
【0008】一般に蛋白質の分子を修飾する方法には、
化学的方法、酵素的方法、物理的方法等がある。即ち、
蛋白質分子中のアミノ基やイミダゾール基やカルボキシ
ル基に着目して、これらにアルデヒド類や酸無水物やア
ルコール類を反応させればシッフ塩基やN−置換イミダ
ゾール基やエステルが生成して化学的修飾がなされる
し、酵素の持つ多彩な作用を用いれば、官能基の修飾、
分子の酸化や還元、分子の一部の除去などの反応が緩和
な条件で行い得る。例えば、β−ラクトグロブリンの一
部をグルタル化したβ−ラクトグロブリンは次のように
して得ることができる。β−ラクトグロブリンおよびグ
ルタルアルデヒドをpH6.8のりん酸塩緩衝液に入れ、3
0℃で15時間撹拌後、生成したグルタル化β−ラクト
グロブリン(非還元型)、あるいはさらに水素化ほう素
ナトリウムを用いてpH6.8のりん酸塩緩衝液中で、4℃
で12時間撹拌し還元後、生成したグルタル化β−ラク
トグロブリン(還元型)を精製して得ることができる。
【0009】グルタル化β−ラクトグロブリンの精製方
法は、特に限定されず、一般に用いられる方法によるこ
とができる。例えば、セファデックスG25カラムクロ
マトグラフィーを使用して、上記反応液より未反応のグ
ルタルアルデヒドおよび水素化ホウ素ナトリウムを除去
することによりグルタル化β−ラクトグロブリンの精製
を行うことができる。また、β−ラクトグロブリンの一
部をジオール化したβ−ラクトグロブリンを得るには、
β−ラクトグロブリンおよび2,3−エポキシプロパノ
ールをpH8.0のりん酸塩緩衝液中に加え、室温で24時
間撹拌後、反応物を精製することにより得ることができ
る。さらに、β−ラクトグロブリンの一部をアシル化し
たβ−ラクトグロブリンを得るには、β−ラクトグロブ
リンおよび対応する酸無水物、例えば、無水酢酸をpH8.
5のほう酸塩緩衝液に入れ、25℃で30〜60分撹拌
後、生成したアシル化β−ラクトグロブリンを精製して
得ることができる。
【0010】分子構造の一部を修飾したβ−ラクトグロ
ブリンを結合させた固定相を得る方法には、あらかじめ
分子構造の一部を修飾しておいたβ−ラクトグロブリン
を共有結合やイオン結合などによって担体に結合する方
法と、β−ラクトグロブリンを結合させておいた固定相
に先に述べた方法による修飾を施して目的とする固定相
を得る方法がある。β−ラクトグロブリンあるいは分子
の一部が修飾されたβ−ラクトグロブリン(以下リガン
ドと呼ぶ)を担体に結合する方法は、固定相を形成する
ために通常行われている方法に従って行えばよい。従っ
て、例えばアミノプロピルシリカゲルやアミノ基が結合
した合成ポリマーを担体とし、グルタルアルデヒドや
N,N−ジサクシニミジルカーボネートを架橋剤として
リガンドを結合したり、あるいはシリカゲルやガラス若
しくはカーボンを担体として3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランを架橋剤としてリガンドを結合した
り、あるいはセルロースを担体とし、ブロムシアンで活
性化してからこれらにリガンドを結合したりする方法が
考えられる。グルタル化したβ−ラクトグロブリンをア
ミノプロピルシリカゲルに結合するには具体的には次の
ようにすればよい。
【0011】グルタル化したβ−ラクトグロブリンをpH
6.8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解する。別にアミ
ノプロピルシリカゲルおよびN,N−ジサクシニミジル
カーボネートをpH6.8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶
解懸濁させ、一晩撹拌後、分取水洗して活性化アミノプ
ロピルシリカゲル懸濁液を得る。先に用意したグルタル
化β−ラクトグロブリンの溶液を活性化アミノプロピル
シリカゲル懸濁液に加え、撹拌後水洗してシリカゲルに
グルタル化β−ラクトグロブリンが架橋剤を介して結合
した光学異性体分離剤を得ることができる。また、β−
ラクトグロブリンを結合させておいた固定相上のβ−ラ
クトグロブリンに化学修飾を行うには次のようにすれば
よい。例えば、親水性合成ポリマー(ポリビニルアルコ
ール共重合体)にペンタエチルヘキサミン等のポリアミ
ンを導入した担体と、N,N−ジサクシニミジルカーボ
ネートをpH6.8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解、懸
濁させ、一晩撹拌し、分取水洗して活性化合成ポリマー
の懸濁液を得る。別に、β−ラクトグロブリンをpH6.8
の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解した溶液を用意し、
前記活性化合成ポリマー懸濁液に加え、β−ラクトグロ
ブリンが結合したポリマー充填剤を得る。この充填剤お
よびグルタルアルデヒドをpH6.8のりん酸緩衝液に入
れ、30℃で15時間撹拌後、生成したグルタル化β−
ラクトグロブリン(非還元型)、あるいはさらに水素化
ほう素ナトリウムを用いてpH6.8のりん酸塩緩衝液中
で、4℃で12時間撹拌し、還元後、生成したグルタル
化β−ラクトグロブリン(還元型)がアミド結合および
架橋剤を介して合成ポリマーに結合した光学異性体分離
剤を得ることができる。このようにβ−ラクトグロブリ
ンを化学修飾することにより、光学異性体分離カラムと
してカラムライフ(サンプル注入回数)を大幅に伸ばす
ことができる。
【0012】本発明は、光学異性体の分離にあたりβ−
ラクトグロブリン又はその分子構造の一部を修飾したβ
−ラクトグロブリンを使用することを特徴とするもので
あって、担体の種類、β−ラクトグロブリン又はその分
子構造の一部を修飾したβ−ラクトグロブリンと担体と
の結合方法、あるいはβ−ラクトグロブリンの修飾の方
法等によって特別に限定されるものではない。従って本
発明の分離剤には当該固定相が必須の構成成分として含
まれるが、同時に分離剤中に他の成分、例えばシリカゲ
ル、ガラス、セルロース、カーボンやポリマーが任意に
選択されて加えられることは自由であり、分離向上のた
めにこれら従来の分離剤を本発明の分離剤と適宜併用す
ることができる。
【0013】本願明細書において「光学異性体」とは、
分子内に不斉炭素原子を有するキラル化合物を言い、多
くの医薬品にその例を見ることができる。例えば、クロ
ルフェニラミン、クロルプレナリン、ピンドロール、ヴ
ェラパミル、プロプラノロール、ジメチンデン、エチア
ジド、オキサゼパム、フルルビプロフェン等を挙げるこ
とができる。これらの化合物においては互いに鏡像関係
にある複数の光学異性体が存在し、一体となってラセミ
体を形成している。本発明の分離剤はこれらラセミ体を
対象として、それらを構成する光学異性体を分離するの
に特に有効である。本発明の分離剤は主として液体クロ
マトグラフィーにおいて使用される。従ってその使用方
法は液体クロマトグラフィーにおける通常の操作によっ
て行えばよく、例えば本発明の分離剤をカラムに充填
し、光学異性体に係るラセミ体をチャージし、次にりん
酸緩衝液、エタノール水溶液、イソプロパノール等の移
動相を流通せしめ、保持時間の差によって、所用の光学
異性体を分離すればよい。
【0014】
【実施例】以下に記載する実施例によって本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 アミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラス
フィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシ
リカゲルの懸濁液を調製した。別にβ−ラクトグロブリ
ン2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)3
0mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加
え、β−ラクトグロブリン結合シリカゲルからなる本発
明の分離剤を得た。スチールカラムに充填し、光学異性
体分離用カラムとした。
【0015】実施例2 グルタルアルデヒド0.1gおよびβ−ラクトグロブリン
2gを0.06Mりん酸緩衝液(pH6.8)に入れ、30℃
で15時間撹拌し、グルタル化β−ラクトグロブリンを
合成した。セファデックスG25カラムクロマトグラフ
ィーにより未反応のグルタルアルデヒドを除きグルタル
化β−ラクトグロブリン(非還元型)を単離した。さら
にグルタル化β−ラクトグロブリン(非還元型)の一部
を、水素化ほう素ナトリウムを用いてpH6.8のりん酸緩
衝液中で、4℃で12時間撹拌し還元後、生成したグル
タル化β−ラクトグロブリン(還元型)を得た。次に、
親水性ポリマーゲル(ポリビニルアルコール共重合体)
にポリアミン(例えば、ペンタエチルヘキサミン)を導
入したカラム充填剤(例えば、アサヒパックNH2P)
2gおよびN,N−ジサクシニミジルカーボネート2g
を0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)100ml
に入れ、一夜撹拌し、ガラスフィルター上にとり、水洗
して活性化合成ポリマーゲルの懸濁液を調製した。別に
非還元型あるいは還元型グルタル化β−ラクトグロブリ
ン2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)3
0mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加
え、30℃で15時間攪拌後、ガラスフィルター上にと
り、水洗しグルタル化β−ラクトグロブリン結合親水性
ポリマーゲルからなる本発明の分離剤を得た。得られた
分離剤をスチールカラムに充填し、光学異性体分離用カ
ラムとした。
【0016】実施例3 アミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラス
フィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシ
リカゲルの懸濁液を調製した。別にβ−ラクトグロブリ
ン2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)3
0mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加
え、β−ラクトグロブリン結合シリカゲル充填剤を得
た。この充填剤2gおよびグルタルアルデヒド0.1gを
0.06Mりん酸塩緩衝液(pH6.8)30mlに入れ30℃
で15時間撹拌し本発明分離剤(非還元型)を得た。さ
らに0.2gの水素化ほう素ナトリウムを加え4℃で12
時間撹拌、還元し、グルタル化β−ラクトグロブリン
(還元型)結合シリカゲルからなる本発明の分離剤を得
た。得られた分離剤をスチールカラムに充填し、光学異
性体分離用カラムとした。 実施例4 アミノプロピルシリカゲル3gおよびグルタルアルデヒ
ド0.1gを0.06Mりん酸塩緩衝液(pH6.8)100ml
に入れ、30℃で15時間撹拌後、ガラスフィルター上
にとり水洗した。このグルタル化シリカゲルにβ−ラク
トグロブリン2gを0.1M炭酸水素ナトリウム(pH6.
8)30mlに溶解し反応させるとともに、β−ラクトグ
ロブリンのグルタル化も行わせしめ、グルタル化β−ラ
クトグロブリン結合シリカゲルからなる本発明の分離剤
を得た。得られた分離剤をスチールカラムに充填し、光
学異性体分離用カラムとした。
【0017】実施例5 実施例1と同様にアミノプロピルシリカゲルを用いてβ
−ラクトグロブリン結合シリカゲル充填剤を得た。この
充填剤を五酸化りんデシケーター中にて乾燥した後、0.
06Mりん酸塩緩衝液(pH8.0)に懸濁し、2,3−エ
ポキシプロパノール0.5mlを加えて室温にて24時間撹
拌して、ジオール化β−ラクトグロブリン結合シリカゲ
ルからなる本発明の分離剤を得た。得られた分離剤をス
チールカラムに充填し、光学異性体分離用カラムとし
た。 実施例6 β−ラクトグロブリン2gを0.06Mりん酸塩緩衝液に
懸濁し、2,3−エポキシプロパノール0.5mlを加えて
室温にて24時間撹拌してジオール化β−ラクトグロブ
リンを得た。次に、アミノプロピルシリカゲル3gおよ
びN,N−ジサクシニミジルカーボネート2gを0.1M
炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、
一夜撹拌し、ガラスフィルター上にとり、水洗して活性
化アミノプロピルシリカゲルの懸濁液を調製した。別に
ジオール化β−ラクトグロブリン2gを0.1M炭酸水素
ナトリウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶解した溶液を用
意し、それを前記懸濁液に加え、30℃で15時間攪拌
後、ガラスフィルター上にとり、水洗し、ジオール化β
−ラクトグロブリン結合シリカゲルからなる本発明の分
離剤を得た。得られた分離剤をスチールカラムに充填
し、光学異性体分離用カラムとした。
【0018】実施例7 実施例1と同様にアミノプロピルシリカゲルを用いてβ
−ラクトグロブリン結合シリカゲル充填剤を得た。この
充填剤1.8gおよび1mlのジオキサンに0.225mlの無
水酢酸を溶解した溶液を、0.1Mほう酸塩緩衝液(pH8.
5)50mlに加え、25℃で30分撹拌後、ガラスフィ
ルター上にとり、水洗して、本発明のアセチル化β−ラ
クトグロブリン結合シリカゲルからなる分離剤を得た。
得られた分離剤をスチールカラムに充填し、光学異性体
分離用カラムとした。 実施例8 β−ラクトグロブリン2gを、1mlのジオキサンに0.2
25mlの無水酢酸を溶解した溶液とともに0.1Mのほう
酸塩緩衝液(pH8.5)に加え、25℃で30分間攪拌
後、アセチル化β−ラクトグロブリンを得た。次に、ア
ミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシニ
ミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラスフ
ィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシリ
カゲルの懸濁液を調製した。別にアセチル化β−ラクト
グロブリン2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH
6.8)30mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁
液に加え、アセチル化β−ラクトグロブリン結合シリカ
ゲルからなる本発明の分離剤を得た。得られた分離剤を
スチールカラムに充填し、光学異性体分離用カラムとし
た。
【0019】以下に実験例によって本発明の効果を示
す。 実験例1 実施例1で調製した光学異性体分離用カラムを用いてオ
キサゼパムのエナンチオマーにおける分離を試みた。な
お、移動相は20mMりん酸緩衝液(k/k2)(pH6.
9)/エタノール=90/10(V/V)を使用し、流
速を0.8ml/min とした。結果を図1に示す。図1より
本発明分離剤によって各光学異性体が分離されたことが
判明した。 実験例2 実験例1と同様にしてフルルビプロフェンのエナンチオ
マーにおける分離を試みた。なお、移動相は20mMり
ん酸緩衝液(k/k2)(pH5.08)/アセトニトリル
=92/8(V/V)を使用し、流速を0.8ml/min と
した。結果を図2に示す。図2より本発明分離剤によっ
て各光学異性体が分離されたことが判明した。
【0020】
【発明の効果】本発明の光学異性体用分離剤は、安価で
かつ有機溶媒による変性に対して安定であり、光学異性
体を効率良く分離することができる。例えば従来の牛血
清アルブミンでは、1−プロパノールは5%以下しか使
用できなかったが本発明の分離剤では、例えば、グルタ
ル化β−ラクトグロブリンの場合、50%メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ア
セトニトリル等の溶媒が使用可能である。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製した光学異性体分離用カラムを
用いてオキサゼパムのエナンチオマーにおける分離を試
みた結果を示すクロマトグラムである。
【図2】実施例1で調製した光学異性体分離用カラムを
用いてフルルビプロフェンのエナンチオマーにおける分
離を試みた結果を示すクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 17/14 8318−4H G01N 30/48 W 8310−2J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−ラクトグロブリン又は分子構造の一
    部を修飾したβ−ラクトグロブリンを担体に結合した固
    定相からなることを特徴とする光学異性体用分離剤。
  2. 【請求項2】 分子構造の一部を修飾したβ−ラクトグ
    ロブリンが、グルタル化β−ラクトグロブリン(非還元
    型)、グルタル化β−ラクトグロブリン(還元型)、ジ
    オール化β−ラクトグロブリン、またはアシル化β−ラ
    クトグロブリンである請求項1記載の光学異性体用分離
    剤。
  3. 【請求項3】 担体がシリカゲル、ガラス、セルロー
    ス、カーボンまたは合成ポリマーである請求項1または
    2記載の光学異性体用分離剤。
JP5126147A 1993-05-27 1993-05-27 光学異性体用分離剤 Pending JPH06336445A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5126147A JPH06336445A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 光学異性体用分離剤

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