JPH0867640A - 光学異性体用分離剤 - Google Patents

光学異性体用分離剤

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JPH0867640A
JPH0867640A JP20717694A JP20717694A JPH0867640A JP H0867640 A JPH0867640 A JP H0867640A JP 20717694 A JP20717694 A JP 20717694A JP 20717694 A JP20717694 A JP 20717694A JP H0867640 A JPH0867640 A JP H0867640A
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JP
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bsa
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agent
separating agent
silica gel
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JP20717694A
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Inventor
Atsushi Haginaka
淳 萩中
Hiroo Wada
啓男 和田
Hironari Fujima
宏也 藤間
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Shinwa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Shinwa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 牛血清アルブミン(BSA)フラグメント又
は分子構造の一部を修飾したBSAフラグメントを担体
に結合した固定相からなることを特徴とする光学異性体
用分離剤。 【効果】 安価でかつ有機溶媒による変性に対して安定
であり、かつ優れた光学認識能と、高い試料負荷量を持
ち、光学異性体を効率良く分離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学異性体用分離剤に関
し、さらに詳しくは、BSAフラグメント又は分子構造
の一部を修飾したBSAフラグメントを担体に結合した
固定相を使用した光学異性体用分離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素原子を含むキラルな化学物質に
ついて、その光学異性体を分離することが特に医薬品の
分野において強く要求されている。すなわち一つのラセ
ミ体を構成する複数の光学異性体の中の一つのものが特
別に顕著な医薬上の有用性、例えば顕著な薬理作用、顕
著な生体内利用性を示し、あるいは反対に顕著な毒性を
示すことが一般事実として明らかになり、従って医薬品
としてはラセミ体によって投与されるよりも、分離され
た光学異性体によって投与される方がより合理的であ
り、治療効果を高める結果となる場合があるからであ
る。光学異性体の分離については従来から幾多の実験室
的方法が報告されてきたが、工業的規模において実施で
きるものは少なく、これは非常に困難な技術課題である
と考えられてきた。しかしカラムクロマトグラフィーの
進歩により、とりわけ液体クロマトグラフィーにより光
学異性体を分離する方法が一般に知られるようになり、
例えば下記文献1)〜7)に示されるような方法が提案
されている。
【0003】1) イエルゲン・ヘルマンソン:ジャー
ナル・オブ・クロマトグラフィー,325(1985)
379頁−384頁(Joergen Hermansson :Journal of
Chromatography , 325(1985)379-384) 2) エス・アレンマルクら:ジャーナル・オブ・クロ
マトグラフィー,264(1983)63頁−68頁
(S.Allenmark et al :Journal of Chromatography ,
264(1983)63-68) 3) エス・アレンマルクら:ジャーナル・オブ・クロ
マトグラフィー,237(1982)473頁−477
頁(S.Allenmark et al :Journal of Chromatography
, 237(1982)473-477) 4) 特開昭60−41619号公報 5) 三輪敏紳ら:ケミカル・アンド・ファーマシュー
ティカル・ブリテン,35巻(1987)682頁−6
86頁(T.Miwa et al:Chemical and Pharmaceutical
Bulletin , Vol 35(1987)682-686) 6) 萩中 淳ら:クロマトグラフィア,29巻(19
90)587頁−592頁(J.Haginaka et al:Chroma
tographia , Vol 29(1990)587-592) 7) 特開昭64−3129号公報
【0004】上記文献のうち、1)はキラルなα1 −酸
性糖蛋白を使用する技術を開示している。2)および
3)は牛血清アルブミン(以下BSAと称する)をそれ
ぞれシリカおよびアガロースに結合せしめた固定相を使
用して分離する方法を開示している。4)はオロソムコ
イド、その官能類似体等を使用して分離する方法を開示
している。5)および6)はオボムコイドを担体に結合
せしめた固定相を使用して分離する方法を開示してい
る。7)はアビジンを担体に結合せしめた固定相を使用
して分離する方法を開示している。しかしながら1)〜
4)及び7)の技術における使用資材は一般に高価であ
る。またこれらの技術における分離方法は主として多量
の有機溶媒を使用する液体クロマトグラフィーによって
行われるので、使用資材は有機溶媒による変性に対して
安定でなければならないが、例えばアルブミン、オロソ
ムコイドはこの条件を十分に満足することができない。
また、タンパク質を固定化した光学異性体用分離剤は、
試料負荷量が少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、より安価でかつ有機溶媒による変性に対して安定で
あり、かつ優れた光学認識能と、高い試料負荷量を持
つ、光学異性体を効率良く分離することができる光学異
性体用分離剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために種々の検討を行った。その結果、より簡
単に入手することができるBSAとL−シスチンとを反
応させ、生成物をペプシンで加水分解して得られるBS
Aフラグメントを担体に結合したBSAフラグメント固
定化分離剤が、BSA固定化分離剤に比べて、光学認識
能に優れ、高い試料負荷量を持ち、しかも有機溶媒によ
る変性に対して安定であることを見い出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、BSAフラグメ
ント又は分子構造の一部を修飾したBSAフラグメント
を担体に結合した固定相からなることを特徴とする光学
異性体用分離剤を提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るBSAフラグメントは、次の様な方法で調製する事
が出来る。 BSAフラグメントの調製 1)112mg のL−シスチンを、2mlの1MNaOH水
溶液に溶解し、直ちに235ml の0.1Mトリス−塩酸緩衝液
(pH7.96)に加える。この溶液に、予め5gのBSA
を溶解した17mlの0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.9
6)を加える。この混合溶液を、25℃で17時間攪拌す
る。さらに、脱塩蒸留水を用いて透析後、凍結乾燥を行
い、半−シスチニル−BSAを得る。 2)1.25g の半−シスチニル−BSAを、80mlの3.2mM
のカプリル酸を含む0.1Mのギ酸アンモニウム緩衝液(p
H3.7 )に溶解し、予め37℃に加温しておく。この溶液
に、25mgのペプシンを50mlの3.2mM のカプリル酸を含む
0.1Mのギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.7 )に溶解した
溶液を加え、37℃で30分反応させる。2Mトリス−塩酸
緩衝液でpH7.9 とし、反応を停止させる。0.3MNaCIを
含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0 )を用いて透析
後、0.3MNaCIを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0
)を溶離液として、Sephadex G-75 で分子量約38,000
のフラグメントを得た。得られたフラグメントは脱塩
後、凍結乾燥した。
【0008】本発明に用いられる担体はBSAフラグメ
ント又はその分子構造の一部を修飾したBSAフラグメ
ントと結合し、固定相を形成し得るものであればよい。
本発明の光学異性体用分離剤は、主として液体クロマト
グラフィーに使用されるが、このような用途に使用する
場合の担体としては、例えば、シリカゲル、ガラス、セ
ルロース、カーボンまたは合成ポリマー等を挙げること
ができる。BSAフラグメントを担体に結合する方法
は、固定相を形成するために通常に行われている方法に
従って行えばよい。従って、例えばアミノプロピルシリ
カゲルやアミノ基が結合した合成ポリマーを担体とし、
N,N−ジサクシニミジルカーボネートを架橋剤として
BSAフラグメントを結合したり、若しくはガラスを担
体とし、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を架橋剤としてBSAフラグメントを結合したり、若し
くはセルロースを担体とし、ブロムシアンで活性化して
からこれにBSAフラグメントを結合したりする方法が
考えられる。
【0009】一般に蛋白質の分子を修飾する方法には、
化学的方法、酵素的方法、物理的方法等がある。即ち、
蛋白質分子中のアミノ基やイミダゾール基やカルボキシ
ル基に着目して、これらにアルデヒド類や酸無水物やア
ルコール類を反応させればシッフ塩基やN−置換イミダ
ゾール基やエステルが生成して化学的修飾がなされる
し、酵素の持つ多彩な作用を用いれば、官能基の修飾、
分子の酸化や還元、分子の一部の除去などの反応が緩和
な条件で行い得る。例えば、BSAフラグメントの一部
をグルタル化したBSAフラグメントは次のようにして
得ることができる。BSAフラグメントおよびグルタル
アルデヒドをpH6.8のりん酸塩緩衝液に入れ、30℃で
15時間撹拌後、生成したグルタル化BSAフラグメン
ト(非還元型)、あるいはさらに水素化ほう素ナトリウ
ムを用いてpH6.8のりん酸塩緩衝液中で、4℃で12時
間撹拌し還元後、生成したグルタル化BSAフラグメン
ト(還元型)を精製して得ることができる。
【0010】グルタル化BSAフラグメントの精製方法
は、特に限定されず、一般に用いられる方法によること
ができる。例えば、セファデックスG25カラムクロマ
トグラフィーを使用して、上記反応液より未反応のグル
タルアルデヒドおよび水素化ホウ素ナトリウムを除去す
ることによりグルタル化BSAフラグメントの精製を行
うことができる。また、BSAフラグメントの一部をジ
オール化したBSAフラグメントを得るには、BSAフ
ラグメントおよび2,3−エポキシプロパノールをpH8.
0のりん酸塩緩衝液中に加え、室温で24時間撹拌後、
反応物を精製することにより得ることができる。さら
に、BSAフラグメントの一部をアシル化したBSAフ
ラグメントを得るには、BSAフラグメントおよび対応
する酸無水物、例えば、無水酢酸をpH8.5のほう酸塩緩
衝液に入れ、25℃で30〜60分撹拌後、生成したア
シル化BSAフラグメントを精製して得ることができ
る。
【0011】分子構造の一部を修飾したBSAフラグメ
ントを結合させた固定相を得る方法には、あらかじめ分
子構造の一部を修飾しておいたBSAフラグメントを共
有結合やイオン結合などによって担体に結合する方法
と、BSAフラグメントを結合させておいた固定相に先
に述べた方法による修飾を施して目的とする固定相を得
る方法がある。BSAフラグメントあるいは分子の一部
が修飾されたBSAフラグメント(以下リガンドと呼
ぶ)を担体に結合する方法は、固定相を形成するために
通常行われている方法に従って行えばよい。従って、例
えばアミノプロピルシリカゲルやアミノ基が結合した合
成ポリマーを担体とし、グルタルアルデヒドやN,N−
ジサクシニミジルカーボネートを架橋剤としてリガンド
を結合したり、あるいはシリカゲルやガラス若しくはカ
ーボンを担体として3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランを架橋剤としてリガンドを結合したり、ある
いはセルロースを担体とし、ブロムシアンで活性化して
からこれらにリガンドを結合したりする方法が考えられ
る。グルタル化したBSAフラグメントをアミノプロピ
ルシリカゲルに結合するには具体的には次のようにすれ
ばよい。
【0012】グルタル化したBSAフラグメントをpH6.
8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解する。別にアミノ
プロピルシリカゲルおよびN,N−ジサクシニミジルカ
ーボネートをpH6.8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解
懸濁させ、一晩撹拌後、分取水洗して活性化アミノプロ
ピルシリカゲル懸濁液を得る。先に用意したグルタル化
BSAフラグメントの溶液を活性化アミノプロピルシリ
カゲル懸濁液に加え、撹拌後水洗してシリカゲルにグル
タル化BSAフラグメントが架橋剤を介して結合した光
学異性体分離剤を得ることができる。また、BSAフラ
グメントを結合させておいた固定相上のBSAフラグメ
ントに化学修飾を行うには次のようにすればよい。例え
ば、親水性合成ポリマー(ポリビニルアルコール共重合
体)にペンタエチルヘキサミン等のポリアミンを導入し
た担体と、N,N−ジサクシニミジルカーボネートをpH
6.8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解、懸濁させ、一
晩撹拌し、分取水洗して活性化合成ポリマーの懸濁液を
得る。
【0013】別に、BSAフラグメントをpH6.8の炭酸
水素ナトリウム緩衝液に溶解した溶液を用意し、前記活
性化合成ポリマー懸濁液に加え、BSAフラグメントが
結合したポリマー分離剤を得る。この分離剤およびグル
タルアルデヒドをpH6.8のりん酸緩衝液に入れ、30℃
で15時間撹拌後、生成したグルタル化BSAフラグメ
ント(非還元型)、あるいはさらに水素化ほう素ナトリ
ウムを用いてpH6.8のりん酸塩緩衝液中で、4℃で12
時間撹拌し、還元後、生成したグルタル化BSAフラグ
メント(還元型)がアミド結合および架橋剤を介して合
成ポリマーに結合した光学異性体分離剤を得ることがで
きる。このようにBSAフラグメントを化学修飾するこ
とにより、光学異性体分離カラムとしてカラムライフ
(サンプル注入回数)を大幅に伸ばすことができる。
【0014】本発明は、光学異性体の分離にあたりBS
Aフラグメント又はその分子構造の一部を修飾したBS
Aフラグメントを使用することを特徴とするものであっ
て、担体の種類、BSAフラグメント又はその分子構造
の一部を修飾したBSAフラグメントと担体との結合方
法、あるいはBSAフラグメントの修飾の方法等によっ
て特別に限定されるものではない。従って本発明の分離
剤には当該固定相が必須の構成成分として含まれるが、
同時に分離剤中に他の成分、例えばシリカゲル、ガラ
ス、セルロース、カーボンやポリマーが任意に選択され
て加えられることは自由であり、分離向上のためにこれ
ら従来の分離剤を本発明の分離剤と適宜併用することが
できる。
【0015】本願明細書において「光学異性体」とは、
分子内に不斉炭素原子を有するキラル化合物を言い、多
くの医薬品にその例を見ることができる。例えば、クロ
ルフェニラミン、クロルプレナリン、ピンドロール、ヴ
ェラパミル、プロプラノロール、ジメチンデン、エチア
ジド、オキサゼパム、フルルビプロフェン等を挙げるこ
とができる。これらの化合物においては互いに鏡像関係
にある複数の光学異性体が存在し、一体となってラセミ
体を形成している。本発明の分離剤はこれらラセミ体を
対象として、それらを構成する光学異性体を分離するの
に特に有効である。本発明の分離剤は主として液体クロ
マトグラフィーにおいて使用される。従ってその使用方
法は液体クロマトグラフィーにおける通常の操作によっ
て行えばよく、例えば本発明の分離剤をカラムに充填
し、光学異性体に係るラセミ体をチャージし、次にりん
酸緩衝液、エタノール水溶液、イソプロパノール等の移
動相を流通せしめ、保持時間の差によって、所用の光学
異性体を分離すればよい。
【0016】
【実施例】以下に記載する実施例によって本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 比較例 アミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラス
フィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシ
リカゲルの懸濁液を調製した。別にBSA2gを0.1M
炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶解した
溶液を用意し、それを前記懸濁液に加え、BSA結合シ
リカゲルからなるBSA固定化分離剤を得た。スチール
カラムに充填し、光学異性体分離用カラムとした。 実施例1 アミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラス
フィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシ
リカゲルの懸濁液を調製した。別にBSAフラグメント
2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)30
mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加え、
BSAフラグメント結合シリカゲルからなる本発明のB
SAフラグメント固定化分離剤を得た。スチールカラム
に充填し、光学異性体分離用カラムとした。
【0017】実施例2 グルタルアルデヒド0.1gおよびBSAフラグメント2
gを0.06Mりん酸緩衝液(pH6.8)に入れ、30℃で
15時間撹拌し、グルタル化BSAフラグメントを合成
した。セファデックスG25カラムクロマトグラフィー
により未反応のグルタルアルデヒドを除きグルタル化B
SAフラグメント(非還元型)を単離した。あるいは、
さらに水素化ほう素ナトリウムを用いてpH6.8のりん酸
緩衝液中で、4℃で12時間撹拌し還元後、生成したグ
ルタル化BSAフラグメント(還元型)を精製して得る
ことができる。次に、親水性ポリマーゲル(ポリビニル
アルコール共重合体)にポリアミン(例えば、ペンタエ
チルヘキサミン)を導入したカラム分離剤(例えば、ア
サヒパックNH2P)2gおよびN,N−ジサクシニミ
ジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝
液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラスフィ
ルター上にとり、水洗して活性化合成ポリマーゲルの懸
濁液を調製した。別に非還元型あるいは還元型グルタル
化BSAフラグメント2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)30mlに溶解した溶液を用意し、それ
を前記懸濁液に加え、30℃で15時間攪拌後、ガラス
フィルター上にとり、水洗しグルタル化BSAフラグメ
ント結合親水性ポリマーゲルからなる本発明の分離剤を
得た。得られた分離剤をスチールカラムに充填し、光学
異性体分離用カラムとした。
【0018】実施例3 アミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラス
フィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシ
リカゲルの懸濁液を調製した。別にBSAフラグメント
2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)30
mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加え、
BSAフラグメント結合シリカゲル分離剤を得た。この
分離剤2gおよびグルタルアルデヒド0.1gを0.06M
りん酸塩緩衝液(pH6.8)30mlに入れ30℃で15時
間撹拌し本発明分離剤(非還元型)を得た。さらに0.2
gの水素化ほう素ナトリウムを加え4℃で12時間撹
拌、還元し、グルタル化BSAフラグメント(還元型)
結合シリカゲルからなる本発明の分離剤を得た。得られ
た分離剤をスチールカラムに充填し、光学異性体分離用
カラムとした。 実施例4 アミノプロピルシリカゲル3gおよびグルタルアルデヒ
ド0.1gを0.06Mりん酸塩緩衝液(pH6.8)100ml
に入れ、30℃で15時間撹拌後、ガラスフィルター上
にとり水洗した。このグルタル化シリカゲルにBSAフ
ラグメント2gを0.1M炭酸水素ナトリウム(pH6.8)
30mlに溶解し反応させるとともに、BSAフラグメン
トのグルタル化も行わせしめ、グルタル化BSAフラグ
メント結合シリカゲルからなる本発明の分離剤を得た。
得られた分離剤をスチールカラムに充填し、光学異性体
分離用カラムとした。
【0019】実施例5A 実施例1と同様にアミノプロピルシリカゲルを用いてB
SAフラグメント結合シリカゲル分離剤を得た。この分
離剤を五酸化りんデシケーター中にて乾燥した後、0.0
6Mりん酸塩緩衝液(pH8.0)に懸濁し、2,3−エポ
キシプロパノール0.5mlを加えて室温にて24時間撹拌
して、ジオール化BSAフラグメント結合シリカゲルか
らなる本発明の分離剤を得た。得られた分離剤をスチー
ルカラムに充填し、光学異性体分離用カラムとした。 実施例5B BSAフラグメント2gを0.06Mりん酸塩緩衝液に懸
濁し、2,3−エポキシプロパノール0.5mlを加えて室
温にて24時間撹拌してジオール化BSAフラグメント
を得た。次に、アミノプロピルシリカゲル3gおよび
N,N−ジサクシニミジルカーボネート2gを0.1M炭
酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一
夜撹拌し、ガラスフィルター上にとり、水洗して活性化
アミノプロピルシリカゲルの懸濁液を調製した。別にジ
オール化BSAフラグメント2gを0.1M炭酸水素ナト
リウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶解した溶液を用意
し、それを前記懸濁液に加え、30℃で15時間攪拌
後、ガラスフィルター上にとり、水洗し、ジオール化B
SAフラグメント結合シリカゲルからなる本発明の分離
剤を得た。得られた分離剤をスチールカラムに充填し、
光学異性体分離用カラムとした。
【0020】実施例6A 実施例1と同様にアミノプロピルシリカゲルを用いてB
SAフラグメント結合シリカゲル分離剤を得た。この分
離剤1.8gおよび1mlのジオキサンに0.225mlの無水
酢酸を溶解した溶液を、0.1Mほう酸塩緩衝液(pH8.
5)50mlに加え、25℃で30分撹拌後、ガラスフィ
ルター上にとり、水洗して、本発明のアセチル化BSA
フラグメント結合シリカゲルからなる分離剤を得た。得
られた分離剤をスチールカラムに充填し、光学異性体分
離用カラムとした。 実施例6B BSAフラグメント2gを、1mlのジオキサンに0.22
5mlの無水酢酸を溶解した溶液とともに0.1Mのほう酸
塩緩衝液(pH8.5)に加え、25℃で30分間攪拌後、
アセチル化BSAフラグメントを得た。次に、アミノプ
ロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシニミジル
カーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液
(pH6.8)100mlに入れ、一夜撹拌し、ガラスフィル
ター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシリカゲ
ルの懸濁液を調製した。別にアセチル化BSAフラグメ
ント2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)
30mlに溶解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加
え、アセチル化BSAフラグメント結合シリカゲルから
なる本発明の分離剤を得た。得られた分離剤をスチール
カラムに充填し、光学異性体分離用カラムとした。
【0021】以下に実験例によって本発明の効果を示
す。 実験例1 比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離用カラム
を用いてオキサゼパムのエナンチオマーにおける分離を
試みた。なお、移動相は50mMりん酸緩衝液(KH2PO4
/K2HPO4)(pH7.5 )/1-プロパノール=96 /4(V/
V)を使用し、流速を0.2ml/分とした。結果を図1に
示す。図1より、BSA固定化分離剤(A)に比べ、本
発明のBSAフラグメント固定化分離剤(B)は、優れ
た光学認識能を示す事が判明した。 実験例2 実験例1と同様にしてベンゾインのエナンチオマーにお
ける分離に際しての、試料負荷量試験を行った。なお、
移動相は50mMりん酸緩衝液(KH2PO4/K2HPO4)(pH7.
5 )/1-プロパノール=96 /4(V/V)を使用し、
流速を0.2ml/分とした。結果を図2に示す。図2よ
り、BSA固定化分離剤(A)に比べ、本発明のBSA
フラグメント固定化分離剤(B)は、高い試料負荷量を
示す事が判明した。 実験例3 比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離用カラム
を用いて、連続送液試験を行い、BSA固定化分離剤及
び本発明のBSAフラグメント固定化分離剤の安定性の
比較を行った。結果を次表に示す。
【0022】
【表1】 表1 溶質 BSA 固定化分離剤 BSA フラグメント固定化分離剤 連続送液 連続200 時間 連続送液 連続200 時間 前 送液後 前 送液後 ローラゼパム k1′ 5.89 5.98 13.5 13.5 α 1.61 1.35 2.34 2.28 オキサゼパム k1′ 3.79 3.92 6.60 6.79 α 1.72 1.32 2.53 2.37 クローラゼペート k1′ 3.25 2.65 3.33 2.85 α 1.94 1.60 1.33 1.39 ベンゾイン k1′ 1.80 1.75 3.57 3.52 α 1.35 1.19 2.56 2.51 カラム条件: カラムは内径2.0mm 、長さ100mm 、移動相
は50mMりん酸緩衝液(pH7.5 )/1-プロパノール=
96 /4(V/V)、カラム温度25℃、流速0.2ml/
分、検出254nm 。 k1 ′: 先に溶出したエナンチオマーのk ′ α : 以下の式に従って求めた。 容量比(k′) =(t i − t o)/ t o 分離係数(α) = k2 ′/k1 ′ (ただし、t i 及び t oは、カラムに保持された溶質i
及びカラムに全く保持されなかった溶質oの保持時間で
ある。) 表より、BSA固定化分離剤に比べて、本発明のBSA
フラグメント固定化分離剤は、送液後の分離係数(α)
の低下が見られず、より安定な分離剤である事が判明し
た。
【0023】実験例4 比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離用カラム
を用いて、ベンゾインを試料として、試料負荷量の影響
につき試験を行い、BSA固定化分離剤及び本発明のB
SAフラグメント固定化分離剤のそれぞれの要因に及ぼ
す影響を検討した。結果を次表に示す。
【0024】
【表2】 表2 試料注入量 充填剤 k1′ k2′ η1 η2 α Rs (nmol) 0.5 BSA1 1.90 2.83 1.06 1.22 1.49 1.96 BSA-FG2 2.90 6.31 1.15 1.02 2.18 5.61 0.1 BSA 1.89 2.80 1.57 1.43 1.48 1.83 BSA-FG 2.88 6.22 1.25 1.03 2.16 5.39 2.5 BSA 1.87 2.70 1.60 1.53 1.44 1.67 BSA-FG 2.83 5.98 1.42 1.14 2.11 4.16 5.0 BSA 1.83 2.57 1.71 1.95 1.41 1.36 BSA-FG 2.74 5.61 1.55 1.32 2.05 3.13 10 BSA 1.79 2.39 2.13 2.00 1.34 1.05 BSA-FG 2.68 5.25 1.64 1.66 1.96 2.35 20 BSA 1.73 2.25 2.17 - 1.30 0.78 BSA-FG 2.58 4.97 1.66 1.84 1.93 1.94 カラム条件: カラムは内径2.1mm 、長さ100mm 、移動相
は50mMりん酸緩衝液(pH7.5 )/1-プロパノール=
96 /4(V/V)、カラム温度25℃、流速0.2ml/
分、検出254nm 。 但し、BSA1=BSA固定化分離剤、 BSA-FG2=BSAフラグメン
ト固定化分離剤、k ′= 容量比、η = ピーク対称性、
α = 分離係数、Rs = 分離度。 表より、BSA固定化分離剤に比べて、本発明のBSA
フラグメント固定化分離剤は、高い試料負荷量を持つ事
が判明した。
【0025】実験例5 比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離用カラム
を用いて、2−アリールプロピオン酸誘導体の光学分離
能につき試験を行い、BSA固定化分離剤及び本発明の
BSAフラグメント固定化分離剤につき分離能の比較検
討を行った。結果を次表に示す。
【0026】
【表3】 表3 化合物 BSA 固定化分離剤 BSA フラグメント固定化分離剤 k1′ α k1′ α ケトプロフェン 8.91 1.09 4.27 1.33 イブプロフェン - - 8.52 2.09 フェノプロフェン 21.2 1.83 10.3 1.31 プラノプロフェン 13.4 1.57 1.47 1.00 フラルビプロフェン - - 12.7 1.59 カラム条件: カラムは内径2.1mm 、長さ100mm 、移動相
は50mMりん酸緩衝液(pH6.9 )/1-プロパノール=
85/15(V/V)、カラム温度25℃、流速0.2ml/
分、検出254 又は220nm 。 表より、BSA固定化分離剤に比べて、本発明のBSA
フラグメント固定化分離剤は、高い光学分離能を持つ事
が判明した。
【0027】実験例6 比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離用カラム
を用いて、ベンゾジアゼピン系薬物、ベンゾイン及びワ
ルファリンの光学分離能につき試験を行い、BSA固定
化分離剤及び本発明のBSAフラグメント固定化分離剤
につき分離能の比較検討を行った。結果を次表に示す。
【0028】
【表4】 表4 化合物 BSA 固定化分離剤 BSA フラグメント固定化分離剤 k1′ α k1′ α テマゼパム 2.43 1.83 4.63 1.05 ロールメタゼパム 4.98 1.41 9.96 1.13 ローラゼパム 5.30 2.01 13.5 2.34 オキサゼパム 3.13 3.94 6.60 2.53 クローラゼパム 3.25 1.94 3.33 1.33 ベンゾイン 1.89 1.46 3.56 2.56 ワルファリン 14.9 1.59 4.44 1.21 カラム条件: カラムは内径2.1mm 、長さ100mm 、移動相
は50mMりん酸緩衝液(pH7.5 )/1-プロパノール=
96/4(V/V)、カラム温度25℃、流速0.2ml/
分、検出254nm 。 表より、BSA固定化分離剤に比べて、本発明のBSA
フラグメント固定化分離剤は、高い光学分離能を持つ事
が判明した。
【0029】
【発明の効果】本発明の光学異性体用分離剤は、安価で
かつ有機溶媒による変性に対して安定であり、通液性に
優れ、かつ優れた光学認識能と、高い試料負荷量を持
ち、光学異性体を効率良く分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離
用カラムを用いてオキサゼパムのエナンチオマーにおけ
る分離を試みた結果を示すクロマトグラムである。
【図2】比較例及び実施例1で調製した光学異性体分離
用カラムを用いてベンゾインのエナンチオマーにおける
分離に際しての、試料負荷量試験の結果を示すクロマト
グラムである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BSAフラグメント又は分子構造の一部
    を修飾したBSAフラグメントを担体に結合した固定相
    からなることを特徴とする光学異性体用分離剤。
  2. 【請求項2】 分子構造の一部を修飾したBSAフラグ
    メントが、グルタル化BSAフラグメント(非還元
    型)、グルタル化BSAフラグメント(還元型)、ジオ
    ール化BSAフラグメント、またはアシル化BSAフラ
    グメントである請求項1記載の光学異性体用分離剤。
  3. 【請求項3】 担体がシリカゲル、ガラス、セルロー
    ス、カーボンまたは合成ポリマーである請求項1または
    2記載の光学異性体用分離剤。
JP20717694A 1994-08-31 1994-08-31 光学異性体用分離剤 Pending JPH0867640A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015064330A (ja) * 2013-08-29 2015-04-09 株式会社ダイセル 光学異性体用分離剤

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