JPH06336424A - 経皮吸収型製剤 - Google Patents

経皮吸収型製剤

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JPH06336424A
JPH06336424A JP14867193A JP14867193A JPH06336424A JP H06336424 A JPH06336424 A JP H06336424A JP 14867193 A JP14867193 A JP 14867193A JP 14867193 A JP14867193 A JP 14867193A JP H06336424 A JPH06336424 A JP H06336424A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】薬理活性物質を含有する粘着剤層上に、エタノ
ール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を有する経皮
吸収型製剤。 【効果】薬理活性物質の経皮吸収を効果的に促進し、か
つ該薬理活性物質の吸収速度を長時間一定に保つことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な経皮吸収型製剤、
さらに詳しくは、薬理活性物質の経皮吸収を効果的に促
進し、かつ該薬理活性物質の吸収速度を長時間一定に保
つことのできる経皮吸収型製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体内に薬物を投与する一般的な方法とし
て、経口投与や注射などが知られているが、これらの投
与方法においては、血中薬物濃度が治療域にある時間が
短い上、血中濃度が毒性域まで達するという好ましくな
い事態を招来することが多い。このため、薬物の徐放制
御方法が種々検討されており、その1つとして経皮投与
法が試みられている。しかしながら、この経皮投与法に
おいては、腸・肝臓での薬理活性物質の代謝回避、副作
用の軽減、薬効持続性の向上など多くの利点があるもの
の、皮膚は本来、外からの異物の侵入を阻止する作用を
有し、その角質層がバリアーとして機能することから、
薬理活性物質の吸収が悪く、血中濃度が有効治療域に達
するような薬理活性物質はごく限られており、使用しう
る薬理活性物質が制限されるのを免れないという欠点が
ある。したがって、薬理活性物質の経皮吸収性を改善す
るために、これまで種々の方法が試みられている。例え
ば薬理活性物質の修飾によるプロドラッグ化やコンプレ
ックスの形成、イオン性薬理活性物質においてはイオン
トホレシスなどの方法が試みられているが、これらの方
法はいずれも個々の薬理活性物質について十分な検討が
必要であって、多くの時間と多大の投資を必要とすると
いった問題を有している。一方、皮膚のバリアー性を低
下させて、薬理活性物質の経皮吸収性を向上させる吸収
促進剤の開発も盛んに行われており、このような吸収促
進剤を用いることによって、薬理活性物質の種類はあま
り限定されず、多くのものを使用しうることが期待され
ている。経皮吸収型製剤として、現在上市されているも
のを大別すると、マトリックス型と薬物貯蔵層型の2種
に分けることができる。しかしながら該マトリックス型
においては、親和性のみでマトリックスからの薬理活性
物質及び促進剤の放出を同時に制御することは難しく、
また薬物貯蔵層型においては、通常透過制御膜が用いら
れ、薬理活性物質の透過が制御されるが、1つの膜で多
成分の透過を制御することは困難である。これまで、経
皮吸収促進剤についての報告は多くなされているが、促
進効果があったとされる条件の多くは、溶液やゲル、ク
リームとしての評価であり、薬理活性物質の経皮吸収を
制御可能とするシステムとしての製剤の情報はほとんど
ないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情のもとで、薬理活性物質の経皮吸収を効果的に促進
し、かつ該薬理活性物質の吸収速度を長時間一定に保つ
ことのできる経皮吸収型製剤を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先にエタ
ノールとd−リモネンとの併用系が薬理活性物質の経皮
吸収促進効果に優れていることを見い出し、報告した
[「ドラッグ・デザイン・デリバリー(Drug De
sign Delivery)」第4巻、第313ペー
ジ(1989年)、同第6巻、第239ページ(199
0年)]。本発明者らは、前記の好ましい性質を有する
経皮吸収型製剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、薬
理活性物質及び好ましくは経皮吸収促進剤としてd−リ
モネンを含有する粘着剤層上に、エタノール透過制御膜
を介してエタノール貯蔵層を設け、エタノールの放出を
制御することにより、該薬理活性物質の経皮吸収量及び
吸収速度を制御することができ、前記目的を達成しうる
ことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、薬理活性物質を含有す
る粘着剤層上に、エタノール透過制御膜を介してエタノ
ール貯蔵層を有することを特徴とする経皮吸収型製剤を
提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
らは、モデル薬物としてインドメタシンを、促進剤とし
てd−リモネンを用い、下記に示す配合にて、該インド
メタシンの良好な経皮吸収性を確認している。 この系における薬理活性物質の経皮吸収促進のメカニズ
ムについては、まず、d−リモネンが皮膚に作用し、そ
の構造をルーズ化してエタノールの吸収を促進させ、そ
してエタノールに溶解した薬理活性物質の透過量はエタ
ノールの透過量に比例すると考えられる。実際にエタノ
ールの透過量は、d−リモネンの透過量に依存し、薬物
の透過量はエタノールの透過量に依存する。
【0006】従来の薬物貯蔵層型製剤は、通常図1に示
す構造、すなわち剥離フイルム1上に、粘着剤層2、多
孔質膜3、ゲル軟膏層4及びバッキングフイルム5が順
次設けられた構造を有している。この薬物貯蔵層型製剤
における多孔質膜3は、多成分の物質を非選択的に透過
制御するためのものである。ゲル軟膏層4に、前記配合
の経皮吸収剤組成物を用い、薬理活性物質のラット皮膚
透過性を調べたところ、図2に示すように、適用後8時
間後程度から透過速度の低下が認められた。そこで、エ
タノールの放出性について確認したところ、図3に示す
ように、透過後8時間で製剤中のエタノールの約80%
が放出されていることが分かった。つまり、インドメタ
シンの皮膚透過速度の低下は、エタノールの放出速度の
低下に起因していると考えることができる。さらに、図
3に示すように、適用後初期のエタノールの急激な吸収
は、皮膚への刺激性にも影響し、実際に人体の腕に貼付
すると、適用後1〜2時間で皮膚に発赤が認められた。
本発明の経皮吸収型製剤は、このような欠点を改善した
ものであって、その構造の1例を図4に示す。すなわ
ち、剥離フイルム1上に、薬理活性物質を含有する粘着
剤層6、エタノール透過制御膜7、エタノール貯蔵層8
及びバッキングフイルム5が順次設けられた構造となっ
ている。該粘着剤層には薬理活性物質と共に、経皮吸収
促進剤を含有させてもよい。このような経皮吸収型製剤
において、薬理活性物質としてインドメタシン、経皮吸
収促進剤としてd−リモネンを用いた場合のラット皮膚
透過実験におけるインドメタシンの累積透過量の1例を
示すと図5のようになる。すなわち、エタノールの透過
量を制御することにより、薬理活性物質の吸収を制御す
ることが可能となって吸収速度を長時間一定に保つこと
ができる。さらに皮膚に対する刺激も認められない。ま
た、図6に、エタノール透過制御膜としてエチルメタク
リレート−ヒドロキシエチルメタクリレート(重量比9
5:5)共重合体を用いた場合のエタノール放出率及び
従来の多孔質膜のエタノール放出率の1例を示す。エタ
ノール透過制御膜はエタノール放出制御性を示している
ことが分かる。
【0007】本発明の経皮吸収型製剤において用いられ
る薬理活性物質については特に制限はなく、従来、経皮
吸収法に使用しうる薬理活性物質として知られているも
の、例えばプレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコ
ルチゾーン、フルオシノロアセトニド、吉草酸ベタメタ
ゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾンなどのステロイド系
抗炎症剤、インドメタシン、ジクロフェナック、イブフ
ェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルフェ
ナム酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、サリチル酸
メチル、サリチル酸ナトリウムなどの非ステロイド系抗
炎症剤、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、プ
ロメタジン、トリペレナミンなどの抗ヒスタミン剤、ク
ロルプロマジン、ニトラゼパム、ジアゼパム、フェノバ
ルビタール、レセルピンなどの中枢神経作用剤、インシ
ュリン、テストステロン、メチルテストステロン、プロ
ゲステロン、エストラジオールなどのホルモン剤、クロ
ニジン、レセルピン、硫酸グアネチジンなどの抗高圧症
剤、ジキトシン、ジコキシンなどの強心剤、塩酸プロプ
ラノール、塩酸プロカインアミド、アジマリン、ピンド
ロールなどの抗不整脈用剤、ニトログリセリン、イソゾ
ルビドジナイトレート、エリスリトールテトラナイトレ
ート、塩酸パパベリン、ニフェジピンなどの冠血管拡張
剤、リドカイン、ベンゾカイン、塩酸プロカインなどの
局所麻酔剤、バルビタール、チオペンタール、フェノバ
ルビタール、シクロバルビタールなどの催眠剤・鎮静
剤、モルヒネ、アスピリン、コデイン、アセトアニリ
ド、アミノピリンなどの鎮痛剤、ペニシリン、テトラサ
イクリン、エリスロマイシン、ストレプトマイシン、ゲ
ンタマイシンなどの抗生物質、塩化ベンザルコニウム、
アセトフェニルアミン、ニトロフラゾン、ベンタマイシ
ン、ナフチオメートなどの抗真菌剤、5−フルオロウラ
シル、ブスルファン、アクチノマイシン、ブレオマイシ
ン、マイトマイシンなどの抗悪性腫瘍剤、ヒドロクロロ
チアジド、ペンフルチド、レセルピンなどの抗圧利尿
剤、スコポラミン、アトロピンなどの副交感神経遮断
剤、ニトラゼパム、メプロバメートなどの抗パーキンソ
ン病剤、スルファミン、スルファモノメトキシン、スル
ファメチゾールなどのサルファ剤、さらにはビタミン
類、プロスタグランジン類、抗けいれん剤などが挙げら
れるが、もちろんこれらに限定されるものではない。こ
れらの薬理活性物質は、粘着剤層中に、通常1〜50重
量%程度含有される。経皮吸収促進剤としては、従来公
知の種々のものを用いることができるが、特にd−リモ
ネンが好適である。該経皮吸収促進剤は、粘着剤層中に
1〜50重量%の割合で含有させることが好ましい。該
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着
剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられ
る。
【0008】前記アクリル系粘着剤としては、主成分と
して、例えばアクリル酸エステル単独重合体、アクリル
酸エステル単位2種以上を含む共重合体及びアクリル酸
エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ば
れた少なくとも1種を含有するものが用いられる。該ア
クリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸
ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)ア
クリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メ
タ)アクリル酸デシルエステルなどが挙げられる。ま
た、官能性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシプロピルエステルなどのヒドロキシル基含有単量
体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリ
ルアミドなどのアミド基含有単量体などが挙げられる。
このアクリル系粘着剤は、一般に溶剤型とエマルジョン
型に大別され、溶剤型は、通常前記アクリル系ポリマ
ー、溶剤、架橋剤及び所望に応じて用いられる粘着付与
剤などから構成されており、架橋システムとしてはメチ
ロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架
橋などが利用されている。一方、エマルジョン型は、通
常前記アクリル系ポリマー、乳化剤、水性溶媒、所望に
応じて用いられる粘着付与剤などから構成されている。
【0009】前記ゴム系粘着剤としては、主成分とし
て、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブ
チレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体などの中から選ばれた少なくと
も1種を含有するものが用いられる。このゴム系粘着剤
には、所望に応じ、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、
充填剤などを配合することができる。また、形態として
は、通常溶剤型や前記ゴムのラテックスを用いたエマル
ジョン型のものが、好ましく用いられる。さらに、シリ
コーン系粘着剤としては、例えば主成分としてポリジメ
チルシロキサンやポリジフェニルシロキサンを含有し、
さらに所望に応じて粘着付与剤、可塑剤、充填剤などを
含有する溶剤型のものが好ましく用いられる。これらの
粘着剤に、所望に応じて配合される粘着付与剤として
は、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂などの天
然樹脂、C5系、C9系、DCPD系石油樹脂、クマロン
インデン樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂などが挙げ
られる。該エタノール透過制御膜としては、アルキル基
の炭素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと共
重合可能な官能性モノマーとの共重合体で、架橋された
ものが好ましく用いられる。該メタクリル酸アルキルエ
ステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピルなどが挙げられ、ま
た共重合可能な官能性ビニルモノマーとしては、例えば
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸アミドな
どが用いられる。架橋システムとしてはメチロール基縮
合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架橋などが利
用される。さらに、エタノール貯蔵層としては、通常水
−エタノール溶液が用いられる。本発明の経皮吸収型製
剤は、エタノール透過速度が5〜100mg/cm2・24h
rの範囲にあるものが好適である。
【0010】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。 製造例1 エタノール制御膜の製造 エチルメタクリレート(EMA)及びヒドロキシエチル
メタクリレート(HEMA)を重量比95:5の割合で
酢酸エチルに溶解(40重量%)させ、0.1モル%の
2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを添加し、窒素ガ
スをパージしながら60℃にて10時間重合させポリマ
ー溶液を調製した。次いで、このポリマー溶液100重
量部に対して、トリイソシアナート[コロネートL、日
本ポリウレタン(株)製]1.5重量部を添加して、剥離
処理したポリエステルフイルム上に乾燥後の厚みが40
μmとなるように、塗布、乾燥して制御膜Aを製造し
た。次に、前記と同様にして、EMAとHEMAとを重
量比90:10の割合で重合し、厚さ40μmの制御膜
Bを製造した。 製造例2 粘着剤溶液の製造 製造例1と同様にして、粘着剤用としてブチルアクリレ
ート−2−エチルヘキシルアクリレート−ヒドロキシエ
チルアクリレート[BA−2EHA−HEA(重量比5
0:35:15)]共重合体の酢酸エチル溶液を調製し
た(40重量%溶液)。 実施例1 次のようにして、図7に示す経皮吸収型製剤を作成し
た。粘着剤溶液にモデル薬物としてインドメタシンを、
ポリマーとインドメタシンとの重量比が7:3になるよ
うに溶解させ、この溶液を厚さ38μmの剥離フイルム
11上に、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、
乾燥させて粘着剤層12を設けた。次に、スプレーコー
ティングにより、d−リモネンを前記粘着剤層中に30
重量%含有させ、これに厚さ40μmの制御膜A(EM
A−HEMA=重量比95:5)13をラミネートし
た。次に、制御膜A上にシアノアクリレート系接着剤を
用いてシリコーンリング(外径25mm、内径15mm、厚
さ2mm)14を接着させることにより得られた空間部に
50重量%水−エタノール溶液0.4ミリリットルを入
れ、エタノール貯蔵層15を設け、前記接着剤を用い
て、厚さ25μmのアルミ蒸着ポリエステルフイルム1
6を接着させ、経皮吸収型製剤を作成した。次に、フラ
ンツ型透過セルを用いて、pH7.2のリン酸緩衝液への
エタノール放出性を調べた。結果を図8に示す。 実施例2 実施例1において、制御膜Aの代わりに制御膜Bを用い
た以外は、実施例1と同様にして実施し、エタノールの
放出性を調べた。結果を図8に示す。 実施例3 ウィスター系ラット(160〜190g)の腹部を動物
用バリカンを用いて除毛後、皮膚を切除し、これをフラ
ンツ型透過セルに装着したのち、実施例1で作成した経
皮吸収型製剤を貼付し、ラット皮膚を透過した薬物量を
経時的に高速液体クロマトグラフィーを用いて定量し
た。結果を図9に示す。 実施例4 実施例3において、制御膜をBとした以外は、同様に実
施し、薬物の透過性を調べた。結果を図9に示す。 実施例5 実施例3において、粘着剤層中のd−リモネンの含有量
を15重量%とした以外は、同様に実施し、薬物の透過
性を調べた。結果を図9に示す。 実施例6 実施例3において、粘着剤層中のd−リモネンの含有量
を0とした以外は、同様に実施して薬物の透過性を調べ
た。結果を図9に示す。 比較例1 実施例1において、制御膜Aを厚さ25μmの多孔質ポ
リプロピレンフイルム(ポアーサイズ0.4〜0.04μ
m)に変えた以外は、同様にしてエタノール放出性を調
べた。結果を図8に示す。 比較例2 実施例3において、制御膜Aを厚さ25μmの多孔質ポ
リプロピレンフイルム(ポアーサイズ0.4〜0.04μ
m)に変えた以外は、同様にして薬物の透過性を調べ
た。結果を図9に示す。 比較例3 実施例3において、制御膜Aをフィルターペーパーに変
えた以外は、同様にして実施し、薬物の透過性を調べ
た。結果を図9に示す。図9から分かるように、実施例
3〜6では適用後36時間以上にわたって最大透過速度
(Flux)を維持しているが、比較例2、3では適用
後8時間まではその速度を維持しているが、24時間で
Fluxの低下が認められる。以上のように、図7の製
剤において、エタノールの透過性を制御することで、薬
物の吸収量の制御、除放化が可能となる。
【0011】
【発明の効果】本発明の経皮吸収型製剤は、薬理活性物
質の経皮吸収を効果的に促進し、かつ該薬理活性物質の
吸収速度を長時間一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の薬物貯蔵層型製剤の1例の構造
を示す断面図である。
【図2】図2は、従来の薬物貯蔵層型製剤によるインド
メタシンの累積透過量と時間との関係の1例を示すグラ
フである。
【図3】図3は、従来の薬物貯蔵層型製剤によるエタノ
ール放出率と時間との関係の1例を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の経皮吸収型製剤の1例の構造
を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の経皮吸収型製剤によるインド
メタシンの累積透過量と時間との関係の1例を示すグラ
フである。
【図6】図6は、本発明に係わるエタノール透過制御膜
及び従来の多孔質膜を用いた場合のエタノール放出率と
時間との関係の1例を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例で用いた経皮吸収型製剤の構造
を示す断面図である。
【図8】図8は、実施例1、実施例2及び比較例1にお
けるエタノール放出率と時間との関係を示すグラフであ
る。
【図9】図9は、実施例3〜6、比較例2及び比較例3
におけるインドメタシン累積透過量と時間との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 剥離フイルム 2 粘着剤層 3 多孔質膜 4 ゲル軟膏層 5 バッキングフイルム 6 薬理活性物質含有粘着剤層 7 エタノール透過制御膜 8 エタノール貯蔵層 11 剥離フイルム 12 薬物含有粘着剤層 13 エタノール透過制御膜 14 シリコーンリング 15 エタノール貯蔵層 16 アルミニウム蒸着ポリエステルフイルム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬理活性物質を含有する粘着剤層上に、エ
    タノール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を有する
    ことを特徴とする経皮吸収型製剤。
  2. 【請求項2】エタノールの透過速度が5〜100mg/cm
    2・24hrである請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  3. 【請求項3】粘着剤層が経皮吸収促進剤1〜50重量%
    を含有するものである請求項1又は2記載の経皮吸収型
    製剤。
  4. 【請求項4】経皮吸収促進剤がd−リモネンである請求
    項3記載の経皮吸収型製剤。
  5. 【請求項5】エタノール透過制御膜が、アルキル基の炭
    素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと共重合
    可能な官能性モノマーとの共重合体であって、架橋され
    たものから成る請求項1ないし4のいずれかに記載の経
    皮吸収型製剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037871A1 (en) * 1997-02-28 1998-09-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transdermal device for the delivery of testosterone

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WO1998037871A1 (en) * 1997-02-28 1998-09-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transdermal device for the delivery of testosterone

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