JP3548195B2 - 経皮吸収型製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な経皮吸収型製剤、さらに詳しくは、薬理活性物質の経皮吸収を効果的に促進し、かつ該薬理活性物質の吸収速度を長時間一定に保つことのできる経皮吸収型製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体内に薬物を投与する一般的な方法として、経口投与や注射などが知られているが、これらの投与方法においては、血中薬物濃度が治療域にある時間が短い上、血中濃度が毒性域まで達するという好ましくない事態を招来することが多い。このため、薬物の徐放制御方法が種々検討されており、その1つとして経皮投与法が試みられている。しかしながら、この経皮投与法においては、腸・肝臓での薬理活性物質の代謝回避、副作用の軽減、薬効持続性の向上など多くの利点があるものの、皮膚は本来、外からの異物の侵入を阻止する作用を有し、その角質層がバリアーとして機能することから、薬理活性物質の吸収が悪く、血中濃度が有効治療域に達するような薬理活性物質はごく限られており、使用しうる薬理活性物質が制限されるのを免れないという欠点がある。
したがって、薬理活性物質の経皮吸収性を改善するために、これまで種々の方法が試みられている。例えば薬理活性物質の修飾によるプロドラッグ化やコンプレックスの形成、イオン性薬理活性物質においてはイオントホレシスなどの方法が試みられているが、これらの方法はいずれも個々の薬理活性物質について十分な検討が必要であって、多くの時間と多大の投資を必要とするといった問題を有している。一方、皮膚のバリアー性を低下させて、薬理活性物質の経皮吸収性を向上させる吸収促進剤の開発も盛んに行われており、このような吸収促進剤を用いることによって、薬理活性物質の種類はあまり限定されず、多くのものを使用しうることが期待されている。
経皮吸収型製剤として、現在上市されているものを大別すると、マトリックス型と薬物貯蔵層型の2種に分けることができる。しかしながら該マトリックス型においては、親和性のみでマトリックスからの薬理活性物質及び促進剤の放出を同時に制御することは難しく、また薬物貯蔵層型においては、通常透過制御膜が用いられ、薬理活性物質の透過が制御されるが、1つの膜で多成分の透過を制御することは困難である。
これまで、経皮吸収促進剤についての報告は多くなされているが、促進効果があったとされる条件の多くは、溶液やゲル、クリームとしての評価であり、薬理活性物質の経皮吸収を制御可能とするシステムとしての製剤の情報はほとんどないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情のもとで、薬理活性物質の経皮吸収を効果的に促進し、かつ該薬理活性物質の吸収速度を長時間一定に保つことのできる経皮吸収型製剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先にエタノールとd−リモネンとの併用系が薬理活性物質の経皮吸収促進効果に優れていることを見い出し、報告した[「ドラッグ・デザイン・デリバリー(Drug Design Delivery)」第4巻、第313ページ(1989年)、同第6巻、第239ページ(1990年)]。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する経皮吸収型製剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、薬理活性物質及び好ましくは経皮吸収促進剤としてd−リモネンを含有する粘着剤層上に、エタノール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を設け、エタノールの放出を制御することにより、該薬理活性物質の経皮吸収量及び吸収速度を制御することができ、前記目的を達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)薬理活性物質及びd−リモネンを含有する粘着剤層上に、アルキル基の炭素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルとの共重合体であって、架橋されたものから成るエタノール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を有することを特徴とする経皮吸収型製剤、
(2)エタノール透過制御膜のエタノールの透過速度が5〜100mg/cm2・24hrである第1項記載の経皮吸収型製剤
(3)粘着剤層がd−リモネン経皮吸収促進剤1〜50重量%を含有するものである第1項又は第2項記載の経皮吸収型製剤、及び
(4)薬理活性物質を含有する粘着剤層上に、エタノール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を有する経皮吸収型製剤において、該エタノール透過制御膜が、アルキル基の炭素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルとの共重合体であって、架橋されたものから成ることを特徴とする経皮吸収型製剤、
を提供するものである。

【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、モデル薬物としてインドメタシンを、促進剤としてd−リモネンを用い、下記に示す配合にて、該インドメタシンの良好な経皮吸収性を確認している。
Figure 0003548195
この系における薬理活性物質の経皮吸収促進のメカニズムについては、まず、d−リモネンが皮膚に作用し、その構造をルーズ化してエタノールの吸収を促進させ、そしてエタノールに溶解した薬理活性物質の透過量はエタノールの透過量に比例すると考えられる。実際にエタノールの透過量は、d−リモネンの透過量に依存し、薬物の透過量はエタノールの透過量に依存する。
【0006】
従来の薬物貯蔵層型製剤は、通常図1に示す構造、すなわち剥離フイルム1上に、粘着剤層2、多孔質膜3、ゲル軟膏層4及びバッキングフイルム5が順次設けられた構造を有している。この薬物貯蔵層型製剤における多孔質膜3は、多成分の物質を非選択的に透過制御するためのものである。
ゲル軟膏層4に、前記配合の経皮吸収剤組成物を用い、薬理活性物質のラット皮膚透過性を調べたところ、図2に示すように、適用後8時間後程度から透過速度の低下が認められた。そこで、エタノールの放出性について確認したところ、図3に示すように、透過後8時間で製剤中のエタノールの約80%が放出されていることが分かった。つまり、インドメタシンの皮膚透過速度の低下は、エタノールの放出速度の低下に起因していると考えることができる。さらに、図3に示すように、適用後初期のエタノールの急激な吸収は、皮膚への刺激性にも影響し、実際に人体の腕に貼付すると、適用後1〜2時間で皮膚に発赤が認められた。本発明の経皮吸収型製剤は、このような欠点を改善したものであって、その構造の1例を図4に示す。すなわち、剥離フイルム1上に、薬理活性物質を含有する粘着剤層6、エタノール透過制御膜7、エタノール貯蔵層8及びバッキングフイルム5が順次設けられた構造となっている。
該粘着剤層には薬理活性物質と共に、経皮吸収促進剤を含有させてもよい。
このような経皮吸収型製剤において、薬理活性物質としてインドメタシン、経皮吸収促進剤としてd−リモネンを用いた場合のラット皮膚透過実験におけるインドメタシンの累積透過量の1例を示すと図5のようになる。すなわち、エタノールの透過量を制御することにより、薬理活性物質の吸収を制御することが可能となって吸収速度を長時間一定に保つことができる。さらに皮膚に対する刺激も認められない。
また、図6に、エタノール透過制御膜としてエチルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタクリレート(重量比95:5)共重合体を用いた場合のエタノール放出率及び従来の多孔質膜のエタノール放出率の1例を示す。エタノール透過制御膜はエタノール放出制御性を示していることが分かる。
【0007】
本発明の経皮吸収型製剤において用いられる薬理活性物質については特に制限はなく、従来、経皮吸収法に使用しうる薬理活性物質として知られているもの、例えばプレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾーン、フルオシノロアセトニド、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾンなどのステロイド系抗炎症剤、インドメタシン、ジクロフェナック、イブフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルフェナム酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、サリチル酸メチル、サリチル酸ナトリウムなどの非ステロイド系抗炎症剤、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、プロメタジン、トリペレナミンなどの抗ヒスタミン剤、クロルプロマジン、ニトラゼパム、ジアゼパム、フェノバルビタール、レセルピンなどの中枢神経作用剤、インシュリン、テストステロン、メチルテストステロン、プロゲステロン、エストラジオールなどのホルモン剤、クロニジン、レセルピン、硫酸グアネチジンなどの抗高圧症剤、ジキトシン、ジコキシンなどの強心剤、塩酸プロプラノール、塩酸プロカインアミド、アジマリン、ピンドロールなどの抗不整脈用剤、ニトログリセリン、イソゾルビドジナイトレート、エリスリトールテトラナイトレート、塩酸パパベリン、ニフェジピンなどの冠血管拡張剤、リドカイン、ベンゾカイン、塩酸プロカインなどの局所麻酔剤、バルビタール、チオペンタール、フェノバルビタール、シクロバルビタールなどの催眠剤・鎮静剤、モルヒネ、アスピリン、コデイン、アセトアニリド、アミノピリンなどの鎮痛剤、ペニシリン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシンなどの抗生物質、塩化ベンザルコニウム、アセトフェニルアミン、ニトロフラゾン、ベンタマイシン、ナフチオメートなどの抗真菌剤、5−フルオロウラシル、ブスルファン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシンなどの抗悪性腫瘍剤、ヒドロクロロチアジド、ペンフルチド、レセルピンなどの抗圧利尿剤、スコポラミン、アトロピンなどの副交感神経遮断剤、ニトラゼパム、メプロバメートなどの抗パーキンソン病剤、スルファミン、スルファモノメトキシン、スルファメチゾールなどのサルファ剤、さらにはビタミン類、プロスタグランジン類、抗けいれん剤などが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
これらの薬理活性物質は、粘着剤層中に、通常1〜50重量%程度含有される。
経皮吸収促進剤としては、従来公知の種々のものを用いることができるが、特にd−リモネンが好適である。該経皮吸収促進剤は、粘着剤層中に1〜50重量%の割合で含有させることが好ましい。
該粘着剤層に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。
【0008】
前記アクリル系粘着剤としては、主成分として、例えばアクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル単位2種以上を含む共重合体及びアクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが用いられる。該アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステルなどが挙げられる。また、官能性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなどのヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体などが挙げられる。
このアクリル系粘着剤は、一般に溶剤型とエマルジョン型に大別され、溶剤型は、通常前記アクリル系ポリマー、溶剤、架橋剤及び所望に応じて用いられる粘着付与剤などから構成されており、架橋システムとしてはメチロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架橋などが利用されている。一方、エマルジョン型は、通常前記アクリル系ポリマー、乳化剤、水性溶媒、所望に応じて用いられる粘着付与剤などから構成されている。
【0009】
前記ゴム系粘着剤としては、主成分として、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などの中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが用いられる。このゴム系粘着剤には、所望に応じ、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、充填剤などを配合することができる。また、形態としては、通常溶剤型や前記ゴムのラテックスを用いたエマルジョン型のものが、好ましく用いられる。
さらに、シリコーン系粘着剤としては、例えば主成分としてポリジメチルシロキサンやポリジフェニルシロキサンを含有し、さらに所望に応じて粘着付与剤、可塑剤、充填剤などを含有する溶剤型のものが好ましく用いられる。
これらの粘着剤に、所望に応じて配合される粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂などの天然樹脂、C5系、C9系、DCPD系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。
該エタノール透過制御膜としては、アルキル基の炭素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能性モノマーとの共重合体で、架橋されたものが好ましく用いられる。該メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルなどが挙げられ、また共重合可能な官能性ビニルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどが用いられる。架橋システムとしてはメチロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架橋などが利用される。さらに、エタノール貯蔵層としては、通常水−エタノール溶液が用いられる。
本発明の経皮吸収型製剤は、エタノール透過速度が5〜100mg/cm2・24hrの範囲にあるものが好適である。

【0010】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 エタノール制御膜の製造
エチルメタクリレート(EMA)及びヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を重量比95:5の割合で酢酸エチルに溶解(40重量%)させ、0.1モル%の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを添加し、窒素ガスをパージしながら60℃にて10時間重合させポリマー溶液を調製した。次いで、このポリマー溶液100重量部に対して、トリイソシアナート[コロネートL、日本ポリウレタン(株)製]1.5重量部を添加して、剥離処理したポリエステルフイルム上に乾燥後の厚みが40μmとなるように、塗布、乾燥して制御膜Aを製造した。
次に、前記と同様にして、EMAとHEMAとを重量比90:10の割合で重合し、厚さ40μmの制御膜Bを製造した。
製造例2 粘着剤溶液の製造
製造例1と同様にして、粘着剤用としてブチルアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート−ヒドロキシエチルアクリレート[BA−2EHA−HEA(重量比50:35:15)]共重合体の酢酸エチル溶液を調製した(40重量%溶液)。
実施例1
次のようにして、図7に示す経皮吸収型製剤を作成した。
粘着剤溶液にモデル薬物としてインドメタシンを、ポリマーとインドメタシンとの重量比が7:3になるように溶解させ、この溶液を厚さ38μmの剥離フイルム11上に、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥させて粘着剤層12を設けた。次に、スプレーコーティングにより、d−リモネンを前記粘着剤層中に30重量%含有させ、これに厚さ40μmの制御膜A(EMA−HEMA=重量比95:5)13をラミネートした。
次に、制御膜A上にシアノアクリレート系接着剤を用いてシリコーンリング(外径25mm、内径15mm、厚さ2mm)14を接着させることにより得られた空間部に50重量%水−エタノール溶液0.4ミリリットルを入れ、エタノール貯蔵層15を設け、前記接着剤を用いて、厚さ25μmのアルミ蒸着ポリエステルフイルム16を接着させ、経皮吸収型製剤を作成した。
次に、フランツ型透過セルを用いて、pH7.2のリン酸緩衝液へのエタノール放出性を調べた。結果を図8に示す。
実施例2
実施例1において、制御膜Aの代わりに制御膜Bを用いた以外は、実施例1と同様にして実施し、エタノールの放出性を調べた。結果を図8に示す。
実施例3
ウィスター系ラット(160〜190g)の腹部を動物用バリカンを用いて除毛後、皮膚を切除し、これをフランツ型透過セルに装着したのち、実施例1で作成した経皮吸収型製剤を貼付し、ラット皮膚を透過した薬物量を経時的に高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した。結果を図9に示す。
実施例4
実施例3において、制御膜をBとした以外は、同様に実施し、薬物の透過性を調べた。結果を図9に示す。
実施例5
実施例3において、粘着剤層中のd−リモネンの含有量を15重量%とした以外は、同様に実施し、薬物の透過性を調べた。結果を図9に示す。
実施例6
実施例3において、粘着剤層中のd−リモネンの含有量を0とした以外は、同様に実施して薬物の透過性を調べた。結果を図9に示す。
比較例1
実施例1において、制御膜Aを厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンフイルム(ポアーサイズ0.4〜0.04μm)に変えた以外は、同様にしてエタノール放出性を調べた。結果を図8に示す。
比較例2
実施例3において、制御膜Aを厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンフイルム(ポアーサイズ0.4〜0.04μm)に変えた以外は、同様にして薬物の透過性を調べた。結果を図9に示す。
比較例3
実施例3において、制御膜Aをフィルターペーパーに変えた以外は、同様にして実施し、薬物の透過性を調べた。結果を図9に示す。
図9から分かるように、実施例3〜6では適用後36時間以上にわたって最大透過速度(Flux)を維持しているが、比較例2、3では適用後8時間まではその速度を維持しているが、24時間でFluxの低下が認められる。
以上のように、図7の製剤において、エタノールの透過性を制御することで、薬物の吸収量の制御、除放化が可能となる。
【0011】
【発明の効果】
本発明の経皮吸収型製剤は、薬理活性物質の経皮吸収を効果的に促進し、かつ該薬理活性物質の吸収速度を長時間一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の薬物貯蔵層型製剤の1例の構造を示す断面図である。
【図2】図2は、従来の薬物貯蔵層型製剤によるインドメタシンの累積透過量と時間との関係の1例を示すグラフである。
【図3】図3は、従来の薬物貯蔵層型製剤によるエタノール放出率と時間との関係の1例を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の経皮吸収型製剤の1例の構造を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の経皮吸収型製剤によるインドメタシンの累積透過量と時間との関係の1例を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明に係わるエタノール透過制御膜及び従来の多孔質膜を用いた場合のエタノール放出率と時間との関係の1例を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例で用いた経皮吸収型製剤の構造を示す断面図である。
【図8】図8は、実施例1、実施例2及び比較例1におけるエタノール放出率と時間との関係を示すグラフである。
【図9】図9は、実施例3〜6、比較例2及び比較例3におけるインドメタシン累積透過量と時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 剥離フイルム
2 粘着剤層
3 多孔質膜
4 ゲル軟膏層
5 バッキングフイルム
6 薬理活性物質含有粘着剤層
7 エタノール透過制御膜
8 エタノール貯蔵層
11 剥離フイルム
12 薬物含有粘着剤層
13 エタノール透過制御膜
14 シリコーンリング
15 エタノール貯蔵層
16 アルミニウム蒸着ポリエステルフイルム

Claims (4)

  1. 薬理活性物質及びd−リモネンを含有する粘着剤層上に、アルキル基の炭素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルとの共重合体であって、架橋されたものから成るエタノール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を有することを特徴とする経皮吸収型製剤。
  2. エタノール透過制御膜のエタノールの透過速度が5〜100mg/cm2・24hrである請求項1記載の経皮吸収型製剤
  3. 粘着剤層がd−リモネン経皮吸収促進剤1〜50重量%を含有するものである請求項1又は2記載の経皮吸収型製剤。
  4. 薬理活性物質を含有する粘着剤層上に、エタノール透過制御膜を介してエタノール貯蔵層を有する経皮吸収型製剤において、該エタノール透過制御膜が、アルキル基の炭素数が3以下のメタクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルとの共重合体であって、架橋されたものから成ることを特徴とする経皮吸収型製剤。
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