JPH063362U - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ゴルフクラブ用シャフトに関し、
空気抵抗が小さく、腕のあるスウィングスピードの早い
ゴルファーに適した剛性を有するゴルフクラブ用シャフ
トを提供することを目的とする。 【構成】 先端部の外径が１０mm以下の管状のシャフト
本体からなる繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用シャフト
に於て、上記シャフト本体の外形を、その先端部から後
端部にかけて１０００分の０から１０００分の４の範囲
のテーパで略ストレート状に成形すると共に、シャフト
本体の肉厚を、先端部から後端部にかけて順次大きくし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ゴルフクラブ用シャフトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、実公昭５３−３０３５９号公報等に開示されるように、ゴルフクラブ用 シャフトを繊維強化樹脂で成形したゴルフクラブが開発されている。

【０００３】 而して、従来、この種のゴルフクラブ用シャフトは先端部の外径が約７〜１０ mm（ウッドが約７〜９mm，アイアンが約８〜１０mm）に成形され、そして、グリ ップを装着する後端側の剛性を高めるため、図６に示すようにシャフト本体１の 先端部３から後端部５にかけて徐々に径が太くなるようにテーパ状に成形されて いる。即ち、従来のゴルフクラブ用シャフトの多くは、一般に、その先端部３か ら後端部５にかけて肉厚ｔを順次小さくした構造であるため、シャフト本体１の 外形を後端部５にかけて径を徐々に太くし後端部５側の剛性を高めた形状となっ ている。

【０００４】 然し、従来のゴルフクラブ用シャフトの多くは、先端部から後端部にかけての テーパが１０００分の６以上のものであるため、スウィングの際にシャフト本体 の空気抵抗が大きくなって、スウィングスピードが遅くなる欠点を有していた。

【０００５】 そこで、昨今、実公昭６０−３１７４３号公報に開示されるように、シャフト 本体の先端部から後端部にかけてのテーパが１０００分の０から１０００分の４ の範囲で、略ストレート形状としたゴルフクラブ用シャフトが提案されている。

【０００６】 而して、このゴルフクラブ用シャフトによれば、シャフト本体先端部の外径を 従来と同一寸法とすることによって全体が略ストレート形状となるため、フレッ クスが柔らかくなり、而も、シャフト本体が細いため、スウィングの際に空気抵 抗が小さくなってスウィングスピードが速くなり、初心者や女性のように比較的 力の弱いプレーヤーであっても、ヘッドスピードの向上によってボールの飛距離 を伸ばすことができることとなる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

然し、実際に空気抵抗の小さなゴルフクラブを望むのは、初心者や女性のよう なプレーヤーよりは寧ろスウィングスピードの早い比較的腕のあるゴルファーで あり、而も、空気抵抗の大小によるゴルフクラブの優劣は、スウィングスピード の遅いゴルファーよりはスウィングスピードの早いゴルファーに大きな影響を与 えるものである。

【０００８】 従って、腕のあるゴルファーが上記ゴルフクラブ用シャフトを装着したゴルフ クラブを使用した場合には、シャフトのフレックスが柔らかく剛性に欠けること となる。

【０００９】 そして、従来、この種のゴルフクラブに於て、空気抵抗が小さく、而も、腕の あるスウィングスピードの早いゴルファーに適した剛性を有するゴルフクラブが 未だ存在していないのが実情であった。

【００１０】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、空気抵抗が小さく、腕のあるス ウィングスピードの早いゴルファーに適した剛性を有するゴルフクラブ用シャフ トを提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、本考案は、先端部の外径が１０mm以下の管状のシ ャフト本体からなる繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用シャフトに於て、上記シャ フト本体の外形を、その先端部から後端部にかけて１０００分の０から１０００ 分の４の範囲のテーパで略ストレート状に成形すると共に、シャフト本体の肉厚 を、先端部から後端部にかけて順次大きくしたものである。

【００１２】

【作用】

本考案に係るゴルフクラブ用シャフトを用いたゴルフクラブによれば、スウィ ングの際にシャフトの空気抵抗が従来に比し小さくなって、スウィングスピード の向上に寄与することとなる。

【００１３】 而も、本考案のゴルフクラブ用シャフトは、単に従来のゴルフクラブ用シャフ トに比し径を細くしただけではなく、その肉厚を先端部から後端部にかけて順次 大きくしてその剛性を高めたものであるから、腕のあるゴルファーがスウィング しても、シャフト本体の肉厚によってその剛性が確保されることとなる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。 図１は本考案の第一実施例に係るゴルフクラブ用シャフトを用いたゴルフクラ ブを示し、図に於て、７はカーボン繊維，ガラス繊維等の高強度繊維を用いた繊 維強化樹脂からなる筒状のシャフト本体で、当該シャフト本体７は、ヘッド９が 装着された先端側からグリップ１１が装着された後端側にかけて略ストレート状 に成形されている。

【００１５】 即ち、図２は上記シャフト本体７の縦断面図を示し、当該シャフト本体７は先 端部１３の外径ｒが約８mmで、当該先端部１３から後端部１５に亘りその外形１ ７が約１０００分の３のテーパで若干大径となる略ストレート状に成形されてお り、従来のゴルフクラブ用シャフトに比し径が細く空気抵抗の小さな形状となっ ている。

【００１６】 又、後端部１５側の剛性を確保するため、シャフト本体７の内周１９は約１０ ００分の２のテーパがつけられて、シャフト本体７の肉厚ｓがその先端部１３か ら後端部１５にかけて順次大きくなるように成形されている。

【００１７】 而して、以上のように構成された本実施例のゴルフクラブ用シャフトは、図３ に示す方法によって製造される。 先ず、外周を約１０００分の２のテーパ面としたマンドレル２１の全長に亘り 繊維強化樹脂シートを複数回巻回して、先端部２３の外径ｒ′が約８mm、そして 、外形２５のテーパが約１０００分の２程度でその先端部２３から後端部２７ま での肉厚ｓ′が略等しい主管７ａを形成する。

【００１８】 次に、図３に示すように主管７ａの先端部２３側を除いて、その外周に順次長 さを短くした繊維強化樹脂製の補助シート２９，３１，３３を、夫々、主管７ａ の後端部２７に揃え乍ら順に複数回巻回した後、これらの外周を緊締テープ（図 示せず）で緊縛して熱硬化処理を行い、そして、マンドレル２１を引き抜き緊締 テープを剥離すれば、本実施例に係るシャフト本体７が製造されることとなる。

【００１９】 尚、上記補助シート２９，３１，３３は、後端部２７側になるに従い弾性率の 大きいものを使用しており、斯様に弾性率を変えることによってシャフト本体７ の剛性の調整を図っている。

【００２０】 このように、本実施例に係るシャフト本体７は従来のゴルフクラブ用シャフト に比し径が細く略ストレート状に成形されているから、斯かるシャフト本体７を 用いたゴルフクラブのスウィングの際に、ゴルフクラブ用シャフトの空気抵抗値 が従来のシャフトに比し小さくなり、スウィングスピードの向上に寄与すること となる。

【００２１】 而も、本実施例に係るゴルフクラブ用シャフトは、単に従来のゴルフクラブ用 シャフトに比し径を細く成形しただけではなく、シャフト本体７の肉厚ｓをその 先端部１３から後端部１５にかけて順次大きくしてその剛性を高めたから、腕の あるゴルファーがスウィングしても、シャフト本体７の肉厚ｓによってその剛性 が確実に確保されることとなる。

【００２２】 従って、本実施例に係るゴルフクラブ用シャフトによれば、スウィングの際の シャフト本体の空気抵抗を小さくしてヘッドスピードを速くすると共にその充分 な剛性を確保したので、腕のあるゴルファーに適した空気抵抗が小さく充分な剛 性を持つゴルフクラブを提供することが可能となった。

【００２３】 図４は本考案の第二実施例に係るゴルフクラブ用シャフトの縦断面図を示し、 図中、３５は上記シャフト本体７と同様、高強度繊維を用いた繊維強化樹脂で成 形された筒状のシャフト本体で、本実施例に於ける当該シャフト本体３５は、先 端部３７の外径ｕが約９mm、そして、当該先端部３７から後端部３９にかけてそ の外形４１が約１０００分の０のテーパで成形されたストレート形状となってい る。

【００２４】 又、図示するようにシャフト本体３５内の中空部４３は、先端部３７から後端 部３９にかけて徐々に間隔が狭くなるようにその内周４５にテーパがつけられて 、シャフト本体３５の肉厚ｗが先端部３７から後端部３９にかけて順次大きく成 形されている。

【００２５】 而して、以上のように構成された第二実施例のゴルフクラブ用シャフトは、図 ５に示す方法によって製造される。 先ず、外周をテーパ面としたマンドレル４７の外周に、繊維強化樹脂シートを マンドレル４７の全長に亘り複数回巻回して、先端部４９の外径ｕ′が約９mm、 そして、外形５１及び内周５３が共に先端部４９から後端部５５にかけてマンド レル４７と同一のテーパで成形された主管３５ａを形成する。従って、当該主管 ３５ａの肉厚ｗ′は、先端部４９から後端部５５に亘って同一である。

【００２６】 この後、図５に示すように主管３５ａの先端部４９側を除いて、その外周に順 次長さを短くした繊維強化樹脂製の補助シート５７，５９，６１を、夫々、主管 ３５ａの後端部５５に揃え乍ら順に複数回巻回して、主管３５ａの後端側５５に かけての肉厚を順次大きく成形し、その外周をストレートテーパとする。そして 、同様にこれらの外周を緊締テープ（図示せず）で緊縛して熱硬化処理を行った 後、マンドレル４７を引き抜き緊締テープを剥離すれば、全長に亘って９mmの径 を有するストレート形状のシャフト本体３５が製造されることとなる。

【００２７】 尚、本実施例に於ても、上記補助シート５７，５９，６１は、マンドレル４７ の後端部５５側になるに従い弾性率の大きいものを使用しており、斯様に弾性率 を変えることによってシャフト本体３５の剛性を調整している。

【００２８】 以上述べたように、本実施例に係るシャフト本体３５は、従来に比し後端部３ ９側の径を細くしたストレート形状としたから、斯かるシャフト本体３５を用い たゴルフクラブによれば、スウィングの際にゴルフクラブ用シャフトの空気抵抗 が従来のシャフトに比し小さくなって、スウィングスピードの向上に寄与するこ ととなる。

【００２９】 而も、本実施例に係るゴルフクラブ用シャフトも、単に従来のゴルフクラブ用 シャフトに比し径を細くしただけではなく、シャフト本体３５の肉厚ｗをその先 端部３７から後端部３９にかけて順次大きくしてその剛性を高めたものであるか ら、腕のあるゴルファーがスウィングしても、シャフト本体３５の肉厚ｗによっ てその剛性が確保されることとなる。

【００３０】 従って、本実施例に係るゴルフクラブ用シャフトによっても、スウィングの際 のシャフト本体の空気抵抗を小さくしてヘッドスピードを速くすると共にその充 分な剛性を確保したので、腕のあるゴルファーに適した空気抵抗が小さく充分な 剛性を持つゴルフクラブを提供することが可能となった。

【００３１】 尚、上記各実施例を始めとして、本考案に係るゴルフクラブ用シャフトの先端 部側から後端部側にかけてのテーパとは、例えばシャフト本体のヘッド取付部や グリップ取付部等を部分的に補強して厚肉にすることには影響されない。

【００３２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案に係るゴルフクラブ用シャフトによれば、腕のある ゴルファーに適した空気抵抗が小さく充分な剛性を持つゴルフクラブを提供する ことが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係るゴルフクラブ用シャ
フトを用いたゴルフクラブの正面図である。

【図２】図１に示すゴルフクラブ用シャフトの縦断面図
である。

【図３】図２に示すゴルフクラブ用シャフトの製造方法
を示す工程図である。

【図４】本考案の第二実施例に係るゴルフクラブ用シャ
フトの縦断面図である。

【図５】図４に示すゴルフクラブ用シャフトの製造方法
を示す工程図である。

【図６】従来のゴルフクラブ用シャフトの縦断面図であ
る。

【符号の説明】

７，３５ シャフト本体 ７ａ，３５ａ 主管 ９ ヘッド １１ グリップ １３，３７ 先端部 １５，３９ 後端部 ２１，４７ マンドレル ２９，３１，３３，５７，５９，６１ 補助シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部の外径が１０mm以下の管状のシャ
   フト本体からなる繊維強化樹脂製のゴルフクラブ用シャ
   フトに於て、上記シャフト本体の外形を、その先端部か
   ら後端部にかけて１０００分の０から１０００分の４の
   範囲のテーパで略ストレート状に成形すると共に、シャ
   フト本体の肉厚を、先端部から後端部にかけて順次大き
   くしてなることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。