JP3860622B2 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴルフクラブに関し、特にパターと呼ばれるクラブに適用して好適なゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のヘッド本体に設けたホーゼルにシャフトを装着したゴルフクラブのうち、パターと呼ばれるゴルフクラブは、ヘッド本体を形成する材料に軟鉄、ステンレススチール、チタニウムやその合金、アルミニウムやその合金等が使用され、シャフトには管状のスチール、カーボン繊維等で強化された樹脂等の材料が使用され、ヘッド本体とシャフトとの接続は、ヘッド本体から立上ったネック上端に設けたホーゼルにシャフトを直接挿入して接着剤等で固着することで行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来のゴルフクラブでボールを打ったとき、ヘッド本体のフェース面のスイートエリアを外した場合にシャフトをグリップした手に不快な振動が伝わり、ゴルファーに不快感を与えていた。
【0004】
このような振動の伝播を防止するため、ヘッド本体を異種材料を組み合わせた所謂コンポジットヘッドとしたり、フェース面の裏側に振動吸収用の樹脂材料等を設けたり、シャフトとホーゼルとの間にゴム等の振動吸収材料を介在させたりしていた。
【0005】
このような振動伝播の防止を図ったものは、特定の振動伝播を防止できても、未だ十分なものではなかった。特にパターでは微妙な打感が重視されているので、今までの防止対策では依然としてグリップした手に不快な振動が伝わってしまった。
【0006】
そこで、この発明は、芯を外してボールを打ったときでも、グリップした手に不快な振動が伝わるのを防止したゴルフクラブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、この発明は、ヘッド本体から立上ったネック上端に設けたホーゼルにシャフトを装着したパターのゴルフクラブにおいて、ホーゼルのシャフト挿入孔にヘッド本体を形成する材料よりも比重の大きい金属材料からなる管部材を挿入して固着し、この管部材にシャフト先端を挿入して固着し、前記管部材の厚みを0.4〜3mmに形成するとともに、その高さを前記ホーゼルのシャフト挿入孔とほぼ同じ高さに形成したことを特徴とするゴルフクラブである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。
図1に示す実施例では、ヘッド本体1に設けたホーゼル2にシャフト3を装着するようになっており、ホーゼル2はネック4を介してヘッド本体1に設けられる。この実施例ではパターを示し、フェース面11と、このフェース面11の両端側のトウ12及びヒール13と、フェース面11の中央部背後に形成された窪み14とでヘッド本体1を構成してある。また、ネック4とヘッド本体1ならびにホーゼル2は同一材料で一体形成されている。ホーゼル2のシャフト挿入孔5にヘッド本体1を形成する材料よりも比重の大きい金属材料から成る管部材6を挿入して固着し、この管部材6にシャフト3の先端を挿入して固着する。この実施例において窪み14が形成された個所のフェース面11の背後に従来同様の振動吸収用の部材を貼り付けてもよい。ヘッド本体1や管部材6に使用して好適な材料としては、アルミニウム(比重2.7)やその合金、チタニウム(比重4.5)やその合金、亜鉛(比重7.1)、鉄(比重7.6)、ステンレススチール(比重7.8)、銅(比重8.9)やその合金、鉛(比重11.3)、銀(比重11.5)、金(比重19.3)等である。
【0009】
図2はホーゼル2と管部材6との拡大斜視図であり、管部材6の厚みtは0.4〜3mm程度が好ましい。また、管部材6の高さHP は挿入孔の深さhH とほぼ同高とする。なお、図示する実施例の管部材6は、円筒形の継ぎ目のないものを用いたが、継ぎ目のない所謂シームレス管の他に円周が途切れた不連続な管あるいは管を縦方向に2分割したものであってもよい。
【0010】
図3は管部材6及びシャフト3をホーゼル2の挿入孔5に挿入して固着した状態の断面図を示す。
【0011】
図示する実施例ではパターを示したのでネック4が存在するが、一般的なアイアンクラブではネック4が存在せずにホーゼル2がヘッド本体1に直接一体的に形成されている。このようなアイアンクラブにおいてもホーゼル2のシャフト挿入孔5へ管部材6を挿入して固着し、この管部材6にシャフト3の先端を挿入して固着することもできる。
【0012】
パターにこの発明を適用したとき、ヘッド本体1よりも比重の大きな金属材料から成るホーゼル2のシャフト挿入孔5へ挿入して固着するので、管部材6を装着しないものに比べて重心位置が高くなる。通常、パターのフェース面11の厚さ(ソールからトップブレードまでの高さ)は、23〜28mm程度であり、ボールのセンター高さは21.35mmであるため、パターを若干グリーンの表面上から浮かせてボールを打ったとしても、パターの重心がボールのセンター高さよりも低くなり、打球のスピンがかかりやすくなり、打球の伸びがないものとなる。管部材6を装着することにより重心高さを高くすることで、パターの重心高さとボールのセンター高さとは一致し、あるいはパターの重心高さの方が若干高くなり、グリーン上の打球に伸びが出る。
【0013】
フェース面11の打球面には樹脂材料を使用したものであってもよく、打球面以外が金属材料で形成されたヘッド本体1では、打球面以外の金属材料よりも比重の大きい材料で管部材6を形成する。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ヘッド本体から立上ったネック上端に設けたホーゼルにシャフトを装着したパターのゴルフクラブにおいて、ホーゼルのシャフト挿入孔にヘッド本体を形成する材料よりも比重の大きい金属材料からなる管部材を挿入して固着し、この管部材にシャフト先端を挿入して固着し、前記管部材の厚みを0.4〜3mmに形成するとともに、その高さを前記ホーゼルのシャフト挿入孔とほぼ同じ高さに形成したので、芯を外してボールを打った場合でも、不快な振動がシャフトに伝わり、グリップした手に不快感を感じることも防止できる。また、管部材6は金属材料であるため、シャフトならびにホーゼルとの固着がゴム材料などに比べてしっかりしたものになる。特に、フェース面の厚さが23〜28 mm であるパター場合には、打感のよさに加えて重心高さを高くすることができて、伸びのあるボールを打つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示す斜視図。
【図2】ホーゼルと管部材の拡大斜視図。
【図3】シャフト装着時の断面図。
【符号の説明】
1 ヘッド本体
2 ホーゼル
3 シャフト
4 ネック
5 シャフト挿入孔
6 管部材

Claims (2)

  1. ヘッド本体から立上ったネック上端に設けたホーゼルにシャフトを装着したパターのゴルフクラブにおいて、
    ホーゼルのシャフト挿入孔にヘッド本体を形成する材料よりも比重の大きい金属材料からなる管部材を挿入して固着し、
    この管部材にシャフト先端を挿入して固着し、
    前記管部材の厚みを0.4〜3mmに形成するとともに、その高さを前記ホーゼルのシャフト挿入孔とほぼ同じ高さに形成したことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記ゴルフクラブが、ヘッド本体から立上ったネック上端にホーゼルを設け、これらが同一材料で一体形成され、フェース面の厚さが23〜28 mm であるパターであることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
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