JPH06336215A - バンドクランプ結束機の位置決め治具およびその治具を備えるワイヤーハーネス組立用図板 - Google Patents

バンドクランプ結束機の位置決め治具およびその治具を備えるワイヤーハーネス組立用図板

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JPH06336215A
JPH06336215A JP5121644A JP12164493A JPH06336215A JP H06336215 A JPH06336215 A JP H06336215A JP 5121644 A JP5121644 A JP 5121644A JP 12164493 A JP12164493 A JP 12164493A JP H06336215 A JPH06336215 A JP H06336215A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バンドクランプ結束機を用いてバンドクランプ
を結束する際に、バンドクランプ結束機を正しく位置決
めする位置決め治具およびその治具を備えたワイヤーハ
ーネス組立用図板を提供すること。 【構成】位置決め治具20は、ワイヤーハーネス組立用
図板10に取り付けられている。取付位置は、電線の布
線位置を表わす布線図11に関連した位置である。位置
決め治具20は、それぞれ、操作ピン21を有する。バ
ンドクランプ結束機が位置決め治具20に係合される
と、操作ピン21がバンドクランプ結束機の動作開始ス
イッチを押す。よってバンドクランプ結束機は自動的に
結束動作を行う。 【効果】バンドクランプ結束機を正しく位置決めし、バ
ンドクランプを電線Wの所定の位置に取り付けることが
できる。また、バンドクランプ結束機の操作も簡易にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バンドクランプ結束
機の位置決め治具およびその位置決め治具を備えるワイ
ヤーハーネス組立用図板に関する。より詳しくは、ワイ
ヤーハーネス組立工程の1つにバンドクランプの結束作
業があるが、該バンドクランプの結束作業をバンドクラ
ンプ結束機を用いて簡易に行うための治具およびその治
具が備えられた組立用図板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車用ワイヤーハーネスは、
多数の電線、端子、コネクタ等がシステマチックに配置
され、結束されたものである。そして、結束電線の所定
箇所にはバンドクランプ(「ベルトクランプ」と呼ばれ
ることもある。)が取り付けられている。バンドクラン
プは、ワイヤーハーネスを自動車に固定する際に使用す
るもので、結束電線の予め定められた位置に取り付けな
ければならない。もしバンドクランプの取付位置が予め
定められた位置からずれていると、ワイヤーハーネスを
自動車に固定する際に、車体に形成されたクランプ挿入
孔の位置と、バンドクランプとが合わず、ワイヤーハー
ネスを固定できなくなる。
【0003】このため、バンドクランプを結束電線に取
り付ける結束作業は、従来は手作業で行われていた。ま
た、手作業でバンドクランプを取り付ける場合には、組
立用図板上にバンドクランプの取付位置を指示する指示
治具等を設け、バンドクランプが所定の取付位置に取り
付けられるよう配慮されていた。
【0004】しかしバンドクランプの結束作業を手作業
で行っていては、ワイヤーハーネスの組立を能率良く行
えない。そこで、結束作業を自動的に行うバンドクラン
プ自動結束機が提案されている(実開平3−3508号
公報参照)。ところが、自動結束機を用いると、たとえ
取付位置を指示する指示治具があっても、手作業の場合
のように正確に指示された取付位置にバンドクランプを
取り付けることが困難であるという問題があった。なぜ
ならば、自動結束機は嵩高で、重量もかなりあり、両手
で操作しなければならず、操作時にバンドクランプの締
付位置を指示された位置に合わせにくいからである。
【0005】そこでこのような不具合を解消する目的
で、実開平3−3516号公報には、自動結束機による
バンドクランプの結束作業時に、バンドクランプを案内
するための案内治具が提案されている。この公開公報に
提案されている案内治具1は、図7に示すように、組立
用図板2上に配置されていて、他の布線治具3と同様
に、電線Wを保持するようになっている。この案内治具
1には、図8に示すように、バンドクランプを案内する
ためのガイド溝4が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ワイヤーハ
ーネス組立用図板上には、実際、非常に多数の布線治具
が植立されている。布線治具には、すべての組立工程で
必要なものもあれば、特定の組立工程においては必要で
あるが、他の組立工程においては不要な治具も少なくな
い。たとえば、ワイヤーハーネスが10本の回路の集合
体である場合において、8本の回路を布線した後、残り
2本の回路を布線するときにのみ必要な布線治具は、最
初の8本の回路を布線する際に布線の邪魔になることが
ある。あるいは、電線の布線時には必要であるが、布線
した電線にテープを巻くときには邪魔になる布線治具も
ある。
【0007】そこで、従来より、組立用図板において
は、常時必要でない布線治具は、傾倒可能に設けられて
いたり、組立用図板面上で浮沈可能にされていた。こう
することによって、必要な布線治具のみが植立されるよ
うにして、組立作業の効率化が図られていた。このよう
なワイヤーハーネス組立作業の実際を考慮すると、上記
図8に示す案内治具1を組立用図板2上に植立させるこ
とはあまり好ましいことではない。なぜなら、バンドク
ランプ取付の前工程で行われる電線の布線作業、テープ
巻き作業、プロテクタ取付作業時等に、この案内治具が
作業の邪魔になることがあるからである。
【0008】それゆえ、組立用図板上において、バンド
クランプ結束機の位置決めを正確に行え、しかもバンド
クランプの結束作業以外のワイヤーハーネス組立作業時
に、作業の邪魔にならない位置決め治具が望まれる。こ
の発明は、このような背景のもとになされたもので、バ
ンドクランプの結束作業時に、バンドクランプ結束機を
正しく位置決めして、電線の予め定められた位置にバン
ドクランプを取り付ける際の補助をする位置決め治具お
よびその治具を備えたワイヤーハーネス組立用図板を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ワイヤーハーネス組立用図板に取り付けられる治具であ
って、バンドクランプ結束機の一部と係合して該結束機
を位置決めするための係合部と、前記組立用図板に取り
付ける際に必要な取付部とを含むことを特徴とするバン
ドクランプ結束機の位置決め治具である。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の位
置決め治具において、さらに、前記係合部にバンドクラ
ンプ結束機の一部が係合したときに、該結束機に備えら
れた結束動作開始部材を操作するための操作手段を含む
ことを特徴とするものである。請求項3記載の発明は、
表面に電線の布線位置が表示されたワイヤーハーネス組
立用図板において、図板上の前記電線布線位置の表示に
関連した予め定める位置に、請求項1または2記載の位
置決め治具を設けたことを特徴とするワイヤーハーネス
組立用図板である。
【0011】
【作用】請求項1または3記載の発明によれば、バンド
クランプ結束機を用いてバンドクランプを結束電線に取
り付ける際に、バンドクランプ結束機の一部が係合部で
位置決めされる。よって、結束機を所定の位置に位置決
めして動作させることができるから、バンドクランプを
電線の所定位置に正しく取り付けることができる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、バンドクラ
ンプ結束機の一部が治具と係合したときに、結束動作開
始部材が自動的に操作されるので、作業者が結束動作開
始スイッチを操作することなく、自動的にバンドクラン
プの結束作業を開始させられる。よって結束作業の簡易
化および迅速化を図れる。
【0013】
【実施例】以下には、図面を参照して、この発明の実施
例について詳細に説明する。図1は、この発明の一実施
例にかかるワイヤーハーネスの組立用図板を用いてワイ
ヤーハーネスを組立てる様子を示す斜視図である。図1
を参照して説明すると、組立用図板10の表面には、電
線の布線位置を示す布線図11(図1では、実際の布線
図と異なり、省略して1本の実線のみが示されている)
が表示されている。また、組立用図板10上には、布線
図11に合わせて、所定位置に、それぞれ、予め定める
種類の組立用治具12,13,13が植立されている。
ワイヤーハーネス組立時には、図1に示すように、たと
えばコネクタ14が組立用治具12で受け取められ、電
線Wが組立用治具13,13で保持される。
【0014】組立用図板10には、また、バンドクラン
プ結束機のための位置決め治具20が配設されている。
位置決め治具20は、布線図11の表示に関連した予め
定める位置に配置されている。この位置決め治具は、そ
の高さが組立用治具12,13に比べて低い。よって、
電線Wにテープ巻きをする際等に、位置決め治具が邪魔
になることはない。各位置決め治具20には、後に詳述
するバンドクランプ結束機に動作を開始させるための操
作ピン21が備えられており、各操作ピン21にはそれ
ぞれ信号線22が接続されている。各信号線22は、組
立用図板10の裏面側を経て延びており、クランプ取付
検査器60に接続されている。クランプ取付検査器60
の構成や作用については、後述する。
【0015】図2は、上述した組立用図板10に取り付
けられるバンドクランプ結束機の位置決め治具20の構
成を示す図で、Aは平面図であり、BはAの矢印I−I
に沿う断面図である。図2を参照して説明すると、位置
決め治具20は、平面形状がほぼ矩形の底部22と、底
部22の周囲から上方へ延設された側壁部23とを備え
ている。これら底部22および側壁部23は、たとえば
ポリエステル等の樹脂で一体成形されている。そして、
底部22と側壁部23とによって、有底で上部が開口し
た受け止め空間(係合部)24が形成されている。この
受け止め空間24には、後述するように、バンドクラン
プ結束機の下部が差し込まれる。
【0016】底部22には、上下に貫通する貫通孔25
が形成され、この貫通孔25に操作ピン21の下端部が
挿入されている。これにより、操作ピン21は、受け止
め空間24内の植立されている。操作ピン21は、たと
えばステンレス、アルミニウム等の導電性のある金属材
料で形成されている。なお、図2においては、操作ピン
21は、受け止め空間24内で、側壁部23とほぼ等し
い高さにされているが、このピン21は、側壁部23よ
りもかなり低くてもよい。
【0017】底部22には、また、2つの取付孔26が
形成されている。これら取付孔26は、位置決め治具2
0を組立用図板10(図1参照)上に取り付ける際に、
取付ねじを嵌合するための孔である。側壁部23の上部
内縁は、外方へ開くテーパ面27とされ、バンドクラン
プ結束機の下部が差し込みやすくされている。位置決め
治具20の態様によっては、このテーパ面27は特に形
成しなくてもよい。
【0018】図3は、他の実施例にかかるバンドクラン
プ結束機の位置決め治具200を示す図であり、Aは平
面図、BはAの線II−IIに沿う断面図である。図3に示
す位置決め治具200の特徴は、この位置決め治具20
0をワイヤーハーネスの組立用図板に取り付ける際に必
要な取付部201が、受け止め空間24の外側、すなわ
ち側壁部23の外側に形成されていることである。他の
構成については図2に示す位置決め治具20と同様であ
り、同一または対応する部分には同一の番号を付して説
明については省略する。
【0019】側壁部23の外側に設けられた取付部20
1は、側壁部23の外方へ張り出している。そして取付
孔202が形成されている。位置決め治具200を組立
用図板に取り付ける際には、この取付孔202に取付ね
じを嵌入して、該ねじを組立用図板にねじ込む。図4
は、上述した組立用図板10に布線された電線Wに、バ
ンドクランプ結束機30によってバンドクランプを取り
付けている状態を示す斜視図である。図4に示すよう
に、バンドクランプ結束機30の上部に突出する円柱状
のハンドル31を手で持って、結束機30の下部32を
位置決め治具20に差し込むことにより、結束機30の
位置決めがされる。
【0020】バンドクランプ結束機30には、本体33
と、本体33から側方へ突出した突出部34と、突出部
34から下方へ垂れ下がるように突き出た嘴状部35と
が備えられている。そして図示のように下部32が位置
決め治具20に差し込まれたとき、本体33と突出部3
4と嘴状部35とで形成される囲み内に電線Wが位置す
るようにされている。
【0021】さらに、下部32が位置決め治具20と係
合されると、本体33からガイド部材36が突出して、
電線Wの下側に位置するようにされている。そしてこの
状態でバンドクランプ結束機30が自動的にクランプ動
作を開始して、電線Wにバンドクランプが取り付けられ
る。なお、突出部34には、バンドクランプを挿入する
ためのバンドクランプ挿入孔37が形成されていて、こ
の挿入孔37からバンドクランプが挿入され、この結束
機30にセットされる。また、下部32には、その下面
に、前述した操作ピン21(図2または図3参照)が差
し込まれ得る孔が形成されている。
【0022】図5は、バンドクランプ結束機30によっ
て電線Wにバンドクランプ40を取り付ける様子を示す
図解図である。図5を参照してバンドクランプの取付に
ついて説明をする。まず、結束機30にバンドクランプ
40をセットする。このセットは、上述したように、挿
入孔37にバンドクランプ40を挿入することにより行
う。この場合、バンドクランプ40のクランプ部41が
上になるように、バンド部42の先端から挿入孔37へ
挿入する。すると、バンド部42の先端が結束機30内
に内蔵された送りギヤ46と係合する。
【0023】この状態で、結束機30の下部32を位置
決め治具20の受け止め空間24内に差し込む(図5
(a)参照)。結束機30の下端部32が位置決め治具
20の受け止め空間24に差し込まれると、下部32の
下面に形成された孔(図示せず)から操作ピン21が進
入する。結束機30内には、その下部32内に開始シャ
ッタ47が備えられている。操作ピン21が下部32内
に進入すると、操作ピン21の上端で開始シャッタ47
が押し上げられる(図5(b)参照)。開始シャッタ4
7が上方へ移動すると、開始シャッタ47と連結棒49
で連結されたガイド部材36は、支点50を中心に左回
りに回動して、ほぼ水平状態になる。これにより、ガイ
ド部材36と結束機30の嘴状部35とでバンドクラン
プ40の案内路が形成される。
【0024】ガイド部材36が水平状態になると、自動
的に結束機30に内蔵された図示しないモータが起動さ
れて、送りギヤ46が回転される。よって送りギヤ46
と係合したバンドクランプ40のバンド部42はガイド
部材36および嘴状部35に沿って、電線Wの周囲を左
回りに回るように送られる。また、図5(b)に示すよ
うに、結束機30の下部32を位置決め治具20に差し
込んだとき、操作ピン21と開始シャッタ47とが接触
して、開始シャッタ47から操作ピン21に信号が与え
られる。たとえば、結束機30に電池等を内蔵してお
き、開始シャッタ47を金属で形成して、かつ電池によ
って開始シャッタ47に低電位(たとえば1V程度の電
位)を与えておく。そうすると、操作ピン21の先端が
開始シャッタ47に接触することにより、操作ピン21
の電位は相対的に低電位Lから高電位Hに変化する。
【0025】この操作ピン21のLからHへの電位変化
は、後述するように、クランプ取付検査器30で検出さ
れる。次に、図5(c)を参照して説明する。バンドク
ランプ40は、送りギヤ46によって送られることによ
り、バンド部42の先端がクランプ部41の根元に形成
されたバックル孔に進入し、さらに送りギヤ46で送ら
れると、バンド部42の先端は締付ギヤ51と係合す
る。そして締付ギヤ51によりバンド部42の先端は図
において左方向に送られる。これにより、バンドクラン
プ40が電線Wの周囲を締め付けるように、電線Wに取
り付けられる。
【0026】そして締付ギヤ51がバンドクランプ40
を締め付け終わると、締付ギヤ51はそれ以上回転でき
なくなり、締付ギヤ51を回転させる図示しないモータ
のトルクが大きくなる。そこでそれを合図にカッター5
2が作動され、バンドクランプ40のバンド部42先端
の余分な部分が切断される。バンド部42の切断が完了
すると、図示しない終了ランプが点灯するか、または終
了ブザーが鳴動する。また、終了ランプの点灯や終了ブ
ザーの鳴動とともに、送りギヤ46,締付ギヤ51を回
転させるモータは停止される。なお、終了ランプや終了
ブザーがなければ作業者はバンドクランプの取付終了を
知ることができないというものではなく、念の為に設け
られたものであるから、これらは省略されていてもよ
い。
【0027】バンドクランプ40の取付終了後、作業者
はバンドクランプ結束機30を上方へ引き抜く。これに
より結束機30の下部32は位置決め治具20の受け止
め空間24から抜き取られ、それによって開始シャッタ
47も下方へ下がるから、ガイド部材36は結束機30
内に収まる。そして切断されたバンド部42は結束機3
0の外側へ落ちる。
【0028】また、位置決め治具20に備えられた操作
ピン21には、開始シャッタ47が接触しなくなるか
ら、操作ピン21の電位はHからLに下がる。以上の説
明から明らかなように、この実施例によれば、バンドク
ランプ結束機30の下部32を位置決め治具20の受け
止め空間24に差し込むことにより、結束機30の位置
決めができる。そして位置決めされた結束機30によっ
て、電線Wの予め定める位置にバンドクランプ40を取
り付けることができる。
【0029】また、この実施例によれば、結束機30の
下部32を位置決め治具20の受け止め空間24に差し
込むだけで、結束機30にバンドクランプの取付動作を
開始させることができる。したがって、結束機30の位
置決めをした後、結束機30を起動させるためのスイッ
チを操作しなくてもよいから、結束作業がより容易にな
る。つまり、開始スイッチの押圧操作を行わなくてもよ
くなる。
【0030】図6は、クランプ取付検査器60の電気的
な構成を示す回路ブロック図である。図6を参照して説
明すると、位置決め治具20に備えられた操作ピン21
にはその下端部に信号線22が接続されており、この信
号線22がクランプ取付検査器60につながっている。
したがって、図5を参照して説明した操作ピン21にお
ける電位の変化、すなわち操作ピン21の電位がLかH
かは、クランプ取付検査器60で検出される。
【0031】クランプ取付検査器60には、信号線22
に接続された立ち上がり微分回路61が備えられてい
る。図5(a)(b)に示すように、位置決め治具20
にバンドクランプ結束機30の下部32が差し込まれる
と、立ち上がり微分回路61に与えられる電位はLから
Hに変化する。したがって、立ち上がり微分回路61は
電位がLからHに立ち上がる変化を微分して、パルス信
号を出力する。
【0032】立ち上がり微分回路61から出力されるパ
ルス信号はパルスカウンタ62へ与えられ、カウントさ
れる。また、パルスカウンタ62のカウント値は表示器
63で表示される。表示器63は、たとえばカウント値
自体を表示する数値表示器であってもよいし、あるいは
カウント値に対応した数のランプが点灯する表示器であ
ってもよい。
【0033】パルスカウンタ62のカウント値は、ま
た、コンパレータ63へ与えられる。コンパレータ63
では、予め設定された基準数、たとえば1枚の組立用図
板10(図1参照)上にバンドクランプ結束機30によ
って取り付けるべきバンドクランプがn個(nは自然
数)ある場合には、コンパレータ63には基準数nが予
め設定されている。コンパレータ63では、パルスカウ
ンタ62から与えられるカウント値とこの基準数nとを
比較し、両者が一致したとき、一致出力をOK/NG報
知器64へ出力する。
【0034】クランプ取付検査器60には、さらに、作
業終了信号発生器65が備えられている。作業終了信号
発生器65は、たとえば1枚の組立用図板10(図1参
照)における予め設定された作業時間が満了するごとに
終了信号を出力する。あるいは、作業終了信号発生器6
5は、組立用図板10のたとえば後端縁に備えられた係
合突起でスイッチングされるスイッチング部材を含んで
いてもよい。この場合、組立用図板10が低速度で移動
され、組立用図板10の後端縁に備えられた突起がスイ
ッチング素子を押圧することにより、作業終了信号が発
生される。
【0035】このように、作業終了信号発生器65は、
1枚の組立用図板10におけるワイヤーハーネス組立作
業が終了した時点で、信号を発生するものであればよ
い。作業終了信号発生器65で発生された終了信号は、
OK/NG報知器64へ与えられる。OK/NG報知器
64では、終了信号が与えられたとき、コンパレータ6
3から一致信号が与えられているか否かを判別する。組
立用図板10において正常に作業が行われ、所定数のバ
ンドクランプが取り付けられたときには、コンパレータ
63から一致信号が出力されている。それゆえ、終了信
号が与えられたときには、作業が正常ならば、一致信号
が与えられている。そしてこの場合、報知器64は「O
K報知」を行う。
【0036】一方、終了信号が与えられたときに、コン
パレータ63から一致信号が与えられていない場合は、
組立用図板10における作業が終了したにもかかわら
ず、たとえばバンドクランプの取り付け忘れがあること
を意味している。それゆえこの場合は「NG報知」を行
う。さらに、作業終了信号発生器65の終了信号はパル
スカウンタ62へ与えられ、パルスカウンタがクリアさ
れる。そして次の組立用図板10のためのカウントに備
える。
【0037】このようにクランプ取付検査器60では、
作業終了ごとに、所定数のクランプ取り付けが完了した
か否かが判別され、完了していれば「OK報知」、もし
所定数のクランプ取付が完了していなければ「NG報
知」が行われる。それゆえ、1つの組立用図板10にお
いて、必要な数のバンドクランプの取り付けが完了した
ことを作業者に知らせることができ、また、バンドクラ
ンプの取り付け忘れがあればそれを報知するから、バン
ドクランプの取り付け忘れをなくすることができる。
【0038】上述したクランプ取付検査器60の回路構
成は、一例を示しただけであり、他の回路構成であって
もよい。要は、1枚の組立用図板において、必要な数の
バンドクランプが取り付けられたか否かを、操作ピン2
1からの信号に基づいて判別し、それを報知するような
構成であればよい。なお、「NG報知」がなされたと
き、作業者は表示器63の表示を見ることにより、どの
バンドクランプが取り付け忘れであるかを確認したり、
いくつバンドクランプが取り付け忘れであるかを確認す
ることができる。
【0039】その他、この発明は要旨を変更しない範囲
で種々の変更が可能である。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、構成が簡
易で、バンドクランプ結束機を確実に位置決めすること
のできる位置決め治具を提供することができる。請求項
2記載の発明によれば、バンドクランプ結束機の位置決
めに加え、バンドクランプ結束機を自動的に動作開始さ
せることができ、より作業性の良い位置決め治具を提供
することができる。
【0041】請求項3記載の発明によれば、ワイヤーハ
ーネス組立用図板において、バンドクランプ結束機を用
いてバンドクランプを取り付ける際に、バンドクランプ
の位置ずれがなく、しかも結束機の位置決めが容易な組
立用図板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるワイヤーハーネス
の組立用図板を用いてワイヤーハーネスを組立てる様子
を示す斜視図である。
【図2】バンドクランプ結束機の位置決め治具20の構
成を示す図である。
【図3】バンドクランプ結束機の位置決め治具の他の構
成を示す図である。
【図4】この発明の一実施例にかかる位置決め治具によ
ってバンドクランプ結束機を位置決めし、バンドクラン
プを取り付けている状態を示す斜視図である。
【図5】この発明の一実施例にかかる位置決め治具によ
ってバンドクランプ結束機の位置決めをし、バンドクラ
ンプを取り付ける手順を表わす図解図である。
【図6】クランプ取付検査器の電気的な構成と動作とを
説明するための回路ブロック図である。
【図7】従来のバンドクランプ案内治具を有する組立用
図板の斜視図である。
【図8】従来のバンドクランプ案内治具の斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 ワイヤーハーネス組立用図板 11 布線図 20,200 位置決め用治具 21 操作ピン 24 受け止め空間 26,202 取付孔 201 取付部 30 バンドクランプ結束機 32 下部 47 開始シャッタ 60 クランプ取付検査器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤーハーネス組立用図板に取り付けら
    れる治具であって、 バンドクランプ結束機の一部と係合して該結束機を位置
    決めするための係合部と、 前記組立用図板に取り付ける際に必要な取付部とを含む
    ことを特徴とするバンドクランプ結束機の位置決め治
    具。
  2. 【請求項2】請求項1記載の位置決め治具において、さ
    らに、 前記係合部にバンドクランプ結束機の一部が係合したと
    きに、該結束機に備えられた結束動作開始部材を操作す
    るための操作手段を含むことを特徴とする位置決め治
    具。
  3. 【請求項3】表面に電線の布線位置が表示されたワイヤ
    ーハーネス組立用図板において、 図板上の前記電線布線位置の表示に関連した予め定める
    位置に、請求項1または2記載の位置決め治具を設けた
    ことを特徴とするワイヤーハーネス組立用図板。
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