JPH06336080A - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JPH06336080A
JPH06336080A JP5128773A JP12877393A JPH06336080A JP H06336080 A JPH06336080 A JP H06336080A JP 5128773 A JP5128773 A JP 5128773A JP 12877393 A JP12877393 A JP 12877393A JP H06336080 A JPH06336080 A JP H06336080A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 OHP用の透過原稿等に適用でき、サーマル
ヘッド等による直接書込みが可能でかつ保存安定性と耐
摩擦性も良好な感熱記録媒体を提供すること。 【構成】 この感熱記録媒体1は、透明なポリエステル
シートから成る支持体10と、この支持体10上に設け
られ平均粒径が共に0.3μm以下である塩基性染料前
駆体の粒子21と顕色剤の粒子22が各々分散されて成
る感熱記録層20と、この感熱記録層20上に設けられ
た保護層30とでその主要部が構成されている。そし
て、感熱記録層内の粒子の平均粒径が0.3μm以下で
あるため粒子表面の光散乱を小さくすることができ感熱
記録層の透明化が図れる。また、塩基性染料前駆体と顕
色剤は粒子状態で感熱記録層内に分散されているため、
発色剤をマイクロカプセル内に内包させた従来の感熱記
録媒体に較べて保存安定性に優れ、かつ、サーマルヘッ
ド等による直接書込みも可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッド等の加
熱手段により書込み可能な感熱記録媒体に係り、特に、
オーバーヘッドプロジェクター用の透過原稿等に適用で
きる感熱記録媒体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド等の加熱手段により書込
み可能なこの種の感熱記録媒体としては、少なくとも塩
基性染料前駆体とその顕色剤の各粒子が結合剤中に各々
分散されて成る感熱記録層と、これを支持する支持体と
でその主要部が構成されているものが知られている。
【0003】そして、この種の感熱記録媒体は、現像
が不要であること、支持体が紙の場合に紙質が一般紙
に近いこと、取扱いが容易であること、発色濃度が
高いこと、適用される記録装置の構造が比較的簡略な
ため安価であること、記録(書込み)時の騒音が少な
い等の利点を有していることから、近年、ファクシミリ
やプリンター等の分野において急速に普及されており、
かつ、感熱記録の用途も拡大している。
【0004】このような背景のもと、近年、オーバーヘ
ッドプロジェクター(OHP)等の透過原稿に適用で
き、かつ、サーマルヘッド等の加熱手段により直接書込
みが可能な光透過性を有する感熱記録媒体の開発が望ま
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記塩基性
染料前駆体とその顕色剤の各粒子が各々分散された感熱
記録層を備え、この感熱記録層に対してサーマルヘッド
等の加熱手段により直接書込みが可能な公知の感熱記録
媒体においては、上記感熱記録層が不透明なためこれを
透明な支持体上に塗布しても光透過性を有する感熱記録
媒体を得ることは困難であった。
【0006】他方、原稿と感熱記録フィルムとを密着さ
せると共にこの原稿面に対し光照射することにより原稿
の画像部の温度を高め、これにより上記感熱記録フィル
ムを発色させるタイプの感熱記録媒体も知られている
が、この種の感熱記録媒体においてはサーマルヘッドで
直接記録が可能な高感度を有するものは未だ開発されて
おらず上述した用途への適用は困難であった。
【0007】また、近年、溶剤に溶解した発色剤が内包
されたマイクロカプセルと、顕色剤を有機溶剤に溶解し
乳化分散した乳化分散物とを透明支持体上に塗布した構
成の感熱記録媒体も開発されている(特開昭63−26
5682号公報参照)。
【0008】そして、この感熱記録媒体においては上記
発色剤と顕色剤とが溶剤に溶解されていることから光透
過性を有しており、かつ、サーマルヘッドによる直接書
込みも可能な程度の感度を有するものであった。
【0009】しかし、このような構成の感熱記録媒体に
おいては上記マイクロカプセル内の発色剤が徐々に染出
すため顕色剤と反応して経時的に発色し易い欠点があ
り、記録前の感熱記録媒体にあってはその光透過性が保
存中に低下し、また、記録後の感熱記録媒体にあっては
記録画像にかぶりが生じ易くその保存安定性に劣る問題
点があり、かつ、耐摩擦性にも劣る問題点があった。
【0010】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、オーバーヘッド
プロジェクター用の透過原稿等に適用可能な光透過性を
有していると共に、サーマルヘッド等の加熱手段による
直接書込みが可能で、かつ、保存安定性並びに耐摩擦性
も良好な感熱記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、このような目的
を達成するため、本発明者等は上記結合剤中に分散させ
た塩基性染料前駆体の粒子と顕色剤粒子の各粒径に着目
し、これ等粒子の粒径を可視光波長より小さくすること
で感熱記録層の透明化が図れないかと考えた。そして、
この予測に基づき鋭意実験を重ねたところ、図2に示す
ようなグラフ図を得るに至った。すなわち、この図2
は、結合剤中に各々分散された塩基性染料前駆体粒子と
顕色剤粒子の平均粒径と、これ等粒子が分散された感熱
記録層の可視光(波長550nm)に対する透過率との
関係を示したグラフ図である。このグラフ図から、上記
粒子の平均粒径が0.5μm近傍のときに感熱記録層の
透明度が極小値にあり、上記粒径が小さくなるに従って
その透過率が増大していくことが確認できる。また、平
均粒径が0.3μm以下では透過率が70%以上となり
透明度の高い状態がみられる。そして、上述した公知の
感熱記録媒体について同様の確認実験を試みたところ、
上記塩基性染料前駆体と顕色剤の各粒子における粒径が
0.5μm以上であるため粒子表面で光散乱が起こり不
透明状態を示していることが確認された。
【0012】本発明はこのような技術的発見に基づき完
成されたものである。
【0013】すなわち、請求項1に係る発明は、少なく
とも無色又は淡色の塩基性染料前駆体とその顕色剤の各
粒子が結合剤中に各々分散されて成る感熱記録層と、こ
れを支持する支持体とを備える感熱記録媒体を前提と
し、上記支持体が透明な材料で構成されており、かつ、
塩基性染料前駆体及び顕色剤の各粒子の平均粒径が0.
3μm以下であることを特徴とするものである。
【0014】そして、この請求項1に係る感熱記録媒体
においては、その感熱記録層の主要部を構成する塩基性
染料前駆体及び顕色剤の各粒子の平均粒径が0.3μm
以下であることから粒子表面の光散乱を小さくすること
が可能となり、感熱記録層の透明化が図れるものであ
る。また、サーマルヘッド等の加熱手段にて上記感熱記
録層を部分的に熱溶融させることにより溶融された塩基
性染料前駆体と顕色剤が発色反応を引起こして選択的に
発色するため、上記サーマルヘッド等の加熱手段による
直接書込み(記録)も可能となるものである。更に、上
記塩基性染料前駆体とその顕色剤は粒子状態で結合剤中
に分散されているため、溶剤に溶解した発色剤をマイク
ロカプセルに内包させた従来の感熱記録媒体に較べて保
存安定性に優れ、かつ、耐摩擦性にも優れている。
【0015】この請求項1に係る発明において上記塩基
性染料前駆体としては、電子を供与して又は酸等のプロ
トンを受容して発色する公知の化合物の中から適宜選択
された無色又は淡色の化合物が適用できる。このような
化合物としては、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピ
ロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、顕色
剤と接触してこれ等の部分骨格が開環若しくは開裂する
性質を有するもので、好ましい化合物としては、例え
ば、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系
化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピ
ロピラン系化合物等を挙げることができる。
【0016】一方、溶融時において上記塩基性染料前駆
体と発色反応を引起こす顕色剤としては、公知の材料の
中から適宜選択して適用することができる。例えば、塩
基性染料前駆体としてのロイコ染料に対する顕色剤とし
ては、フェノール化合物、トリフェニルメタン系化合
物、含硫フェノール性化合物、カルボン酸系化合物、ス
ルホン系化合物、尿素系又はチオ尿素系化合物等が挙げ
られ、その詳細は、紙パルプ技術タイムス(テックタイ
ムス社 1989年3月発行)1〜7頁、同(1989
年4月発行)49〜55頁、同(1989年5月発行)
74〜79頁、同(1989年6月発行)41〜46
頁、同(1989年7月発行)45〜50頁、同(19
89年8月発行)70〜74頁、同(1989年9月発
行)70〜74頁に記載された化合物が適用できる。こ
れ等の中で、特に、融点が60度〜200度かつ水に難
溶性のフェノール及び有機酸の適用が好ましい。尚、こ
の顕色剤については2種類以上を併用して適用すること
も可能である。
【0017】また、結合剤中に分散される塩基性染料前
駆体と顕色剤の配合比率は、適用される塩基性染料前駆
体と顕色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に
限定するものではないが、例えば、塩基性染料前駆体と
フェノール又は有機酸を用いた場合には、一般に、塩基
性染料前駆体1重量部に対して1〜50重量部、好まし
くは4〜10重量部のフェノール又は有機酸が使用され
る。
【0018】次に、本発明に係る感熱記録層の塗布液に
ついては、一般に水を分散媒とし、ボールミル、アトラ
イター、サンドミル等の分散、粉砕機により塩基性染料
前駆体と顕色剤とを一緒に若しくは別々にその平均粒径
が0.3μmになるまで粉砕、分散し、塗液として調整
される。この塗液中には、結合剤として、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、
ゼラチン、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレン
−ブタジェンラテックス、アクリロニトリル−ブタジェ
ンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマルジョ
ン等が全固形分の10〜40重量部、好ましくは15〜
30重量部適用される。更に、上記塗液中には各種の助
剤を添加することができる。適用される助剤としては、
例えば、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウリルアルコ
ール硫酸エステル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の分
散剤、ベンゾフェノン系、トリアゾール系等の紫外線吸
収剤、その他消泡剤、増粘剤等が挙げられる。但し、適
用される助剤が水溶性でないときには、この助剤が配合
された感熱記録層の不透明化を防止する観点から、粉
砕、分散してその平均粒径が0.3μm以下の粒状助剤
となるよう調整して適用することを要する。
【0019】請求項2に係る発明はこのような技術的理
由によりなされている。
【0020】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の感熱記録媒体を前提とし、感熱記録層内に平均
粒径が0.3μm以下である水不溶性の粒状助剤が配合
されていることを特徴とするものである。
【0021】また、本発明に係る感熱記録媒体において
は、その保存安定性の向上と更にはサーマルヘッドに対
するスティッキング防止のため感熱記録層上に保護層を
設けてもよい。この保護層は公知の方法により設けるこ
とができ、かつ、スティッキング防止のために硫酸バリ
ウム、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等
の微粒子を添加することが好ましい。この場合、上記感
熱記録層の透明性を損なわないようにするため、微粒子
の平均粒径が0.3μm以下となるように調整すること
が好ましい。
【0022】請求項3に係る発明はこのような技術的理
由に基づきなされている。
【0023】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1又は2記載の感熱記録媒体を前提とし、感熱記録層上
に平均粒径が0.3μm以下であるスティッキング防止
用の微粒子を配合した保護層が設けられていることを特
徴とするものである。
【0024】次に、本発明に係る感熱記録媒体において
は、支持体と感熱記録層の接着性を向上させるため上記
支持体をコロナ処理、酸処理、グロー放電処理等の表面
処理してもよいし、あるいは感熱記録層との間にアンカ
ー層を設けてもよい。このアンカー層としては、ポリビ
ニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン等の樹脂、あるいは、高分子ラテック
ス、ニトロセルロース等を使用することができる。ま
た、本発明に係る支持体としては、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ルシート、三酢酸セルロースシート、ポリスチレンシー
ト、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート等のポ
リオレフィンシート等透明プラスチックシートが適用で
きる。
【0025】尚、本発明において上記感熱記録層の形成
方法等については特に限定されるものではなく従来から
公知の手段を適用することができる。例えば、エアーナ
イフコート法、ローラーコート法、ドクターコート法、
ワイヤーバーコート法、スライドコート法、グラビアコ
ート法等により上記塗液を塗布・乾燥する方法により形
成することができる。また、塗液の塗布量についても特
に限定されるものではないが、通常、乾燥重量で2〜1
2g/m、好ましくは3〜10g/mの範囲に設定され
る。
【0026】
【作用】請求項1に係る発明によれば、支持体が透明な
材料で構成されており、かつ、塩基性染料前駆体及び顕
色剤の各粒子の平均粒径が0.3μm以下であることか
ら粒子表面の光散乱を小さくすることができ、これによ
り感熱記録層の透明化を図ることが可能となる。
【0027】また、サーマルヘッド等の加熱手段にて感
熱記録層を部分的に熱溶融させることにより溶融された
塩基性染料前駆体と顕色剤が発色反応を引起こして選択
的に発色するため、上記サーマルヘッド等による直接書
込みも可能となり、更に、上記塩基性染料前駆体とその
顕色剤は粒子状態で結合剤中に分散されているため、発
色剤をマイクロカプセルに内包させた従来の感熱記録媒
体に較べてその保存安定性と耐摩擦性の向上を図ること
が可能となる。
【0028】また、請求項2に係る発明によれば、感熱
記録層内に配合される助剤が平均粒径0.3μm以下の
水不溶性の粒状助剤により構成されているため、助剤の
配合に起因する感熱記録層の不透明化を防止することが
可能となる。
【0029】また、請求項3に係る発明によれば、感熱
記録層上に平均粒径が0.3μm以下であるスティッキ
ング防止用の微粒子を配合した保護層が設けられている
ため、感熱記録媒体としての保存安定性と耐摩擦性を更
に向上させることが可能となり、かつ、感熱記録媒体の
不透明化も防止することが可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0031】[実施例1]この実施例に係る感熱記録媒
体1は、図1に示すように厚さ150μmの透明なポリ
エステルシートから成る支持体10と、この支持体10
上に設けられ塩基性染料前駆体の粒子21と顕色剤の粒
子22が各々分散されて成る感熱記録層20と、この感
熱記録層20上に設けられた保護層30とでその主要部
が構成されている。
【0032】そして、この感熱記録媒体1は以下のよう
な工程を経て製造されている。
【0033】「塩基性染料前駆体分散液の調整」下記組
成物をサンドミルにて粉砕・分散して、平均粒径293
nmの塩基性染料前駆体分散液を製造した。
【0034】 塩基性染料前駆体 20重量部 (3-N-メチルシクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノ フルオラン:日本ソーダ社製 商品名PSD−150) 分散剤(アニオン、ノニオン界面活性剤) 4重量部 20%ポリビニルアルコール水溶液 20重量部 消泡剤 微量 防腐剤 微量 水 50重量部 「顕色剤分散液の調整」また、下記組成物をサンドミル
にて粉砕・分散して、平均粒径275nmの顕色剤分散
液を製造した。
【0035】 顕色剤(日本ソーダ社製 商品名D−8) 20重量部
【化1】 分散剤(スチレン−アクリル樹脂) 5重量部 20%ポリビニルアルコール水溶液 20重量部 消泡剤 微量 防腐剤 微量 水 50重量部 「保護層塗液の調整」次に、下記組成物を撹拌混合して
保護層塗液を製造した。
【0036】 22%ポリウレタンアイオノマー樹脂水溶液 100重量部 (大日本インキ社製 商品名ハイドランAP−40) 平均粒径0.3μmのシリコーン樹脂微粒子 10重量部 (東芝シリコーン社製 商品名トスパール103) 30%ステアリン酸亜鉛水溶液 10重量部 (中京油脂社製 商品名ハイミクロンF−930) 「感熱記録媒体の製造」上記塩基性染料前駆体分散液2
0重量部、顕色剤分散液100重量部、及び、20%ポ
リビニルアルコール水溶液50重量部を均一に撹拌混合
して塗液を調整し、コロナ処理が施された厚さ150μ
mの透明ポリエステルシート上にその乾燥重量が6gと
なるよう上記塗液を塗布・乾燥して感熱記録層を形成し
た。
【0037】次いで、この感熱記録層上にその乾燥重量
が1.5gとなるように上記保護層塗液を塗布・乾燥し
て保護層を形成し図1に示された実施例に係る感熱記録
媒体を製造した。
【0038】[実施例2]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が270nm、顕色剤の平
均粒径が280nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0039】[実施例3]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が250nm、顕色剤の平
均粒径が245nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0040】[実施例4]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が235nm、顕色剤の平
均粒径が228nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0041】[実施例5]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が207nm、顕色剤の平
均粒径が205nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0042】[比較例1]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が931nm、顕色剤の平
均粒径が830nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0043】[比較例2]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が583nm、顕色剤の平
均粒径が485nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0044】[比較例3]上記感熱記録層に分散された
塩基性染料前駆体の平均粒径が340nm、顕色剤の平
均粒径が330nmである点を除き実施例1に係る感熱
記録媒体と略同一である。
【0045】『感熱記録媒体の評価』次に、実施例1〜
5に係る感熱記録媒体と比較例1〜3に係る感熱記録媒
体に対して三菱メルファクス600(GIIIモード)に
より印字操作を施し、各々について黒色画像を得た。
【0046】そして、各黒色画像についてマクベス反射
濃度計(RD−918)により画像濃度を測定した。こ
の結果を以下の表1に示す。
【0047】また、各感熱記録媒体の可視光(400n
m、550nm、及び、700nm)に対する透過率を
島津マルチパーパス自記分光光度計(MPS−200)
により測定した。この結果も以下の表1に示す。
【0048】
【表1】 この表1の結果から、実施例1〜5に係る感熱記録媒体
は、全て透明性に優れ、かつ、画像濃度も高いことが確
認された。
【0049】これに対し、比較例1〜3に係る感熱記録
媒体は、その画像濃度については良好な結果が得られた
が光透過性については良い結果が得られなかった。
【0050】また、実施例1〜5に係る感熱記録媒体に
ついて、30度、65%RHの条件下で3か月放置した
ところ、感熱記録層の透明性は維持されかつかぶりも生
ずることがなくその保存安定性に優れた結果を示した。
【0051】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明に係る感熱記録
媒体によれば、感熱記録層の透明化を図ることができ、
かつ、この感熱記録層に対しサーマルヘッド等による直
接書込みが可能であると共に、保存安定性と耐摩擦性の
向上も図れる効果を有している。
【0052】このため、ファクシミリで受信しそのまま
オーバーヘッドプロジェクター用の透過原稿として適用
したり、あるいは、第2原図、医療画像用、CAD用等
複数枚重ねての併用が可能になるなど感熱記録媒体の用
途拡大が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る感熱記録媒体の構成を示す概略断
面図。
【図2】結合剤中に分散された塩基性染料前駆体粒子と
顕色剤粒子の平均粒径と、これ等粒子が分散された感熱
記録層の可視光(波長550nm)に対する透過率との
関係を示したグラフ図。
【符号の説明】
1 感熱記録媒体 10 支持体 20 感熱記録層 21 塩基性染料前駆体の粒子 22 顕色剤の粒子 30 保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも無色又は淡色の塩基性染料前駆
    体とその顕色剤の各粒子が結合剤中に各々分散されて成
    る感熱記録層と、これを支持する支持体とを備える感熱
    記録媒体において、 上記支持体が透明な材料で構成されており、かつ、上記
    塩基性染料前駆体及び顕色剤の各粒子の平均粒径が0.
    3μm以下であることを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】上記感熱記録層内に、平均粒径が0.3μ
    m以下である水不溶性の粒状助剤が配合されていること
    を特徴とする請求項1記載の感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】上記感熱記録層上に、平均粒径が0.3μ
    m以下であるスティッキング防止用の微粒子を配合した
    保護層が設けられていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の感熱記録媒体。
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