JPH06335272A - 直流電動機の制動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の電源に接続された電動機回路に単に動
作完補用電源回路と第２回生制動回路を付加することに
より、別個の電源を必要とせず簡単な回路によって大き
な制動力が得られ、電動機の急速な停止が可能な直流電
動機の制動装置を提供する。 【構成】 電源１に接続された電動機回路２に並列にリ
レ―接点ＲＬ2,ＲＬ3を有する回生制動回路３を備えた
直流電動機の制動装置において、電動機Ｍの上流側４と
下流側５間にコンデンサ―Ｃからなる動作完補用電源回
路６と第２回生制動回路７が付加され、前記回生制動回
路の動作により起生される電位差によって動作完補用電
源からのブレ―キ信号が前記第２回生制動回路に付与さ
れ該第２回生制動回路が動作されて前記電動機が制動さ
れる直流電動機の制動装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、駆動中の直流電動機を
急速に停止させるため制動装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、駆動中の直流電動機を停止させる
ため、電源に接続された電動機回路に並列にリレ―接点
を有する回生制動回路を備えた直流電動機の制動装置は
周知である。ところで、直流電動機が大容量になると上
記の回生制動回路のみでは電動機の回転慣性が大きいた
め急速な停止ができない場合があった。そこで、前記電
動機回路とは別個にサ―ボシステムを備え、電動機に同
期したタコゼネレ―タを制御器により制御して電動機の
停止時にこれを逆転制動させるようにしたものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記サ―ボ
システムを備えたものでは、タコゼネレ―タとそれを制
御する制御盤等を必要とし構成が複雑であると共に、前
記電動機回路とは別個に制御用の回路を動作させるため
の電源が必要である、という問題がある。

【０００４】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、従来の電源に接続された電動機回路に単に動作
完補用電源回路と第２回生制動回路を付加することによ
り、別個の電源を必要とせず簡単な回路によって大きな
制動力が得られ、電動機の急速な停止が可能な直流電動
機の制動装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における直流電動機の制動装置は、電動機の
上流側と下流側間にコンデンサ―からなる動作完補用電
源回路と第２回生制動回路を付加し、前記回生制動回路
の動作により起生する電位差によって動作完補用電源か
らのブレ―キ信号を前記第２回生制動回路に付与して該
第２回生制動回路を動作させ前記電動機を制動するよう
にしたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】上記のように構成された直流電動機の制動装置
において、電動機の駆動中にコンデンサ―は充電されて
いる。そして、電動機の駆動を停止すると、従来例と同
様に回生制動回路に電流が流れて該電動機を制動しよう
とする。この場合，その電流は小さいので電動機の制動
には過分の時間を要する。ところが、この電流回路中の
電位差が検知されるとブレ―キ信号が第２回生制動回路
に入力されて該第２回生制動回路を動作させ、前記電動
機に強力な電流を流過させて該電動機を制動する。

【０００７】

【実施例】図１を参照して本発明の実施例について説明
をする。図において、Ｍは直流電動機であり、電源１と
の間にリレ―ＲＬ1を備えた電動機回路２を構成してい
る。３はリレ―ＲＬ2,ＲＬ3及び抵抗Ｒ1等が接続された
回生制動回路であって前記電動機回路２に並列に接続さ
れている。

【０００８】前記電動機Ｍの上流側４と下流側５との間
にはダイオ―ドＤ1，抵抗Ｒ2及びコンデンサ―Ｃ等が接
続された動作完補用電源回路６が構成されており、該動
作完補用電源回路６と並列にトランジスタＱ1及びダイ
オ―ドＤ2等が接続された第２回生制動回路７が構成さ
れている。また、電動機Ｍの下流側の前記回生制動回路
３には抵抗Ｒ3が接続され、これと並列に前記第２回生
制動回路６との間に抵抗Ｒ4,Ｒ5及びＲ6を接続したオペ
アンプ入力回路８が構成されている。そして、オペアン
プＩＣ1の出力側は抵抗Ｒ7を介してトランジスタＱ2の
ベ―スに接続されている。また、該トランジスタＱ2の
コレクタは前記動作完補用電源回路６に接続され、エミ
ッタは抵抗Ｒ8を介してトランジスタＱ1のベ―スに接続
されている。

【０００９】上記のような直流電動機の制動装置におい
て、電動機Ｍの駆動中は、電源１から電動機回路２及び
動作完補用電源回路６を流下する電流は電動機Ｍを回転
させると共にコンデンサ―Ｃに充電される。そして、リ
レ―ＲＬ1を開いて電動機Ｍの駆動を停止すると、従来
例と同様にリレ―ＲＬ2,ＲＬ3が自動的に閉じられ、回
生制動回路３からの電流が電動機Ｍに流れて該電動機Ｍ
を制動しようとする。この場合その電流は小さいので電
動機Ｍの制動には過分の時間を要することになる。しか
しながら、電動機Ｍの下流側にはこの電流によって電位
差が生じる。この電位差の発生によりオペアンプ入力回
路８の電位は逆転し、オペアンプＩＣ1の出力側には増
幅された電流信号が流れ、これがトランジスタＱ2のベ
―スに付与されることによって、コンデンサ―Ｃからの
電流が該トランジスタＱ2のコレクタからエミッタを経
てトランジスタＱ1のベ―スへブレ―キ信号として付与
される。このブレ―キ信号の付与により、トランジスタ
Ｑ1のコレクタとエミッタが導通することから、前記第
２回生制動回路７に大制動電流が流下して電動機Ｍの慣
性回転を制動する。

【００１０】そして、直流電動機Ｍをト―チ溶接機にワ
イヤ―の送り装置の駆動源に使用した場合に、該直流電
動機Ｍが回生制動回路３のみを具有する場合には、電動
機Ｍの駆動を停止してから電動機Ｍの回転が停止するま
でに約１．２秒を要しその間にワイヤ―は約１５ｍｍ送
り出されたが、上記実施例に係る制動装置を備えている
場合には、電動機Ｍの駆動を停止してから電動機Ｍの回
転が停止するまでに約０．６秒を要しその間にワイヤ―
は約７〜８ｍｍのみ送り出されたのである。この約７〜
８ｍｍのワイヤ―の送り出しはト―チ溶接機の使用に格
別に悪影響を与えるものではないので、本発明に係る制
動装置はト―チ溶接機用直流電動機に使用するのに特に
適したものである。

【００１１】

【発明の効果】本発明に係る直流電動機の制動装置は、
電源に接続された電動機回路に並列にリレ―接点を有す
る回生制動回路を備えた従来の制動装置の電動機の上流
側と下流側間に単にコンデンサ―からなる動作完補用電
源回路と第２回生制動回路を付加することによって大き
な制動力を電動機に与えて該電動機の急速な停止ができ
る制動装置であり、前記回路の付加もきわめて簡単にで
きるので、従来の制動装置を改変することなく容易に追
加改善することができ、しかも制御用の回路を動作させ
るための電源も新たに設置する必要がない優れた制動装
置である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る直流電動機の制動装置の回路図で
ある。

【符号の説明】

Ｍ 直流電動機 ＲＬ2,ＲＬ3 リレ― Ｃ コンデンサ― １ 電源 ２ 電動機回路 ３ 回生制動回路 ４ 電動機の上流側 ５ 電動機の下流側 ６ 動作完補用電源回路 ７ 第２回生制動回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高鳥 毅 東京都大田区西六郷４丁目30番３号小原株 式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電源に接続された電動機回路に並列にリレ
   ―接点を有する回生制動回路を備えた直流電動機の制動
   装置において、前記電動機の上流側と下流側間にコンデ
   ンサ―からなる動作完補用電源回路と第２回生制動回路
   を付加し、前記回生制動回路の動作により起生する電位
   差によって動作完補用電源からのブレ―キ信号を前記第
   ２回生制動回路に付与して該第２回生制動回路を動作さ
   せ前記電動機を制動するようにしたことを特徴とする直
   流電動機の制動装置。