JPH06335209A - 回転電機の回転子及びその製造方法 - Google Patents

回転電機の回転子及びその製造方法

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JPH06335209A
JPH06335209A JP5119621A JP11962193A JPH06335209A JP H06335209 A JPH06335209 A JP H06335209A JP 5119621 A JP5119621 A JP 5119621A JP 11962193 A JP11962193 A JP 11962193A JP H06335209 A JPH06335209 A JP H06335209A
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plate
shaped
rotor
rotor core
electric machine
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JP5119621A
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English (en)
Inventor
Sadayoshi Hibino
定良 日々野
Yoshinobu Nakamura
嘉伸 中村
Sukeyasu Mochizuki
資康 望月
Takeshi Yagisawa
猛 八木澤
Shigeo Ozawa
繁雄 小澤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転子鉄心に極めて多数のスロットを形成可
能とし、可変周波数電源を利用するような状況下におい
ても磁気騒音を効果的に低減すると共に、占積率の向上
を伴う回転子の製造方法を提供すること。 【構成】 回転子1は、回転子鉄心3の周囲に、その軸
方向へ指向する多数枚の板状ユニット部材4を互いに隣
接した状態で配列すると共に、両端に端絡環5、5を固
定した構造となっている。板状ユニット部材4は、回転
子鉄心3の軸方向へ長尺な短冊状のもので、板状磁性体
6の両側に板状導電体7、7を重ね合わせた形態となっ
ており(板状磁性体6の表面には区別を容易にするため
に斜線帯を施している)、回転子鉄心3の外周面にその
軸方向へ指向させた状態に配列する第1の工程と、その
先端側を回転子鉄心3の周方向へ屈曲させる第2の工程
を経て取り付けられ、この後に端絡環5を取り付ける第
3の工程が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転子鉄心にかご形導
体を設けて成る回転電機の回転子及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば誘導電動機に用いられる鉄心は、
電磁鋼板をプレス打ち抜き加工して得た単位鋼板を多数
枚積層して構成することが一般的となっており、固定子
鉄心及び回転子鉄心の何れにもスロットが設けられる。
この場合、誘導電動機において最も広く使用されている
かご形回転子にあっては、回転子鉄心の外周部に多数の
スロットを備えた形状となっており、それらのスロット
内に導体を収納すると共に、各導体の両端を端絡環によ
り連結する構成となっている。
【0003】ところで、このような誘導電動機において
は、良く知られているように、スロットの存在に起因し
て高調波磁束が発生するという性質があるため、その高
調波磁束による電磁力が固定子及び回転子の相互間に作
用して磁気騒音の発生原因になるという欠点がある。
【0004】このような欠点を解消するための一般的な
手段としては、従来より、回転子鉄心のスロットにスキ
ューを施したり、或いは回転子鉄心の毎極毎相のスロッ
ト数が非整数となるように全スロット数を変更すること
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年では、誘導電動機
の始動及び速度制御を円滑に行うために、その電源を可
変周波数電源であるインバータ装置から得ることが多く
なってきており、このような電源を利用する場合には、
上記のようなスキュー或いはスロット数の変更というよ
うな手段では前述の欠点を解消できなくなってきてい
る。
【0006】具体的には、インバータ装置は一種のスイ
ッチング電源であるため、その出力電圧及び電流の波形
が非正弦波状になることが避けられず、誘導電動機の起
磁力中には、正弦波電源時よりさらに多くの高調波磁束
成分が含まれることになる。ところが、スキュー或いは
スロット数の変更という通常の手段では特定次数の高調
波磁束成分を低減できるだけであるため、その低減効果
が不十分であり、結果的に磁気騒音の低減が困難になる
という事情がある。
【0007】一方、可変周波数電源を利用するような状
況下において磁気騒音の低減を図るためには、回転子鉄
心に設けるスロット数を極端に多くすれば良いことが判
明している。しかしながら、このようにスロット数を極
端に多くするためには、各スロットを極めて小さな形状
とする必要があるのに対して、回転子鉄心は、電磁鋼板
をプレス打ち抜き加工して得た単位鋼板を積層して構成
されるものであるから、そのスロットを小形状化するの
に自ずと限度があり、実際には、回転子鉄心に設けるス
ロット数を極端に多くすることにより磁気騒音の低減を
図ることは実現困難であった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、回転子鉄心に対して極めて多数のス
ロットを形成することが可能となって、可変周波数電源
を利用するような状況下においても磁気騒音を効果的に
低減できると共に、スロット数の設定及び変更を容易に
行い得るようになるなどの効果を奏する回転電機の回転
子を提供することにあり、また、このような回転子の製
造に好適した製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による回転電機の
回転子は、固定子内に回転自在に支持された回転子鉄心
を備えて成るものにおいて、前記回転子鉄心の外周面に
その軸方向へ指向した状態で交互に配列され、その配列
状態で先端側が回転子鉄心の周方向へ屈曲された形状に
形成された複数枚ずつの板状磁性体及び板状導電体と、
前記板状導電体群の両端部分に連結された一対の端絡環
とを備えた構成としたものである(請求項1)。
【0010】この場合、板状磁性体及び板状導電体を、
所定枚数を予め重ね合わせて成る板状ユニット部材とし
て構成することもできる(請求項2)。
【0011】本発明による回転電機の回転子の製造方法
は、複数枚ずつの板状磁性体及び板状導電体を回転子鉄
心の外周面にその軸方向へ指向させた状態で配列する第
1の工程と、前記板状磁性体及び板状導電体の先端側を
前記回転子鉄心の周方向へ屈曲させる第2の工程と、前
記板状導電体群の両端部分に一対の端絡環を連結する第
3の工程とを行うように構成した上で、前記第2の工程
を、前記回転子鉄心の直径寸法をd、前記第1の工程を
経た後の回転子鉄心と板状磁性体及び板状導電体との一
体物の直径寸法をD0 とした場合に、回転子の直径寸法
Dが次式の条件を満足した状態となるように実行する構
成としたものである(請求項3)。
【数2】 この場合、板状磁性体及び板状導電体として、回転子鉄
心の周方向へ予め若干量だけ屈曲された形状のものを利
用することもできる(請求項4)。
【0012】また、回転電機の回転子を製造する場合
に、先端側が回転子鉄心の周方向へ屈曲された形状の複
数枚ずつの板状磁性体及び板状導電体を、当該回転子鉄
心の外周面にその軸方向へ指向させた状態で交互に配列
する工程と、前記板状導電体群の両端部分に一対の端絡
環を連結する工程とを行うようにすることもできる(請
求項5)。
【0013】さらに、上記のような回転子の製造方法を
採用するに当たって、板状磁性体及び板状導電体を、所
定枚数を予め重ね合わせて成る板状ユニット部材として
構成しておくこともできる(請求項6)。
【0014】
【作用】請求項1記載の回転電機の回転子によれば、板
状磁性体及び板状導電体が、回転子鉄心の外周面にその
軸方向へ指向した状態で交互に配列された状態となるか
ら、それら板状磁性体の各間にスロットが形成され且つ
そのスロット内に板状導電体が収納された状態と等価の
状態となる。また、板状導電体群の両端部分が一対の端
絡環により連結される結果、スロット内に収納された状
態の板状導電体の両端を端絡環により連結した形態のか
ご形回転子が構成されることになる。
【0015】この場合、板状磁性体及び板状導電体の各
厚み寸法並びにそれらの配列ピッチは、これらを大幅に
小さい状態に設定することが可能であるから、回転子鉄
心に対して極めて多数のスロットを形成することが可能
になるものである。しかも、板状磁性体の厚み寸法及び
その配列ピッチを変更するだけでスロット数の設定及び
変更を容易に行い得るようになる。さらに、前記板状磁
性体及び板状導電体は、回転子鉄心の外周面に配列され
た状態で先端側が当該回転子鉄心の周方向へ屈曲された
形状に形成されているから、それら板状磁性体及び板状
導電体間に生ずる空隙を小さくすることができ、結果的
に板状導電体の占積率が向上するようになる。
【0016】請求項2記載の回転電機の回転子によれ
ば、板状磁性体及び板状導電体は、所定枚数を予め重ね
合わさて成る板状ユニット部材として構成されているか
ら、それら板状磁性体及び板状導電体を配列するために
必要な工程数が減るようになり、組立作業性の向上を実
現できる。
【0017】請求項3記載の回転子の製造方法では、回
転子鉄心の外周面に配列した複数枚ずつの板状磁性体及
び板状導電体の先端側を当該回転子鉄心の周方向へ屈曲
させる工程を行うに当たって、回転子の直径寸法Dが次
式の条件を満足した状態となるようにしている(但し、
次式において、dは回転子鉄心の直径寸法、D0 は上記
工程前の状態における回転子鉄心と板状磁性体及び板状
導電体との一体物の直径寸法である)。
【数3】 このような条件を満足した場合には、後に記載の実施例
中の説明により明らかなように、屈曲後における板状磁
性体及び板状導電体間に生ずる空隙を略零にすることが
でき、板状導電体の占積率を大幅に向上させ得るように
なる。
【0018】請求項4記載の回転子の製造方法のよう
に、回転子鉄心の周方向へ予め若干量だけ屈曲された形
状の板状磁性体及び板状導電体を利用する場合には、そ
れらを回転子鉄心の外周面に配列した状態でさらに屈曲
させる工程を容易に行い得るようになり、製造性の向上
を期待できるようになる。
【0019】請求項5記載の回転子の製造方法によれ
ば、予め屈曲した状態の板状磁性体及び板状導電体を回
転子鉄心の外周面にその軸方向へ指向させた状態で交互
に配列するようにしているから、その配列状態で板状磁
性体及び板状導電体を屈曲させる工程が不要となる利点
がある。
【0020】請求項6記載の回転子の製造方法によれ
ば、板状磁性体及び板状導電体は、所定枚数を予め重ね
合わせて成る板状ユニット部材として構成されているか
ら、板状磁性体及び板状導電体を配列するための工程を
簡単化できるようになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図1〜図
5を参照しながら説明する。図1及び図2において、回
転子1は、回転電機としての例えば誘導電動機のもの
で、回転子軸2を備えた回転子鉄心3の周囲に、その軸
方向へ指向する多数枚の板状ユニット部材4を互いに隣
接した状態で配列すると共に、それら板状ユニット部材
4両端の端面部分(特には後述する板状導電体7の端
面)に一対の端絡環5、5を突き合わせ状に連結した構
造となっている。尚、上記回転子鉄心3は、環状に形成
された所定枚数の電磁鋼板を軸方向に積層して成るもの
である。
【0022】ここで、上記板状ユニット部材4は、実際
には数百枚のオーダーで設けられるものであるが、これ
を図面上で表現することは困難であるため、図1及び図
2では、実際の状態より板状ユニット部材4の数を減ら
した状態で示している。従って、図1、図2及び他の図
面で示される板状ユニット部材4は、その厚み寸法(回
転子1の周方向への寸法)が実際の寸法より大きい状態
で描かれている。
【0023】また、板状ユニット部材4は、回転子鉄心
3の軸方向へ長尺な短冊状をなすもので、電磁鋼板より
成る板状磁性体6の両側に銅或いはアルミニウムなどよ
り成る板状導電体7、7を重ね合わせた形態となってお
り、図2に示すように、その先端側が回転子鉄心3の周
方向へ屈曲された形状に形成されている。尚、図1で
は、板状磁性体6及び板状導電体7の区別を容易にする
ために板状磁性体6の表面に斜線帯を施した状態で示し
ている。
【0024】しかして、以下においては、上記のような
回転子1の製造方法について説明する。前記板状ユニッ
ト部材4は、回転子鉄心3の周方向へ屈曲される前の状
態では、回転子軸2と直交する面の断面形状が図3に示
すような矩形状となっているもので、まず、このような
断面矩形状の板状ユニット部材4を、図4に示すよう
に、回転子鉄心3の外周面にその軸方向へ指向させた状
態で配列するという第1の工程を行う。尚、この場合の
板状ユニット部材4の配列数は、それらの基端部が回転
子鉄心3の外周面上において互いに接触するだけの数に
設定される。
【0025】この後には、板状ユニット部材4の先端側
を、図5に示すように、回転子鉄心3の周方向へ屈曲さ
せる第2の工程を行う。この第2の工程では、回転子鉄
心3の直径寸法をd(図4、図5参照)、前記第1の工
程を経た後の回転子鉄心3と板状ユニット部材4との一
体物の直径寸法をD0 (図4参照)とした場合に、完成
状態の回転子1の直径寸法D(図4参照)が次式の条件
を満足した状態となるように実行されるものである。
【0026】
【数4】 そして、この後には、板状ユニット部材4両端の端面部
分に一対の端絡環5、5を突き合わせ状に連結するとい
う第3の工程をおこない、これにより回転子1を完成さ
せる。
【0027】上記のような構成の本実施例によれば、以
下に述べるような作用・効果を奏し得るようになる。即
ち、本実施例では、回転子鉄心3の外周面に、その軸方
向へ指向するように複数枚の板状磁性体6及び板状導電
体7が交互に配列された形態となっているから、それら
板状磁性体6の各間にスロットが形成され、且つそのス
ロット内に板状導電体7が二次導体として収納された状
態と等価の状態となる。また、上記のような板状導電体
7の両端部分が一対の端絡環5により連結される結果、
回転子1は、スロット内に収納された状態の導体群の両
端を端絡環により連結した形態のかご形回転子として構
成されることになる。
【0028】この場合、板状磁性体6び板状導電体7の
各厚み寸法は極めて小さな値(例えば1mm程度以下)に
設定可能であると共に、それらの配列ピッチも大幅に小
さくに設定することが可能であるから、電磁鋼板のプレ
ス打ち抜き加工によってスロットを形成する従来構成に
比べて、回転子鉄心3に対して極めて多数のスロットを
形成することが可能になるものである。また、スロット
数の設定及び変更を行うに当たっては、板状磁性体6の
厚み寸法(必要に応じて板状導電体7の厚み寸法)及び
その配列ピッチ(つまり板状ユニット部材4の寸法)を
変更するだけで済むものであり、そのスロット数の設定
及び変更を容易に行い得るようになる。一般的に、誘導
電動機では、スロットの存在に起因した高調波磁束を発
生するものであるが、固定子スロットによる高調波磁束
の次数μ、並びに回転子スロットによる高調波磁束の次
数νは次式で得られる。 μ=(k1 ・z1 /P)+1 ν=(k2 ・z2 /P)+1 但し、Pは極対数、k1 、k2 は整数、z1 は固定子ス
ロット数、z2 は回転子スロット数である。
【0029】上記のような固定子及び回転子における高
調波磁束が相互干渉して、固定子鉄心、フレームを変形
させる力或いは回転子鉄心を振動させるさせる電磁力が
働き、これらが振動・騒音の発生源となる。特に、上記
のような電磁力は、鉄心をM角形に変形させる所謂多角
形力として作用するものであり、上記Mは次式で得られ
る。
【0030】 M=P・(μ±ν) =(k1 ・z1 +P)±(k2 ・z2 +P) この場合、通常では、高調波磁束が一番強くなるk1 =
k2 =1を考えれば十分であり、従って、M=z1 +z
2 +2P、または、M=z1 −z2 で得られることにな
る。このように得られるMが小さいときに前述のような
振動・騒音が発生しやすいものであり、z1 及びz2 が
近似しているときに大きな振動・騒音が発生することに
なる。これに対して、本実施例に構成のように、回転子
鉄心3に対して極めて多数のスロットを形成した場合に
は、z1 がz2 より大幅に大きい関係となるから、Mが
大となって振動・騒音が発生し難くなる。
【0031】また、高調波磁束によって発生する振動・
騒音の周波数Fは、次式で与えられる。但し、次式にお
いて、fは電源周波数、sはすべりである。
【数5】 例えば、2極(対極数P=1)で、回転子スロット数が
600、電源周波数f=50Hz、すべりs=0であっ
た場合には、上式(1)から、F=30000Hz、2
9900Hz、30100Hzが得られる。このような
各周波数帯域は、人間の可聴周波数範囲を外れており、
従って、前述したように多数のスロットを形成可能な本
実施例の構成によれば、高調波磁束による振動が発生し
たとしても、これが騒音の原因になる虞がなくなる。ま
た、誘導電動機を可変周波数電源であるインバータ装置
により駆動する場合には、そのインバータ装置のキャリ
ア周波数が上記のような電源周波数f=50Hzの数十
倍にも及ぶから、高調波磁束によって発生する振動・騒
音の周波数Fはさらに高い値となり、固定子スロット数
がある程度以上あれば、上述のような騒音防止効果を十
分に発揮できるものである。
【0032】さらに、本実施例では、板状磁性体6及び
板状導電体7より成る板状ユニット部材4が、回転子鉄
心3の外周面に配列された状態で先端側が当該回転子鉄
心3の周方向へ屈曲された形状に形成されているから、
板状ユニット部材4の各間に生ずる空隙を小さくするこ
とができ、結果的に板状導電体7の占積率が向上するよ
うになる。
【0033】特に、本実施例では、回転子1の製造時に
おいて板状ユニット部材4を屈曲させる際に、回転子鉄
心3の直径寸法をd、回転子鉄心3と屈曲前の板状ユニ
ット部材4との一体物の直径寸法をD0 とした場合に、
完成状態の回転子1の直径寸法Dが前記式の条件を満
足するように構成されているから、屈曲後における板状
ユニット部材4の各間に生ずる空隙を略零にすることが
でき、従って板状導電体7の占積率を大幅に向上させ得
るようになる。
【0034】具体的には、屈曲後における板状ユニット
部材4の各間に生ずる空隙を零にするためには、図4に
示した各板状ユニット部材4の合計断面積Saが、図5
に示した各板状ユニット部材4の合計断面積Sbと等し
くなることが条件となる。
【0035】この場合、屈曲前の板状ユニット部材4に
おける断面の幅寸法及び長さ寸法をw、h(図3参照)
とした場合、板状ユニット部材4単体の断面積はw・h
で表され、図4の状態での板状ユニット部材4の配列個
数はπ・d/wで表され、また、図4から理解できるよ
うに、h=(D0 −d)/2であるから、前記断面積S
aは次式で表される。 Sa=w・h・π・d/w =h・π・d =π・d・(D0 −d)/2 …… また、前記断面積Sbは、図5から理解できるように、
直径Dの円の面積から直径dの円の面積を差し引いたも
のであるから次式で表される。 Sb=π・(D/2)−π・(d/2) =π・(D−d)/4 ……
【0036】ここでSaとSbとが略等しいものとした
場合、つまり
【数6】 とした場合には、この式を展開して、
【数7】 が得られるから、この式から前記式を得ることがで
きる。
【0037】従って、板状ユニット部材4を屈曲させる
際に、この式の条件を満足するようにした本実施例に
よれば、図5に示すように屈曲した後における板状ユニ
ット部材4の各間に生ずる空隙を略零にすることができ
るものである。
【0038】加えて、本実施例では、板状磁性体6及び
板状導電体7は、予め重ね合わされた板状ユニット部材
4として構成されるから、それら板状磁性体6及び板状
導電体7を配列するために必要な工程数が減るようにな
り、結果的に組立作業性の向上を実現できることにな
る。
【0039】尚、上記第1実施例では、板状ユニット部
材4を、板状磁性体6の両側に板状導電体7、7を重ね
合わせることにより構成するようにしたが、これに限ら
ないことは勿論であり、例えば図6に示すように、板状
磁性体6及び板状導電体7を1枚ずつ重ね合わせて成る
を板状ユニット部材4′を利用しても良いなど、その組
み合わせ形状を種々変更できるものである。
【0040】図7〜図9には本発明の第2実施例が示さ
れており、以下これについて前記第1実施例と異なる部
分のみ説明する。即ち、この第2実施例では、回転子1
を製造するに当たって、板状ユニット部材4として、そ
の先端側が回転子鉄心3の周方向へ予め若干量だけ屈曲
された形状のもの(図7参照)を用意する。そして、斯
様な板状ユニット部材4を、図8に示すように、回転子
鉄心3の外周面にその軸方向へ指向させた状態で配列す
るという第1の工程を行うと共に、この後に上記板状ユ
ニット部材4の先端側を回転子鉄心3の周方向へ屈曲さ
せて図9のような状態とするる第2の工程を行い、さら
に端絡環5(前記図1参照)を連結する第3の工程を行
う。
【0041】このような構成とした第2実施例において
も前記第1実施例と同様の効果を奏するものであり、特
に、本実施例においては、回転子鉄心3の外周面に配列
された状態の板状ユニット部材4を屈曲させる工程を容
易に行い得るようになるから、製造性が向上するように
なる。
【0042】図10及び図11には本発明の第3実施例
が示されており、以下これについて前記第1実施例と異
なる部分のみ説明する。即ち、この第3実施例では、回
転子1を製造するに当たって、板状ユニット部材4とし
て、先端側が回転子鉄心3の周方向へ規定量屈曲された
形状のもの、具体的には回転子1の完成状態(前記図2
参照)での屈曲状態とされたもの(図10参照)を用意
する。そして、斯様な板状ユニット部材4を、図11に
示すように、回転子鉄心3の外周面にその軸方向へ指向
させた状態で配列するという工程を行い、この後に端絡
環5(前記図1参照)を連結する工程を行う。
【0043】このような構成とした第3実施例において
も前記第1実施例と同様の効果を奏するものであり、特
に、本実施例においては、回転子鉄心3の外周面に配列
された状態の板状ユニット部材4を屈曲させる工程が不
要にできるようになり、この点で製造作業性が向上する
ようになる。
【0044】図12には本発明の第4実施例が示されて
おり、以下これについて前記第1実施例と異なる部分の
み説明する。即ち、図12において、回転子1を製造す
るに当たっては、回転子鉄心3の軸方向へ長尺な短冊状
に形成された板状磁性体8及び板状導電体9を多数枚ず
つ設け、これらを回転子鉄心3の周囲にその軸方向へ指
向された状態で互い違いに配列するという第1の工程を
行う。次いで、板状磁性体8及び板状導電体9の先端側
を、回転子鉄心3の周方向へ屈曲させる第2の工程を行
う。
【0045】このような構成とした第4実施例において
も前記第1実施例と同様の効果を奏するものである。但
し、第4実施例においては、板状磁性体8及び板状導電
体9が別部材となっているから、これらを一つの部材と
して取扱い得る第1実施例のように、必要な工程数を減
らして組立作業性の向上を実現するという効果を奏する
ことができないが、板状磁性体8及び板状導電体9の厚
み寸法の組み合わせ種類を簡単に増やすことができるか
ら、仕様変更を容易に行い得るようになるという利点が
ある。
【0046】その他、本発明は上記したような各実施例
に限定されるものではなく、例えば回転子鉄心としてブ
ロック鉄心を用いる構成としたり、或いは板状磁性体及
び板状導電体間に絶縁部を施す構成としても良いなど、
その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるも
のである。
【0047】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、請
求項1記載の回転電機の回転子においては、回転子鉄心
の外周面にその軸方向へ指向した状態で交互に配列さ
れ、その配列状態で先端側が回転子鉄心の周方向へ屈曲
された形状に形成された複数枚ずつの板状磁性体及び板
状導電体を設ける構成としたから、それら板状磁性体及
び板状導電体の各厚み寸法並びにそれらの配列ピッチを
小さい値に設定することによって、回転子鉄心に対して
極めて多数のスロットを形成することが可能になるもの
である。従って、可変周波数電源を利用するような状況
下においても磁気騒音を効果的に低減できると共に、ス
ロット数の設定及び変更を容易に行い得るようになると
いう優れた効果を奏することができる。しかも、回転子
鉄心の外周面に配列された状態の板状磁性体及び板状導
電体の先端側が当該回転子鉄心の周方向へ屈曲された形
状となっているから、それら板状磁性体及び板状導電体
間に生ずる空隙を小さくすることができて、板状導電体
の占積率向上を実現し得るようになる。
【0048】請求項2記載の回転電機の回転子では、上
記のような板状磁性体及び板状導電体を予め重ね合わさ
れた板状ユニット部材として構成したから、それら板状
磁性体及び板状導電体を配列するために必要な工程数が
減るようになって、組立作業性の向上を実現できること
になる。
【0049】請求項3記載の回転子の製造方法では、回
転子鉄心の外周面に配列した複数枚ずつの板状磁性体及
び板状導電体の先端側を当該回転子鉄心の周方向へ屈曲
させる工程を行うに当たって、その屈曲後の回転子の直
径寸法Dが所定の条件式を満足した状態となるようにし
たから、屈曲後における板状磁性体及び板状導電体間に
生ずる空隙を略零にすることができて、板状導電体の占
積率を大幅に向上させ得るようになる。
【0050】請求項4記載の回転子の製造方法では、板
状磁性体及び板状導電体を回転子鉄心の周方向へ屈曲さ
せる工程を行うに当たって、予め若干量だけ屈曲された
形状の板状磁性体及び板状導電体を利用する構成とした
から、上記のような板状磁性体及び板状導電体の屈曲工
程を容易に行い得るようになり、製造性の向上を実現で
きるようになる。
【0051】請求項5記載の回転子の製造方法では、予
め屈曲した状態の板状磁性体及び板状導電体を回転子鉄
心の外周面にその軸方向へ指向させた状態で交互に配列
する構成としたから、その配列状態で板状磁性体及び板
状導電体を屈曲させる工程が不要となり、製造性の向上
を実現できるようになる。
【0052】請求項6記載の回転子機の製造方法によれ
ば、板状磁性体及び板状導電体が、所定枚数を予め重ね
合わさて成る板状ユニット部材として構成されているか
ら、板状磁性体及び板状導電体を配列するための工程を
簡単に行い得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による回転子の斜視図
【図2】同回転子の横断面図
【図3】板状ユニット部材の横断面図
【図4】製造途中の状態を示す要部の横断面図
【図5】製造途中の状態を示す要部の横断面図
【図6】同第1実施例における板状ユニット部材の変形
例を示す横断面図
【図7】本発明の第2実施例を示す図3相当図
【図8】図4相当図
【図9】図5相当図
【図10】本発明の第3実施例を示す図3相当図
【図11】図4相当図
【図12】本発明の第4実施例を示す図4相当図
【符号の説明】
図面中、1は回転子、2は回転子軸、3は回転子鉄心、
4、4′は板状ユニット部材、5は端絡環、6、8は板
状磁性体、7、9は板状導電体を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木澤 猛 横浜市鶴見区末広町4の2 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 小澤 繁雄 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子内に回転自在に支持された回転子
    鉄心を備えて成る回転電機の回転子において、 前記回転子鉄心の外周面にその軸方向へ指向した状態で
    交互に配列され、その配列状態で先端側が回転子鉄心の
    周方向へ屈曲された形状に形成された複数枚ずつの板状
    磁性体及び板状導電体と、 前記板状導電体群の両端部分に連結された一対の端絡環
    とを備えたことを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 【請求項2】 板状磁性体及び板状導電体は、所定枚数
    を予め重ね合わせて成る板状ユニット部材として構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の回
    転子。
  3. 【請求項3】 固定子内に回転自在に支持された回転子
    鉄心を備えて成る回転電機の回転子の製造方法におい
    て、 複数枚ずつの板状磁性体及び板状導電体を前記回転子鉄
    心の外周面にその軸方向へ指向させた状態で配列する第
    1の工程と、 前記板状磁性体及び板状導電体の先端側を前記回転子鉄
    心の周方向へ屈曲させる第2の工程と、 前記板状導電体群の両端部分に一対の端絡環を連結する
    第3の工程とを行うように構成され、 前記第2の工程は、前記回転子鉄心の直径寸法をd、前
    記第1の工程を経た後の回転子鉄心と板状磁性体及び板
    状導電体との一体物の直径寸法をD0 とした場合に、回
    転子の直径寸法Dが次式の条件を満足した状態となるよ
    うに実行されることを特徴とする回転電機の回転子の製
    造方法。 【数1】
  4. 【請求項4】 板状磁性体及び板状導電体として、回転
    子鉄心の周方向へ予め若干量だけ屈曲された形状のもの
    を利用することを特徴とする請求項3記載の回転電機の
    回転子の製造方法。
  5. 【請求項5】 固定子内に回転自在に支持された回転子
    鉄心を備えて成る回転電機の回転子の製造方法におい
    て、 先端側が回転子鉄心の周方向へ屈曲された形状の複数枚
    ずつの板状磁性体及び板状導電体を、当該回転子鉄心の
    外周面にその軸方向へ指向させた状態で交互に配列する
    工程と、 前記板状導電体群の両端部分に一対の端絡環を連結する
    工程とを行うことを特徴とする回転電機の回転子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 板状磁性体及び板状導電体は、所定枚数
    を予め重ね合わせて成る板状ユニット部材として構成さ
    れていることを特徴とする請求項3、4または5記載の
    回転電機の回転子の製造方法。
JP5119621A 1993-05-21 1993-05-21 回転電機の回転子及びその製造方法 Pending JPH06335209A (ja)

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TW083104589A TW340983B (en) 1993-05-21 1994-05-20 Rotor for rotating electric machine and method of manufacturing the same
DE4417787A DE4417787A1 (de) 1993-05-21 1994-05-20 Läufer für eine elektrische Drehmaschine und Verfahren zu dessen Herstellung
KR1019940011117A KR0140467B1 (ko) 1993-05-21 1994-05-21 회전 전기기계의 회전자 및 그 제조방법

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013115991A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Isuzu Motors Ltd 直動発電機
CN111602326A (zh) * 2017-12-12 2020-08-28 东芝三菱电机产业系统株式会社 笼型感应旋转电机、块状转子以及笼型感应旋转电机的设计方法

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