JPH06333943A - Mos半導体装置の製造方法 - Google Patents

Mos半導体装置の製造方法

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JPH06333943A
JPH06333943A JP11602993A JP11602993A JPH06333943A JP H06333943 A JPH06333943 A JP H06333943A JP 11602993 A JP11602993 A JP 11602993A JP 11602993 A JP11602993 A JP 11602993A JP H06333943 A JPH06333943 A JP H06333943A
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JP
Japan
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film
silicon
gate electrode
oxide film
forming
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JP11602993A
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Hidetoshi Wakamatsu
秀利 若松
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サリサイド構造をなすMOSトランジスタの
電流駆動能力の向上、接合リーク電流の低減、製造工程
数の削減、トランジスタ特性の信頼性の向上、ホットエ
レクトロン耐性の向上、及び耐熱性の向上等を図る。 【構成】 全面に高融点金属膜110を形成し、2段階
短時間熱処理法を用い、該高融点金属膜110を、ゲー
ト電極105上及びソース/ドレイン領域に、自己整合
的にシリサイド化する。このシリサイド化された高融点
金属シリサイド膜111a,111b中に不純物をイオ
ン注入し、該シリイサイド膜111a,111bからの
固相拡散によってソース/ドレイン領域の高濃度拡散層
を形成する。その後、ソース/ドレイン領域におけるゲ
ート電極105近傍の低濃度拡散層を形成する。さら
に、シリサイド膜111a,111b上に、ストレス緩
和のためのシリコン窒化膜を形成し、さらにその上に層
間絶縁膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サリサイド構造をなす
MOS半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第1の従来例 半導体集積回路(IC)の発展は、性能と集積度を増す
ために、大規模集積回路(LSI)、さらに超LSI
(VLSI)へとデバイスの縮小化によって進んできて
いる。例えば、サブミクロンMOSFETに対しては、
浅い接合がパンチスルーやショートチャネル効果を防ぐ
ために必要である。浅い接合は、高いシート抵抗を生
じ、デバイスの性能を劣化させてしまう。そこで、自己
整合的なサリサイド技術が、シート抵抗の低減化と、有
効なメタル・シリコンコンタクト面積でのコンタクト抵
抗の低減化を実現するために用いられている。ところ
が、通常の平坦な浅い接合形成プロセスと、サリサイド
プロセスとは、次のような2つの理由により、スケーリ
ング則に従って両立できない。第1の理由は、シリサイ
ドが接合に非常に近づいたとき、接合リークが増大する
ことである。第2の理由は、高濃度のシリコン領域にお
いて、局部的なシリサイドとシリコン界面の制御が困難
であるため、寄生抵抗を生じてコンタクト抵抗が増大す
ることである。理想的な接合構造とは、ショートチャネ
ル効果に対してはゲート電極エッジ近傍に浅い接合を形
成し、厚いシリサイド形成に対してはゲート電極から離
れたところに深い接合を形成するというステップ状の接
合である。3層ゲートサイドウォールの相補型MOSト
ランジスタ(CMOS)技術中の多層構造スペーサの1
層を取り除くことにより、伝統的な従来のLDD(Ligh
tly doped drain )形成方法による3層あるいは4層の
マスク層に比べて、わずか2層のマスクがあれば、浅い
接合と深い接合のステップ状の接合をもつ、適度にドー
プされたドレイン接合構造(MDD)を作ることができ
る。図7(a)〜(d)、及び図8(a)〜(d)は、
従来のMOS半導体装置の製造方法を示す製造工程図で
あり、この図を参照しつつ従来の製造工程(1)〜
(6)を説明する。
【0003】(1) 図7(a)の工程 面方位(100)面のエピタキシャルシリコン基板1上
に、N型ウェル2と図示しないP型ウェルとを形成し、
それらの上に、選択酸化法(LOCOS法)によって素
子分離領域3を形成する。次に、ゲート酸化膜4と多結
晶シリコン膜とを形成し、それらを異方性の反応性イオ
ンエッチング法(RIE法)によってエッチングし、ゲ
ート電極5を形成する。ゲート電極5を形成した後、シ
リコン活性層と、多結晶シリコン膜からなるゲート電極
5の表面とを酸化して、酸化膜6a,6bをそれぞれ形
成する。シリコン活性層上の酸化膜6aは220Å、ゲ
ート電極5表面の酸化膜6bには440Å程度が形成さ
れる。そして、減圧化学的気相成長法(LPCVD法)
を用い、全面にシリコン窒化膜7を500Å程度形成す
る。続いて、LPCVD法を用いて全面に、アモルファ
スシリコン膜8を2400Å程度形成する。
【0004】(2) 図7(b)の工程 異方性のRIE法により、アモルファスシリコン膜8と
シリコン窒化膜7をエッチング除去し、多結晶シリコン
膜からなるゲート電極5の両側壁に、シリコン酸化膜6
b、シリコン窒化膜7、及びアモルファスシリコン膜8
の3層膜からなるスペーサ9a,9bを形成する。 (3) 図7(c)の工程 異方性のRIE法により、スペーサ9a,9b中のアモ
ルファスシリコン膜のスペーサ10a,10bを除去す
る。そして、LDD構造のソース/ドレイン領域を形成
するために、シリコン活性層領域11a,11bに、ヒ
素(As+ )とリン(P+ )をイオン注入する。ここ
で、ヒ素は加速エネルギー50KeV、ドーズ量3×1
15cm-2の条件でイオン注入し、高濃度のn+ 拡散層1
2a,12bを形成する。リンは、加速エネルギー10
0KeV、ドーズ量1×1013cm-2の条件でイオン注入
し、低濃度のn- 拡散層13a,13bを形成する。次
に、シリコン基板1にイオン注入したヒ素とリンのドラ
イブインと活性化を行わせるために、850℃で30分
程度、ドライ酸化雰囲気中の熱処理と、900℃、20
分程度の窒素雰囲気中の熱処理とを行う。前記のドライ
酸化雰囲気中の熱処理は、イオン注入時のダメージを除
去するためのものである。
【0005】(4) 図7(d)の工程 シリコン活性層11a,11b上の酸化膜6aと、ゲー
ト電極5上部酸化膜6bとを、バッファードフッ酸溶液
を用いて除去する。次に、電子ビーム蒸着法を用いてコ
バルト(Co)膜14を、1×10-6mbarの圧力中で、
0.5nm/sの成膜速度の条件で、250Å〜350Å
程度形成する。 (5) 図8(a)の工程 短時間熱処理法により、熱処理温度575℃で時間50
秒程度、アルゴン雰囲気中の条件で、コバルト膜14に
おけるシリコン活性化層領域14a,14bとゲート電
極上部領域14cとを自己整合的にシリサイド化する。
そして、コバルト膜14におけるシリコン活性化層領域
14a,14bとゲート電極上部領域14c以外の、シ
リサイド化していないコバルト膜を、標準的なアルミニ
ウムエッチング液(例えば、リン酸、さく酸、及び硝酸
の混合液;80:16:4の比率)を用いて室温でエッ
チング除去する。次に、短時間熱処理法により、700
℃で40秒程度、アルゴン雰囲気中の条件で、シリコン
活性層領域14a,14bとゲート電極上部領域14c
とのシリサイド膜を、完全なCoSi2 にするための熱
処理を行う。
【0006】(6) 図8(b)〜(d)の工程 図8(b)に示すように、常圧CVD法により、全面に
シリコン酸化膜15と、ボロン及びリンを含むシリコン
酸化膜16とを順に形成する。そして、ボロン及びリン
を含むシリコン酸化膜16の表面を平坦化するために、
800℃程度の熱処理を行う。次に、図8(c)に示す
ように、ホトリソとエッチング技術により、シリコン活
性層11a,11bとゲート電極5上にコンタクトホー
ル17を形成する。その後、図8(d)に示すように、
バリアメタルとしてTiN層18を全面に形成し、さら
にその上に、Al−Si−Cu層19を全面に形成した
後、ホトリソとエッチング技術を用いてメタル配線を形
成すれば、MOS半導体装置の製造が終了する。
【0007】第2の従来例 例えば、ディープサブミクロンVLSIにおいて、接合
深さが浅く(≦0.2μm)、低抵抗な接合が要求され
る。チタンシリサイド(TiSi2)の抵抗率は、高融点金
属シリサイドの中で最も低いので、第1の従来例で説明
したように、自己整合シリサイド化接合技術に適用する
上で有効である。ところが、TiSi2 には、高温熱処
理に対する限界がある。即ち、TiSi2 層が形成され
てから施される熱処理(形成するための熱処理も含む)
が900℃、30分またはそれ以上の熱処理により、自
己整合的に形成されたTiSi2 膜のモフォロジー(耐
熱性)は容易に劣化し、接合リーク電流が増大し、かつ
広範囲にばらついてしまう。また、シリサイド前に形成
されたソース/ドレイン領域の浅い拡散層が拡がってし
まい、かつシリサイドと拡散層の界面の不純物濃度が低
下し、ソース/ドレイン領域に寄生抵抗が形成され、メ
タル配線とのコンタクトで十分なオーミック特性が得ら
れないという問題がある。そこで、ディープサブミクロ
ンVLSIプロセスにおいて、接合深さが浅く、低抵抗
な接合を形成するために、第1の従来例のようにソース
/ドレイン拡散層を形成した後にソース/ドレイン領域
を自己整合的にシリサイド化するよりも、自己整合的に
シリサイド化した後に、シリサイド膜中にソース/ドレ
イン形成のための不純物をイオン注入し、そのシリサイ
ド膜を拡散源にした固相拡散によってソース/ドレイン
領域を形成する技術が提案されている。以下、その製造
方法を図を用いて説明する。図9(a)〜(c)、及び
図10(a),(b)は、第2の従来例のMOS半導体
装置の製造方法を示す製造工程図であり、これらの図を
参照しつつ従来の製造工程(1)〜(4)を説明する。
【0008】(1) 図9(a)の工程 P型の面方位(100)面のCZシリコン基板21上
に、LOCOS法によって素子分離領域22を形成す
る。そして、ドライ酸化雰囲気中でゲート酸化膜23を
100Å程度形成した後、その上にゲート電極24を形
成する。即ち、LPCVD法を用いて2000Å程度の
多結晶シリコン膜24aを形成した後、DCマグネトロ
ンスパッタリング法を用いて高融点金属シリサイド膜
(例えば、タングステンシリサイドWSi2 )24bを
1000Å程度形成し、続いてLPCVD法を用いてシ
リコン窒化膜24cを500Å程度形成する。その後、
ホトリソとエッチング技術により、前記多結晶シリコン
膜24a、高融点金属シリサイド膜24b、及びシリコ
ン窒化膜24cの3層膜をエッチングしてゲート電極2
4を形成する。次に、シリコン活性層上のゲート酸化膜
23をバッファードフッ酸溶液を用いてエッチング除去
した後、該シリコン活性層表面と多結晶シリコン膜24
a及び高融点金属シリサイド膜24bの側壁とをドライ
酸化雰囲気中で酸化し、酸化膜25を形成する。そし
て、リンをイオン注入し、シリコン活性層表面に低濃度
のn- 拡散層26a,26bを形成する。LPCVD法
を用いて全面に、シリコン窒化膜27を500Å程度形
成した後、常圧CVD法により、シリコン酸化膜を20
00Å程度形成する。そして、異方性のRIE法を用
い、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜27をエッチング
し、ゲート電極24の両側壁にサイドウォールスペーサ
28a,28bを形成する。その後、シリコン活性層上
のシリコン酸化膜をバッファードフッ酸溶液を用いてエ
ッチング除去する。
【0009】(2) 図9(b),(c)の工程 図9(b)に示すように、直流(DC)マグネトロンス
パッタリング法を用い、高融点金属膜29として例えば
チタン(Ti)を200〜500Å程度形成する。次
に、図9(c)において、2段階短時間熱処理法によ
り、高融点金属膜29におけるソース/ドレイン領域を
自己整合的にシリサイド化する。ここで、第1段階目の
短時間熱処理では、730℃、30秒、窒素雰囲気中で
高融点金属膜29をシリサイド化する。そして、未反応
チタンをアンモニア水(NH4 OH)、過酸化水素水
(H2 2 )、及び水(H2 O)の混合液でエッチング
除去する。次に、第2段階目の短時間熱処理では、85
0℃、30秒、窒素雰囲気中で高融点金属膜29をシリ
サイド化し、それを完全な化学量論的ダイシリサイド
(TiSi2 )膜29a,29bにする。その後、ソー
ス/ドレイン領域形成のためのn型不純物のヒ素(As
+ )をシリサイド膜29a,29b中にイオン注入す
る。
【0010】(3) 図10(a)の工程 常圧CVD法を用いて全面に、シリコン酸化膜30を1
000Å程度形成し、続いて常圧CVD法を用いてボロ
ン及びリンが含まれるシリコン酸化膜31を7000Å
程度形成する。そして、ボロン及びリンを含むシリコン
酸化膜31の表面を平坦化するためと、シリサイド膜2
9a,29bからの固相拡散によってソース/ドレイン
拡散層の領域を形成するための熱処理を、800℃〜9
00℃の範囲内で窒素雰囲気中で行う。これにより、シ
リサイド膜29a,29bの下に、高濃度のn+ 深い拡
散層32a,32bが形成される。ここで、シリサイド
膜29aとシリコン酸化膜30の界面、シリサイド膜2
9aとn+ 拡散層32aの界面、及びn+ 拡散層32a
とシリコン基板21の界面のそれぞれの形状を拡大した
図を図10(a−1)に示す。この図から明らかなよう
に、どの界面も凹凸形状をしている。シリコン酸化膜3
0とシリサイド膜29aの界面には、チタン酸化物33
が形成されている。シリサイド膜29aとn+ 拡散層3
2aの界面及びシリサイド膜29a中には、メタルドー
パント化合物(例えば、Ti−As)のようなものが形
成されている。 (4) 図10(b)の工程 ホトリソとエッチング技術により、シリコン活性層上と
ゲート電極24上にコンタクトホール34を形成する。
そして、DCマグネトロンスパッタリング法を用い、バ
リアメタルとなるTiN層35を形成し、続いてDCマ
グネトロンスパッタリング法を用いてAl−Si−Cu
層36を形成した後、ホトリソとエッチング技術によっ
てメタル配線を形成すれば、MOS半導体装置の製造が
終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1と
第2の従来例では、次のような問題があり、それを解決
することが困難であった。第1の従来例の問題点 (a) シリコン活性層11a,11b上にソース/ド
レイン領域を形成した後に、コバルト膜14に対して自
己整合的なシリサイド化を行っている。そのため、その
シリサイド膜とソース/ドイレン拡散層(12a,12
b,13a,13b)との界面にメタル化合物が形成さ
れ、かつ不純物の吸い上げが生じ、n+ 拡散層12a,
12b及びn- 拡散層13a,13bの界面近傍の不純
物濃度が低下し、寄生抵抗が形成されてMOSトランジ
スタの電流駆動能力が低下する。 (b) シリサイド膜と高濃度ソース/ドレイン拡散層
との界面の局部的な制御が困難であるため、その界面が
凹凸形状となり、浅いソース/ドレイン拡散層形成を行
うと、接合リーク電流が増大する。 (c) ソース/ドレイン領域を形成するときのイオン
注入ダメージを除去するために、イオン注入後にドライ
酸化雰囲気中で熱処理を行うと、工程が多くなる。 (d) ソース/ドレイン領域のn- 拡散層13a,1
3bの不純物濃度が低下することにより、ホットキャリ
ア耐性が劣化し、デバイス特性の信頼性が悪くなる。 (e) サイドウォールスペーサ10a,10bの材料
として高誘電率のシリコン窒化膜を用いているが、ドレ
イン領域のゲート電極近傍の電界緩和の効果が不十分で
ある。そのため、ホットエレクトロン耐性が向上しな
い。 (f) シリサイド膜上にある層間絶縁膜であるシリコ
ン酸化膜16のストレスが該シリサイド膜のモフォロジ
ーの劣化を生じる。 上記問題は、Nチャネル型MOSトランジスタのみでな
く、Pチャネル型MOSトランジスタでも同様に生じ
る。
【0012】第2の従来例の問題点 (i) 高融点金属膜29として例えばチタンを形成す
る前に、シリコン基板21の表面をアルゴンガスによる
逆スパッタリングによってエッチングし、自然酸化膜を
除去している。しかし、この方法では、シリコン基板2
1の表面の自然酸化膜を完全に除去できないばかりか、
逆スパッタリングによってシリコン基板21の表面にA
rガスが注入されたり、あるいはダメージを与え、かつ
該シリコン基板21の表面が凹凸形状になってしまう。 (ii) チタンのシリサイド膜29a,29bからの固
相拡散を行う場合、そのシリサイド膜29a,29bの
結晶性が多結晶であり、それにn型の不純物をイオン注
入すると、該シリサイド膜29a,29bが非晶質状態
になる。そのため、その後に不純物のシリコン基板21
へのドライブイン熱処理を行うと、シリサイド膜29
a,29bとソース/ドレイン拡散層との界面にTi−
Asのメタルドーパント化合物が折出し、不純物の拡散
を妨げる。なお、P型の不純物をイオン注入すると、T
i−Bのメタルドーパント化合物が析出し、不純物の拡
散を妨げる。 (iii) 前記メタルドーパント化合物は、主にチタンシ
リサイド膜29a,29bの粒界に集中して形成され
る。そのため、この粒界付近の拡散層は拡散が妨げら
れ、該拡散層とシリコン基板21との界面が凹凸形状に
なってしまい、接合リーク電流の増大を生じさせる。 (iv) シリサイド膜29a,29bからの固相拡散を
行うときの熱処理で、シリサイド膜29a,29b上部
のシリコン酸化膜30のストレスによって凝集が生じ、
該シリサイド膜29a,29bのモフォロジーが凹凸形
状になり、該シリサイド膜29a,29bを含む拡散層
のシート抵抗が増大する。 (v) シリサイド膜29a,29bとメタル配線との
コンタクトをとる場合、該シリサイド膜29a,29b
の表面にはチタン酸化物33という絶縁膜が形成されて
いる。そのため、メタル配線用のバリアメタル35を形
成する前の逆スパッタリングでも、チタン酸化物33が
十分に除去できず、メタル配線と十分なオーミックコン
タクトがとれない。本発明は、以上のような従来技術の
欠点を解決し、特性の優れたMOS半導体装置の製造方
法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、前記課題
を解決するために、サリサイド構造をなすMOS半導体
装置の製造方法において、次のような第1〜第9の工程
を順に施すようにしている。即ち、第1の工程では、シ
リコン基板上に、選択的にゲート酸化膜を介してゲート
電極を形成した後、それらの全面にシリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜及びアモルファスシリコン膜を順次形成す
る。第2の工程では、異方性のドライエッチング法を用
いて前記アモルファスシリコン膜をエッチングし、前記
ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成す
る。第3の工程では、前記シリコン窒化膜及びシリコン
酸化膜を異なるエッチング液によって順にエッチング除
去する。第4の工程では、前記シリコン基板上に高融点
金属膜を形成した後、2段階短時間熱処理法を用いて該
高融点金属膜を前記ゲート電極上及びソース/ドレイン
領域に自己整合的にシリサイド化すると共に、そのシリ
サイド化時において未反応の高融点金属膜をエッチング
液で選択的にエッチング除去する。第5の工程では、前
記シリサイド化された高融点金属のシリサイド膜中に、
ソース/ドレイン領域の低濃度拡散層形成のための不純
物をイオン注入する。第6の工程では、前記シリサイド
膜とシリコン基板の界面に、ソース/ドレイン領域の高
濃度拡散層形成のための不純物をイオン注入する。第7
の工程では、前記シリコン基板上に、シリコン酸化膜と
層間絶縁膜を順に形成する。第8の工程では、熱処理を
行って前記層間絶縁膜を平滑化すると共に、前記シリサ
イド膜からソース/ドレイン領域へ、固相拡散による不
純物のドライブインを行う。その後、第9の工程におい
て、前記ゲート電極及びソース/ドレイン領域とバリア
メタルを含むメタル配線とのコンタクトをとる。
【0014】第2の発明では、第1の発明において、第
1の工程のシリコン酸化膜は、熱酸化法で形成し、第1
及び第7の工程のシリコン窒化膜と前記第1の工程のア
モルファスシリコン膜とは、LPCVD法で形成し、第
2の工程のドライエッチング法としては、RIE法を用
いる。さらに、第3の工程のシリコン酸化膜は、前記エ
ッチング液として界面活性材入りのバッファードフッ酸
溶液を用いてエッチング除去し、第4の工程の高融点金
属膜は、2周波励起プラズママグネトロンスパッタリン
グ法プロセス装置を用いて形成する。また、第7の工程
の層間絶縁膜は、常圧CVD法で形成する。
【0015】第3の発明では、サリサイド構造をなすM
OS半導体装置の製造方法において、次のような第1〜
第8の工程を順に施すようにしている。即ち、第1の工
程では、シリコン基板上に、選択的にゲート酸化膜を介
してシリコン窒化膜、第1の高融点金属シリサイド膜、
及び多結晶シリコン膜からなる3層構造のゲート電極を
形成する。第2の工程では、前記シリコン基板のシリコ
ン活性層上に露出している前記ゲート酸化膜をエッチン
グ液で除去した後、前記ゲート電極をマスクとして不純
物を該シリコン活性層にイオン注入して高濃度拡散層を
形成する。第3の工程では、前記シリコン活性層の表面
及び前記ゲート電極の側壁に酸化膜を形成し、全面にシ
リコン窒化膜とシリコン酸化膜を順に形成した後、異方
性のドライエッチング法を用いてそれらのシリコン酸化
膜及びシリコン窒化膜をエッチング除去し、前記ゲート
電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する。第4
の工程では、前記シリコン活性層上の酸化膜をエッチン
グ液でエッチング除去した後、高周波−直流(RF−D
C)結合型プラズマスパッタリング法を用いて該シリコ
ン活性層上に単結晶高融点金属膜を形成する。第5の工
程では、2段階短時間熱処理法を用いて前記シリコン活
性層上に自己整合的に第2の高融点金属シリサイド膜を
形成すると共に、その形成時において未反応高融点金属
膜をエッチング液で選択的にエッチング除去する。第6
の工程では、前記第2の高融点金属シリサイド膜中に不
純物をイオン注入した後、全面にシリコン窒化膜と層間
絶縁膜を順に形成する。第7の工程では、熱処理を行っ
て前記層間絶縁膜を平滑化すると共に、前記第2の高融
点金属シリサイド膜中の不純物を前記シリコン活性層中
へ固相拡散させて低濃度拡散層を形成する。その後、第
8の工程において、前記ゲート電極及び第2の高融点金
属シリサイド膜とバリアメタルを含むメタル配線とのコ
ンタクトをとる。
【0016】第4の発明では、第3の発明において、第
2及び第4の工程のエッチング液としては、界面活性剤
入りのバッファードフッ酸溶液を用い、第3の工程の酸
化膜は、ドライ酸化雰囲気中で酸化して形成し、第3及
び第6の工程のシリコン窒化膜は、LPCVD法を用い
て形成し、第3の工程のシリコン酸化膜及び前記第6の
工程の層間絶縁膜は、常圧CVD法を用いて形成する。
また、第3の工程のドライエッチング法としては、RI
E法を用い、第5の工程のエッチング液としては、アン
モニア水、過酸化水素水及び水の混合液、塩酸、過酸化
水素水及び水の混合液、あるいは硫酸、過酸化水素水及
び水の混合液を用いる。
【0017】第5の発明では、サリサイド構造をなすM
OS半導体装置の製造方法において、次のような第1〜
第10の工程を順に施すようにしている。即ち、第1の
工程では、シリコン基板上の素子分離領域によって囲ま
れたシリコン活性層上に、選択的にゲート酸化膜を介し
て多結晶シリコン膜、第1の高融点金属シリサイド膜、
及び不純物を含むシリコン酸化膜からなる3層構造のゲ
ート電極を形成する。第2の工程では、前記シリコン活
性層上に露出している前記ゲート酸化膜をエッチング除
去した後、前記ゲート電極をマスクとして不純物を該シ
リコン活性層にイオン注入して高濃度拡散層を形成す
る。第3の工程では、前記シリコン活性層の表面及び前
記ゲート電極の側壁に酸化膜を形成した後、シリコン窒
化膜及び不純物を含むシリコン酸化膜を、前記ゲート電
極の側壁と前記素子分離領域上にそれぞれ選択的に形成
する。第4の工程では、2周波励起プラズママグネトロ
ンスパッタリング法を用いて前記シリコン基板上に高融
点金属膜を形成した後、2段階短時間熱処理法を用いて
前記シリコン活性層上のみを自己整合的にシリサイド化
して第2の高融点金属シリサイド膜を形成する。第5の
工程では、前記シリコン基板上に多結晶シリコン膜を形
成した後、その多結晶シリコン膜の下地の不純物を含む
シリコン酸化膜から該多結晶シリコン膜へ、該不純物を
選択的に固相拡散によってドライブイン拡散する。第6
の工程では、前記不純物が選択的に拡散された多結晶シ
リコン膜を、ドライエッチング法又はウェットエッチン
グ法を用いて選択的にエッチング除去し、前記不純物が
拡散されていない多結晶シリコン膜を前記シリコン活性
層上に自己整合的に残す。第7の工程では、前記シリコ
ン活性層上の多結晶シリコン膜中に、高濃度不純物をイ
オン注入する。第8の工程では、前記ゲート電極の上部
及び側壁と前記素子分離領域上の、不純物を含むシリコ
ン酸化膜を選択的にエッチング除去した後、全面にシリ
コン窒化膜と層間絶縁膜を順に形成する。第9の工程で
は、熱処理を行って前記層間絶縁膜を平滑化すると共
に、前記シリコン活性層上の多結晶シリコン膜中の高濃
度不純物を前記シリコン活性層中へ固相拡散させて低濃
度拡散層を形成する。その後、第10の工程において、
前記ゲート電極及び前記シリコン活性層上の多結晶シリ
コン膜とバリアメタルを含むメタル配線とのコンタクト
をとる。
【0018】
【作用】第1及び第2の発明によれば、以上のようにM
OS半導体装置の製造方法を構成したので、ソース/ド
レイン領域の拡散層を形成する前に、自己整合的にソー
ス/ドレイン領域とゲート電極表面をシリサイド化する
ので、該ソース/ドレイン領域の拡散層の低抵抗化が図
れる。高融点金属のシリサイド膜中に不純物をイオン注
入し、該シリサイド膜からの固相拡散によってソース/
ドレイン領域の低濃度拡散層を形成することは、該シリ
サイド膜と拡散層の界面の不純物濃度の低下を抑制し、
浅い結合を形成する働きがある。ソース/ドレイン領域
の低濃度拡散層を形成した後、ゲート電極近傍の高濃度
拡散層を形成するので、ホットキャリア耐性の向上が図
れる。シリサイド膜上に形成されるシリコン窒化膜は、
膜ストレスを緩和する働きがあり、さらにその上に層間
絶縁膜を形成することにより、該シリサイド膜の耐熱性
が向上する。しかも、膜厚ストレス緩和のためのシリコ
ン窒化膜は、ゲート電極の側壁に形成されるサイドウォ
ールスペーサのシリコン窒化膜の膜厚を厚くする働きが
あり、それによってソース/ドレイン領域におけるゲー
ト電極近傍の電界緩和が図れると共に、ホットキャリア
耐性の向上が図れる。第3及び第4の発明によれば、R
F−DC結合型プラズママグネトロンスパッタリング法
を用いる装置は、例えばin−SituとAr+H2
能を備えており、イオン照射量とイオン照射エネルギー
を制御できる。このような装置を用いると、単結晶高融
点金属膜のシリコン活性層のみの形成が的確に行える。
さらに、高融点金属膜を形成する前は、例えば、同一プ
ロセスチャンバー内で、in−SituのAr+H2
ラズマスクリーニングが行え、シリコン基板表面を荒ら
すことなく、その上の自然酸化膜等の除去が行える。
【0019】第2の高融点金属シリサイド膜からの固相
拡散によって低濃度拡散層が形成されるので、第2の高
融点金属シリサイド膜と拡散層の界面、及び該拡散層と
シリコン基板の界面が的確な形状となる。つまり、第2
の高融点金属シリサイド膜と拡散層の界面のメタルドー
パント化合物の析出物の形成が防止され、低い温度で、
浅い接合深さを持った拡散層が均一に制御性よく形成さ
れる。第2の高融点金属シリサイド膜上に形成されるシ
リコン窒化膜は、該第2の高融点金属シリサイド膜と層
間絶縁膜との間のストレスを緩和し、さらに該第2の高
融点金属シリサイド膜表面へのチタン酸化物のような絶
縁膜の形成を防止する働きがある。これにより、第2の
高融点金属シリサイド膜とメタル配線との間で、十分な
オーミックコンタクトがとれ、MOS半導体装置の高速
化が図れる。第5の発明によれば、ソース/ドレイン領
域の高濃度拡散層を形成する前に、例えば、in−Si
tu、Ar+H2 プラズマ表面クリーニング機能を備え
た2周波励起プラズマスパッタリング法を用いてシリコ
ン基板上に高融点金属膜を形成することにより、該高融
点金属膜とシリコン活性層の界面には自然酸化膜がな
く、かつの凹凸がなくなり、該シリコン活性層上に高品
質の高融点金属膜の形成が行える。2段階短時間熱処理
法を用いて、ソース/ドレイン領域の自己整合的な第2
の高融点金属シリサイド膜の形成が行われる。不純物を
含むシリコン酸化膜からの多結晶シリコン膜への固相拡
散と、その後の不純物を含む多結晶シリコン膜を例えば
アルカリ系のシリコンエッチング溶液等によって選択的
にエッチング除去することにより、シリコン活性層上へ
の自己整合的な多結晶シリコン膜の形成が行われる。
【0020】このように、第2の高融点金属シリサイド
膜上に自己整合的に形成された多結晶シリコン膜に、不
純物をイオン注入し、この多結晶シリコン膜を固相拡散
源とし、第2の高融点金属シリサイド膜を通してシリコ
ン活性層中に高濃度拡散層を形成する。これにより、第
2の高融点金属シリサイド膜からの固相拡散による熱処
理により、該第2の高融点金属シリサイド膜とシリコン
活性層の界面に、結晶性析出物が形成されず、低温かつ
単時間で、浅い接合の形成が可能となる。多結晶シリコ
ン膜上部にシリコン窒化膜及び層間絶縁膜を順に形成し
た後に、熱処理が行われるので、第2の高融点金属シリ
サイド膜の上部膜ストレスによる膜質劣化が防止され、
該第2の高融点金属シリサイド膜形成後の熱処理による
膜質劣化のない、低抵抗の高濃度拡散の形成が行える。
即ち、第2の高融点金属シリサイド膜の耐熱性を向上さ
せるために、多結晶シリコン膜上部にシリコン窒化膜を
形成し、その後の熱処理による膜ストレス緩和により多
結晶シリコン膜及び第2の高融点金属シリサイド膜の膜
質及びモフォロジーの劣化を防止する。また、第2の高
融点金属シリサイド膜表面への高融点金属酸化物の形成
が抑制される。さらに、第2の高融点金属シリサイド膜
上に多結晶シリコン膜を形成することは、メタル配線用
コンタクトホール形成のためのエッチング時において、
該第2の高融点金属シリサイド膜の膜減りが防止され、
さらにソース/ドレイン領域のコンタクト特性が、その
後の熱処理によって劣化せず、MOSトランジスタの電
流駆動能力の向上及びホットエレクトロン耐性の優れ
た、高密度で高速なMOS半導体装置の製造を可能にさ
せる。第2の高融点金属シリサイド膜上に、自己整合的
に多結晶シリコン膜が形成されるので、例えば、フッ酸
溶液を用いてコンタクトホールの自然酸化膜の除去を行
った後に、メタル配線用のメタルスパッタリングが行え
る。これにより、第2の高融点金属シリサイド膜とメタ
ル配線との間に、十分なオーミック特性が得られ、高密
度で高速なMOS半導体装置の製造が可能となる。従っ
て、前記課題を解決できるのである。
【0021】
【実施例】第1の実施例 図1(a)〜(e)及び図2(a)〜(d)は、本発明
の第1の実施例のサリサイド構造をなすMOS半導体装
置の製造方法を示す製造工程図であり、この図を参照し
つつ本実施例の製造工程(1)〜(8)を説明する。 (1) 図1(a)の工程 P型の面方位(100)面のCZシリコン基板101
に、N型ウェル102を形成した後、LOCOS法によ
って素子分離領域103を形成する。シリコン基板1の
表面に、ウルトラクリーンな窒素希釈されたドライ酸化
雰囲気中で、ゲート酸化膜104を100Å程度形成す
る。次に、ゲート酸化膜104上に、LPCVD法を用
いて2000Å程度の多結晶シリコン膜を形成し、ホト
リソとエッチング技術によって該多結晶シリコン膜を選
択的にエッチングし、ゲート電極105を形成する。
【0022】(2) 図1(b)の工程 シリコン活性層上のゲート酸化膜104を、界面活性剤
入りのバッファードフッ酸溶液によって除去する。シリ
コン活性化層と、多結晶シリコン膜からなるゲート電極
105とに対し、ドライ酸素雰囲気中で熱処理を行い、
シリコン酸化膜106a,106bを形成する。LPC
VD法を用いて全面に、シリコン窒化膜107を500
Å程度形成し、続いて全面に、LPCVD法を用いてア
モルファスシリコン膜108を2400Å程度形成す
る。 (3) 図1(c)の工程 低イオンエネルギーで、アモルファスシリコン膜とシリ
コン窒化膜のエッチング選択性の高い異方性のRIE法
により、アモルファスシリコン膜108をエッチング
し、ゲート電極105の両側壁に、アモルファスシリコ
ン膜からなるサイドウォールスペーサ109a,109
bを形成する。このとき、シリコン窒化膜107は、エ
ッチング時のエッチング終了検出材料として有効であ
り、またエッチングによるシリコン基板101へのダメ
ージ防止材料として有効なものである。
【0023】(4) 図1(d)の工程 露出しているシリコン窒化膜107をウェットエッチン
グ法(例えば、熱リン酸溶液)を用いてエッチング除去
する。次に、シリコン活性層上のシリコン酸化膜106
aとゲート電極105上部のシリコン酸化膜106bと
を、界面活性剤入りのバッファードフッ酸溶液を用いて
エッチング除去する。このエッチング液は、シリコン活
性層表面を荒さない組成比の制御されたものを用いる。
次に、2周波励起のプラズママグネトロンスパッタリン
グ法を用いて全面に、コバルト(Co)あるいはチタン
(Ti)等の高融点金属膜110を200Å〜500Å
の範囲で形成する。 (5) 図1(e)の工程 短時間熱処理法を用い、高融点金属膜110をソース/
ドレイン領域とゲート電極105上部とに自己整合的に
シリサイド化し、高融点金属のシリサイド膜111a,
111b,112を形成する。そして、素子分離領域1
03及びサイドウォールスペーサ109c,109d上
の、シリサイド化していない高融点金属膜110を、標
準的なアルミニウムエッチング液を用いて室温でエッチ
ング除去する。その後、短時間熱処理法により、高融点
金属のシリサイド膜111a,111b,112を完全
なダイシリサイド膜(例えば、CoSi2 )にする熱処
理を行う。 (6) 図2(a),(b)の工程 図2(a)に示すように、高濃度のn+ ソース/ドレイ
ン拡散層を形成するために、高融点金属のシリサイド膜
111a,111b中に、n型の不純物、例えばヒ素
(As+ )をイオン注入する。次に、図2(b)に示す
ように、低濃度のn- ソース/ドレイン拡散層を形成す
るために、高融点金属のシリサイド膜111a,111
bとシリコン基板101との界面付近に不純物濃度のピ
ークがくるように、n型不純物、例えばリン(P+ )を
イオン注入する。
【0024】(7) 図2(c)の工程 LPCVD法を用いて全面に、シリコン窒化膜115を
500Å程度形成する。続いて、常圧CVD法を用い、
シリコン酸化膜116を1000Å程度形成し、さらに
ボロン及びリンを含むシリコン窒化膜117を7000
Å程度形成する。そして、ボロン及びリンを含むシリコ
ン窒化膜117の表面を活性化すると共に、ソース/ド
レイン拡散層を形成するために、800℃程度の熱処理
を行い、シリサイド膜111a,111b下に、高濃度
のn+ 拡散層113a,113bと低濃度のn- 拡散層
114a,114bを形成する。 (8) 図2(d)の工程 ホトリソとエッチング技術により、シリコン活性層上と
ゲート電極105上とにコンタクトホール118を形成
した後、バリアメタルとしTiN層119を形成し、メ
タル配線との密着層として使う。その後、Al−Si−
Cu層120を形成し、ホトリソとエッチング技術を用
いて該Al−Si−Cu層120をエッチングし、メタ
ル配線を形成すれば、MOS半導体装置の製造が終了す
る。
【0025】以上のように、本実施例の製造方法では、
次のような利点がある。 (a) ソース/ドレイン拡散層形成前に、自己整合的
にソース/ドレイン領域と多結晶シリコン膜からなるゲ
ート電極105の表面とをシリサイド化している。その
ため、ソース/ドレイン領域における浅い接合の拡散層
113a,113b,114a,114bの低抵抗化
と、寄生抵抗によるMOSトランジスタの電流駆動能力
を向上できる。従って、ホットキャリア耐性が向上す
る。 (b) シリサイド膜111a,111bと層間絶縁膜
であるシリコン酸化膜116との間に、シリコン窒化膜
115をバッファ層として用いたため、その後の熱処理
による該シリサイド膜111a,111bの耐熱性が向
上すると共に、膜ストレスによるシリコン基板101へ
の結晶誘起欠陥の発生を防止できる。しかも、サイドウ
ォールスペーサとして厚い高誘電率のシリコン窒化膜1
07を形成してゲート電極105の両側壁のサイドウォ
ールスペーサ109c,109dを形成することが可能
となる。そのため、高速で、信頼性の高いLSI等の半
導体集積回路を製造できる。 なお、本実施例では、NチャネルMOSトランジスタに
ついて述べたが、PチャネルMOSトランジスタについ
ても、同様なプロセスを用いることができる。第2の実施例 図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)は、本発明
の第2の実施例のサリサイド構造をなすMOS半導体装
置の製造方法を示す製造工程図であり、この図を参照し
つつ本実施例の製造工程(1)〜(5)を説明する。 (1) 図3(a)の工程 P型の面方位(100)面のCZシリコン基板201上
に、LOCOS法を用いて素子分離領域202を形成す
る。シリコン基板201の表面に、ドライ酸化雰囲気中
でゲート酸化膜203を100Å程度形成し、さらにそ
の上に、ゲート電極204を形成する。即ち、ゲート酸
化膜203上に、LPCVD法を用いて2000Å程度
の多結晶シリコン膜204aを形成し、その上に、DC
マグネトロンスパッタリング法により、高融点金属のシ
リサイド膜(例えば、タングステンシリサイドWS
2 )204bを1000Å程度形成する。続いて、L
PCVD法を用いてシリコン窒化膜204cを500Å
程度形成する。そして、異方性のRIE法により、多結
晶シリコン膜204a、高融点金属のシリサイド膜20
4b、及びシリコン窒化膜204cを同時にエッチング
し、ゲート電極204を形成する。ゲート電極204の
形成後、界面活性剤入りのバッファードフッ酸溶液を用
い、シリコン活性層上のゲート酸化膜203をエッチン
グ除去した後、該シリコン活性層表面に、リンをイオン
注入して低濃度のn- 拡散層205a,205bを形成
する。そして、シリコン活性層表面とゲート電極204
の側壁とをドライ酸化雰囲気中で酸化し、酸化膜206
を形成する。LPCVD法を用いて全面に、シリコン窒
化膜207を500Å程度形成し、続いて常圧CVD法
により、シリコン酸化膜208を2000Å程度形成す
る。次に、異方性のRIE法を用いてシリコン酸化膜2
08及びシリコン窒化膜207をエッチング除去し、ゲ
ート電極204の両側壁にサイドウォールスペーサを形
成する。その後、界面活性剤入りのバッファードフッ酸
溶液を用い、シリコン活性層上の酸化膜206をエッチ
ング除去する。
【0026】(2) 図3(b)の工程 RF−DC結合型プラズマスパッタリング法を用い、高
融点金属膜(例えば、チタン膜)209を200〜50
0Åの範囲で形成する。即ち、シリコン活性層表面をA
r+H2 雰囲気中で表面プラズマクリーニングを行い、
カーボンや自然酸化膜等をエッチング除去した後、シリ
コン基板201を大気にさらさないで、全面に、イオン
照射量とイオン照射エネルギーが完全に制御された状態
で、チタン膜209を200〜500Åの範囲内で形成
する。このとき、シリコン基板201上のシリコン活性
層表面には、単結晶のチタンが形成できる最適な直流バ
イアスが印加されている。しかし、素子分離領域202
やゲート電極204上のチタン膜209には、直流バイ
アスが印加されていない。そのため、チタン膜209の
うち、シリコン活性層表面上のみに単結晶チタン膜20
9a,209bが形成されることになる。
【0027】(3) 図3(c),(d)及び図4
(a)の工程 図3(c)に示すように、2段階短時間熱処理法によ
り、次のようにしてソース/ドレイン領域を自己整合的
にシリサイド化する。まず、第1段目の短時間熱処理と
して、600〜700℃の温度範囲内で30秒間、N2
雰囲気中で部分的に単結晶チタン膜209a,209b
をシリサイド化してシリサイド膜209c,209dを
形成する。このとき、全面にTiN層210が形成され
る。次に、図3(d)に示すように、アンモニア水(N
4 OH)、過酸化水素水(H2 2 )、及び水(H2
O)の混合液を用いて室温で、表面のTiN層210と
未反応のチタン膜209とをエッチング除去する。その
後、第2段階目の短時間熱処理として、700〜900
℃の温度範囲で30秒間、N2 雰囲気中で完全な化学量
論的なチタンダイシリサイド(TiSi2 )膜209
e,209fを形成する。図4(a)に示すように、チ
タンダイシリサイド膜209e,209f中に、n型不
純物をイオン注入する。例えば、加速エネルギー50K
eV、ドーズ量5×1015cm-2の条件で、ヒ素(As
+ )をイオン注入する。
【0028】(4) 図4(b)の工程 LPCVD法を用いて全面に、シリコン窒化膜211を
500Å程度形成した後、常圧CVD法を用いてシリコ
ン酸化膜212を1000Å程度形成し、さらにボロン
及びリンを含むシリコン酸化膜213を7000Å程度
形成する。
【0029】次に、ボロン及びリンを含むシリコン酸化
膜213の表面を平滑化するために、800〜900℃
の範囲内で30〜60分間、N2 ガス雰囲気中で熱処理
を行う。この熱処理と同時に、チタンダイシリサイド膜
209e,209fからの固相拡散を行い、ソース/ド
レイン領域における低濃度のn深い拡散層214a,2
14bを形成する。このチタンダイシリサイド膜209
eとn+ 拡散層205aの界面、及びn+拡散層214
aとシリコン基板201の界面の拡大図を図4(b−
1)に示す。この図から明らかなように、各界面がほと
んど均一にスムーズに形成されることがわかる。しか
も、チタンダイシリサイド膜209eと上部のシリコン
窒化膜211の界面には、チタン酸化物等の絶縁膜が形
成されていないばかりか、該チタンダイシリサイド膜2
09eとn+ 拡散層205aとの界面にも、Ti−As
等のメタルドーパント化合物の折出物が形成されていな
い。 (5) 図4(c)の工程 ホトリソとエッチング技術により、シリコン活性層上部
とゲート電極204上部にコンタクトホール215を形
成した後、DCマグネトロンスパッタリング法を用い
て、バリアメタルとなるTiN層216を形成する。続
いて、同じDCマグネトロンスパッタリング法を用いて
Al−Si−Cu層217を形成する。その後、ホトリ
ソとエッチング技術により、Al−Si−Cu層217
及びTiN層216をエッチングしてメタル配線を形成
すれば、MOS半導体装置の製造が終了する。
【0030】以上のように、本実施例の製造方法では、
次のような利点を有する。 (a) 単結晶チタンダイシリサイド膜209e,20
9fを用いた固相拡散によってn+ 拡散層214a,2
14bを形成するようにしている。そのため、以後の製
造工程では、低温かつ短時間で、均一に浅い接合が形成
できるようになると共に、ソース/ドレイン領域に寄生
抵抗が形成されなくなり、該ソース/ドレイン領域のシ
ート抵抗の低抵抗化が可能となる。従って、MOSトラ
ンジスタの電流駆動能力が向上し、ホットキャリア耐性
の優れたデバイスを実現できる。 (b) 単結晶チタンダイシリサイド膜209e,20
9fの上部にシリコン窒化膜211を設け、そのシリコ
ン窒化膜211を熱による膜ストレス緩和のためのバッ
ファ層として用いている。そのため、その後の熱処理に
よるチタンダイシリサイド膜209e,209fの耐熱
性が向上すると共に、膜ストレスによるシリコン基板2
01への結晶誘起欠陥の発生を防止できる。従って、高
密度かつ高速の信頼性の高いLSI等の半導体集積回路
を実現できる。なお、本実施例では、NチャネルMOS
トランジスタについて述べたが、PチャネルMOSトラ
ンジスタについても、同様なプロセスを用いることがで
きる。第3の実施例 図5(a)〜(d)及び図6(a),(b)は、本発明
の第3の実施例のサリサイド構造をなすMOS半導体装
置の製造方法を示す製造工程図であり、この図を参照し
つつ本実施例の製造工程(1)〜(6)を説明する。 (1) 図5(a)の工程 P型の面方位(100)面のCZシリコン基板301上
に、トレンチ分離法を用いて素子分離領域302を形成
した後、該素子分離領域302の反転防止用のチャネル
ストッパ層303を形成する。次に、ドライ酸化雰囲気
中でシリコン活性層上を酸化し、ゲート酸化膜304を
100Å程度形成した後、その上に、選択的にゲート電
極305を形成する。即ち、ゲート酸化膜304上に、
LPCVD法を用いて多結晶シリコン膜305aを15
00Å程度形成し、続いて2周波励起のマグネトロンス
パッタリング法を用いて、高融点金属のシリサイド膜3
05bを1000Å程度形成した後、常圧CVD法を用
いてリンを含むシリコン酸化膜305cを1000Å程
度形成する。そして、多結晶シリコン膜305a、高融
点金属のシリサイド膜305b、及びシリコン酸化膜3
05cを同時に異方性のRIE法を用いてエッチング
し、ゲート電極305を形成する。界面活性材入りのバ
ッファードフッ酸溶液を用い、シリコン活性層上のゲー
ト酸化膜304をエッチング除去する。シリコン基板3
01が露出したシリコン活性層上に、ゲート電極305
をマスクにして高濃度浅い不純物層であるn+ 拡散層3
06a,306bをイオン注入法によって形成する。シ
リコン活性層上とゲート電極305の側壁とをドライ酸
化雰囲気中で酸化し、酸化膜307を形成する。この酸
化工程は、n+ 拡散層形成時のイオン注入ダメージを除
去する効果もある。次に、LPCVD法を用いて全面
に、シリコン窒化膜308を500Å程度形成し、続い
て常圧CVD法を用いてリンを含むシリコン酸化膜30
9を1000Å程度形成する。ホトリソ技術とエッチン
グ技術により、シリコン活性層以外の領域に、リンを含
むシリコン酸化膜309とシリコン窒化膜308を残す
ようにする。なお、ゲート電極305の両側壁には、リ
ンを含むシリコン酸化膜309とシリコン窒化膜308
のサイドウォールスペーサ310が形成される。
【0031】(2) 図5(b)の工程 2周波励起プラズママグネトロンスパッタリング法を用
いて全面に、高融点金属膜(例えば、チタン)を200
〜500Åの範囲内で形成する。この高融点金属膜を形
成する前に、必ずシリコン活性層表面の自然酸化膜等の
汚染物質を除去するため、in−SituのAr+H2
雰囲気中で表面プラズマクリーニングを行う。このと
き、シリコン活性層上は、荒れることなく、スムーズな
表面を維持できる。次に、2段階短時間熱処理法を用
い、ソース/ドレイン領域のみを自己整合的にシリサイ
ド化し、高融点金属のシリサイド膜311a,311b
を形成する。即ち、第1段階目の短時間熱処理法では、
500〜700℃の範囲内で30秒間、N2 雰囲気中で
加熱を行う。そして、未反応のTiとTiN層を、アン
モニア水(NH4 OH)、過酸化水素水(H2 2 )、
及び水(H2 O)の混合液を用いて室温で選択的にエッ
チング除去する。次に、第2段階目の短時間熱処理法で
は、700〜900℃の範囲で30秒間、N2 雰囲気中
で、完全な化学量論的な組成であるチタンダイシリサイ
ド(TiSi2 )膜311a,311bになるように熱
処理を行う。 (3) 図5(c)の工程 LPCVD法を用いて全面に、多結晶シリコン膜312
を1000Å程度形成する。そして、800〜900℃
の温度範囲内で30〜60分間、N2 雰囲気中で熱処理
を行い、多結晶シリコン膜312下のリンを含むシリコ
ン酸化膜305c,309から、リン不純物を該多結晶
シリコン膜312中にドライブインする。このとき、シ
リコン活性層上の多結晶シリコン膜312には、リンが
ほとんど拡散しないように熱処理条件を最適化する。
【0032】(4) 図5(d)の工程 アルカリ系のシリコンエッチング溶液によるウェットエ
ッチング法か、あるいは選択性の良好な等方性のRIE
法を用い、素子分離領域302及びゲート電極305上
のリンを含む多結晶シリコン膜312を選択的にエッチ
ング除去する。そして、残ったソース/ドレイン領域上
の多結晶シリコン膜312a,312b中に、n型不純
物、例えばヒ素(As+ )をイオン注入法によって注入
する。 (5) 図6(a)の工程 希フッ酸溶液を用い、素子分離領域302上とゲート電
極305の側壁及び上面とに形成された、リンを含むシ
リコン酸化膜305c,309を、エッチング除去す
る。LPCVD法を用いて全面に、シリコン窒化膜31
3を500Å程度形成し、続いて常圧CVD法を用い、
シリコン酸化膜314とボロン及びリンを含むシリコン
酸化膜315とを連続的に形成する。次に、800〜9
00℃の範囲内で30〜60分間、N2 雰囲気中で熱処
理を行い、ボロン及びリンを含むシリコン酸化膜315
の表面を平坦化すると共に、多結晶シリコン膜312
a,312bからの固相拡散を行ってソース/ドレイン
領域において低濃度のn深い拡散層316a,316b
を形成する。その後、短時間熱処理法を用い、800〜
900℃程度の範囲内で10〜30秒間、N2 雰囲気中
で熱処理を行う。 (6) 図6(b)の工程 ホトリソとエッチング技術を用い、シリコン活性層上と
ゲート電極305上とにコンタクトホール317を形成
する。そして、DCマグネトロンスパッタリング法を用
い、バリアメタルとなるTiN層318とAl−Si−
Cu層319の2層積層メタル配線層を形成し、そのメ
タル配線層をホトリソとエッチング技術を用いてエッチ
ングし、メタル配線を形成すれば、MOS半導体装置の
製造が終了する。
【0033】以上のように、本実施例の製造方法では、
次のような利点がある。 (a) 自己整合的にソース/ドレイン領域に形成した
高融点金属のシリサイド膜311a,311b上に、自
己整合的に多結晶シリコン膜312a,312bを形成
し、この多結晶シリコン膜312a,312b中から固
相拡散によって高融点金属のシリサイド膜311a,3
11b下へ、低濃度のn深い拡散層316a,316b
を形成するようにしている。そのため、以後の製造工程
では、低温かつ短時間で均一に、浅い接合が形成できる
と共に、ソース/ドレイン領域に寄生抵抗が形成されな
くなるため、該ソース/ドレイン領域の低抵抗化が可能
となる。従って、MOSトランジスタの電流駆動能力を
向上できると共に、ホットキャリア耐性の優れた信頼性
の高いデバイスを実現できる。 (b) ソース/ドレイン領域の高融点金属のシリサイ
ド膜311a,311b上には、多結晶シリコン312
a,312bとシリコン窒化膜313という熱による膜
ストレス緩和のためのバッファ層が形成されている。そ
のため、その後の熱処理によるシリサイド膜311a,
311bの耐熱性を向上できると共に、膜ストレスによ
るシリコン基板301への結晶誘起欠陥の発生を防止で
きる。従って、高密度でかつ高速化が可能な信頼性の高
いLSI等の半導体集積回路を実現できる。 (c) MOSトランジスタのサイドウォールスペーサ
310として、高誘電率のシリコン窒化膜308が形成
されているため、ソース/ドレイン領域におけるゲート
電極305近傍の電界が緩和され、ホットエレクトロン
耐性が向上でき、信頼性の高いLSI等の半導体集積回
路を実現できる。 なお、本実施例では、NチャネルMOSトランジスタに
ついて述べたが、PチャネルMOSトランジスタについ
ても、同様なプロセスを用いることができる。本発明
は、上記実施例に限定されず、各製造工程で使用される
材料や方法等を他のものに代えたり、あるいは上記実施
例の複数の製造工程中の一部を省略したり、あるいは新
たな製造工程を付加する等、種々の変更が可能である。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1及び第
2の発明によれば、ソース/ドレイン領域の拡散層形成
前に、高融点金属膜を自己整合的にゲート電極上及びソ
ース/ドレイン領域上にシリサイド化するようにしたの
で、浅い接合のソース/ドレイン領域の拡散層を低抵抗
化できると共に、寄生抵抗によるMOSトランジスタの
電流駆動能力の低下を防止でき、ホットキャリア耐性の
向上が期待できる。さらに、シリサイド膜と層間絶縁膜
との間にバッファ層であるシリコン窒化膜を形成するよ
うにしたので、その後の熱処理によるシリサイド膜の耐
熱性を向上できると共に、膜ストレスによるシリコン基
板への結晶誘起欠陥の発生を防止できる。しかも、サイ
ドウォールスペーサとして厚い高誘電率のシリコン窒化
膜を形成し、該ゲート電極の側壁のサイドウォールスペ
ーサを形成することが可能となり、高速で、信頼性の高
いMOS半導体装置を製造できる。第3及び第4の発明
によれば、第2の高融点金属シリサイド膜を用いた固相
拡散によって高濃度拡散層を形成するようにしたので、
以後の製造工程では、低温かつ短時間で、均一に、浅い
接合が形成できると共に、ソース/ドレイン領域を低抵
抗化できる。そのため、MOSトランジスタの電流駆動
能力が向上し、ホットキャリア耐性の優れたMOS半導
体装置を製造できる。さらに、第2の高融点金属シリサ
イド膜上にシリコン窒化膜を形成するようにしているの
で、該シリコン窒化膜が熱による膜ストレス緩和のため
のバッファ層として作用し、その後の熱処理による第2
の高融点金属シリサイド膜の耐熱性が向上すると共に、
膜ストレスによるシリコン基板への結晶誘起欠陥の発生
を防止できる。そのため、高密度でかつ高速の信頼性の
高いMOS半導体装置を製造できる。
【0035】第5の発明によれば、自己整合的にシリコ
ン活性層上に形成した第2の高融点金属シリサイド膜上
に、自己整合的に多結晶シリコン膜を形成し、該多結晶
シリコン膜中から固相拡散によって該第2の高融点金属
シリサイド膜下へ低濃度の深い拡散層を形成するように
したので、以後の製造工程では、低温かつ短時間で、均
一に浅い接合を形成できると共に、ソース/ドレイン領
域に寄生抵抗が形成されなくなるため、該ソース/ドレ
イン領域を低抵抗化できる。そのため、MOSトランジ
スタの電流駆動能力を向上でき、ホットキャリア耐性の
優れた信頼性の高いMOS半導体装置を製造できる。さ
らに、ソース/ドレイン領域の第2の高融点金属シリサ
イド膜上には、多結晶シリコン膜とシリコン窒化膜とい
う熱による膜ストレスの緩和のためのバッファ層が形成
されているので、その後の熱処理による第2の高融点金
属シリサイド膜の耐熱性を向上できると共に、膜ストレ
スによるシリコン基板への結晶誘起欠陥の発生を防止で
きる。そのため、高密度でかつ高速化が可能な信頼性の
高いMOS半導体装置を製造できる。しかも、MOSト
ランジスタのサイドウォールスペーサとして高誘電率の
シリコン窒化膜が形成されているので、ソース/ドレイ
ン領域におけるゲート電極近傍の電界が緩和され、ホッ
トエレクトロン耐性を向上でき、信頼性の高いMOS半
導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のMOS半導体装置の製
造方法を示す製造工程図である。
【図2】本発明の第1の実施例のMOS半導体装置の製
造方法を示す製造工程図である。
【図3】本発明の第2の実施例のMOS半導体装置の製
造方法を示す製造工程図である。
【図4】本発明の第2の実施例のMOS半導体装置の製
造方法を示す製造工程図である。
【図5】本発明の第3の実施例のMOS半導体装置の製
造方法を示す製造工程図である。
【図6】本発明の第3の実施例のMOS半導体装置の製
造方法を示す製造工程図である。
【図7】第1の従来例のMOS半導体装置の製造方法を
示す製造工程図である。
【図8】第1の従来例のMOS半導体装置の製造方法を
示す製造工程図である。
【図9】第2の従来例のMOS半導体装置の製造方法を
示す製造工程図である。
【図10】第2の従来例のMOS半導体装置の製造方法
を示す製造工程図である。
【符号の説明】
101,201,301 シリコン基板 104,203,304 ゲート酸化膜 105,204,305 ゲート電極 106a,106b,116,208,212,21
3,305c,309,314,315
シリコン酸化膜 107,115,117,204c,207,211,
308,313シリコン窒化膜 109,109b,109c,109d,310 サ
イドウォールスペーサ110
高融点金属膜 111a,111b,112,204b,209c,2
09d,209e,209f,305b,311a,3
11b シリサイド膜 113a,113b,205a,205b,306a,
306bn+ 拡散層 114a,114b,214a,214b,316a,
316bn拡散層 118,215,317 コンタクトホー
ル 119,216,318 TiN層 120,217,319 Al−Si−C
u層 204a,305a,312,312a,312b
多結晶シリコン膜 206,307, 酸化膜 209 チタン膜 209a,209b 単結晶チタン膜 302 素子分離領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/28 301 T 7376−4M 21/316 B 7352−4M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サリサイド構造をなすMOS半導体装置
    の製造方法において、 シリコン基板上に、選択的にゲート酸化膜を介してゲー
    ト電極を形成した後、それらの全面にシリコン酸化膜、
    シリコン窒化膜及びアモルファスシリコン膜を順次形成
    する第1の工程と、 異方性のドライエッチング法を用いて前記アモルファス
    シリコン膜をエッチングし、前記ゲート電極の側壁にサ
    イドウォールスペーサを形成する第2の工程と、 前記シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を異なるエッチ
    ング液によって順にエッチング除去する第3の工程と、 前記シリコン基板上に高融点金属膜を形成した後、2段
    階短時間熱処理法を用いて該高融点金属膜を前記ゲート
    電極上及びソース/ドレイン領域に自己整合的にシリサ
    イド化すると共に、そのシリサイド化時において未反応
    の高融点金属膜をエッチング液で選択的にエッチング除
    去する第4の工程と、 前記シリサイド化された高融点金属のシリサイド膜中
    に、ソース/ドレイン領域の低濃度拡散層形成のための
    不純物をイオン注入する第5の工程と、 前記シリサイド膜とシリコン基板の界面に、ソース/ド
    レイン領域の高濃度拡散層形成のための不純物をイオン
    注入する第6の工程と、 前記シリコン基板上に、シリコン酸化膜と層間絶縁膜を
    順に形成する第7の工程と、 熱処理を行って前記層間絶縁膜を平滑化すると共に、前
    記シリサイド膜からソース/ドレイン領域へ、固相拡散
    による不純物のドライブインを行う第8の工程と、 前記ゲート電極及びソース/ドレイン領域とバリアメタ
    ルを含むメタル配線とのコンタクトをとる第9の工程と
    を、 順に施すことを特徴とするMOS半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程のシリコン酸化膜は、熱
    酸化法で形成し、 前記第1及び第7の工程のシリコン窒化膜と前記第1の
    工程のアモルファスシリコン膜とは、減圧化学的気相成
    長法で形成し、 前記第2の工程のドライエッチング法としては、反応性
    イオンエッチング法を用い、 前記第3の工程のシリコン酸化膜は、前記エッチング液
    として界面活性材入りのバッファードフッ酸溶液を用い
    てエッチング除去し、 前記第4の工程の高融点金属膜は、2周波励起プラズマ
    マグネトロンスパッタリング法を用いて形成し、 前記第7の工程の層間絶縁膜は、常圧化学的気相成長法
    で形成する、 ことを特徴とする請求項1記載のMOS半導体装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 サリサイド構造をなすMOS半導体装置
    の製造方法において、 シリコン基板上に、選択的にゲート酸化膜を介してシリ
    コン窒化膜、第1の高融点金属シリサイド膜、及び多結
    晶シリコン膜からなる3層構造のゲート電極を形成する
    第1の工程と、 前記シリコン基板のシリコン活性層上に露出している前
    記ゲート酸化膜をエッチング液で除去した後、前記ゲー
    ト電極をマスクとして不純物を該シリコン活性層にイオ
    ン注入して高濃度拡散層を形成する第2の工程と、 前記シリコン活性層の表面及び前記ゲート電極の側壁に
    酸化膜を形成し、全面にシリコン窒化膜とシリコン酸化
    膜を順に形成した後、異方性のドライエッチング法を用
    いてそれらのシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜をエッ
    チング除去し、前記ゲート電極の側壁にサイドウォール
    スペーサを形成する第3の工程と、 前記シリコン活性層上の酸化膜をエッチング液でエッチ
    ング除去した後、高周波−直流結合型プラズマスパッタ
    リング法を用いて該シリコン活性層上に単結晶高融点金
    属膜を形成する第4の工程と、 2段階短時間熱処理法を用いて前記シリコン活性層上に
    自己整合的に第2の高融点金属シリサイド膜を形成する
    と共に、その形成時において未反応高融点金属膜をエッ
    チング液で選択的にエッチング除去する第5の工程と、 前記第2の高融点金属シリサイド膜中に不純物をイオン
    注入した後、全面にシリコン窒化膜と層間絶縁膜を順に
    形成する第6の工程と、 熱処理を行って前記層間絶縁膜を平滑化すると共に、前
    記第2の高融点金属シリサイド膜中の不純物を前記シリ
    コン活性層中へ固相拡散させて低濃度拡散層を形成する
    第7の工程と、 前記ゲート電極及び第2の高融点金属シリサイド膜とバ
    リアメタルを含むメタル配線とのコンタクトをとる第8
    の工程とを、 順に施すことを特徴とするMOS半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第2及び第4の工程のエッチング液
    としては、界面活性剤入りのバッファードフッ酸溶液を
    用い、 前記第3の工程の酸化膜は、ドライ酸化雰囲気中で酸化
    して形成し、 前記第3及び第6の工程のシリコン窒化膜は、減圧化学
    的気相成長法を用いて形成し、 前記第3の工程のシリコン酸化膜及び前記第6の工程の
    層間絶縁膜は、常圧化学的気相成長法を用いて形成し、 前記第3の工程のドライエッチング法としては、反応性
    イオンエッチング法を用い、 前記第5の工程のエッチング液としては、アンモニア
    水、過酸化水素水及び水の混合液、塩酸、過酸化水素水
    及び水の混合液、あるいは硫酸、過酸化水素水及び水の
    混合液を用いる、 ことを特徴とする請求項3記載のMOS半導体装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 サリサイド構造をなすMOS半導体装置
    の製造方法において、 シリコン基板上の素子分離領域によって囲まれたシリコ
    ン活性層上に、選択的にゲート酸化膜を介して多結晶シ
    リコン膜、第1の高融点金属シリサイド膜、及び不純物
    を含むシリコン酸化膜からなる3層構造のゲート電極を
    形成する第1の工程と、 前記シリコン活性層上に露出している前記ゲート酸化膜
    をエッチング除去した後、前記ゲート電極をマスクとし
    て不純物を該シリコン活性層にイオン注入して高濃度拡
    散層を形成する第2の工程と、 前記シリコン活性層の表面及び前記ゲート電極の側壁に
    酸化膜を形成した後、シリコン窒化膜及び不純物を含む
    シリコン酸化膜を、前記ゲート電極の側壁と前記素子分
    離領域上にそれぞれ選択的に形成する第3の工程と、 2周波励起プラズママグネトロンスパッタリング法を用
    いて前記シリコン基板上に高融点金属膜を形成した後、
    2段階短時間熱処理法を用いて前記シリコン活性層上の
    みを自己整合的にシリサイド化して第2の高融点金属シ
    リサイド膜を形成する第4の工程と、 前記シリコン基板上に多結晶シリコン膜を形成した後、
    その多結晶シリコン膜の下地の不純物を含むシリコン酸
    化膜から該多結晶シリコン膜へ、該不純物を選択的に固
    相拡散によってドライブイン拡散する第5の工程と、 前記不純物が選択的に拡散された多結晶シリコン膜を、
    ドライエッチング法又はウェットエッチング法を用いて
    選択的にエッチング除去し、前記不純物が拡散されてい
    ない多結晶シリコン膜を前記シリコン活性層上に自己整
    合的に残す第6の工程と、 前記シリコン活性層上の多結晶シリコン膜中に、高濃度
    不純物をイオン注入する第7の工程と、 前記ゲート電極の上部及び側壁と前記素子分離領域上
    の、不純物を含むシリコン酸化膜を選択的にエッチング
    除去した後、全面にシリコン窒化膜と層間絶縁膜を順に
    形成する第8の工程と、 熱処理を行って前記層間絶縁膜を平滑化すると共に、前
    記シリコン活性層上の多結晶シリコン膜中の高濃度不純
    物を前記シリコン活性層中へ固相拡散させて低濃度拡散
    層を形成する第9の工程と、 前記ゲート電極及び前記シリコン活性層上の多結晶シリ
    コン膜とバリアメタルを含むメタル配線とのコンタクト
    をとる第10の工程とを、 順に施すことを特徴とするMOS半導体装置の製造方
    法。
JP11602993A 1993-05-18 1993-05-18 Mos半導体装置の製造方法 Withdrawn JPH06333943A (ja)

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