JPH0633358B2 - 芳香族性溶媒を用いる石油系重質油の熱分解処理方法 - Google Patents

芳香族性溶媒を用いる石油系重質油の熱分解処理方法

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JPH0633358B2
JPH0633358B2 JP60288217A JP28821785A JPH0633358B2 JP H0633358 B2 JPH0633358 B2 JP H0633358B2 JP 60288217 A JP60288217 A JP 60288217A JP 28821785 A JP28821785 A JP 28821785A JP H0633358 B2 JPH0633358 B2 JP H0633358B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は石油系重質油の連続的熱分解処理方法に関する
ものである。
〔従来技術〕
石油系重質油を熱分解し、液状ピッチと分解軽質油を含
むガス状生成物を生成させることは種々知られており、
例えば、特開昭59−157180号公報によれば、燃料として
好適なピッチと分解軽質油を得るために、分解加熱炉と
2基以上の完全混合型反応器との組合せを用いて重質油
を熱分解処理することが提案されている。この方法は、
熱分解反応を連続的に実施し得ると共に、コーキングト
ラブルを有効に防止し得るという利点はあるものの、分
解加熱炉の熱分解反応率を通常の範囲に抑え、2基以上
の完全混合型反応器を用いると共に、各反応器温度を後
段のもの程より高い温度に設定する方法であるため、装
置効率及び経済性の面からは、未だ満足し得るものでは
なかった。
〔目 的〕
本発明は、従来技術に見られる前記欠点を克服した石油
系重質油の熱分解処理方法、即ち、1基の分解加熱炉と
1基の完全混合槽型反応器との組合せを用いて石油系重
質油を熱分解処理するに際し、分解加熱炉の熱分解反応
率を高くしてもコーキングトラブルの発生のない方法を
提供することを目的とする。
〔構 造〕
本発明によれば、石油系重質油を熱分解処理するに際
し、該重質油を1基の分解加熱炉と1基の完全混合槽型
反応器との組合せを用い、該分解加熱炉において全熱分
解反応率の50%以上の割合の熱分解を行うとともに、該
分解加熱炉に対して、該重質油を、溶解パラメータ8.5
〜10.0を有しかつトルエン不溶分を実質的に含まない、
該反応系で液相を示す芳香族性溶媒との混合物の形で供
給することを特徴とする石油系重質油の熱分解処理方法
が提供される。
本発明において用いる石油系重質油としては、原油の常
圧又は減圧蒸留残渣油の他、各種分解残渣油、溶剤脱瀝
アスファルト、天然アスファルト、タールサンドから得
られる製油残留物等が挙げられる。
本発明においては、このような石油系重質油(以下、単
に原料油とも言う)を、1基の分解加熱炉と、1基の完
全混合槽型反応器との組合せを用いて熱分解処理する。
即ち、原料油を、先ず、分解加熱炉を用いて熱分解処理
し、次に得られた熱分解処理生成物を、槽型反応器を用
いてさらに熱分解処理する。原料油をこのような1基の
分解加熱炉と1基の完全混合槽型反応器(以下、単に槽
型反応器とも言う)との組合せを用いて熱分解処理する
場合、従来の技術では、槽型反応器内のピッチ中に形成
されるメソフェースは、その割合が多く、しかも合体し
て大きな粒径のメソフェースになりやすい、即ち、炭素
析出しやすいものであるため、コーキングトラブルが発
生しやすいという問題があったが、本発明者らの研究に
よれば、この槽型反応器におけるコーキングトラブルの
発生は、分解加熱炉における分解反応率を高くすること
によって効果的に防止し得ることが見出された。即ち、
分解加熱炉において、分解反応率を全熱分解反応率の50
%以上に高くして得られた熱分解処理生成物を、次の槽
型反応器で処理する場合、槽型反応器で生成されるメソ
フェースは、粒径の小さな分散性の良好なもので、炭素
析出(コークス化)しにくいものであるため、槽型反応
器内でのコーキングトラブルが防止される。(特開昭62
-124191号公報)。
しかし、前記のように、分解加熱炉の熱分解反応率を高
める場合、槽型反応器におけるコーキングトラブルの発
生を防止し得るものの、逆に、分解加熱炉において、コ
ーキングトラブルが発生しやすくなるという新たな問題
を生じる。そこで、本発明者らは、このコーキングトラ
ブルの発生の問題を解決についてさらに研究を重ねた結
果、分解加熱炉に対し、外部から、溶解パラメータ8.5
〜10.0を有し、かつトルエン不溶分を実質的に含まない
芳香族性溶媒を添加することによって、そのコーキング
トラブル発生の問題を解決し得ることを見出した。本発
明は、このような知見に基づいて完成されたものであ
る。
本発明で用いる溶媒は、溶解パラメータ8.5〜10.0、好
ましくは8.9〜10.0を示し、かつ実質的にトルエン不溶
分を含まない芳香族性溶媒である。
溶解パラメータが10.0を超える溶媒は芳香族性が高く、
コークプリカーサを溶解するものの、表1に示されてい
るように、それ自体がトルエン不溶分となり、本発明の
コーキング抑制の目的には使用することができない。一
方、溶解パラメータが8.5より低い溶媒は、表1に示す
ように、芳香族性を示すものはトルエンのようにその沸
点が低く、反応系で液相を示さなくなるため、本発明で
用いる溶媒としての効果を示さなくなる。分解加熱炉に
おけるコーキングトラブルを防止するには、前記した溶
解パラメータが8.5以上であることが必要で、流動接触
分解油の溶解パラメータが8.5未満の軽質留分を原料油
に添加しても、分解加熱炉でのコーキングトラブルを防
止することができない。
本明細書において示す溶解パラメータは、下記の式によ
って定義されるものである。この式で表わされる溶解パ
ラメータは、温度因子を含む厳密な意味での溶解パラメ
ータとは幾分相違するが、炭化水素化合物の溶解パラメ
ータを知るための近似式としては十分に有効なものであ
る(文献:D.M.Riggs.R.J.Diefendorf:“14th Biennia
l.Conf.on Carbon",Extended Abstract,USA.p.407,1979
を参照)。
δ=−11.8〔1/(1+C/H)〕+14.8 (I) δ:溶解パラメータ C/H:炭化水素の炭素と水素の原子比 次に、前記式で示される石油系炭化水素の溶解パラメー
タを下記表に示す。
を実質上含まないものであり、トルエン不溶分を含む場
合、そのトルエン不溶分が分解加熱炉で熱履歴を受け、
より高分子の成分となり、それ自身がコーキングの原因
となる。さらに、本発明で用いる溶媒は、反応条件下に
おいて液相を示す成分を含むことが必要である。溶解パ
ラメータが8.5以上のものであっても、反応条件下で気
相となるものは、溶媒効果を示さないために、有効に使
用し得ない。本発明で用いる溶媒の添加量は、通常、原
料油を基準として、反応系で液相を示す成分が1〜50重
量%、好ましくは5〜20重量%になるような割合であ
る。溶媒の具体的種類及びその添加割合は、溶媒を原料
油に添加して得られた混合油を、熱分解炉の反応条件下
に保持した時に、常圧換算沸点〔T(760)〕以上の留分の
示す溶解パラメータが7.9以上になるように選定するの
がよい。この場合の常圧換算沸点〔T(760)〕は、分解加
熱炉における分解生成物のフラッシュ条件を示すもの
で、温度及び炭化水素分圧で決まり、次の式で表わされ
る。
T(760):常圧換算沸点(゜F) Tp:操作温度(゜F) P=炭化水素分圧(atm) C1=8.4682 C2=−6625.2 C3=0.21528×106 本発明で用いる溶媒の具体例としては、例えば、流動接
触分解残渣油(溶解パラメータ:8.9〜9.5)、エチレン
ボトム(溶解パラメータ:9.0〜9.9)、石炭液化プロセ
スで再循環される液化溶媒(溶解パラメータ:8.5〜9.
1)等が挙げられる。流動接触分解残渣油を蒸留し、超
重質分と軽質留分を除いた沸点420〜538℃の留分(溶解
パラメータ:9.2〜9.4)は、本発明で用いることのでき
る特に好ましい溶媒である。
本発明においては、先ず、前記溶媒と原料油との混合物
を分解加熱炉において熱分解処理する。本発明の場合、
原料油の熱分解反応率は、従来の分解加熱炉における熱
分解反応率よりも高くとることができ、通常、原料油の
限界熱分解反応率以上の熱分解反応率で実施される。こ
の限界熱分解反応率は、溶媒を加えずに原料油を分解加
熱炉で熱処理した時に、コーキングを生じない最大熱分
解反応率を意味するもので、分解加熱炉から得られる熱
分解生成物中にスラッジ(固相の重縮合化合物)の副生
を伴わない最大熱分解反応率と定義される。一般的に言
うと、溶媒を加えずに原料油を熱分解処理する場合、熱
分解反応率をある限界値以上に上げると、熱分解生成物
中に重縮合反応の進んだ非溶解性の固相重縮合化合物が
スラッジとして生成するようになる。このような反応条
件を採用すると、コーキングトラブルが発生することが
知られている。従って、前記限界熱分解反応率は、この
スラッジの副生を伴わない上限の熱分解反応率に対応す
るものである。この限界熱分解反応率は、原料油の性状
に関係し、脂肪族性の高い原料油では、コーキングを起
しやすいため、その値は小さくなり、一方、芳香族性の
高い原料油では、その値は大きくなる。また、分解加熱
炉における熱分解反応率は、後段の槽型反応器の数によ
っても適当に決めることができるが、後段の槽型反応器
として1基の完全混合型反応器を用いる場合には、全熱
分解反応率、即ち、分解加熱炉と槽型反応器による合計
熱分解反応率に対し、50%以上、好ましくは60〜50%の
範囲に規定するのが有利である。この規定により、槽型
反応器で生成されるメソフェースピッチは、粒径が小さ
く、かつ分散性の良好な炭素析出しにくいものとなる。
なお、本明細書で言う全熱分解反応率とは、分解加熱炉
と槽型反応器の両者によって達成される原料油の合計熱
分解反応率を意味するもので、次の式によって定義され
る。
R:全熱分解反応率(%) A:原料油中の沸点538℃以上の成分の重量 B:分解加熱炉から得られる熱分解処理生成物中の沸点
538℃以上の成分の重量 C:槽型反応器から得られる熱分解処理生成物中の沸点
538℃以上の成分の重量 分解加熱炉における熱分解反応率(%) 槽型反応器における熱分解反応率(%) 本発明において、全熱分解反応率の具体的値は、原料油
の種類等によって適当な範囲に設定するが、一般的に言
うと、燃料として好ましい揮発分25〜45重量%のピッチ
を得るために必要とされる全熱分解反応率は、通常65〜
75%、特に67〜70の範囲である。
分解加熱炉における反応条件としては、一般的には、温
度:450〜520℃、好ましくは485〜520℃、圧力:常圧〜
20kg/cm2の条件が採用される。この分解加熱炉では、通
常、前記したように限界熱分解反応率以上で熱分解処理
を行うが、この熱分解反応率は、反応温度、反応圧力及
び滞留時間によって調節することができる。
槽型反応器における反応条件は、温度380〜450℃、反応
圧力:100mmHg〜5kg/cm2、反応時間:5〜120分、好ま
しくは30〜60分である。また、この槽型反応器は、減圧
下又は水蒸気を供給して、炭化水素分圧100〜500mmHgの
条件で運転される。この槽型反応器における熱分解反応
率は、全熱分解反応率の好ましくは50%以下、より好ま
しくは25〜40%であるが、この熱分解反応率は反応温
度、炭化水素分圧、及び反応時間によって調節すること
ができ、反応温度及び反応圧力を一定にすると、反応時
間によって調節することができる。この槽型反応器で
は、液状ピッチと、分解軽質油を含むガス状生成物とが
生成される。この反応器で生成される液状ピッチ中には
メソフェースが含まれるが、本発明の場合、分解加熱炉
の熱分解反応率を高くし、この槽型の熱分解反応率を低
くすることにより、メソフェースの割合を少なく、通
常、30容量%以下、殊に、15〜25容量%にすることがで
きる。また、この場合に得られるメソフェースは粒径が
20〜50μm程度のピッチ中分散性の良好な炭素化(コー
ク化)しにくいものである。
前記分解加熱炉としては、外熱式管型の反応器を備えた
ものが用いられ、また槽型反応器は、反応形式、反応器
構造は特に限定されず、連続式、半回分式のいずれでも
よく、完全混合型、押出し流れ型のいずれでもよい。こ
の槽型反応器は、内部撹拌装置を備えたものが望まし
く、必要に応じ、反応器壁をクリーンに保つために濡壁
方式やスクレーパー等を併用した形式のものとすること
ができる。
次に、本発明の方法を図面によりさらに詳細に説明す
る。図面において、1は分解加熱炉、2は完全混合型反
応器、3はピッチ冷却器、4は分留塔を各示す。
原料油はライン5を通って分解加熱炉1に供給される
が、この場合、分解加熱炉1への導入に先立ち、ライン
20を通って供給される溶媒及び分留塔4の塔底から循環
される分解軽質油と混合される。この溶媒及び分解軽質
油の添加された原料油は、分解加熱炉1で熱分解処理を
受け、その熱分解処理生成物はライン7を通って完全混
合型反応器2に導入され、ここでさらに熱分解処理を受
ける。この場合、この完全混合型反応器2の底部には、
ライン8を通り、さらにスチームスーパーヒーター12で
加熱された高温スチーム(温度約400〜700℃)が導入さ
れる。この高温スチームは、反応器2の内容物としての
液状ピッチを加熱してさらに熱分解させると共に、液状
ピッチ中の揮発成分のピッチ中からの放散を促進させ、
かつ反応器空間中の炭化水素分圧を低減させる。この反
応器2で生成した分解油を含むガス状成分は、ライン10
を通って分留塔4に導入される。一方、この反応器2で
得られる液状ピッチは、ライン9を通って抜出され、ピ
ッチ冷却器3に導入され、ここで液状ピッチは冷却され
反応は停止する。
このピッチ冷却器3の液状ピッチはライン11を通って製
品ピッチとして抜出される。この製品ピッチは、通常、
軟化点160〜220℃を有する。
ライン10を通って分留塔4に導入されたガス状成分はこ
こで分留され、ライン14を通って分解ガス、ライン15を
通って分解軽質油(沸点C5〜370℃)、ライン16を通っ
て分解重質油(沸点370〜538℃)及びライン17を通って
循環分解重質油(沸点538℃以上)がそれぞれ抜出され
る。ライン17を通って抜出された分解重質油は、原料油
と混合されるために、循環される。
本発明を実施する場合、種々の変更が可能であり、例え
ば、分留塔4として複数の分留塔からなるものを用いる
ことができるし、原料油は、直接分解加熱炉に供給する
代りに、あらかじめ分留塔4に導入し、その塔底から得
られる原料油と分解重質油との混合物を分解加熱炉1に
導入することもできる。また、原料油に添加する塔底か
らの分解重質油にはライン16の分解重質油を添加するこ
とができるし、さらにこの原料油に対する分解重質油の
循環は必ずしも必要とはされず、その循環を省略するこ
とができる。
〔効 果〕
本発明は、従来技術とは異なり、前記したように1基の
分解加熱炉と1基の完全混合槽型反応器との組合せを用
いて石油系重質油を熱分解処理することにより、連続的
にかつ分解加熱炉及び槽型反応器におけるコーキングト
ラブルを抑制しつつ、充分に軽質化された分解油を高収
率で得ると共に、揮発分25〜45重量%の燃料として好適
なピッチを得るものである。従来の石油系重質油の熱分
解処理においては、分解加熱炉での分解反応率を低く抑
え、複数の槽型反応の使用を必要としたが、本発明で
は、このような必要はなく、1基の分解加熱炉と1基の
完全混合槽型反応器との組合せにより、コーキングトラ
ブルを防止しつつ原料油を高分解反応率で熱分解処理す
ることができる。
本発明においては、前記のように、分解加熱炉1におけ
る熱分解反応率を高くし得ることから、前記利点の他、
下記に示すような利点を得ることができる。
(1) 槽型反応器である反応熱供給のための熱媒体ガス
量を減少させ得ることができ、運転コストが安くなる。
(2) 反応時間分布のない分解加熱炉で高い熱分解反応
率で熱分解処理された生成物を槽型反応器で熱分解処理
するため、槽型反応器での反応負荷を減少させることが
できる。従って、槽型反応器では、性状が均一化され、
かつメソフェース又はキノリン不溶分で代表される重縮
合度の進んだ成分の含有率の少ないピッチを得ることが
できる。このようなピッチは、コークス製造用バインダ
ーとして用いる場合には、バインダーとしての特性の良
好なものであり、燃料として用いる場合には、燃え切り
性の良好なものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例 表−2に示す性状の原料油(中東系とベネズエラ系混合
原油の減圧残油)80重量部と、表−3に示す性状の溶媒
(流動接触分解残油の420〜538℃留分)20重量部との混
合油(溶解パラメータ:8.1)を流量1.2kg/時で分解加
熱炉に供給し、温度495℃、圧力1.0kg/cm2Gで熱分解
し、得られた熱分解生成物を、底部からスチームを導入
させた槽型の完全混合型反応器(内容物1.2)に導入
し、反応温度420℃、炭化水素分圧340mmHg、平均滞留時
間85分の条件でさらに熱分解処理した。このとき、分解
加熱炉でのT(760)で推定される生成物の液相部分に占め
る溶媒の割合は、約13重量%であった。
前記のようにして、12時間連続運転を行ったところ、こ
の運転時間中分解加熱炉への原料供給圧の上昇は見られ
ず、また分解加熱炉の反応管の重量増加は何ら見られな
かった。このことから、分解加熱炉におけるコーキング
の発生は全くないものと判断された。また、槽型反応器
におけるコーキングも実質上認められなかった。
得られたピッチの収率は、混合原料油に対し28.9重量%
であり、その性状を表−4に示す。また、熱分解反応処
理途中、分解加熱炉からの熱分解生成物の一部を採取
し、その熱分解反応率を求めたところ、42.7%であり、
またその熱分解生成物中にはスラッジの副生は認められ
なかった。さらに、槽型反応器からの生成油を分析し
て、全熱分解反応率を求めたところ、69.6%であった。
比較例 実施例において、溶媒を添加しない原料油を用いた以外
は同様にして熱分解処理を行ったところ、運転開始直後
から生成ガスが激変し、熱分解反応率が低下した。この
ことから、激しいコーキングが進行しているものと推測
された。また、20時間の運転を行った後、分解加熱炉の
反応管の重量測定を行ったところ、反応管1cm2当り0.0
7g/cm2の重量増加が認められた。分解加熱炉での熱分解
反応率は、運転開始後6時間目で46.1%であり、また10
時間目での熱分解反応率は33.2%であった。
【図面の簡単な説明】 図面は本発明を実施する場合の装置系統図の1例を示す
ものである。 1……分解加熱炉、2……完全混合型反応器、3……ピ
ッチ冷却器、4……分留塔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石油系重質油を熱分解処理するに際し、該
    重質油を1基の分解加熱炉と1基の完全混合槽型反応器
    との組合せを用い、該分解加熱炉において全熱分解反応
    率の50%以上の割合の熱分解を行うとともに、該分解加
    熱炉に対し、該重質油を、溶解パラメータ8.5〜10.0を
    有しかつトルエン不溶分を実質的に含まない、該反応系
    で液相を示す芳香族性溶媒との混合物の形で供給するこ
    とを特徴とする石油系重質油の熱分解処理方法。
JP60288217A 1985-11-25 1985-12-20 芳香族性溶媒を用いる石油系重質油の熱分解処理方法 Expired - Lifetime JPH0633358B2 (ja)

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