JPS6158511B2 - - Google Patents

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JPS6158511B2
JPS6158511B2 JP51135236A JP13523676A JPS6158511B2 JP S6158511 B2 JPS6158511 B2 JP S6158511B2 JP 51135236 A JP51135236 A JP 51135236A JP 13523676 A JP13523676 A JP 13523676A JP S6158511 B2 JPS6158511 B2 JP S6158511B2
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JP
Japan
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oil
stage
stirring vessel
temperature
pitch
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Application number
JP51135236A
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English (en)
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JPS5360927A (en
Inventor
Seiichi Kamimura
Shunichi Yamamoto
Takao Hirose
Hiroaki Takashima
Osamu Kato
Minoru Nagai
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP13523676A priority Critical patent/JPS5360927A/ja
Priority to US05/849,701 priority patent/US4177132A/en
Priority to GB46916/77A priority patent/GB1552508A/en
Priority to DE19772750393 priority patent/DE2750393A1/de
Priority to FR7734002A priority patent/FR2370784A1/fr
Publication of JPS5360927A publication Critical patent/JPS5360927A/ja
Publication of JPS6158511B2 publication Critical patent/JPS6158511B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10CWORKING-UP PITCH, ASPHALT, BITUMEN, TAR; PYROLIGNEOUS ACID
    • C10C3/00Working-up pitch, asphalt, bitumen
    • C10C3/002Working-up pitch, asphalt, bitumen by thermal means

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は石油系ピツチの連続製造方法に関す
る。 エチレン、プロピレン等のオレフインは通常ナ
フサ、灯油等の石油系炭化水素を水蒸気分解ある
いは熱分解して製造されている。この時重質残渣
油が副生物として得られる。また最近のエチレン
製造設備の拡大あるいは原料石油系炭化水素の重
質化に伴い副生する重質残渣油の量も増大してい
る。しかしながらこの重質残渣油は一部がカーボ
ンブラツクの原料として使用されているのみで大
部分は燃料として供されているのが現状である。
しかもこの重質残渣油は、芳香族含量が極めて高
いため燃焼時に大量のススが発生し、燃焼炉の燃
料噴射口近辺にカーボンブラツクが発生する等の
問題が生じ、燃料油としても極めて使いにくい。
従つて近年この重質残渣油をより付加価値の高い
製品に転換することが当該技術分野の緊急課題と
なつている。しかるにこの重質残渣油から、例え
ば、炭素電極等のバインダーピツチを製造する方
法が種々検討されている。 炭素電極等のバインダーとしては、現在主とし
てコールタール系ピツチが用いられているが、焼
結時の粘結性の問題から固定炭素(コンラドソン
炭素)の高いもの、更に作業性の見地から軟化点
が60〜100℃の範囲のものが求められている。し
かし上記水蒸気分解の際、副生する重質残渣油を
熱処理して固定炭素の高いピツチを得ようとする
と同時に軟化点の上昇を来たし、もはやバインダ
ーとして用いることは困難となる。例えば固定炭
素が50%以上のものを得るべく加熱処理すると必
然的に、生成ピツチの軟化点が150℃程度に上昇
し目的のピツチを得ることができない。 特公昭46−2417号では重質油を250〜550℃で熱
処理し、沸点約400℃以上のピツチを得ている。
しかしこのピツチの軟化点は230〜250℃と著しく
高い。 また特開昭48−73405号には第1段において重
質油を圧力20〜200Kg/cm2、温度400〜600℃、時間
10〜1200秒の条件下で処理し、第2段で沸点400
℃以下の軽質油を除去し、第3段で処理温度を下
げ温度300〜480℃、圧力常圧〜50Kg/cm2、時間1
〜10時間の条件下で処理してピツチを製造する方
法が開示されているが、生成ピツチの軟化点は
172〜215℃と著しく高いものである。 軟化点の調整法として、高軟化点ピツチに軽油
等の軽質油を添加して所定の軟化点に調整する方
法が提案された(特公昭43−30073号)、しかしな
がらピツチ中にこれらの軽質油が存在すると焼成
時におけるこれらの軽質油のガス化等により炭素
電極、耐火レンガ等の成形体が急膨張し、製品の
形状変化、空洞の生成さらには破壊等の問題が生
じるため、満足な成形体を得ることができない。 特開昭49−35420号では重質油を加圧下350〜
470℃で熱処理し、必要に応じ軽質分を除去して
軟化点を調節している。すなわち軟化点は軽質分
の切り方により種々とり得るものである。しかし
軽質分が生成ピツチ中に存在すると前記したよう
に満足な成形体は得られない。実用的なピツチは
沸点が400℃よりも低い留分を実質的に含まない
ものであり、沸点400℃以上の重質油からなるピ
ツチを得る場合には、前記特開昭48−73405号の
如き軟化点は著しく増加する。 更に重質残渣油を熱処理する際においても工業
的に重大な障害が存在する。例えばこの熱処理工
程として加熱チユーブおよびソーカー(熱改質反
応器)との組合せの1段の熱処理工程を考えた場
合、まず加熱チユーブ内でのカーボン沈積の問題
が生じる。さらには閉塞により連続運転を停止せ
ざるを得なくなる。従来の熱処理方法では前記の
如き障害のため長時間の連続運転は不可能であつ
た。この加熱チユーブ内のカーボン沈積およびチ
ユーブの閉塞を防止するために種々の提案がなさ
れている。例えば管内線速度を高める方法、ある
いは水蒸気を導入する方法等が提案されている。
しかしこれらの方法により多少の運転時間の延長
は認められるが完全な解決方法とはいえず、実際
数週間の連続運転には耐えることができず加熱チ
ユーブ内に沈積したカーボンを除去するために装
置を休止せざるを得ないものである。あるいは2
系列の加熱チユーブによる切換運転という方法を
用いて連続運転を行なうという経済的に不利な方
法をとらざるを得ないのが現状である。更に致命
的な障害としてあげられるものに、ソーカー内の
液界面に生成するカーボンの析出がある。このカ
ーボンの析出を防止するために、例えば水蒸気を
導入したとしても、実質的な防止効果はなく、更
に前記したように固定炭素を増加させるため、処
理温度を高めると、液界面でのカーボン析出が激
しくなり、ソーカー抜出口等がつまるなどプロセ
ス上重大な障害が生じる。 特開昭47−22422号では不活性ガスを流しなが
ら重質油を除々に昇温することにより急激な熱分
解熱重合によるコークス化を防いでいる。 また特開昭49−35420号では、従来の1段処理
を行なう際、高圧下で行ない更には低沸点成分を
原料油中に含ませるなどしてコークス化を避けて
いる。しかしこれとて多少の効果があるとして
も、長時間の運転は困難であり、まして連続的に
ピツチを製造することはできないものである。 本発明者らは、これら石油系ピツチの製造プロ
セス上の問題および生成ピツチの品質上の問題の
原因を鋭意検討した結果、これらの問題は、はか
らずもすべて同一の原因に起因することを見出
し、この原因を除去することにより両者の問題を
一挙に解決しうる画期的方法を見出し本発明を完
成するに至つた。 以下に本発明を詳述する。 石油系炭化水素の水蒸気分解により、副生する
重質残渣油を加熱処理した場合第1図に示すよう
に、熱処理物中のベンゼン不溶分は熱処理温度が
360℃付近から発生し、温度の上昇に伴つてその
量も急激に増加する。一方加熱チユーブ内のカー
ボン沈積およびソーカー内のカーボン析出も360
℃付近から観察されるようになり、更に温度の上
昇に伴いカーボン沈積速度も著しく増加すること
がわかつた。更に、ソーカーでの処理時間(平均
滞留時間)とベンゼン不溶分の生成量の関係を調
べた結果、第2図に示すように、処理時間のかな
り短い時点でベンゼン不溶分の生成量が急増する
ことが見出された。このように反応初期に異常に
生成するベンセン不溶分(以後初期ベンゼン不溶
分と呼ぶ)とソーカー内の析出カーボン量との間
には第3図に示すような相関関係があり、この初
期ベンゼン不溶分の生成を抑制することが結局ソ
ーカー内のカーボン析出を抑制することになりう
ることを見出した。また生成ピツチの物性、特に
軟化点については、ピツチ中のベンゼン不溶分量
の増加に従い急激に上昇することが一般に知られ
ている。初期ベンゼン不溶分の生成は第2図でも
明らかなように、ベンゼン不溶分総量を増加させ
ることになり、初期ベンゼン不溶分によるベンゼ
ン不溶分総量の増加分だけ軟化点が上昇すること
になる。従つて水蒸気分解時に副生する重質残渣
油から、固定炭素量が高く、軟化点が60〜100℃
の範囲の炭素電極、耐火レンガ等のバインダーピ
ツチを製造するためには初期ベンゼン不溶分を抑
制する必要があることを見出したものである。 そこで本発明者らは、これらの事実を念頭に入
れ、更に研究を重ねた結果、本発明の新規な方法
を採用することにより、従来の問題点を一挙に解
決し得ることを見出したものである。第4図は本
発明の方法を採用した場合の生成ピツチ中のベン
ゼン不溶分と第1撹拌容器内の平均滞留時間との
関係を示したものである。第2図と比較して明ら
かなように本発明の方法を用いることにより初期
ベンゼン不溶分を抑制することができる。 更に本発明は本発明の方法を用いることにより
長期の連続運転を可能なものにしたものである。 すなわち本発明は、石油系炭化水素を水蒸気分
解してオレフインを製造する際に、副生物として
得られる沸点150℃以上の重質残渣油を原料とす
る。ここで石油系炭化水素としてはナフサ、灯油
等の軽質炭化水素が通常用いられ、また水蒸気分
解は600〜1000℃の温度下で行なわれるのが常で
ある。本発明における重質残渣油としては沸点
150℃以上のものが用いられるが、特に沸点200℃
以上のものが好ましい。150℃より低いと、初期
ベンゼン不溶分が多量に生成するので好ましくな
い。 本発明は前記原料油を2Kg/cm2以上の圧力下、
300ないし360℃の範囲内の任意の温度に保持され
た第1段撹拌容器に連続的に供給し、該供給原料
油の平均滞留時間を15分以上とし、第1段撹拌容
器から連続的に第1段処理油を抜出し、該第1段
処理油を370ないし450℃の範囲内の任意の温度に
保持された第2段撹拌容器に張込み、平均滞留時
間を30分〜10時間として第2段処理油を連続的に
抜出し、該第2段処理油から軽質分を除去するこ
とにより石油系ピツチを連続的に製造する方法で
ある。 本発明の第1段における反応条件には厳密なる
適合範囲が存在し、その条件範囲からはずれた場
合には、もはや本発明の目的を達成することはで
きない。すなわち、第1段撹拌容器における圧力
は2Kg/cm2G以上、好ましくは5〜20Kg/cm2・Gであ
る。この圧力条件に関しては撹拌容器中の原料油
の油蒸気を封じ込めるに十分な圧力が必要であ
り、運転の要求からそれ以上の圧力、例えば不活
性ガス等による外圧を加えることも本発明におい
て何ら差し使えなく用いることができる。しかし
ながら、本発明の要求圧力以下、例えば常圧下で
熱処理を行なう場合には最終製品ピツチの収率低
下を招くことはもちろんであるが、それ以外に理
論的にまだ解明されていないが第2段の工程にお
いてカーボンの析出や生成ピツチの軟化点が上昇
するなどの障害が起こり、本発明の目的を達成し
得ない。また第1段撹拌容器は300〜360℃、好ま
しくは330〜350℃の温度範囲内に保持されねばな
らない。もちろん運転中、上記範囲内で温度が変
動しても本発明を達成することはできるが、運転
上の要求から上記温度範囲で任意の一定温度に保
持されていることが好ましい。300℃より低い温
度条件下では、反応が十分に進行しない。360℃
より高い温度下では第1段撹拌容器内でのカーボ
ン析出等の問題が生じ連続運転を困難なものとす
る。本発明における原料油の第1段撹拌容器内で
の平均滞留時間は少なくとも15分以上でなければ
ならない。好ましくは1〜5時間である。平均滞
留時間が15分より短いと反応が不充分である。 次に第1段で得られた処理油を第2段撹拌容器
に張込む。第2段撹拌容器は370〜450℃、好まし
くは390〜430℃の温度範囲内に保持されていなけ
ればならない。連続運転上の要求から通常上記温
度範囲内の任意の一定温度に保持されることが好
ましい。370℃より低いと目的とする製品ピツチ
の物性は実質的に改良されず450℃より高くなる
と、もはやピツチというよりコークスに近いもの
となり、いずれの場合においても得られる製品の
商業的価値は無い。また処理油の第2段撹拌容器
内での平均滞留時間は処理温度との兼ね合いで任
意に選択することができるが、通常30分〜10時
間、好ましくは1〜5時間が適当である。30分未
満の場合には2段目の反応が十分に進行しない。
10時間を越える場合には、軟化点が高くなりす
ぎ、好ましくない。使用圧力は特に制限されない
が、収率および運転上の問題を考慮すれば2〜20
Kg/cm2・G、好ましくは5〜15Kg/cm2・Gである。 目的の製品ピツチは、第2段処理油から軽質分
を除去することにより得られる。軽質分を除去す
る方法は、特に限定されないが通常連続フラツシ
ユ等の減圧蒸留により軽質油を留去させる。本発
明でいう軽質油とは沸点約400℃より軽い留分で
ある。すなわち本発明の製品ピツチは好ましくは
実質的に沸点400℃以上の重質油からなる。ここ
でいう実質的にとは、焼成時において成形体に悪
影響を及ぼさない程度の軽質油分を含むことは差
支えないという意味であり、通常製品ピツチ中に
含まれる軽質油分は0〜5wt%であることが好ま
しい。 本発明において原料油は通常第1段撹拌容器に
張込まれる前に所定温度まで予備加熱される。こ
こでいう所定温度とは撹拌容器中の温度あるいは
それより若干高めの温度である。原料油を予備加
熱する方法として原料油を加熱管に通し、直接所
定温度まで昇温する方法、第1段撹拌容器から循
環油を抜出した後さらに加熱した加熱循環油と原
料油と混合し所定温度とする方法、加熱循環油と
加熱管によりある温度まで昇温された原料油と混
合し所定温度とする方法、あるいは原料油と循環
油を混合したのち加熱管により所定温度まで昇温
する方法が採用される。また第1段撹拌容器に加
熱装置を備えることにより、原料油を予備加熱す
ることなしにあるいは前記方法で予備加熱して第
1段撹拌容器に張込んでも良い。 第1段撹拌容器で処理された油は、次に第2段
撹拌容器に張込まれるが、この場合も通常予備加
熱される。この方法としては上記した原料油の場
合と同様の方法を採用することができる。 原料油あるいは処理油を加熱管を通して目的温
度まで昇温する場合に要する時間は特に制限され
るものではないが、工業的には通常5分以内で行
なわれるのが有利である。5分以上かけて昇温す
る場合は加熱管を長くするか、線速度を極端に遅
らす方法をとらざるを得ず工業的に経済的な方法
とはいえない。 本発明の方法により、通常固定炭素が45%以
上、しかも軟化点が60〜100℃という好適な性状
を保有したピツチが高収率で得られる。このピツ
チは炭素電極、耐火レンガ等の成形時に用いるバ
インダーピツチとして有効に適用される。 さらに本発明の特定の2段処理方法を用いるこ
とにより、第1段および第2段における撹拌容器
内にはカーボンは析出せず、また予備加熱の際の
加熱管内にもカーボンは沈積しないという良好な
状態に維持され連続的にピツチを製造し得ること
ができるものであり、従来の方法とは明らかに区
別される。 本発明で言う撹拌容器は所望の内容積を有する
容器内で実質的に完全混合状態が保持される容器
で、通常撹拌翼を具えた槽型容器である。一般的
には撹拌翼を有する鋼材ドラムが用いられる。 撹拌容器を用いる熱処理方法においては、反応
物の均一な混合状態が得られ、平均滞留時間も任
意にしかも長時間とることができると同時に温度
制御も容易で、処理温度を一定に保持でき、安定
な運転ができる。その結果、反応を充分安定に達
成させることができるとともに均一の性状の製品
を再現性良くしかも収率良く製造することができ
るという点で管状反応器を用いる場合に比べてき
わめて有利である。しかしながら、重質油の熱処
理方法においては、容器内でのコーキングによる
撹拌不可能、装置の閉塞という状況が随伴すると
いう欠点が応々生ずる。後記比較例1および6で
記した場合がこの不都合な場合である。本発明に
おいては、前記したように、所定の条件下の二段
の撹拌容器を用いる熱処理を採用することによ
り、この欠点を改善するとともに、その利点をそ
のまま発揮できることを見い出したものである。 本発明の特定の2段処理を行なうことにより従
来の方法から全く予期できない程、加熱管内にカ
ーボンは沈積せず更に撹拌容器内にもカーボンが
析出しないことの理由は厳密には明らかではない
が、従来の方法を用いた場合には原料油に含まれ
るある種の成分が加熱処理により初期ベンゼン不
溶分あるいは沈積カーボンへと変生するものと考
えられる。これに対し本発明の方法を用いること
により、前記のある種の成分が第1段処理により
異性化等の反応により安定なものに変質し、これ
が第2段処理においても安定に維持され、結局カ
ーボンの生成を抑制するものと推論される。本発
明の第1段処理において、15分以上必要とするこ
とは、上記ある種の成分を安定なものに変質する
に要する時間と考えることができる。 第5図に本発明の方法を実施するに用いられる
プロセスの1例を示す。原料油1はラインaから
第1加熱器2を通つて所定温度まで昇温され、第
1撹拌翼11で完全混合状態の第1段撹拌容器3
に張込まれる。第1段撹拌容器は圧力調制弁5で
一定圧力に制御されている。また第1段撹拌容器
内の処理油の一部は第一循環ポンプ4によりライ
ンhを通り第1加熱器に張込まれ原料油と混合さ
れる。第1段撹拌容器から連続的に抜出された第
1段処理油はラインcを通り第2加熱器6により
所定温度まで昇温され、第2撹拌翼12により完
全混合状態の第2段撹拌容器7に張込まれる。第
2段撹拌容器は圧力調制弁9で一定圧力に制御さ
れている。また第2段処理油の一部は第2循環ポ
ンプ8によりラインiを通り第2加熱器に張込ま
れ第1段処理油と混合される。 第2段撹拌容器から連続的に抜出された第2段
処理油はラインeを通り、減圧フラツシユ塔10
に張込まれ、ラインfから製品ピツチを得る。 以下に実施例を挙げ本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに制限されるものではない。 実施例 1〜2 ナフサを水蒸気分解した際に副生する重質残渣
油を採取した。その性状を第1表に示した。上記
重質残渣油を原料油としてまず、内径4mmのパイ
プスチールに通して所定温度まで昇温した後、完
全混合状態の第1段撹拌容器に連続的にはり込み
熱処理を行つた。撹拌容器内の圧力は15Kg/cm2
G、平均滞留時間は1時間であつた。 第1段撹拌容器から連続的に抜き出された熱処
理物を、第2段目のパイプスチールを通して更に
所定温度に昇温した後、内容積2の第2段撹拌
容器に導入し熱処理を行つた。この時の撹拌容器
内の圧力は10Kg/cm2・G、平均滞留時間は1時間で
あつた。次に第2段撹拌容器から最終的な熱処理
を終えた熱処理物を連続的に抜出し250℃、10mm
Hgの条件下で運転されているフラツシユ蒸留塔
に導入し沸点が400℃より軽い軽質油を留去しフ
ラツシユ蒸留塔の塔底より生成ピツチを抜出し
た。第1段および第2段の処理条件、生成ピツチ
物性など実験結果を第2表に示した。なお運転時
間は、温度定常に入つてから7時間行なつた。 比較例 1〜2 従来の一段の熱処理反応を行ない、本発明の方
法と比較した。 実施例1で用いた原料油を内径4mmのパイプス
チールに通して所定温度まで昇温した後ソーカー
に連続的にはり込み熱処理を行なつた。この時の
ソーカー内の圧力は10Kg/cm2・Gで、処理時間は1
時間であつた。次に熱処理油をフラツシユ蒸留塔
に導き実施例1と同様の方法で生成ピツチを得
た。この結果を第2表に併記した。なお運転時間
は実施例1と同様7時間行なつた。 比較例 3 実施例1において第1段撹拌容器の温度を250
℃とすることを除いては実施例1と同様の方法で
ピツチを得た。その結果を第2表に示した。
【表】
【表】
【表】 実施例 3 実施例1で用いた原料油を実施例1と同様の方
法で処理してピツチを得た。但し第1段撹拌容器
中の温度350℃、圧力10Kg/cm2・G、原料油の平均
滞留時間2時間、第2段撹拌容器中の温度400
℃、圧力8Kg/cm2・G、平均滞留時間1時間とし
た。この結果を第3表に示した。なお運転時間は
40時間であつた。 比較例 4 実施例3において、第1段の圧力を常圧とした
ことを除いては実施例3と同様の方法で処理し
た。その結果を第3表に併記した。
【表】
【表】 実施例 4 実施例1で用いた原料油を第1段の処理条件を
温度350℃、圧力20Kg/cm2・G、平均滞留時間3時
間、第2段の処理条件を温度400℃、圧力15Kg/
cm2・G、平均滞留時間1時間30分としたことを除
いては実施例1と同様の方法で処理しピツチを得
た。なお運転は48時間行なつた。その結果を第4
表に示した。 実施例 5 実施例4において第1段の平均滞留時間を15
分、装置の運転時間を28時間としたことを除いて
は実施例4と同様の方法で処理しピツチを得た。
その結果を第4表に示した。 比較例 5 実施例4において第1段の平均滞留時間を2
分、装置の運転時間を10時間としたことを除いて
は実施例4と同様の方法で処理した。なお第1段
においては実施例6で用いた完全混合型撹拌容器
の代わりに350℃にコントロールしたパイプスチ
ールを付加して用いた。その結果を実施例4およ
び5と併せて第4表に示した。
【表】
【表】 実施例 6 実施例1で用いた原料油を第5図に示す改質装
置を用いて熱処理を行なつた。まずラインaから
原料油を100/hrの流量にて第1加熱器(加熱管
の管径21.7mm)2を通して、360℃まで昇温した
後滞留域のないような条件で撹拌器により撹拌さ
れている内容積300の第1段撹拌容器3に連続
的に張込み平均滞留時間3時間で熱処理した。第
1段撹拌容器内は温度355℃に保持されており、
また圧力は圧力調制弁5にて14Kg/cm2・Gに制御さ
れている。また第1加熱管内の油の流速は第1循
環ポンプ4を用い第1段撹拌容器と第1加熱器を
ライインhにて循環することにより2m/secに保
つた。 第1段撹拌容器から連続的に抜出した第1段処
理油をラインcから第2加熱器6に入れ415℃ま
で昇温した後、内容量150の第2段撹拌容器7
に連続的に張込んだ。第2段撹拌容器は温度410
℃に保持されており圧力は圧力調制弁9により12
Kg/cm2・Gに制御されている。撹拌条件は第1段撹
拌容器と同様である。また第2加熱管内の油の流
速は第2循環ポンプ8を用い第2段撹拌容器と第
2加熱器をラインiにて循環することにより2
m/secに保つた。平均滞留時間を3時間とした後
第2段撹拌容器から連続的に抜出された第2段処
理油はラインeを経て、圧力60mmHgに保たれて
いる減圧フラツシユ塔10に張込み、実質的に
400℃より軽い沸点留分を連続的に留去し、製品
ピツチを得た。その結果を第5表に示す。 比較例 6 第5図において、原料油をラインcから第2加
熱器に張込み、415℃まで昇温し、実施例6と同
様の条件下に保持されている第2段撹拌容器内で
熱処理し、実施例6と同様の方法で製品ピツチを
得た。その結果を第5表に示す。
【表】 実施例 7 実施例6、比較例6で得られた製品ピツチ、お
よび比較のためコールタールピツチ(ベンゼン不
溶分37%、固定炭素53%、軟化点84℃)を用い電
極ピースを作成した。No.2〓焼石油コークスを
粉砕し粗粒(10メツシユ以上)、中粒(10〜100メ
ツシユ)および微粉(100メツシユ以下)の粒度
に分け粗粒18%、中粒46%、微粒36%のコークス
100部に対して20部の割合で上記ピツチを加え加
熱混練した後50cmφ×100cmの電極ピースを成形
した。次にこれをコークス粒(ブリーズ)にうめ
込み電気炉にて10℃/hrの昇温速度で1200℃まで
焼成したものをテストピースとして、アルミニウ
ム精練用炭素電極特性を測定した。その結果を第
6表に示す。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は処理温度とベンゼン不溶分の関係、第
2図はソーカー内の平均滞留時間とベンゼン不溶
分の関係、第3図は初期ベンゼン不溶分とソーカ
ー内の析出カーボン量との関係、第4図は本発明
の方法を用いた場合の第1段撹拌容器内の平均滞
留時間とベンゼン不溶分との関係(第2図と比較
して明らかなように本発明の方法によりベンゼン
不溶分を抑制することができる)、第5図は本発
明の方法を実施するに用いられるプロセスの1
例、を、それぞれ、示す。 1:原料油、2:第1加熱器、3:第1段撹拌
容器、6:第2加熱器、7:第2段撹拌容器、1
0:減圧フラツシユ塔、11:第1撹拌翼、1
2:第2撹拌翼、13:製品ピツチ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 石油系炭化水素の水蒸気分解により得られる
    沸点150℃以上の重質油を原料油として石油系ピ
    ツチを製造する方法において、該原料油を2Kg/
    cm2以上の圧力下、300ないし360℃の範囲内の任意
    の温度に保持された第1段撹拌容器に連続的に供
    給し、該供給原料油の平均滞留時間を15分以上と
    し、第1段撹拌容器から連続的に第1段処理油を
    抜出し、該第1段処理油を370ないし450℃の範囲
    内の任意の温度に保持された第2段撹拌容器に張
    込み、平均滞留時間を30分〜10時間として第2段
    処理油を連続的に抜出し、該第2段処理油から軽
    質分を除去することにより石油系ピツチを連続的
    に製造することを特徴とする方法。
JP13523676A 1976-11-12 1976-11-12 Continuous method of manufacturing petroleum pitch Granted JPS5360927A (en)

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