JPS6158515B2 - - Google Patents

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JPS6158515B2
JPS6158515B2 JP58032570A JP3257083A JPS6158515B2 JP S6158515 B2 JPS6158515 B2 JP S6158515B2 JP 58032570 A JP58032570 A JP 58032570A JP 3257083 A JP3257083 A JP 3257083A JP S6158515 B2 JPS6158515 B2 JP S6158515B2
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JP
Japan
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reactor
oil
heavy oil
cracked
temperature
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Application number
JP58032570A
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English (en)
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JPS59157181A (ja
Inventor
Shinpei Gomi
Tomio Arai
Tomomitsu Takeuchi
Shigeru Miwa
Tooru Takatsuka
Ryuzo Watari
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Standard Research Inc
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Fuji Standard Research Inc
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Priority to GB08405027A priority patent/GB2138840B/en
Publication of JPS59157181A publication Critical patent/JPS59157181A/ja
Publication of JPS6158515B2 publication Critical patent/JPS6158515B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G51/00Treatment of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by two or more cracking processes only
    • C10G51/02Treatment of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by two or more cracking processes only plural serial stages only
    • C10G51/023Treatment of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, by two or more cracking processes only plural serial stages only only thermal cracking steps

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は石油系重質油の熱分解処理に関するも
ので、更に詳しくは、コーキングトラブルを実質
的に防止しながら、石油系重質油を連続的に熱分
解処理し、分解軽質油と燃料として好適なピツチ
を製造する方法に関するものである。 石油系重質油の有効利用を目的として、これを
熱分解し、分解油とコークス又はピツチを得る方
法は種々試みられ、また実際に工業化もなされて
いる。 石油系重質油の熱分解に際しては、コーキング
の発生を回避することは著しく困難であるため、
多くの熱分解処理においては、回分式で行う方法
が採用されている。例えば、代表的な回分式の熱
分解プロセスであるデイレードコーキング法で
は、反応器内に一定量のコークスを堆積させた時
点で反応を中断し、器内のコークスを取出す方法
を採用している。また、加熱ガス状熱媒体を用い
て、比較的温和な条件で熱分解を行うユリカプロ
セスにおいても、全体としては連続プロセスの形
態をとつているものの、反応器自体の操作は半回
分式である。 このユリカプロセスにおいては、コークスの粘
結剤や耐火物粘結剤としての用途に適合するよう
に、その熱分解処理は、コークス含有量が少な
く、レジン成分(ベンゼン不溶でかつキノリン可
溶の成分)が多く、H/Cが1.0以下の高芳香族
性ピツチの製造を目的として行われているが、そ
の際に生成する熱分解油は重質油成分を比較的多
く含むものである。一方、現在の石油製品に対す
る需要から見れば、軽質油に対する需要が多く、
この点を含めて前記ユリカプロセスを検討する
と、反応器操作が半回分式であると共に、得られ
る熱分解油が重質油成分を比較的多く含むという
点から、未だ満足すべきものではない。 本発明者らは、従来の重質油の熱分解処理に見
られる前記実情を勘案し、重質油の熱分解処理に
おいて、反応器操作を連続化し、かつコーキング
トラブルを実質的に防止しながら熱分解処理を行
い、分解軽質油を収率よく得ると共に、燃料とし
て好適なピツチを製造する方法を開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、本発明を完成するに到つた。 即ち、本発明によれば、石油系重質油を連続的
に熱処理する方法において、(イ)原料重質油を外熱
式管型反応器で熱分解する工程、(ロ)連続式完全混
合槽型反応器の2基以上を直列に連結させた反応
装置を用いると共に、各反応器には加熱されたガ
ス又は蒸気状熱媒体を供給し、各反応器の温度を
後段の反応器ほど、より高められた温度に調節
し、前記工程(イ)で得られた熱分解生成物をさらに
熱分解させて、熱分解油とピツチを生成させる工
程、(ハ)前記工程(ロ)で得られた熱分解油を重質油成
分と軽質油成分とに分離する工程、(ニ)前記工程(ハ)
で得られた重質油成分をさらに熱分解させて、軽
質化油と芳香族性タールを生成させる工程、(ホ)前
記工程(ニ)で得られた芳香族性タールにナフテン系
重質油を連続的に添加し、この混合タールを前記
工程(ロ)に循環させる工程を含むことを特徴とする
分解軽質油と燃料として好適なピツチを製造する
方法が提供される。 本発明において用いる石油系重質油としては、
原油の常圧又は減圧残渣油の他、各種分解残渣
油、溶剤脱瀝アスフアルト、天然アスフアルト、
タールサイドから得られる製油残留物等が挙げら
れる。また、このような重質油と同様の成分組成
を有する石炭系重質油も適用することができる。 本発明においては、原料重質油を、先ず、外熱
式管型反応器を用い、管内にコーキングが起らな
い限度で可能なだけ熱分解を行う。この場合の反
応条件は、原料重質油の種類にもよるが、一般的
には、温度:450〜500℃、圧力:常圧〜20Kg/cm2
G、反応時間:0.5〜5分の条件が採用される。
この場合の熱分解は、管内にコーキングが生起し
始める時点、即ち、熱分解生成物中にトルエン不
溶分(TI成分)が発生し始める時点の熱分解が
限度である。前記熱分解によれば、例えば、減圧
残渣油の場合、原料油に対する分解油の生成は、
30〜40重量%である。 次に、前記の熱分解処理で得られた熱分解生成
物(以下、第1熱分解生成物という)は、連続式
完全混合槽型反応器を2基以上、通常2〜4基を
直列に連結した反応装置を用いてさらに熱分解処
理(第2熱分解処理)される。この場合、第1熱
分解生成物は、連結された連続式完全混合槽型反
応器の第1反応器に導入され、順次第2、第3の
反応器を移動し、その間に熱分解を受ける。 本発明においては、前記各反応器の温度は、後
段の反応器ほど、より高められた温度に調節され
る。即ち、第2反応器の温度は第1反応器の温度
より高く、第3反応器の温度は第2反応器の温度
より高く、第4反応器の温度は第3反応器の温度
よりも高い。この連結された複数の連続式完全混
合槽型反応器からなる第2熱分解装置において、
その全体の反応温度は400〜440℃であり、各反応
器の反応温度は、この範囲の温度から適当に選択
される。この場合、各反応器の温度差は、少なく
とも5℃以上、好ましくは10℃程度になるように
するのがよい。この第2の熱分解処理において
は、例えば、3基の反応器を連結させた場合、第
1反応器温度は400〜420℃、第2反応器温度は
410〜430℃、第3反応器温度は420〜440℃であ
り、後段の反応器温度は、その前段の反応器温度
よりも、10℃程度高くするのがよい。各反応器に
おける反応圧力は常圧〜5Kg/cm2G程度であり、
反応時間は0.1〜8時間、好ましくは0.2〜2時間
程度である。 第2熱分解処理に用いる反応器は、従来公知の
連続式完全混合槽型反応器であり、本発明の場
合、この反応器に対しては、加熱されたガス又は
蒸気状熱媒体を供給する。このガス又は蒸気状熱
媒体は、炭化水素ガスまたは炭化水素蒸気、スチ
ーム等の不活性ガスの他、酸素を実質的に含まな
い完全燃焼廃ガス等の実質的に非反応性のガス状
物であればよく、通常はスチームが使用される。
このガス又は蒸気状熱媒体は、通常、500〜800℃
の範囲の任意の温度に加熱され、反応器底部より
導入され、反応器内の温度調節や反応液の撹拌及
び生成する分解油の蒸発の調節やコーキングの防
止の役目を果す。本発明で用いる連続式完全混合
槽型反応器の形式は特に制約されず、通常、内部
撹拌装置を備えたもので、必要に応じ、反応器壁
をクリーンに保つために、濡壁方式やスクレーパ
ー等を採用することができる。 前記の第2熱分解処理により、第1熱分解生成
物はさらに熱分解を受け、熱分解油とピツチが生
成されるが、この場合、連結された各反応器は後
段のものほど高温に調節されていることから、熱
分解により生成された分解速度の遅い重質分解油
の熱分解も効果的に進行する。この第2熱分解処
理により得られるピツチは、揮発分を少なくとも
25%、通常25〜40%含むものであり、燃料として
好適なものであり、またその軟化点は高く、通
常、140℃以上の軟化点を有し、本発明の場合、
最高300℃程度の軟化点を示すピツチを得ること
が可能である。 本発明において、第2熱分解処理により生成さ
れた熱分解ガス及び熱分解油は、各反応器の上部
からガス又は蒸気状熱媒体と共にガスや蒸気状で
分離回収されるが、本発明の場合、この第2熱分
解処理により得られる熱分解油は、分留されて、
分解軽質油と分解重質油とに分別され、分解重質
油(例えば、沸点370以上の留分)にはさらに熱
分解処理(第3熱分解処理)を施して、軽質化油
と芳香族性タールを生成させる。この場合の第3
熱分解処理では、反応器としては、種々のものを
用いることができ、例えば、外熱式管型反応器、
混合型反応器等が採用される。また、この場合の
熱分解反応条件は、供給される分解重質油が既に
熱履歴を経て、分解速度が遅いことから、前記第
2熱分解処理における条件よりも高温度が採用さ
れる。 第3熱分解処理に用いられる反応器は、前記し
たように、分解重質油の高温分解を促進させるも
のであれば、種々の型式のものが用いられるが、
一般には、外熱式管型反応器とソーカーとの組合
せを用いることが好ましく、この場合には、外熱
式管型反応器から得られる高温分解生成物は、ソ
ーカーに導入され、ここでさらに熱分解を受ける
と共に、沸点350℃以下程度の軽質化油は上部か
ら抜出され、一方、底部から芳香族性タールが抜
出される。この第3熱分解処理の場合、熱分解反
応条件としては、通常、外熱式管型反応器では、
反応温度450〜520℃、反応時間0.5〜20分、反応
圧力0.3〜150Kg/cm2Gの条件が採用され、ソーカ
ーでは、反応温度400〜460℃、反応時間(平均滞
留時間)0.1〜8時間、反応圧力0.1〜50Kg/cm2Gの
条件が採用される。本発明の場合、このソーカー
において、分解重質油の熱分解の大部分を行わせ
ることもできる。なお、外熱式管型反応器から得
られる熱分解生成物は、これをそのまま気液分離
して、分解軽質油と芳香族性タールとに分離する
こともできるし、特に気液分離することなく、第
2熱分解処理工程へ循環することもできる。ま
た、前記ソーカーは、加圧型完全混合型熱分解反
応器を意味するものである。 前記のようにして得られた芳香族性タールは、
通常、沸点370℃以上を有するもので、本発明に
おいては、この芳香族性タールにナフテン系重質
油を連続的に添加し、得られる混合タールを前記
第2熱分解処理工程へ循環させ、連結された反応
器の少なくとも1つ、好ましくは後段の反応器に
導入させる。この場合に用いられるナフテン系重
質油とは、例えば、バチヤケロ(ベネズエラ)、
マヤ(メキシコ)、イラニアン、ヘビー(イラ
ン)等の一般にナフテン基原油と呼ばれる原油の
常圧残渣油、減圧軽油又は減圧残渣油であつて、
通常沸点350℃以上の重質油である。 本発明者らの研究によれば、このようなナフテ
ン系重質油の場合、パラフイン系又は中間基系重
質油に比べて、分解速度が速くかつその際の水素
の発生速度も大きい上に、その水素発生量も多い
ことが見出されており、従つて、脱水素されやす
いナフテン型水素を比較的多く持つていると考え
られる。本発明者らは、このナフテン系重質油を
第2熱分解処理系に添加することによつて、反応
系に存在するピツチの安定性を向上させ、コーキ
ング現象を抑制し得ることを確めたものである。
このナフテン系重質油を第2熱分解処理系に添加
する場合、連結する複数の反応器の後段の反応器
に加えても、ナフテン系重質油の分解、重縮合反
応速度が速いことから、充分にその分解反応は完
了する。このナフテン系重質油は、前記芳香族性
タールと混合して、混合タールとして第2熱分解
処理系に添加するのが効果的であり、この場合、
混合タールは、ナフテン型水素が芳香族化合物を
経由してコークス前駆体への水素移行が起るもの
と考えられ、更に溶媒的効果によつて、コークス
前駆体の凝集、成長を防止し、反応器内における
コーキングの抑制に顕著な効果を示す。 第2熱分解処理においては、重質油成分の軽質
化と同時にピツチ化が生起されることから、コー
キングトラブルの非常に起りやすい状態になつて
いる。殊に、本発明の場合、連結された反応器の
後段に進むに従つて、反応器温度は高くなり、コ
ーキングが非常に発生しやすい状態になつてい
る。本発明においては、前記したように、芳香族
性タールにナフテン系重質油を加えて混合タール
とし、これを循環してこの第2熱分解処理系に添
加し、反応器におけるコーキングを防止しながら
連続的に熱分解及び重縮合反応を完結させるもの
である。第2熱分解処理に循環させる芳香核性タ
ールの量及びこれに添加するナフテン系重質油の
量は、原料である重質油の種類(油種)や反応条
件によつて異なるが、一般的には、例えば、反応
器内の液状物(ピツチ状物)に対し、芳香族性タ
ールは5〜50重量%であり、ナフテン系重質油は
5〜50重量%であり、ナフテン系重質油の添加量
は、芳香族性タールとほぼ同量にするのがよい。 混合タールは、第2熱分解処理における連結さ
れた反応器の2段以降の反応器に添加するのが有
利であるが、必要に応じ、第1反応器を含めたす
べての反応器に添加することもできる。また、混
合タールの反応器に対する添加方式は任意であ
り、各反応器に対して供給される被処理物との混
合物の形で添加し得る他、この被処理物とは別個
に添加することができ、この場合、混合タールは
濡壁方式等によつても反応器内へ導入することが
できる。 本発明は、従来の方法とは異なり、完全連続方
式で実施されるので、工業的プロセスとしては非
常に有利であり、しかも、本発明の場合は、重質
油をコーキングを抑制しながら、効率よく分解さ
せるものであるから、全体の熱分解反応率は著し
く高められたもので、分解軽質油の収率は高く、
かつ得られるピツチの軟化点も高い。例えば、本
発明によれば、軟化点200〜300℃のピツチをコー
キングトラブルを回避しながら得ることができ、
しかもこの場合に得られるピツチは、揮発分を25
%以上、通常25〜40%含有するもので、燃料用ピ
ツチとして非常にすぐれているという利点があ
る。 次に本発明を図面によりさらに詳細に説明す
る。 図面は本発明の方法を実施する場合のフローダ
イヤグラムの1例を示すもので、2は外熱式管型
反応器、3,4及び5は連続式完全混合槽型反応
器であり、ライン22,23により直列に連結さ
れている。8は蒸留塔である。 原料重質油は、予熱して、蒸留塔8の底部にラ
イン35を通つて供給し、ここで熱交換を行うと
共にその原料中の軽質分を除去した後、塔底から
ライン1を通つて外熱式管型反応器2に導入す
る。もちろん、原料重質油は、直接反応器2に供
給することができる。この反応器2において、原
料重質油はコーキングが起らない限度で熱分解さ
れるが、その一般的反応条件としては、450〜500
℃の温度、常圧〜20Kg/cm2Gの圧力、0.5〜5分の
反応時間が採用される。 この反応器2においては、原料重質油の一部熱
分解を受けた第1熱分解生成物が得られるが、こ
のものはライン21を通り、直列に連結された連
続式完全混合槽型反応器3,4,5からなる多段
熱分解反応装置の第1反応器3に導入される。 一方、これらの各反応器3,4,5には、ライ
ン6を通つて供給される500〜800℃に加熱された
ガス又は蒸気状熱媒体が各分枝管24,25,2
6を通つてその底部から導入され、反応器内の撹
拌、反応温度の調節及び反応によつて生成する軽
質留分の蒸発促進のために用いられる。また、反
応器4及び5には、それぞれライン30及び31
から混合タールが添加される。 第1反応器3の反応条件は、例えば、反応温度
400〜420℃、反応時間(平均滞留時間)0.1〜8
時間、好ましくは0.2〜2時間、圧力は常圧〜5
Kg/cm2Gであり、反応により生成した分解ガス及
び分解生成油はガス又は蒸気状熱媒体(例えばス
チーム)と共に反応器上部より取出され、ライン
27及びライン7を通つて蒸留塔8に送られる。
熱分解反応と重縮合反応によつて次第にピツチ化
された液状物は、反応器内の液面を適当な高さに
保ちながら、反応器の底部より連続的に抜出さ
れ、第2反応器4に移送される。 第2反応器4の反応条件は、例えば反応温度
410〜430℃、反応時間(平均滞留時間)0.1〜8
時間、好ましくは0.2〜2時間、圧力は常圧〜5
Kg/cm2Gであり、反応により生成した分解ガス及
び分解生成油は反応器の上部よりライン28を通
つて抜出され、第1反応器と同様にライン7によ
り蒸留塔8に送られる。第2反応器4における反
応でさらにピツチ化の進んだ液状内容物は、反応
器底部よりライン23を通つて連続的に抜出さ
れ、第3反応器5に移送される。 第3反応器5の反応条件は、例えば、反応温度
420〜440℃、反応時間(平均滞留時間)0.1〜8
時間、好ましくは0.2〜2時間、圧力は常圧〜5
Kg/cm2Gであり、この反応により生成した分解ガ
ス及び分解生成油は、反応器上部よりライン29
を通つて抜出され、第1及び第2反応器からのガ
ス状分解生成物、さらに後述するソーカー11か
らのガス状分解生成物と共にライン7により蒸留
塔8に送られる。 前記反応器3,4及び5の温度は後段の反応器
ほど高くなつており、後段の反応器温度はその前
段の反応器温度より10℃程度高められている。こ
のような後段の反応器程より苛酷な反応条件が採
用される多段熱分解処理により、反応器内液状物
は効果的に熱分解され、その際に生成したピツチ
は第3反応器5の底部からライン36により連続
的は取出され、フレーカー14によつて冷却固化
され、製品とされる。 ライン7を通つて蒸留塔8に送られたガス状熱
分解生成物は、分留されて、例えば、分解ガス、
分解軽質油(沸点370℃以下)及び分解重質油
(沸点370℃以上)とに分別され、分解ガスはライ
ン33、分解軽質油はライン34によつて系外へ
抜出され、一方、分解重質油はライン9を通つて
外熱式管型反応器(軟質化炉)10に送られ、再
び熱分解処理される。なお、このライン9を通る
分解重質油は、必要に応じ、その一部をライン7
によつて系外へ抜出すこともできる。この軽質化
炉10の分解反応温度は、前記反応器5の温度よ
りも高められたものであり、通常、450〜520℃で
あり、また反応時間は0.5〜20分、反応圧力は1
〜150Kg/cm2Gである。この軽質化炉10により、
分解重質油成分はさらに熱分解処理を受け、得ら
れた第3熱分解生成物はライン32を通つてソー
カー11に導入され、ここで、沸点370℃以下の
軽質な分解留出油は上部より抜出され、ライン1
2を通り、反応器3,4,5からのガス状生成物
と共にライン7を通つて蒸留塔8に送られる。 ソーカー11は、例えば温度400〜460℃に保持
されており、ここにおいても重質油の軽質化が行
われ、同時に芳香族性の高い沸点370℃以上のタ
ール分が生成されるが、このものはライン13に
より底部から抜出される。一方、このライン13
を通る芳香族性タールには、ナフテン系重質油が
ライン40を通つて連続的に添加混合される。両
者の混合タールは、それぞれライン30及び31
により反応器4及び5に導入される。この混合タ
ールの各反応器4,5に対する添加により、各反
応器におけるコーキングは抑制される。また、こ
の混合タールは、第1反応器3に供給することも
できる。 なお、ナフテン系重質油は、本熱処理プロセス
以外のプロセスで調製され、予熱された後、前記
したように、通常、ライン40を通つてライン1
3の芳香族性タールに添加されるが、ライン13
に導入せずに、ライン41からソーカー11に導
入し、ソーカー11の底部から、ライン13によ
り混合タールとして抜出すこともできる。また、
芳香族性タールには、本発明処理プロセス以外の
プロセスで生成した芳香族成分に富む分解油、例
えば、FCCプロセスのスラリー油などを混合し
てもよく、この場合には、ソーカー11又はライ
ン13に供給される。 以上に示した本発明に関する要点を示すと、(イ)
外熱式管型反応器に続く、2基以上からなる連続
式完全混合槽型反応器を直列に設け、後段ほど高
温になる条件で連続的に多段分解を行うと共に、
(ロ)熱分解生成油のうちの分解重質油留分をさらに
高温で分解を行つて軽質化すると共に、その際生
成する芳香族性タールをナフテン系重質油との混
合物の形で反応器に循環することによつて反応器
のコーキングを抑制し、(ハ)分解生成分として分解
ガス及び適当に軽質化された分解生成油を収率よ
く得ると共に燃料用として適するピツチを得るも
のである。 なお、分解重質油留分の処理に関しては、これ
をそのまま循環し、原料油に混合して熱分解処理
する方法も考えられるが、この場合には、分解重
質油の分解速度が原料油の分解速度よりも遅いた
めに、分解重質油の軽質化が充分行われず、高め
られた量の分解軽質油を得ようとすると、分解重
質油の循環量は極めて多量必要になり、好ましい
ものではない。本発明の場合は、分解重質油留分
は、原料油とは別個に再び熱分解処理されること
から、効率よくその軽質化が行われ、しかもこの
際に生成する芳香族性タールは、ナフテン系重質
油との混合物の形で第2熱分解処理系に循環さ
れ、コーキング抑制に有効に利用されるので、非
常にすぐれた方法ということである。 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例 下記に示す性状の重質油を熱分解処理原料とし
て用いた。
【表】 原料重質油を流量510g/hrで先ず加熱炉に送つ
て490℃に加熱し、幾分の熱分解を行わせた後、
底部からスチールを導入させた完全混合型反応器
(内容積1)を3基連結して形成した多段反応
装置の第1反応器に供給し、順次第2及び第3反
応器に移送させた。この場合、反応器の温度は、
第1反応器419℃、第2反応器427℃、第3反応器
430℃と順次高くした。また、第2反応器及び第
3反応器には、440℃に予熱した混合タール(芳
香族性タール60wt%、バチヤケロ原油減圧軽油
40wt%)をそれぞれ流量55g/hrで連続的に添加
した。この場合の芳香族性タールと減圧蒸留軽油
の性状は次表の通りである。
【表】 全炭素数に対する芳香族炭素数の割合を示
す。
なお、この場合の芳香族性タールは、あらかじ
め原料である前記減圧残渣油を熱分解して得た分
解油のうち沸点370〜550℃の分解重質留分をさら
に熱分解することによつて生成された分解残油で
ある。 前記の熱分解実験に関する実験条件、分解生成
物の収率及びピツチの性状は後記第4表に示され
る。 前記のようにして、混合タールを連続的に添加
する本発明による熱分解においては、12時間連続
運転を行つたが、コーキング現象は認められず、
反応器内はクリーンな状態を示した。 次に、前記の熱分解実験で得られた沸点370〜
550℃の分解重質油留分を、流量500g/hrで加熱
炉出口温度490℃の条件で加熱した後、完全混合
型反応器(内容積1)に導入し、反応温度440
℃の条件で熱処理した。この場合の分解重質留分
の性状、分解実験条件、分解生成物の収率及び軽
質油と同時に生成された分解残油の性状を第3表
に示す。この分解重質留分の軽質化分解によつ
て、第2表に示される芳香族性タールとほとんど
同一の性状を有する分解残油を得ることができ、
この分解残油も同様に添加用の芳香族性タールと
して利用できることが確認された。
【表】 比較例 前記実施例において、混合タールの添加を行わ
ずに、かつ第1、第2及び第3反応器共ほぼ420
℃の温度に保持した以外は同様にして行つた。こ
のようにして10時間連続運転を行い、反応器内部
を調べたところ、反応器内部に部分的コーキング
現象が認められた。また、この場合に得られたピ
ツチの軟化点は186℃であつたので、反応条件を
種々変更してさらに高い軟化点のピツチを製造し
ようと試みたが、この方法によつては、軟化点
190℃以上のピツチをコーキングトラブルなしに
長時間連続して製造することは困難であると判断
された。 次表に前記実施例及び比較例の実験条件、分解
生成物の収率及びピツチの性状について示す。 なお、ピツチの軟化点は、高下式フローテスタ
ーで測定した。
【表】
【表】 本発明の実施例では、コーキング現象を起すこ
となく、軟化点が274℃という高いピツチを得る
ことができ、また第4表から明らかなように、ピ
ツチの生成量は比較例よりも少ない。これは混合
タールを連続的に添加することによつて、ピツチ
の安定化を向上させ、反応器におけるコーキング
を抑制することができ、従つて、分解率を高める
ことが可能となり、その結果、ピツチの軟化点を
高くすることができ、同時にピツチの生成量を減
少し得たことを意味する。 次に、本発明における原料油の熱分解と、熱分
解重質留分の再熱分解(軽質化)とを組合せた全
体の分解生成物の収率を計算で求め、その結果を
比較例との対比で第5表に示す。この結果から明
らかなように、本発明の実施例の場合では、分解
軽質油の収率は著しく増加し、それに対応して分
解重質油の収率とピツチ収率が低下していること
がわかる。また、得られたピツチは揮発分が約30
%残存しているために、燃料用ピツチとして好適
であることが確認された。 なお実際のプロセスにおいては、分解重質油の
リサイクル量をさらに増加することにより、ほと
んど分解重質油が生成されないようにすることが
可能である。
【表】 【図面の簡単な説明】
図面は本発明の方法を実施する場合のフローダ
イヤグラムを示す。 2……外熱式管型反応器、3,4,5……連続
式完全混合槽型反応器、8……蒸留塔、10……
軽質化炉。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 石油系重質油を連続的に熱処理する方法にお
    いて、 (イ) 原料重質油を外熱式管型反応器で熱分解する
    工程、 (ロ) 連続式完全混合槽型反応器の2基以上を直列
    に連結させた反応装置を用いると共に、各反応
    器には加熱されたガス又は蒸気状熱媒体を供給
    し、各反応器の温度を後段の反応器ほど、より
    高められた温度に調節し、前記工程(イ)で得られ
    た熱分解生成物をさらに熱分解させて、熱分解
    油とピツチを生成させる工程、 (ハ) 前記工程(ロ)で得られた熱分解油を重質油成分
    と軽質油成分とに分離する工程、 (ニ) 前記工程(ハ)で得られた重質油成分をさらに熱
    分解させて、軽質化油と芳香族性タールを生成
    させる工程、 (ホ) 前記工程(ニ)で得られた芳香族性タールにナフ
    テン系重質油を連続的に添加し、この混合ター
    ルを前記工程(ロ)に循環させる工程、 を含むことを特徴とする分解軽質油と燃料として
    好適なピツチを製造する方法。
JP58032570A 1983-02-28 1983-02-28 石油系重質油から分解軽質油と燃料として好適なピツチを製造する方法 Granted JPS59157181A (ja)

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