JPH0633154Y2 - 自動車用アウトサイドドアハンドル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、組立の容易な自動車用アウトサイドドアハン
ドルに関する。

従来の技術 例えば、実開昭６２−９６４５３号公報に示されるよう
に、ハンドル本体を引いてロック装置を開扉する自動車
用アウトサイドドアハンドルは公知である。従来のアウ
トサイドドアハンドルでは、エスカッションを構成する
ブラケットが防水用のエンドカバーを介してドアパネル
に固定される。ハンドル本体はブラケットに回動可能に
取り付けられ、かつドア内に設けられたロック装置に作
動連結される。ハンドル本体を引いてブラケットに対し
回動すると、ロック装置のラッチが外れて、ドアを開扉
することができる。

ブラケットの背面には一対の支持アーム部が設けられ、
ハンドル本体に成形された一対の取付アーム部は、ブラ
ケットの支持アーム部にシャフトを介して回動可能に連
結されるから、ハンドル本体はブラケットに回動可能に
枢支される。シャフトに装着されたスプリングは、ハン
ドル本体を閉扉位置に付勢する。

考案が解決しようとする課題 従来のアウトサイドドアハンドルでは、シャフトの端部
を加締めて変形することにより、シャフトの軸方向の脱
落を阻止している。

しかしながら、加締めによるシャフトの抜け止め構造は
一般的に作業手間を要して自動化に適さず、コスト高で
ある。また、組立後に部品の交換が必要になったとき、
加締め部分を切断又は切除しなければならない。

本考案の目的は、加締め加工を行うことなくシャフトの
抜けを防止し、かつ組立の容易な自動車用アウトサイド
ドアハンドルを提供することにある。

課題を解決するための手段 本考案による自動車用アウトサイドドアハンドルは、車
体のドアパネルに固定されたブラケットと、ブラケット
に対し回動可能に支持されたハンドル本体と、ブラケッ
トとドアパネルとの間に配置されたエンドカバーと、ブ
ラケット及びハンドル本体のアーム部に形成した軸孔に
挿入されたシャフトと、シャフト上に捲回されかつハン
ドル本体をブラケットに対して付勢するスプリングとを
備えている。ハンドル本体又はブラケットの一方のアー
ム部に係合凹部を形成し、係合凹部より小さい内径の軸
孔を係合凹部の内側に形成する。また、シャフトに形成
した頭部をアーム部の係合凹部に嵌合し、他方のアーム
部でシャフトの端部を支持すると共に、エンドカバーに
形成したストッパ部をシャフトの頭部に当接させる。

作用 ハンドル本体及びブラケットのアーム部の軸孔を整列さ
せて、シャフトを挿通するとき、シャフトの頭部は、ハ
ンドル本体又はブラケットの一方のアーム部に形成され
た係合凹部に嵌合される。その後、エンドカバーのスト
ッパ部をシャフトの頭部に当接させると、シャフトの軸
方向移動が阻止され、シャフトの抜けを防止することが
でき、特別な抜止め構造を設けずにシャフトの脱落を防
止することができる。また、部品交換の必要の際には、
エンドカバーを取外すだけで、シャフトをアーム部から
抜き取ることができる。

実施例 以下、本考案による自動車用アウトサイドドアハンドル
の実施例について第１図及び第２図について説明する。

ブラケット２０には一対の開口部２６と、各開口部２６
付近から裏面で突出する一対の支持アーム部２４が設け
られる。支持アーム部２４にはそれぞれに軸孔２５が設
けられる。また、ブラケット２０の開口部２６に挿通さ
れた一対の取付アーム部１２がハンドル本体１０の把持
部本体１１の背面に設けられる。各取付アーム部１２に
設けられた軸孔１３とブラケット２０の軸孔２５にシャ
フト５０を挿入し、スプリング４０が介装される。スプ
リング４０の端部４１はハンドル本体１０に係止され、
スプリング４０の他端は支持アーム部２４に係止され
る。このように、ハンドル本体１０は、エスカッション
となるブラケット２０にシャフト５０を介して回動可能
に支持される。

シャフト５０にはフランジ状の頭部５１と端部５２が形
成される。ハンドル本体１０の一方の取付アーム部１２
には、軸孔１３の内径より大きな内径の係止凹部１２ａ
が外面に設けられる。シャフト５０を軸孔１３に挿入し
たとき、係合凹部１２ａに頭部５１が配置され、頭部５
１の外面は取付アーム部１２の外面と面一となる。ま
た、シャフト５０の端部５２は他方のアーム部１２の軸
孔１３によって支持される。エンドカバー３２のストッ
パ部３４はハンドル本体１０の取付アーム部１２に沿っ
て配置され、シャフト５０の頭部５１に外側から当接す
る。

組立の際に、先ずハンドル本体１０の取付アーム部１２
の軸孔１３とブラケット２０の支持アーム部２４の軸孔
２５とを同一線上に配置する。次に、軸孔１３、２５に
スプリング４０をセットしたシャフト５０を片側から挿
通する。シャフト５０の頭部５１はハンドル本体１０の
取付アーム部１２、１２の係合凹部１２ａに嵌合され
る。従って、シャフト５０の挿入方向への抜けが阻止さ
れる。

その後、エンドカバー３０がブラケット２０の裏側に取
付られると、エンドカバー３０のストッパ部３４がシャ
フト５０の頭部５１に外側から当接する。従って、頭部
５１はハンドル１０の一方の取付アーム部１２とストッ
パ部３４とにより両面から挟持されるので、シャフト５
０が軸方向の左右いずれの方向にも抜け防止されて固定
される。組立後に、スプリング４０の弾力に抗してハン
ドル本体１０を引手方向に回動操作できる。ブラケット
２０に形成された凸部２２は、表側でハンドル本体１０
を把持するときに手を入れる凹部となる。凸部２２を裏
側から覆うエンドカバー３０にも対応する凸部３２が成
形される。

ハンドル本体１０及びブラケット２０は、ポリアセター
ル樹脂等の合成樹脂又は亜鉛等の金属による成形品であ
り、エンドカバー３０はポリエチレン等のゴム質の合成
樹脂で成形される。ブラケット２０の裏側に固定された
一対のスタッドボルト２３、２３はエンドカバー３０に
設けた貫通孔３３に挿通され、ナットでドアパネルに固
定される。ブラケット２０とドアパネルとの間に介装さ
れるエンドカバー３０は、水に対するシール作用及び操
作持の緩衝作用を与える。

経時使用によつて、部品交換の必要が生じた場合は、先
ずエンドカバー３０をブラケット２０の裏面から取り外
すだけで、シャフト５０が抜取り可能となり、ハンドル
本体１０及びブラケット２０等の各部材を容易かつ短時
間に分解できる。

本考案の実施態様は前記の実施例に限定されず、変更が
可能である。前記の実施例ではハンドル本体１０の一方
の取付アーム部１２に係合凹部１２ａを設ける例を示し
たが、他方の取付アーム部又はブラケット２０の支持ア
ーム部２４をハンドル本体１０の取付アーム部１２ａよ
り外側に配置して一方の支持アーム部２４に係合凹部を
形成してもよい。

考案の効果 以上説明したように、本考案による自動車用アウトサイ
ドドアハンドルでは、加締め加工を必要とせずに容易に
組立を行うことができ、また、ハンドル本体をブラケッ
トに軸着するシャフトの軸方向移動を簡単な構造により
阻止して、シャフトの脱落を防止することができる。ま
た、部品交換の必要が生じた際には、エンドカバーを取
外して、シャフトをアーム部から抜き取ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動車用ドアハンドルの実施例を
示す背面図、第２図は分解斜視図である。 １０……ハンドル本体、１２……取付アーム部、２４…
…支持アーム部、１３、２５……軸孔、２０……ブラケ
ット、３０……エンドカバー、３４……ストッパ部、４
０……スプリング、５０……シャフト、５１……頭部、
５２……端部、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体のドアパネルに固定されたブラケット
   と、ブラケットに対し回動可能に支持されたハンドル本
   体と、ブラケットとドアパネルとの間に配置されたエン
   ドカバーと、ブラケット及びハンドル本体のアーム部に
   形成した軸孔に挿入されたシャフトと、シャフト上に捲
   回されかつハンドル本体をブラケットに対して付勢する
   スプリングとを備えた自動車用アウトサイドドアハンド
   ルにおいて、 ハンドル本体又はブラケットの一方のアーム部に係合凹
   部を形成し、係合凹部より小さい内径の軸孔を係合凹部
   の内側に形成し、シャフトに形成した頭部をアーム部の
   係合凹部に嵌合し、他方のアーム部でシャフトの端部を
   支持すると共に、エンドカバーに形成したストッパ部を
   シャフトの頭部に当接したことを特徴とする自動車用ア
   ウトサイドドアハンドル。