JPH06331382A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JPH06331382A
JPH06331382A JP5116151A JP11615193A JPH06331382A JP H06331382 A JPH06331382 A JP H06331382A JP 5116151 A JP5116151 A JP 5116151A JP 11615193 A JP11615193 A JP 11615193A JP H06331382 A JPH06331382 A JP H06331382A
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雅一 中里
Yoichi Shimoura
洋一 下浦
Masamichi Sugihara
雅道 杉原
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて少ないストロークで絶対位置の設定を
可能にする。 【構成】 移動方向に所定のピッチで弱磁性部を配設し
たメインスケール21と、弱磁性部のうち所定の基準位
置に対応する弱磁性部を所定の深さで形成する。メイン
スケール21のピッチに対応して90度の位相差の2相
の正弦波を出力する磁気センサ22と、移動方向の所定
の位置から一端に向けて所定のピッチで弱磁性部を配設
したサブスケール35と、これら弱磁性部に対応して9
0度の位相差の2相の正弦波を出力する磁気センサ36
と、検出手段31が2つの基準点を検出すると、基準点
間隔の符号と基準点検出時の磁気センサ36の振幅レベ
ルで区分けされた領域で演算されたアドレスが指し示す
メモリ41に格納された絶対位置データで、置き換え手
段40が位置データ演算手段29で演算される位置デー
タを置き換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧シリンダのピスト
ンロッドなどアクチュエータのストローク位置を高精度
で検出する装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧シリンダのピストンロッドなどのス
トローク位置を検出するために、ピストンロッド表面の
軸方向に一定のピッチ間隔で弱磁性部を配設した磁気ス
ケールを構成し、シリンダ側に取り付けた磁気センサの
検出信号がピストンロッドの変位によって正弦波形で変
化することを利用して、変位の増分値から分解能の高い
位置検出を行う相対位置検出型のものが知られており、
本願出願人も特開平4−136713号公報に高精度の
測定が行えるものを提案している。
【0003】この装置は、ピストンロッドの移動により
磁気スケールの1ピッチについて一周期となる正弦波で
変化する一対の磁気センサを、互いに90度の位相差を
もって出力するようにピストンロッドの軸方向にセット
するのであるが、2つのセンサ信号は、絶えず一定の振
幅レベル又は振央レベル(振幅レベルの中心値)をもつ
とは限らず、これらは磁気センサを構成する磁気抵抗素
子の特性のばらつき、ピストンロッドの弱磁性部深さの
ばらつき、又は温度変化などによって、振幅レベルや振
央レベルがピッチ毎に変化することがあり、これらを正
確に補正しない限り、ストローク位置の精度を向上させ
ることができない。
【0004】このため、磁気センサ信号の各ピッチごと
のピーク値(振幅レベルの最大又は最小値)をピストン
ロッドの全ストロークにわたって格納・更新し、これら
のデータに基づいてセンサ信号の振幅レベルを同一化す
る補正及び振央レベルの調整を行うことで、磁気スケー
ルの加工精度等によってピッチ毎にセンサ信号が変動し
たり、磁気スケールに経時的な変化や温度変化による変
動が生じても、常に精度の高い位置検出を安定して行っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の装置
では、位置検出のために絶対位置(例えば原点)の設定
を行う必要があり、ピストンロッドの端部にリミットス
イッチ等のセンサを取り付けておき、このリミットスイ
ッチがONになるまでピストンロッドをストロークさせ
ることで原点リセットのための信号を発生させたり、ピ
ストンロッドを最収縮位置(最も縮んだ位置)や最伸長
位置(最も伸びた位置)までストロークさせて原点設定
(絶対位置の設定)を行っている。
【0006】しかしながら、上記従来の装置では使用開
始時(電源再度立ち上げ時)にピストンロッドをリミッ
トスイッチがONになる位置までストロークさせたり、
最収縮位置又は最伸長位置までストロークさせることは
装置の起動時間を増大させる原因となり、特にストロー
クの長いピストンロッドの場合(例えば、ストロークが
数メートルに及ぶ場合)には原点設定までの時間が煩わ
しいことがある。
【0007】また、この原点設定のためにピストンロッ
ドを最収縮位置又は最伸長位置へストロークさせること
は、ピストンロッドに連結された機構に大きな変位を与
えることになり、連結された機構によっては使用開始の
たびに大幅な変位を与えると不都合が生じる場合があっ
た。
【0008】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、極めて少ないストロークで絶対位置の設定
が可能な位置検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1におい
て、移動方向に所定のピッチで弱磁性部を配設したメイ
ンスケール21と、メインスケール21のピッチに対応
して90度の位相差をもった2相の正弦波を出力する一
対の磁気センサ22と、前記メインスケール21のピッ
チ毎の各センサ出力のピーク値をそれぞれ更新・格納す
る手段23と、各ピーク値から各ピッチ毎の振央レベル
を演算する手段24と、前記振央レベルとセンサ出力の
比較結果に基づいて粗位置を演算する手段25と、前記
ピーク値と振央レベルからセンサ出力の正規化係数を演
算する手段26と、この正規化係数に基づいてセンサ出
力を補正する手段27と、2相の補正された正規化信号
を用いて三角関数逆演算により精位置を演算する手段2
8と、粗位置と精位置とを合算した値を位置データとし
て演算する手段29とを備えた位置検出装置において、
前記弱磁性部のうちメインスケール21の所定の基準位
置に対応する弱磁性部を所定の深さで形成した基準点
と、前記振央レベルと前記メインスケール側の一方の相
のセンサ出力とから振幅レベルを演算する手段30と、
この振幅レベルから基準点を検出する手段31と、移動
方向の所定の位置から一端に向けて所定のピッチで複数
の弱磁性部を配設したサブスケール35と、このサブス
ケール35の弱磁性部位置に対応して90度の位相差を
もった2相の正弦波を出力する第2の磁気センサ36
と、前記サブスケール35のピッチ毎の各センサ出力か
ら振幅レベルを演算する手段37と、電源の再立ち上げ
時かどうかを判定する手段44と、この電源の再立ち上
げ時に前記基準点検出位置から隣接する任意の2つの基
準点を通過駆動させる手段45と、これら基準点の検出
時に前記位置データ演算手段29で演算された位置デー
タをメモリ33にそれぞれ格納する手段32と、このメ
モリ33に格納された値から前記隣接する任意の基準点
間隔を演算する手段34と、前記サブスケール35の振
幅レベルが所定の値未満であるかを判定する手段38
と、この判定結果と前記基準点間隔の符号とで区分けさ
れた領域で前記基準点間隔の絶対値に基づいてアドレス
を演算する手段39と、このアドレスが指し示すメモリ
41に格納される絶対位置データで、前記2つ目の基準
点の検出時に前記位置データ演算手段29で演算された
位置データを置き換える手段40と、前記アドレスが指
し示すメモリ41へ各基準点に対する絶対位置データを
初期設定する手段42と、この初期設定された絶対位置
データを保持する手段43とを備える。
【0010】
【作用】電源遮断中にストローク位置が移動した場合、
電源の再立ち上げ時に位置データ演算手段29で演算さ
れる位置と実際のストローク位置に差が生じてしまう。
この場合に、隣接する2つの基準点が検出された時点
で、この2つの基準点間隔の符号とサブスケール側の振
幅レベルとで区分けされた領域で、基準点間隔の絶対値
に基づいてアドレスADが演算され、このアドレスAD
が指し示すメモリ41に格納されている絶対位置データ
で、位置データ演算手段29で演算される2つ目の基準
点の位置データを置き換えることで実際のストローク位
置と位置データ演算手段29で演算される位置データの
ずれが解消され、絶対位置の設定が隣接する2つの基準
点を通過させるだけで行うことができ、さらに、サブス
ケールを所定のストローク位置から一端に向けて配設し
たため、所定のストローク位置を境にして同一の基準点
間隔を設けることが可能となって基準点検出までのスト
ローク量を低減することができる。
【0011】
【実施例】図2は本発明を油圧シリンダのピストンロッ
ドのストローク位置を検出するために適用したときのス
トローク検出部の一実施例を示す。
【0012】図示しない油圧シリンダを構成する磁性材
料(強磁性部)で形成されたピストンロッド1の表面に
は軸方向に所定のピッチPで、所定の深さM1又はM2
弱磁性部2を配設し、これによりメインスケール3を構
成する。これら弱磁性部2の幅は約P/2に形成され
る。
【0013】メインスケール3の弱磁性部2のうち、メ
インスケール3に予め設定した基準点h1、h2、h3
4、h5、h6、h7、h8(hは基準点の識別番号)の
弱磁性部2を深さM2で形成する一方、他の弱磁性部2
を深さM1にて形成する。なお、本実施例では、M1<M
2としている。
【0014】これら基準点h1〜h8の間隔は、ピストン
ロッド1のストローク方向の中央位置を挟んで配設され
た基準点h4、h5の間隔をL0とし、この中央位置から
両端に向けて順次基準点間隔を増大させており、基準点
間隔LはL0<L1<L2<L3の関係を満たしている。
【0015】図示しない油圧シリンダの一端にはピスト
ンロッド1の変位に伴ってメインスケール3の1ピッチ
を1周期とし、互いに90゜の位相差を備えた2相の正
弦波信号を出力する一対の磁気センサ4が備えられる。
【0016】図3はマイクロプロセッサなどにより構成
されるコントローラのブロック図で、磁気センサ4から
出力される2相(A相、B相とする)の信号sig
[A]、sig[B]は図3に示すように、サンプルホ
ールド回路11、12、アナログ−デジタルコンバータ
13を介してCPU14に入力される。
【0017】各相ごとに設けられたデジタル−アナログ
コンバータ15、16では、後述するslot_tab
le上のピーク値から求めれた振央レベル(デジタル
値)をアナログ電圧に変換してコンパレータ17、18
に入力される。
【0018】コンパレータ17、18では上記の振央レ
ベルとセンサ信号sig[A]、sig[B]とを比較
し、図4に示すように振央レベル(sig[A]につい
てcen[A]、sig[B]についてcen[B])
よりもセンサ信号のほうが大きい場合には”H”レベル
の、小さいときには”L”レベルを出力する。
【0019】このコンパレータ出力sgn[A]、sg
n[B]は、後述する割り込み処理を指示する信号とし
て利用され、P/2ごとにコンパレータ出力sgn
[A]、sgn[B]が変化する(すなわち、各相のセ
ンサ信号が振央レベルをクロスする)とき、粗位置がカ
ウントされるとともに、反対相のピーク値の測定、更新
が行われる。
【0020】CPU14では、 1)センサ信号ピーク値のメモリ格納、更新処理、 2)振央レベルの調整処理、 3)粗位置のカウント処理、 4)センサ信号の正規化処理、 5)精位置の演算処理、 6)粗位置と精位置の合算処理、 7)センサ異常検出処理、 等を行うのであるが、これらの詳細は特開平4−136
713号公報に譲るとして、ここでは、本発明にかかわ
る部分についてのみ以下に概略を説明する。
【0021】(1)センサ信号のピーク値のメモリ格納 RAM19にはセンサ信号sig[A]、sig[B]
のピーク値を各ピッチごとに格納するスロットテーブル
が、図5に示すようにA相とB相に分けて設けられる。
各slot_table[A]、[B]に格納されるの
は、ピーク値(最大値又は最小値)peakと、ピーク
値の内容を示すclassである。
【0022】ピーク値は最大値がスロット番号(後述す
る粗位置カウンタと同一である。)の偶数、最小値が奇
数の位置にくるように予め定められており、この規則に
従って測定値が格納されて行くが、初期セット時にはす
べて期待値が格納される。
【0023】一方、classはピーク値の内容により
3種類の異なる値MEASURE,ESTIMATE,
GUESSがあり、初期セット時にはすべての位置に推
測値であるGUESSが、実測時にはスロット番号の位
置に実測値MEASUREが、そして実測値の結果を周
辺のスロットテーブルび反映させるときには概略値ES
TIMATEがそれぞれ設定される。なお、このクラス
は後述するようにピーク値の更新時に更新値を決定する
ための重みづけ係数(MEASURE,ESTIMAT
E,GUESS)を表すものである。
【0024】(2)粗位置カウント、正規化係数とセン
サ信号の振央レベルの演算処理 これは、各相のセンサ信号sig[A]、sig[B]
が、その振央レベルをクロスしたときに実行する。図6
にA相信号の振央クロス時の処理を、図7にB相信号の
振央クロス時の処理を示し、いずれのセンサ信号もほぼ
同様であるため、A相信号の振央クロス時で説明する。
【0025】A相センサ信号sig[A]の振央クロス
時は、反対相であるB相がピーク値をとるため、B相セ
ンサ信号sig[B]をサンプルホールドし、その値を
B相ピーク値として変数peak[B]に入れておく
(図6のステップ1)。
【0026】両相のコンパレー出力sgn[A],sg
n[B]の一致、不一致の判定結果でA相粗位置カウン
タcount[A]をカウントアップ又はカウントダウ
ンする(ステップ2、3、4)。A相センサ信号とB相
センサ信号とは90度の位相差をもつため、ピストンロ
ッド1のストローク方向によって位相が進んだり遅れた
りするので、仮にA相の位相がB相よりも90度だけ進
んでいる方向を正方向(図2において左方向)とする
と、図4にも示したように、A相センサ信号sig
[A]は常に反対相のコンパレータ出力sgn[B]の
レベルと一致する。したがって、正方向にピストンロッ
ド1がストロークしているときには、A相粗位置カウン
タをカウントアップし、そうでないときにはカウントダ
ウンする(図6のステップ2、3又はステップ2、
4)。ここまでの処理はCPU14の割り込み処理で行
う。
【0027】なお、A相粗位置カウンタ値count
[A]と後述するB相粗位置カウンタ値count
[B]は、両カウンタ値の差が0又は1となるように予
め設定されているため、両カウンタの値を引算すること
により、その引算結果が0又は1でない場合には磁気セ
ンサの断線などの不具合があると診断することができ
る。
【0028】A相センサ信号sig[A]はこの振央ク
ロス時から次のスロット番号(粗位置カウンタ値)に入
ったことになり、A相スロットテーブルslot_ta
ble[A]に格納してあるA相ピーク値とA相振央レ
ベルcen[A](この振央レベルは、反対相の振央ク
ロス時に数ピッチの最大値と最小値の平均値として求め
られる)とから、A相センサ信号の正規化係数scal
e[A]を scale[A]=1/|A相ピーク値−cen[A]| …(1) として求める(図6のステップ6)。
【0029】この正規化係数scale[A]はメイン
スケール3のピッチごとの振幅の違いを補正して同一レ
ベルに調整するためのもので、後述する精位置を演算す
るときの正規化処理で使用される。仮に|A相ピーク値
−cen[A]|の正規な値を1として、実測値がその
2倍の大きさとなった場合、正規化係数は1/2とな
り、後述するように正規化係数をA相センサ信号の振幅
に乗じる(すなわち2倍の振幅値に正規化係数の1/2
を乗じる)ことによって振幅値=1と補正して振幅レベ
ルを同一に置換するものである。
【0030】B相センサ信号のピーク値が最大値である
かどうかを判定して、最大値であればB相センサ信号の
振央レベルcen[B]を演算する。(図6のステップ
8、9)。この振央レベルの演算は、数ピッチ間の最大
値と最小値との平均値として算出する。この演算結果
は、B相振央レベルcen[B]として図3のデジタル
−アナログコンバータ16へ出力する(ステップ1
0)。
【0031】(3)センサ信号ピーク値の更新処理 図8は両相の更新処理を示すものであるが、更新処理は
振央クロス処理時に反対相に対して行うため、ここでは
B相について述べる(図6のステップ7)。
【0032】図8において、まずA相信号の振央クロス
時にピークホールドをかけたB相センサ信号のピーク値
をA/D変換し、B相ピーク値peak[B]として取
り込む(図8のステップ21)。このB相ピーク値が仮
に6番目に相当するとき、6番目のクラスにある値(M
EASURE,ESTIMATE,GUESSのいずれ
か)に対して重みづけ係数(MEASURE_WEIG
HT,ESTIMATE_WEIGHT,GUESS_
WEIGHTのいずれか)を選択して変数weight
に代入する(図8のステップ22〜25)。
【0033】この変数値ともう1つの重みづけ係数T_
WEIGHTに基づいて6番目のピーク値を 最新値=(従来値×T_WEIGHT+peak[B]×weight) /(T_WEIGHT+weight) …(2) により更新する(図8のステップ26)。6番目のクラ
スclassは実測値MEASUREで置き換える(ス
テップ27)。
【0034】上記重みづけ係数T_WEIGHT、ME
ASURE_WEIGHTは通常1で、その他に関して
は、MEASURE_WEIGHT<ESTIMATE
_WEIGHT<GUESS_WEIGHTの関係を満
足する値を選択する。
【0035】また、現在のスロット番号(粗位置に相
当)の2個先と2個前のピーク値に対するクラスがGU
ESSであれば、格納済みのピーク値に代えて現在の更
新ピーク値(すなわち、更新したばかりの6番目のピー
ク値)を格納し、かつ、クラスをESTIMATEに変
更することで、スロットテーブル内のピーク値を早い段
階で真の値に近付ける(図8のステップ28〜33)。
【0036】(4)精位置の演算及び粗位置との合算処
理 この処理は一定の時間毎に行われ、その処理内容を図9
に示す。
【0037】図9において、両相のセンサ信号を同時に
サンプルホールドした後、順次A/D変換処理を行っ
て、各相のセンサ信号sig[A]、sig[B]を共
に取り込む(図9のステップ41)。
【0038】センサ信号と振央レベル及び上記の正規化
係数を用いて各相の正規化信号(正規化振幅の信号)c
orrect[A]、correct[B]を correct[A] =scale[A]×(sig[A]−cen[A]) …(3) correct[B] =scale[B]×(sig[B]−cen[B]) …(4) の式でそれぞれ計算する(図9のステップ42、4
3)。
【0039】なお、正規化信号correct[A]、
correct[B]から合成振幅を求め、これが許容
範囲に入っているかを判定して、入っていなければ不具
合(例えば、磁気センサ4の断線や短絡など)があると
診断することができる(図9のステップ44)。この範
囲はノイズの許容レベル、2相のセンサ信号の位相差の
許容範囲などに基づいて決めればよい。
【0040】正規化信号correct[A]、cor
rect[B]からは図10のグラフを用いて精位置の
演算を行う。これは、例えばメインスケール3のピッチ
を2mm(粗位置は1mm単位)とし、精位置は粗位置
を100分割(0.01mm)としたとき、現在点が図
10においてC1点にあると仮定したときの精位置fi
ne_dipl[10-2mm]を求めることを考える。
このとき、θ:π=fine_dipl:100の関係
が成立するので、 fine_dipl=(100/π)×θ …(5) の式が得られる。一方、tanθ=|correct
[B]|/|correct[A]|の関係を用いて、 θ = tan-1|correct[B]|/|correct[A]| …(6) によりθを求めることができるため、これを(5)式に
代入すれば、 fine_dipl=(100/π) ×tan-1|correct[B]|/|correct[A]| …(7) の式を得る。
【0041】こうして得られた(7)式より、正規化信
号correct[A]、correct[B]を用い
れば、C1点の精位置を求めることができるわけであ
る。従って、ストローク位置は、三角関数の逆演算で求
めた(7)式の精位置fine_diplに粗位置を合
算すればよく、 ストローク位置=粗位置+fine_dipl/100 …(8) によって求めることができる(図9のステップ56)。
【0042】実際の精位置は図10のグラフ上におい
て、縦・横軸線及び±45度線で分けられた8つの領域
のいずれかに現在点が存在するかで異なり、C2、C
3、C4の各点ではそれぞれ、 C2点の精位置=−fine_dipl … (9) C3点の精位置=50−fine_dipl …(10) C4点の精位置=50+fine_dipl …(11) により計算することができる。
【0043】このため、精位置の算出は、図10のグラ
フにおいて、現在点が縦・横軸線及び±45度線で分け
られた8つの領域のいずれに存在するかの判定を行い
(最終的には、正規化信号の絶対値の大小及び正規化信
号の符号の一致、不一致で判別するため4つの領域に分
類される。)、その結果によって上記(8)式〜(1
1)式から選択している(図9のステップ48〜50又
はステップ53〜55)。
【0044】粗位置については、2つの正規化信号の絶
対値の比較によりカウンタ値が変化しない側の粗位置カ
ウンタ値を選択している(図9のステップ45、46、
51)。|correct[B]|≦|correct
[A]|の領域ではA相粗位置カウンタ値が変化しない
ためA相側を、また|correct[B]|>|co
rrect[A]|の領域になると、B相側を選択して
それぞれ粗位置を表すcoarse_displに入れ
るのである(図9のステップ45、46、ステップ4
5、51)。
【0045】このようにして、2相のセンサ信号のピー
ク値情報をピストンロッド1の全ストロークにわたり、
メインスケール3のピッチごとにスロットテーブル(メ
モリ)に格納して更新し、これらの情報に基づいて振央
レベルの調整、センサ信号の正規化調整を適時実施する
ので、磁気センサ4の信号が変動しても常時高精度な位
置検出を行うことができる。
【0046】以上で概説を終える。
【0047】さて、位置検出のための原点などの絶対値
の設定のため、ピストンロッドの端部にリミットスイッ
チを設け、このリミットスイッチがONになるまでピス
トンロッドをストロークさせて原点リセットのための信
号を発生や、最収縮位置又は最伸長位置までストローク
させてから原点の設定を行うのでは起動時間を増大させ
てしまうだけでなく、特にストロークの長いピストンロ
ッドにおいては、連結された機構に過度の変位を与えて
しまうことがある。
【0048】これに対処するため、本実施例ではメイン
スケール3とは別に図2に示すサブスケール6と磁気セ
ンサ7を設け、このサブスケール6側の磁気センサ7か
らの信号に基づいて同一の基準点間隔を備えたメインス
ケール3の絶対位置の設定を行う。
【0049】図2において、ピストンロッド1の全スト
ロークの中央位置から、一端(例えば図中右の基端部)
に向けて所定のピッチPで深さSの弱磁性部5を形成す
る。これら弱磁性部5の軸方向の幅は約P/2である。
なお、本実施例ではサブスケール6の弱磁性部5のピッ
チPをメインスケール3のピッチPに等しく設定した
が、サブスケール6の弱磁性部5のピッチPはメインス
ケール3の弱磁性部2のピッチPに規制されることはな
い。
【0050】こうして構成されるサブスケール6に対応
するピストンロッド1の図示しないシリンダ側にもメイ
ンスケール3側と同様に、90度の位相差を備えた2相
の正弦波を出力する磁気センサ7が備えられる。
【0051】磁気センサ7からの2相(以下SA相、S
B相とする)の信号sig[SA]、sig[SB]
は、図3に示すように、アナログ−デジタルコンバータ
13でデジタル信号に変換された後、CPU14へ入力
される。
【0052】CPU14では上記磁気センサ4のA相及
びB相信号sig[A]、sig[B]と同様にして、
sig[SA]の振央レベルcen[SA]、sig
[SB]の振央レベルcen[SB]と各ピッチごとに
求めたピーク値より振幅レベルlevS1が算出され
る。
【0053】メインスケール3の磁気センサ4及びサブ
スケール6の磁気センサ7の出力はそれぞれ、図11に
示すように、磁気センサ4のA相信号sig[A]がそ
の振央レベルcen[A]をクロスする点(●印で示
す)を基準点(すなわち、深さM2の弱磁性部2の中心
位置に相当)とするため、これと反対相のB相信号si
g[B]が所定の判定レベルbasZ以下(図中斜線
部)であることを条件として、基準点以外のA相信号の
振央クロス点と識別する。
【0054】この基準点の判定は、図3においてA相側
のコンパレータ17からの出力sgn[A](A相信号
sig[A]がその振央レベルcen[A]より大きい
と”H”レベルの出力を、cen[A]より小さいとき
は”L”レベルを出力する。)が変化したときが振央ク
ロス点と判断し、このとき、B相の振幅レベルが弱磁性
部2の深さがM1とM2のいずれに対応する振幅レベルで
あるのかを判定することにより行われる。
【0055】すなわち、弱磁性部2の深さがM1のとき
の振幅レベルの所定値をlev1、同じくM2のときの
振幅レベルの所定値をlev2とすると、例えば、B相
の振幅レベルが(lev1+lev2)/2以上であれ
ばlev2、これ未満であればlev1と判断すること
によって基準点を判別する。
【0056】このB相の振幅レベルがどちらの振幅レベ
ルであるかの判断は次のようにして行うこともでき、図
11のように、所定の振幅判定レベルbasZを、 basZ=cen[B]−(lev1+lev2)/2 …(13) の式より計算すると、この振幅判定レベルbasZとB
相信号sig[B]の大小によりbasZ>sig
[B]のときlev2、それ以外でlev1と判定する
ことができる。
【0057】また、この判定を図3に示すハードウェア
の構成により行うことも可能で、basZをアナログ出
力するためのデジタル−アナログコンバータ20と、こ
のコンバータ出力とB相信号とを比較するコンパレータ
21の出力によって判定してもよい。ただし、ソフトウ
ェア又はハードウェアのいずれの場合も、振幅レベルの
判定はA相信号の振央クロス時(つまり基準点の検出
時)に行わなければならいことは勿論である。
【0058】図3のRAM19には、各相ともセンサ信
号sig[A]、sig[B]のピーク値の情報と、後
述する各基準点における絶対位置データとが格納され、
RAM19はCPU14の電源が遮断されてもその内容
が保持されるように図示しないバッテリによりバックア
ップされる。
【0059】コントローラでは、使用のためにCPU1
4の電源が再度立ち上げられると、図12に示す処理を
開始する(図12のステップ61)。
【0060】まず、ピストンロッド1をいずれかの方向
にストロークさせることにより1つ目の基準点を検出し
た際に、メインスケール3側のセンサ信号sig
[A]、sig[B]に基づいて演算される、上記スト
ローク位置データの最新値(図9のステップ56で演算
されるdispl)を変数X1に格納し、サブスケール
6側のセンサ信号sig[SA]、sig[SB]に基
づいて演算される振幅レベルVをV1に格納する(図1
2のステップ62〜63)。
【0061】このサブスケール6側の振幅レベルVは、
図13に示す処理によって求められ、弱磁性部5におけ
る振幅レベルの最大値をlevS1、弱磁性部5以外で
の振幅レベルをlevS0とすると、各ピッチごとに求
められたsig[SA]、sig[SB]の振央レベル
cen[SA]、cen[SB]からセンサ信号の振幅
ampSは、 ampS= ((sig[SA]−cen[SA])2+(sig[SB]−cen[SB])2)1/2 …(14) により求められる(図13のステップS1〜S2)。算
出された振幅ampSと所定の振幅レベルlevS1/
2とを比較し、ampS>levS1/2のときに振幅
レベルV=levS1とし、それ以外のときにV=le
vS0とする(図13のステップS3〜S5)。
【0062】こうして、V1にサブスケール6側の振幅
レベルVを入れた後、2つ目の基準点の検出時にもスト
ローク位置データの最新値を変数X2に、サブスケール
6側の振幅レベルVを変数V2に入れ(図12のステッ
プ64〜65)、2つの変数X1、X2の値から基準点間
隔L(=X2−X1)を演算する(図12のステップ6
6)。なお、基準点の検出は前述のように、A相信号s
ig[A]がその振央レベルcen[A]に等しく、か
つB相信号sig[SB]が判定レベルbasZ以下で
あるときである。
【0063】この2つの基準点の検出後に、変数V2
値がlevS1とlevS0のいずれの振幅レベルにあ
るかの判定結果と、基準点間隔Lの符号がいずれの符号
であるかの判定結果によって区分けされる4つの領域の
いずれの場合であるかを判定する(図12のステップ6
9、70、71)。これは、図2においてピストンロッ
ド1がどちらに動くかにより、 a.V2=levS1かつL>0の領域 b.V2=levS0かつL<0の領域 c.V2=levS0かつL>0の領域 d.V2=levS1かつL<0の領域 の4つの領域に分けることができる。
【0064】例えば、電源再立ち上げ時にピストンロッ
ド1が全ストロークのほぼ中央位置にあって、これより
伸長側(図2の左方向)へ動くときがaの領域、この反
対に中央位置より収縮側へ動くときがbの領域となるわ
けである。
【0065】さらに、電源再立ち上げ時にピストンロッ
ド1が最収縮位置の近くにあって、伸長側へ動くときが
cの領域、この反対に最伸長位置より収縮側へ動くとき
がdの領域となる。
【0066】なお、|L|<L0のときは、同一の基準
点を連続して2度通過した場合であり、X2の値をX
1に、V2の値をV1にそれそれ移してからステップ64
に戻ることで再度基準点の検出を行う(図12のステッ
プ67、68、64)。
【0067】こうして検出した基準点が上記4つの領域
のいずれかにあるかがわかると、その判定された各領域
ごとに演算された基準点間隔の絶対値|L|から 領域a→AD=|L|×m+base1 …(15) 領域b→AD=|L|×m+base4 …(16) 領域c→AD=|L|×m+base3 …(17) 領域d→AD=|L|×m+base2 …(18) ただし、base1〜4;任意のアドレス(整数値) の式からアドレスAを演算する(図12のステップ6
9,70,72、ステップ69,71,75、ステップ
69、71、74、ステップ69、70、73)。
【0068】前述のように2つの基準点を検出したが、
(15)〜(18)式のアドレスADは2つ目の基準点
に対する絶対位置データの入っているRAM19上の格
納場所を指し示すものである。
【0069】この絶対位置データの格納されたRAM1
9の内容を図14に示す。例えば、上記aの領域(V2
=levS1かつL>0の領域)について説明すると、
2つ目の基準点を検出するのは、図2よりh5、h6、h
7、h8を通過したときであり、合計4つのケースがあ
り、これと同数の格納場所に絶対位置データが格納され
ている。仮に、2つ目の基準点としてh7の基準点を通
過した場合、このときの基準点間隔はL2よりアドレス
AD(=L2×m+base1)で指し示される格納場
所にはh7に対応する絶対位置データが格納されている
わけである。
【0070】このように、絶対位置データ格納用のRA
Mでは、上記a〜dの領域で2つ目の基準点を検出する
場合の数と同数の格納場所を用意しており、各場合に対
応する絶対位置データを予め格納しておくのである。
【0071】上記の(15)〜(18)式のアドレスA
Dが指し示す格納場所に設定された絶対位置データを読
み出し、2つ目の基準点の検出時に上記メインスケール
3側のセンサ信号に基づいて演算されたストローク位置
データ(例えば、A相及びB相の各カウンタ値)を書き
換えることで正確な絶対位置をセットする(図12のス
テップ76)。なお、このストローク位置データの書き
換えは、電源の再立ち上げ時に一度だけ行えばよい。
【0072】電源を遮断した後にピストンロッド1が作
動油の漏れ等で変位したときは、変位後のピストンロッ
ド1の実際のストローク位置と、メインスケール3側の
センサ信号に基づいて演算される上記ストローク位置が
一致しなくなるが、2つ目の基準点検出時に上記絶対位
置データを用いて置き換えることで、電源遮断後に生じ
たピストンロッド1の変位が修正され、電源を立ち上げ
るたびに基準点に対応した絶対位置が設定されるわけで
ある。
【0073】上記(15)〜(18)式のmは、基準点
間隔Lを整数値に変換するための定数で、基準点の間隔
を識別できるように選択され、かつ、絶対位置データ格
納のために必要なワード数に応じて適宜設定すればよ
い。
【0074】なお、絶対位置データの書き換えが完了し
た時点で、CPU14から外部に絶対位置データの書き
換え完了の情報を出力することで、電源の再立ち上げか
ら絶対位置データの書き換えまでの位置検出とそれ以降
の位置検出とを識別することが可能となり、同様にサブ
スケール6側の振幅レベルに基づく左右位置情報をCP
U14から出力することにより、現在のストローク位置
がストロークの中央位置に対してどちら側にあるかを識
別することができる。
【0075】ところで、上記のアドレスADが指し示す
RAM19の格納場所の絶対位置データを利用するに
は、その前提として、アドレスADが指し示す場所に絶
対位置データを予め設定する初期設定が必要となる。
【0076】このため、コントローラでは、図15に示
すフローチャートにしたがって初期設定の処理を行う。
なお、この初期設定処理は図12の処理とほぼ同様であ
り、読み出し処理を書き込み処理に置き換えたものであ
る。
【0077】図12の処理と異なる点は、工場からの出
荷時などにピストンロッド1をその全ストローク範囲で
1往復させながら、隣接する2つの基準点を検出させた
後に、2つの基準点間隔Lの正負の符号とサブスケール
6側のSA相、SB相信号の振幅レベルで区分けした領
域ごとに演算されるアドレスADが指し示す格納場所
に、2つの基準点検出時にメインスケール3側のセンサ
信号に基づいて演算されるストローク位置データを絶対
位置データとして順次格納していく点(図15のステッ
プ82〜97、ステップ84〜97…)と、これら格納
した絶対位置データをCPU14の電源遮断後も図示し
ないバッテリによりRAM19に通電してバッテリバッ
クアップしておく点である。
【0078】例えば、ピストンロッド1を最縮位置(絶
対位置の原点)から最伸位置までストロークさせ、その
後に最縮位置へ戻すとすれば、ピストンロッド1を最縮
位置へ変位させてメインスケール3側のストローク位置
データ(つまりA相、B相信号に基づく粗位置カウンタ
値及び精位置)をゼロにセットすることから始める(図
15のステップ81)。
【0079】ピストンロッド1が最縮位置から全ストロ
ークの中央位置まで伸長するときはL>0かつSA相、
SB相信号に基づく振幅レベルがlevS0にあるか
ら、上記(17)式よりアドレスADを演算し、このア
ドレスADが指し示す格納場所に変数X2の内容を書き
込み(図15のステップ89、91、94、96)、X
2の値をX1に、V2の値をV1にそれぞれ移し(図15の
ステップ97)、さらに2つ目の基準点検出時からの処
理を繰り返して行うと(図15のステップ84〜9
7)、ピストンロッド1が全ストロークの中央位置付近
まで伸びる間に、図14における任意のアドレスbas
e3を基準にして3つの格納場所へ、図2に示したh2
〜h4の各基準点で演算されたストローク位置データが
絶対位置としてそれぞれ格納される。
【0080】同様にして、ピストンロッド1が中央位置
から最伸位置まで伸長する間は、L>0かつlevS1
となることから上記(15)式で(図15のステップ8
9、90、92)、一方、最伸位置から中央位置までピ
ストンロッド1が収縮するときにはL<0かつlevS
1となることから上記(18)式で(図15のステップ
89、90、93)、さらに中央位置から最縮位置へピ
ストンロッド1が収縮するときはL<0かつlevS0
となることから上記(16)式で(図15のステップ8
9、91、95)、それぞれアドレスADを演算し、こ
のアドレスADが指し示す格納場所に変数X2を書き込
むことにより、図14において、任意のアドレスbas
e1を基準にして4つの基準点h5〜h8に対応するスト
ローク位置データがこの順に、同じくアドレスbase
2を基準にして3つの基準点h5〜h7に対応するストロ
ーク位置データがこの順に、アドレスbase3を基準
にして3つの基準点h4〜h2に対応するストローク位置
データがこの順に、アドレスbase4を基準にして4
つの基準点h4〜h1がこの順にそれぞれ書き込まれる。
【0081】なお、図14に示したように、同一の基準
点に対して2つの絶対位置データを異なるアドレスに格
納したのは、図11に示した基準点の検出が、ピストン
ロッド1の移動方向(伸長又は収縮方向)の違いで微妙
なズレを生じるためで、上記のように同一の基準点の絶
対位置データを移動方向別に異なるアドレスへ格納する
ことによりピストンロッド1の移動方向の違いによるズ
レを修正することが可能となる。したがって、ピストン
ロッド1の移動方向の違いでズレを生じない場合には、
上記絶対位置データの初期設定の際にピストンロッド1
を1往復させることなく1方向(収縮又は伸長方向)で
行えばよい。
【0082】このようにして、この例では、図2に示し
たように複数の弱磁性部2を全ストロークにわたって配
設したメインスケール3と、これら弱磁性部2の深さを
所定の間隔で異ならせた基準点と、このメインスケール
3のピッチに対応して90度の位相差をもって出力する
磁気センサ4とは別に、メインスケール3のストローク
方向の中央位置から最伸長位置側の一端に向けて弱磁性
部5を配設したサブスケール6と、このサブスケール6
の弱磁性部5に対応して90度の位相差をもって出力す
る磁気センサ7とを設け、電源の再立ち上げ時にピスト
ンロッド1を変位させて隣接する2つの基準点を検出
し、この2つの基準点間隔の符号と2つ目の基準点検出
時のサブスケール6側のSA相、SB相の振幅レベルと
から検出した2つ目の基準点がいずれの領域にあるのか
を判定し、この判定した領域で基準点間隔の絶対値に基
づいてアドレスADを演算し、このアドレスADが指し
示す場所に格納された絶対位置データで2つ目の基準点
のストローク位置データ置き換え、かつ、各基準点に対
応する絶対位置データを、隣接する2つの基準点間隔の
符号と2つ目の基準点検出時のサブスケール6側のSA
相、SB相の振幅レベルとで区分けされた領域ごとに前
記アドレスが指し示すメモリに絶対位置データを初期設
定し、この初期設定された絶対位置データを電源が遮断
された後もバックアップしておくわけである。
【0083】これによって、CPU14の電源が切れて
いる間にピストンロッド1が変位しても、電源の再立ち
上げ時に隣接する2つの基準点を検出することでメイン
スケール3側のセンサ信号に基づくストローク位置デー
タが絶対位置データに置き換えられ、それ以降は置き換
えられた絶対位置データとメインスケール3側のセンサ
信号により精度の高い位置検出を行うことができるので
ある。
【0084】また、電源を遮断した後のバッテリバック
アップは、絶対位置データ格納用のRAM19について
行えばよいので、バックアップバッテリの容量が大型化
することはない。
【0085】上記実施例では、電源の再立ち上げ後、任
意の隣接する2つの基準点を検出した時点で2つ目に検
出した基準点に対してメインスケール3側のセンサ信号
に基づくストローク位置データを予め格納された絶対位
置データで置き換える処理を一度だけ行ったが、この置
き換え処理は必要に応じて行うことが可能である。例え
ば、2つ目の基準点を検出した以降も隣接する基準点間
隔を適宜演算し、2つ目の基準点に対応するストローク
位置データと読み出された絶対位置データとを比較し
て、不一致の場合にはそのストローク位置データを絶対
位置データで置き換えてもよい。
【0086】また、ピストンロッド1が最縮位置又は最
伸位置に止まることを防止するため、最縮位置または最
伸位置に最も近い基準点(図2におけるh1、h8)を検
出したときに警報を発生するようにしてもよい。
【0087】図2において、4つの異なる基準点間隔L
0〜L3を全ストロークの中央位置を対称軸として基準点
間隔が順次増大するよう配設したが、左右で非対称にあ
るいはL0、L5、L2、L4等のように無作為に配設して
もよい。
【0088】上記実施例において、サブスケール6側の
センサ信号の振幅レベルをSA相及びSB相から求めた
が、図16に示すように、少なくとも一方のセンサ信号
(例えば、SB相)から振幅レベルを求めてもよく、振
幅レベルの判定は振央レベルcen[SB]と予め設定
したしきい値(例えば、levS1/2)との差から容
易に判定することができる(図16のステップS1
2)。
【0089】また、最小の基準点間隔L0は図2では1
つだけであるが、図17に示すように、最小基準点間隔
0を2つ設けることも可能である。
【0090】上記実施例において、メインスケール3と
サブスケール6のピッチを同一のPとし、弱磁性部2、
5の幅をP/2としたが、メインスケール3とサブスケ
ール6はそれぞれ独立したピッチ及び弱磁性部2、5の
幅で形成してもよい。
【0091】また、図11に示したように、A相振央ク
ロス点を基準点とし、B相信号を基準点検出のために使
用したが、この逆にB相信号の振央クロス時を基準点と
し、A相信号を基準点検出のために使用してもよい。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数の弱
磁性部を全ストロークにわたって配設したメインスケー
ルと、これら弱磁性部の深さを所定の間隔で異ならせた
基準点と、このメインスケールのピッチに対応して90
度の位相差をもって出力する磁気センサとは別に、メイ
ンスケールのストローク方向の所定の位置から一端に向
けて弱磁性部を配設したサブスケールと、このサブスケ
ールの弱磁性部に対応して90度の位相差をもって出力
する磁気センサとを設け、電源の再立ち上げ時に隣接す
る2つの基準点を検出し、この2つの基準点間隔の符号
と2つ目の基準点検出時のサブスケール側の振幅レベル
とから検出した2つ目の基準点がいずれの領域にあるの
かを判定し、この判定した領域で基準点間隔の絶対値に
基づいてアドレスを演算し、このアドレスが指し示す場
所に格納された絶対位置データで2つ目の基準点のスト
ローク位置データを置き換える一方、各基準点に対応す
る絶対位置データを、隣接する2つの基準点間隔の符号
と2つ目の基準点検出時のサブスケール側の振幅レベル
とで区分けされた領域ごとに前記アドレスが指し示すメ
モリに絶対位置データを初期設定し、この初期設定され
た絶対位置データを電源が遮断された後もバックアップ
するよう構成したため、位置検出のための絶対位置の設
定を電源の再立ち上げ時に隣接する2つの基準点を通過
させるだけで行うことができ、サブスケールの有無によ
って識別される同一の基準点間隔を重複して使用するこ
とが可能となって、絶対位置の設定に要するストローク
量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す磁気スケールの概略図で
ある。
【図3】コントローラのブロック図である。
【図4】コンパレータ出力sgn[A]、sgn[B]
の波形図である。
【図5】2相のセンサ信号とピーク値の格納の様子を示
す説明図である。
【図6】A相信号の振央クロス時の正規化係数及びB相
信号の振央レベルの演算を説明するためのフローチャー
トである。
【図7】B相信号の振央クロス時の正規化係数及びA相
信号の振央レベルの演算を説明するためのフローチャー
トである。
【図8】ピーク値の更新動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】ストローク位置データの演算を説明するための
フローチャートである。
【図10】正規化信号correct[A]、corr
ect[B]から精位置を演算するための説明図であ
る。
【図11】基準点を説明する各信号の波形図である。
【図12】電源再立ち上げ時のコントローラの処理を説
明するためのフローチャートである。
【図13】サブスケール側の2相の信号から振幅レベル
を判定するフローチャートである。
【図14】基準点間隔Lの符号とサブスケールの振幅レ
ベルとで区分けされる領域ごとに演算されるアドレスと
そのアドレスが指し示す場所の絶対位置データとの関係
を示す図である。
【図15】各基準点に対する絶対位置データの格納を説
明するためのフローチャートである。
【図16】第2の実施例を示すサブスケールの振幅レベ
ルを判定するフローチャートである。
【図17】第3の実施例を示す磁気スケールの概略図で
ある。
【符号の説明】
1 ピストンロッド 2 弱磁性部 3 メインスケール 4 磁気センサ 5 弱磁性部 6 サブスケール 7 磁気センサ 14 CPU 19 RAM 21 メインスケール 22 磁気センサ 23 ピーク値格納・更新手段 24 振央レベル演算手段 25 粗位置演算手段 26 正規化係数演算手段 27 センサ出力補正手段 28 精位置演算手段 29 位置データ演算手段 30 振幅レベル演算手段 31 基準点検出手段 32 位置データ格納手段 33 メモリ 34 基準点間隔演算手段 35 サブスケール 36 磁気センサ 37 振幅レベル演算手段 38 振幅レベル判定手段 39 アドレス演算手段 40 置き換え手段 41 メモリ 42 初期設定手段 43 保持手段 44 電源再立ち上げ判定手段 45 通過駆動手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動方向に所定のピッチで弱磁性部を配
    設したメインスケールと、メインスケールのピッチに対
    応して90度の位相差をもった2相の正弦波を出力する
    一対の磁気センサと、前記メインスケールのピッチ毎の
    各センサ出力のピーク値をそれぞれ更新・格納する手段
    と、各ピーク値から各ピッチ毎の振央レベルを演算する
    手段と、前記振央レベルとセンサ出力の比較結果に基づ
    いて粗位置を演算する手段と、前記ピーク値と振央レベ
    ルからセンサ出力の正規化係数を演算する手段と、この
    正規化係数に基づいてセンサ出力を補正する手段と、2
    相の補正された正規化信号を用いて三角関数逆演算によ
    り精位置を演算する手段と、粗位置と精位置とを合算し
    た値を位置データとして演算する手段とを備えた位置検
    出装置において、前記弱磁性部のうちメインスケールの
    所定の基準位置に対応する弱磁性部を所定の深さで形成
    した基準点と、前記振央レベルと前記メインスケール側
    の一方の相のセンサ出力とから振幅レベルを演算する手
    段と、この振幅レベルから基準点を検出する手段と、移
    動方向の所定の位置から一端に向けて所定のピッチで複
    数の弱磁性部を配設したサブスケールと、このサブスケ
    ールの弱磁性部位置に対応して90度の位相差をもった
    2相の正弦波を出力する第2の磁気センサと、前記サブ
    スケールのピッチ毎の各センサ出力から振幅レベルを演
    算する手段と、電源の再立ち上げ時かどうかを判定する
    手段と、この電源の再立ち上げ時に前記基準点検出位置
    から隣接する任意の2つの基準点を通過駆動させる手段
    と、これら基準点の検出時に前記位置データ演算手段で
    演算された位置データをメモリにそれぞれ格納する手段
    と、このメモリに格納された値から前記隣接する任意の
    基準点間隔を演算する手段と、前記サブスケールの振幅
    レベルが所定の値未満であるかを判定する手段と、この
    判定結果と前記基準点間隔の符号とで区分けされた領域
    で前記基準点間隔の絶対値に基づいてアドレスを演算す
    る手段と、このアドレスが指し示すメモリに格納される
    絶対位置データで、前記2つ目の基準点の検出時に前記
    位置データ演算手段で演算された位置データを置き換え
    る手段と、前記アドレスが指し示すメモリへ各基準点に
    対する絶対位置データを初期設定する手段と、この初期
    設定された絶対位置データを保持する手段とを備えたこ
    とを特徴とする位置検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128262A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Iai:Kk アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ
JP2011252912A (ja) * 2005-04-13 2011-12-15 Sri Internatl 移動する構成要素の位置を磁気的に感知するシステムおよび方法
JP2017096756A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 Kyb株式会社 ストローク検出装置
CN107270945A (zh) * 2017-05-10 2017-10-20 上海钧嵌传感技术有限公司 一种自动对极的编码传感器

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