JP3659790B2 - 位置検出装置 - Google Patents
位置検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3659790B2 JP3659790B2 JP06877798A JP6877798A JP3659790B2 JP 3659790 B2 JP3659790 B2 JP 3659790B2 JP 06877798 A JP06877798 A JP 06877798A JP 6877798 A JP6877798 A JP 6877798A JP 3659790 B2 JP3659790 B2 JP 3659790B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reference point
- actuator
- absolute
- stroke
- absolute position
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧シリンダのロッドなどアクチュエータのストローク位置を高精度で検出する装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧シリンダのピストンロッドなどのストローク位置を検出する装置として、ピストンロッドの表面に軸方向の一定の間隔で弱磁性部を配設した磁気スケールを構成し、シリンダ側に取り付けた磁気センサの検出信号がピストンロッドの変位によって正弦波で変化することを利用して、変位の増分値から分解能の高い位置検出を行うものがある。
【0003】
このものでは、電源遮断中に各基準点の絶対位置がずれることがあるので、電源の再立ち上げ時に各基準点(h1〜h7)の絶対位置を再設定するには、ピストンロッドを最縮位置まで変位させ、このときのストローク位置データをゼロにセットした後、ピストンロッドを伸長させて基準点を通過する毎に基準点間隔を計測し、その基準点間隔に応じたアドレスの指示するメモリに基準点で得られたストローク位置データを格納することにより自動的に基準点絶対位置を再設定しているが、ピストンロッドを全ストロークにわたって伸縮させなければ基準点絶対位置を再設定できない。
【0004】
そこで、電源の再立ち上げ時に、隣接する2つの基準点を通過させるだけで、電源遮断中の基準点絶対位置のずれを解消するものとして、計測開始位置よりのストローク位置を演算しつつ、隣接する2つの基準点が検出された時点で、2つの基準点のストローク位置データX1、X2の差を基準点間隔Lとして計測し、その基準点間隔Lに応じたアドレスADを演算し、そのアドレスADが指し示すメモリに格納されている基準点絶対位置を、2つ目の基準点に対するストローク位置データX2で置き換えるようにしたものが提案されている(特開平6−194110号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ピストンロッドに機器を組み付けた状態ではピストンロッド(アクチュエータ)を最縮位置まで戻すことができず、常にピストンロッドが所定値伸び出した状態を稼働開始状態としてアクチュエータを稼働(伸縮)することがある。
【0006】
この場合にも、アクチュエータの絶対位置をリアルタイムで表示する装置により、アクチュエータが現在どの位置にあるかを確かめながら伸縮させるのであるが、各基準点の絶対位置が、アクチュエータの最縮位置を原点(たとえばゼロ)とするスケールであったのでは、表示装置上もアクチュエータの最縮位置を原点として測った値になるので、アクチュエータの扱いが容易でない。上記の稼働開始位置から望みのストロークだけピストンロッドを伸ばすには、稼働開始位置で表示装置に表示されている絶対位置に、望みのストローク長さを加える計算を行い、その加算値と一致するまでピストンロッドを伸ばす必要があることから、計算違いが起こることがあり得るからである。
【0007】
そこで本発明は、アクチュエータの予め設定した任意の位置(たとえば稼働開始位置)において表示装置に原点である値が表示されるように、基準点絶対位置を、アクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値に設定することにより、アクチュエータが伸び出した状態を稼働開始位置としてアクチュエータを伸縮させる場合においても、アクチュエータを扱いやすくすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図1に示すように、弱磁性部をアクチュエータのストローク方向に所定のピッチで配設するとともに、これら弱磁性部のうち所定の不等間隔で選んだ位置の弱磁性部を基準点として第1の深さM2で、また残りの位置の弱磁性部を第2の深さM1でそれぞれ形成した磁気スケール11と、この磁気スケール11のピッチに対応して90度の位相差をもった正弦波を出力する一対の磁気センサ12と、これら磁気センサ12の出力からストローク位置を演算する手段13と、前記基準点の絶対位置を格納する手段14と、この各基準点絶対位置と前記ストローク位置の演算値を用いて前記アクチュエータの現在の絶対位置を表示する装置15と、電源の再立ち上げ時に前記格納手段14に格納されている全ての基準点絶対位置を、電源再立ち上げ時の前記アクチュエータ位置(計測開始位置)を原点として測った値に再設定する手段16とを備える位置検出装置において、前記全ての基準点絶対位置を前記アクチュエータの最縮位置を原点として測った値をマスタ絶対位置として格納している手段17と、このマスタ絶対位置を用いて前記基準点絶対位置の再設定後に前記格納手段14に格納されている全ての基準点絶対位置を、前記アクチュエータ最縮位置を原点として測った値に書き換える第1の手段18と、この書き換え完了後に前記格納手段14に格納されている全ての基準点絶対位置を、前記アクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値にさらに書き換える第2の手段19とを設けた。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において前記基準点絶対位置第1書き換え手段18が、所定の基準点に対する電源再立ち上げ時のアクチュエータ位置を原点として測った値の基準点絶対位置と、同じ基準点に対するアクチュエータ最縮位置を原点として測った値の基準点絶対位置との差分値を計算する手段と、この差分値を電源再立ち上げ時のアクチュエータ位置を原点として測った値の基準点絶対位置に加算した値を、アクチュエータ最縮位置を原点として測った値の基準点絶対位置として設定する手段とからなる。
【0010】
第3の発明では、第1の発明において前記基準点絶対位置第2書き換え手段19が、前記アクチュエータの稼働開始位置とアクチュエータ最縮位置とのストローク差を格納する手段と、前記アクチュエータ最縮位置を原点として測った値の基準点絶対位置からこのストローク差だけ差し引いた値を前記アクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値として設定する手段とからなる。
【0011】
第4の発明では、第3の発明において前記基準点を間隔が同一のものがないように前記磁気スケール上に配設するとともに、前記基準点絶対位置格納手段14が基準点絶対位置を基準点間隔に応じたアドレスに指示されるメモリに格納している場合に、前記設定手段が、第1の基準点の通過を検出する手段と、この第1の基準点検出時に第1の基準点でのストローク位置データを格納する手段と、前記第1の基準点とは異なる第2の基準点の通過を検出する手段と、この第2の基準点検出時に第2の基準点でのストローク位置データを格納する手段と、前記2つのストローク位置データの差を基準点間隔として算出する手段と、この基準点間隔に応じてアドレスを演算する手段と、このアドレスの指示するメモリから前記第2の基準点に対する絶対位置を読み出し、その読み出した値から前記アクチュエータの稼働開始位置とアクチュエータ最縮位置とのストローク差を差し引いた値で上書きする手段と、この第2の基準点に対する絶対位置の上書きに基づいて残りの基準点に対する絶対位置を読み出し、その読み出した値から前記アクチュエータの稼働開始位置とアクチュエータ最縮位置とのストローク差を差し引いた値で上書きする手段とからなる。
【0012】
【発明の効果】
第1、第2、第3の各発明では、アクチュエータの稼働開始位置において現在のストロークの絶対位置の表示手段に原点である値が表示されるように、全ての基準点の絶対位置を、アクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値に書き換えるので、表示手段に表示される値がそのまま稼働開始位置からのストローク量を意味することになり、これによって、アクチュエータが伸び出した状態を稼働開始位置としてアクチュエータを伸縮させる場合においても、アクチュエータの扱いが容易になる。
【0013】
第4の発明では、2つの基準点を検出するだけで、全ての基準点の絶対位置を、最縮位置を原点として測った値からアクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値へと上書きできることから、ストローク規制によりアクチュエータがフルストロークできない場合であっても、全ての基準点絶対位置の、稼働開始位置を原点として測った値への設定を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図2、図3に本発明の第1実施形態を示すと、これらの構成は、特開平6−194110号公報により公知である。
【0015】
図2において、1は図示しない油圧シリンダを構成する磁性材料(強磁性部4)で形成されたピストンロッドで、このピストンロッド1の表面には軸方向に所定のピッチPを備えて深さM1、M2の弱磁性部3を形成して磁気スケール2を構成する。
【0016】
この弱磁性部3の幅はピッチPの半分であるP/2を備え、磁気スケール2の弱磁性部3と強磁性部4はともにP/2の幅を備えてピッチPで交互に配設される。
【0017】
磁気スケール2の弱磁性部3のうち、所定の不等間隔に設定された磁気スケール2の基準点h1〜h7に対応する弱磁性部3は深さM2に形成され、基準点h1、h2、h3、h4、h5、h6、h7の間隔はそれぞれ6P、4P、2P、P、3P、5Pの間隔を備えて同一の間隔が存在しないよう不等間隔に設定される。なお、これら弱磁性部3の深さはM1<M2の関係を満たしている。また、基準点間隔の並び方は、この例に限る必要はなく、同一間隔が存在しなければよい。
【0018】
図示しない油圧シリンダの一端にはピストンロッド1の変位に伴って磁気スケール2の1ピッチを1周期とし、互いに90゜の位相差を備えた2相の正弦波を出力する一対の磁気センサ5が備えられる。この磁気センサ5の出力信号は図4に示すように、90度の位相差を備えた出力信号sigA、sigBとして出力される。
【0019】
磁気センサ5からの2相の出力信号はsigA、sigBは、図3に示すようにマイクロコンピュータなどで構成されるコントローラ7に入力されて、これに基づいてピストンロッド1のストローク位置が演算される。
【0020】
このストローク位置の演算は、例えば、特開平4−136713号公報にも開示されるように、磁気センサ5の出力信号sigA、sigBのそれぞれのピーク値に基づいて求めた正規化係数に基づいて1/2P単位の位置(粗位置)と、1/2P間を所定数に分割した位置(精位置)を求め、これらを合算することでストローク位置が求められる。
【0021】
磁気センサ5の出力信号sigA、sigBはサンプルホールド回路SHA、SHB、及びアナログ・デジタルコンバータADCを介してコントローラ7の中央演算処理部CPUに入力される。
【0022】
コンパレータCA、CBはCPUにおいて演算された磁気センサ5の出力信号sigA、sigBの各ピッチにおける最大値と最小値との中央値である振央レベルを基準値として出力信号sigA、sigBと比較して、振央レベルよりも大きいときにHレベル、小さいときにLレベルの信号を出力する。なお、DACA、DACBはCPUで演算された各振央レベルをアナログ変換するデジタル・アナログコンバータである。
【0023】
コンパレータCZは磁気センサ5の出力信号sigBから基準点h1〜h7を判定するもので、デジタル・アナログコンバータDACZから与えられる基準点判定レベルbasZと出力信号sigBとを比較して、出力信号sigBが基準点判定レベルbasZより大きいときにHレベル、小さいときにLレベルの信号を出力する。
【0024】
この基準点の判定はコンパレータCAの出力が変化したとき、すなわち出力信号sigAが振央レベルを通過したときに割り込み処理が発生し、後述するソフトウェアにより基準点の判定が行われる。
【0025】
メモリRAMには磁気センサ5の出力信号sigA、sigBの各ピッチごとのピーク値が格納されるとともに、各基準点における絶対位置情報が格納される。なお、このメモリRAMはバッテリなどでバックアップされており、装置の電源が遮断されても記憶内容が保持される。
【0026】
ここで、図4を参照して基準点の判定方法について説明する。
【0027】
ピストンロッド1が変位すると磁気センサ5の出力信号sigA、sigBはそれぞれ90゜の位相差をもつ正弦波として出力される。出力信号sigA、sigBは深さM1の弱磁性部3を通過する際には振幅レベル1を、基準点である深さM2の弱磁性部3を通過する際には振幅レベル2をそれぞれ出力する。したがって、基準点h1〜h7における振幅レベルは2となり、その他の弱磁性部3では振幅レベルは1となる。
【0028】
各基準点は出力信号sigAが振央レベルcenAとなる基準点において、出力信号sigBは最小ピーク値である振幅レベル2を発生するが、弱磁性部3の深さM2の誤差などにより変動することがあるため、出力信号sigBが予め設定した基準点判定レベルbasZ以下であることを条件として基準点を判定する一方、基準点以外の弱磁性部3を通過する際の振央レベルcenAを除外する。
【0029】
この基準点判定レベルbasZは、出力信号sigBの振央レベルcenBと前記出力信号sigBの振幅レベルから次式のように設定することができる。
【0030】
basZ=cenB−(レベル1+レベル2)/2
したがって、出力信号sigAが振央レベルcenAとなったときに出力信号Bが基準点判定レベルbasZ以下であれば基準点であることが容易に判定される。
【0031】
次に、コントローラ7における基準点を判定してから基準点絶対位置を再設定するまでの処理を図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図5は装置の電源を再投入してから基準点絶対位置がセットされるまでの流れを示す。
【0032】
まず、S10においてストローク位置データをリセットした後に図示しない駆動手段によってピストンロッド1を任意の方向に駆動させ、S11で出力信号sigAが振央レベルcenAかつ出力信号sigBが基準点判定レベルbasZ以下であるかどうかの判定により第1の基準点の判定を行う。
【0033】
第1の基準点が検出されると、S12ではそのときのストローク位置データ(計測開始点を基準とするストローク位置データ)をX1に保持する。
【0034】
さらにピストンロッド1を駆動させて、S13ではS11と同様にして第2の基準点を判定する。第2の基準点が判定されると、S14ではS12と同様にして、そのときのストローク位置データをX2に保持し、これらX1、X2の差をS15において基準点間隔Lとして計算する。
【0035】
S16ではこの基準点間隔Lの絶対値と弱磁性部3のピッチPとを比較し、Lの絶対値がP未満であればS17の処理を経由して再び第2の基準点の検出を行う。LがP未満となる場合は、ピストンロッド1の伸縮によって磁気センサ5が第1の基準点を2回通過した状態であり、正確に基準点絶対位置を再設定できないため、S17においてX2の値をX1に転送するとともに、S13の処理に戻る。
【0036】
一方、S16の判定で基準点間隔LがピッチP以上のときは、Lの正負よりストロークの方向を判定して、Lが正であればS20に、負であるときはS19の処理にそれぞれ進む。
【0037】
S19、20では、基準点間隔Lに所定値mを乗じたものを、ピストンロッド1の変位方向に応じた所定値base1、base2に加算した値をアドレスADとして計算する。このADは、第2の基準点の絶対位置を格納するメモリRAMを指示するためのアドレスである。
【0038】
S21ではこのアドレスADに指示されたメモリにX2の値を格納することにより、第2の基準点の絶対位置を再設定し、図5のフローを終了する。なお、図5において説明しなかったS22以降は後述する。
【0039】
このようにして第2の基準点の絶対位置の再設定を行った後には、図示しないフローにおいて残りの基準点(第2の基準点以外の基準点)に対する絶対位置についても再設定を行う。
【0040】
この結果、基準点絶対位置の格納されるメモリRAMには、図6のように、ストロークの方向、所定値base1、2、基準点間隔(P〜5P)に応じて基準点h1〜h7の絶対位置が格納される。
【0041】
なお、このメモリマップにおいて同一の基準点の絶対位置が異なるアドレスに重複して格納されるが、これは、ピストンロッド1の変位方向によって基準点の検出位置(出力信号sigAが振央レベルcenAと等しくなる位置)が微妙にずれるためで、ピストンロッド1の変位方向ごとにアドレスを変えて各基準点h1〜h7の絶対位置を格納しているわけである。
【0042】
したがって、装置の休止中にピストンロッド1が油漏れなどにより変位しても、任意の基準点を2カ所通過しさえすれば自動的に全ての基準点の絶対位置を再設定することが可能となり、起動時のストローク量を低減して稼働までの時間を短縮することができることになる。
【0043】
これで公知例(特開平6−194110号公報)の説明を終了する。
【0044】
さて、ピストンロッド1に機器を組み付けた状態ではピストンロッド1を最縮位置まで戻すことができず、常にピストンロッド1が所定値伸び出した状態を稼働開始状態としてピストンロッド1を伸縮することがある。
【0045】
この場合にも、ピストンロッド1の現在の絶対位置をリアルタイムで表示する装置により、ピストンロッド1が現在どの位置にあるかを確かめながら伸縮させるのであるが、各基準点の絶対位置が、ピストンロッド1の最縮位置をゼロ点(原点)とするスケールであったのでは、表示装置上もピストンロッド1の最縮位置をゼロ点として測った値になるので、アクチュエータの扱いが容易でない。上記の稼働開始位置から望みのストロークだけピストンロッド1を伸ばすには、稼働開始位置で表示装置に表示されている絶対位置に、望みのストローク長さを加える計算を行い、その加算値と一致するまでピストンロッド1を伸ば必要があり、計算違いが起こることがあり得るからである。
【0046】
これに対処するため本発明の第1実施形態では、アクチュエータの稼働開始位置で表示装置にゼロが表示されるように、全ての基準点の絶対位置を、アクチュエータの稼働開始位置をゼロ点として測った値に設定する。
【0047】
コントローラ7で実行されるこの制御の内容を以下に説明すると、本発明では図5のS22〜S34のステップと図8、図9のフローチャートを新たに追加している。
【0048】
まず図5から述べると、S22、S23ではS19、S20と同様にして、基準点間隔Lに所定値mを乗じたものを、ピストンロッド1の変位方向に応じた所定値base3、base4に加算した値をアドレスAD2として計算する。このAD2は、第2の基準点のマスタ絶対位置を格納するメモリRAMを指示するためのアドレスである。
【0049】
ここで、マスタ絶対位置は、ピストンロッド1の最縮位置をゼロ点として測った位置のことで、具体的には、図7に示したように、アドレスAD2の指示するメモリ(ROMまたはバックアップ可能なRAM)に予め格納されている。
【0050】
S24ではアドレスADの指示するメモリに格納されている絶対位置データとアドレスAD2の指示するメモリに格納されているマスタ絶対位置データの差分値Yを計算する。なお、図5においてはアドレスAD、AD2に格納されているデータのことを括弧付きの値である(AD)、(AD2)で表わしている。
【0051】
ここで、差分値Yはピストンロッド1の最縮位置から計測開始位置までのズレ分を表す。例えば、図10において、電源の再投入時に下段に示すようにピストンロッド1が最縮位置よりも少し飛び出していた状態で、基準点絶対位置の再設定が行われると、各基準点絶対位置は計測開始位置をゼロ点として測った値となる。これに対して、マスタ絶対位置はあくまでピストンロッド1の最縮位置をゼロ点として測った値である。したがって、同じ第2の基準点に対するマスタ絶対位置とマスタのつかない絶対位置の差をとることで、ピストンロッド1の最縮位置から計測開始位置までのズレ分を計算できるのである。
【0052】
S25〜S33までは、電源の再投入時における計測開始位置が最縮位置からずれている場合にも、全ての基準点絶対位置を最縮位置をゼロ点として測った値に書き換える部分である。
【0053】
S25ではまず基準点間隔Lを1とし、このときのアドレスAD、AD2をS26、S27において計算し、一方のアドレスAD2の指示するメモリに格納されているマスタ絶対位置に上記の差分値Yを加えた値を、他方のアドレスADの指示するメモリに格納されているデータに上書きする。S29、S30、S31の処理は、S26、S27、S28の処理とアドレスAD、AD2の値が異なるだけで、処理そのものは同様である。
【0054】
S32ではLを1だけインクリメントした後、これをS33において最大の基準点間隔Lmax(=6)と比較する。L≠Lmaxであれば、S26に戻ってS26〜S32の処理を繰り返す。
【0055】
この結果、電源の再投入時における計測開始位置が最縮位置からずれている場合に、全ての基準点絶対位置が最縮位置をゼロ点として測った値に書き換えられる。これを図10の場合でさらに説明すると、第2の基準点に対する絶対位置について、計測開始位置をゼロ点として測った値から最縮位置をゼロ点として測った値へと変更されるわけである。
【0056】
このようにして、最縮位置をゼロ点として測った値の基準点絶対位置の書き換えを終了したら、S33よりS34に進み、再設定完了通知を出した後、図5のフローを終了する。
【0057】
図8のフローチャートはゼロリセットの準備をするためのもので、図5とは独立に実行する。
【0058】
S40では再設定完了通知がきたかどうかをみる。再設定完了通知がきたときは、S41、S42でゼロとしたいところのアドレスをAD3とし、このアドレスAD3の指示するメモリに所定値Zを入れて、図8のフローを終了する。
【0059】
ここで、Zは最縮位置から稼働開始位置までのストローク量のことである。たとえば、図11に示したように、ピストンロッド先端にアタッチメントなどの部品を連結した場合に、機構的にピストンロッドを最縮位置まで戻すことができない場合など、ピストンロッドが最縮位置よりもZだけ飛び出した位置を稼働開始位置としてピストンロッドを伸縮させたいことがある。
【0060】
このとき、ピストンロッドの現在の絶対位置を表示する表示装置に、最縮位置(あるいは計測開始位置)をゼロ点として測った値が表示されるのでは、稼働開始位置からのストローク量を計算するのに、稼働開始位置と最縮位置の間のストロークを考慮しなればならないので、計算違いが生じる可能性がある。また、いちいち最縮位置から稼働開始位置までのストロークを考慮するのは煩わしい。
【0061】
そこで、最縮位置から稼働開始位置までのストロークが予めわかっているときは、このストロークをZとして、このZを格納するためのメモリと、このメモリを指示するアドレスAD3とを与えておくのである。
【0062】
図5のフローチャートでは、全ての基準点絶対位置を、最縮位置をゼロ点として測った値に書き換えたが、図9のフローチャートは、この最縮位置をゼロ点として測った値の基準点絶対位置を、さらに稼働開始位置をゼロ点として測った値に書き換えるためのもので、図8に続けて実行する。
【0063】
図9においてS50〜S60は図5のS10〜S20の処理と同様である。つまり、スロトーク位置データをリセットした後にピストンロッド1を任意の方向に駆動し(S50)、第1の基準点を検出したら、そのときのストローク位置データをX1とする(S51、S52)。ピストンロッド1をさらに動かし、第2の基準点を検出したら、そのときのストローク位置データをX2とする(S53、S54)。これらX1とX2の差を基準点間隔Lとして算出し(S55)、基準点間隔Lの絶対値とピッチPを比較する。基準点間隔LがピッチP以上のときだけS58に進み、基準点間隔Lの正負(ストローク方向)を判断して、アドレスADを計算する(S56、57、58、59)。
【0064】
S61ではこのアドレスADの指示するメモリに格納されているデータに、このデータから前記Zを差し引いた値を上書きした後、図9のフローを終了する。この結果、図11のように第2の基準点の絶対位置が最縮位置をゼロ点として測った値から稼働開始位置をゼロ点として測った値へと書き換えられる。
【0065】
なお、残りの基準点絶対位置についても、図示しないフローにおいて、稼働開始位置をゼロ点として測った値へと書き換えられる。
【0066】
このようにして本発明では、アクチュエータの稼働開始位置で表示装置にゼロが表示されるように、全ての基準点の絶対位置を、アクチュエータの稼働開始位置をゼロ点として測った値に設定するので、表示装置に表示される値がそのまま稼働開始位置からのストローク量を意味することになり、これによって、アクチュエータが伸び出した状態を稼働開始位置としてアクチュエータを伸縮させる場合においても、アクチュエータの扱いが容易になるのである。
【0067】
また、2つの基準点を検出するだけで、全ての基準点の絶対位置を、最縮位置をゼロ点として測った値からアクチュエータの稼働開始位置をゼロ点として測った値へと書き換えできることから、ストローク規制によりピストンロッドがフルストロークできない場合であっても、全ての基準点絶対位置の、稼働開始位置をゼロ点として測った値への設定が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】磁気スケールの概略図である。
【図3】コントローラのブロック図である。
【図4】各ピッチにおける磁気センサの出力信号の変化を示す図である。
【図5】電源再投入時の基準点絶対位置の再設定とそれに引き続く基準点絶対位置の最縮位置を原点として測った値への書き換えとを説明するためのフローチャートである。
【図6】基準点絶対位置を格納するためのメモリ内容を示す図である。
【図7】マスタ絶対位置を格納するためのメモリ内容を示す図である。
【図8】ゼロリセットの準備を説明するためのフローチャートである。
【図9】基準点絶対位置の稼働開始位置を原点として測った値への書き換えを説明するためのフローチャートである。
【図10】第1実施形態の作用を説明するための図である。
【図11】第1実施形態の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ピストンロッド
2 磁気スケール
3 弱磁性部
4 強磁性部
5 磁気センサ
7 コントローラ
Claims (4)
- 弱磁性部をアクチュエータのストローク方向に所定のピッチで配設するとともに、これら弱磁性部のうち所定の不等間隔で選んだ位置の弱磁性部を基準点として第1の深さで、また残りの位置の弱磁性部を第2の深さでそれぞれ形成した磁気スケールと、
この磁気スケールのピッチに対応して90度の位相差をもった正弦波を出力する一対の磁気センサと、
これら磁気センサの出力からストローク位置を演算する手段と、
前記基準点の絶対位置を格納する手段と、
この各基準点絶対位置と前記ストローク位置の演算値を用いて前記アクチュエータの現在の絶対位置を表示する装置と、
電源の再立ち上げ時に前記格納手段に格納されている全ての基準点絶対位置を、電源再立ち上げ時の前記アクチュエータ位置を原点として測った値に再設定する手段と
を備える位置検出装置において、
前記全ての基準点絶対位置を前記アクチュエータの最縮位置を原点として測った値をマスタ絶対位置として格納している手段と、
このマスタ絶対位置を用いて前記基準点絶対位置の再設定後に前記格納手段に格納されている全ての基準点絶対位置を、前記アクチュエータ最縮位置を原点として測った値に書き換える第1の手段と、
この書き換え完了後に前記格納手段に格納されている全ての基準点絶対位置を、前記アクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値にさらに書き換える第2の手段と
を設けたことを特徴とする位置検出装置。 - 前記基準点絶対位置第1書き換え手段は、所定の基準点に対する電源再立ち上げ時のアクチュエータ位置を原点として測った値の基準点絶対位置と、同じ基準点に対するアクチュエータ最縮位置を原点として測った値の基準点絶対位置との差分値を計算する手段と、この差分値を電源再立ち上げ時のアクチュエータ位置を原点として測った値の基準点絶対位置に加算した値を、アクチュエータ最縮位置を原点として測った値の基準点絶対位置として設定する手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記基準点絶対位置第2書き換え手段は、前記アクチュエータの稼働開始位置とアクチュエータ最縮位置とのストローク差を格納する手段と、前記アクチュエータ最縮位置を原点として測った値の基準点絶対位置からこのストローク差だけ差し引いた値を前記アクチュエータの稼働開始位置を原点として測った値として設定する手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記基準点を間隔が同一のものがないように前記磁気スケール上に配設するとともに、前記基準点絶対位置格納手段が基準点絶対位置を基準点間隔に応じたアドレスに指示されるメモリに格納している場合に、前記設定手段は、第1の基準点の通過を検出する手段と、この第1の基準点検出時に第1の基準点でのストローク位置データを格納する手段と、前記第1の基準点とは異なる第2の基準点の通過を検出する手段と、この第2の基準点検出時に第2の基準点でのストローク位置データを格納する手段と、前記2つのストローク位置データの差を基準点間隔として算出する手段と、この基準点間隔に応じてアドレスを演算する手段と、このアドレスの指示するメモリから前記第2の基準点に対する絶対位置を読み出し、その読み出した値から前記アクチュエータの稼働開始位置とアクチュエータ最縮位置とのストローク差を差し引いた値で上書きする手段と、この第2の基準点に対する絶対位置の上書きに基づいて残りの基準点に対する絶対位置を読み出し、その読み出した値から前記アクチュエータの稼働開始位置とアクチュエータ最縮位置とのストローク差を差し引いた値で上書きする手段とからなることを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06877798A JP3659790B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 位置検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06877798A JP3659790B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 位置検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11264740A JPH11264740A (ja) | 1999-09-28 |
JP3659790B2 true JP3659790B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=13383514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06877798A Expired - Lifetime JP3659790B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 位置検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3659790B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006010780A1 (de) * | 2006-03-08 | 2007-09-13 | Liebherr-France Sas | Positionsmeßsystem für Hydraulikzylinder |
KR101272654B1 (ko) * | 2012-03-16 | 2013-06-10 | (주)동부로봇 | 엔코더 보정 방법 및, 그 장치 |
JP2013256886A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Toyota Central R&D Labs Inc | フリーピストン式発電機 |
JP2017096756A (ja) * | 2015-11-24 | 2017-06-01 | Kyb株式会社 | ストローク検出装置 |
-
1998
- 1998-03-18 JP JP06877798A patent/JP3659790B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11264740A (ja) | 1999-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3029657B2 (ja) | 位置検出装置 | |
KR100550871B1 (ko) | 전자나침반의 자동 보정 방법 | |
US5428991A (en) | Process for adapting mechanical tolerances of a pick-up wheel | |
US8415946B2 (en) | Arrangement and method for magnetic determination of a linear length or a rotary angle | |
US7805270B2 (en) | Encoder signal analysis system for high-resolution position measurement | |
US8091003B2 (en) | Position detection error correcting method | |
US20080234963A1 (en) | Calibration of a Metrological Apparatus | |
JP3659790B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP2004138606A (ja) | 舵角センサ | |
US20020041241A1 (en) | Method and device for absolute position determination | |
US20070073511A1 (en) | Method for calibrating an analog sensor | |
KR20070110876A (ko) | 회전 운동 또는 회전 각의 검출시 틸팅각을 결정하고보상하는 방법 및 회로 장치 | |
JP2727067B2 (ja) | 形状測定機 | |
JPH05231879A (ja) | 検出位置の補正方法 | |
JP3217895B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP3251664B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP3188041B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP3184361B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP3136012B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP3226124B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP3155382B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP2002048595A (ja) | センサのキャリブレーション方法 | |
JPH06201400A (ja) | 位置検出装置 | |
JP2002168654A (ja) | 位置決め制御機構 | |
KR100559235B1 (ko) | 가변형 슈미트트리거를 이용한 절대위치 검출방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050315 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090325 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090325 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100325 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110325 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120325 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130325 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140325 Year of fee payment: 9 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |