JPH06331012A - 自動変速機の変速制御方法 - Google Patents

自動変速機の変速制御方法

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JPH06331012A
JPH06331012A JP11444193A JP11444193A JPH06331012A JP H06331012 A JPH06331012 A JP H06331012A JP 11444193 A JP11444193 A JP 11444193A JP 11444193 A JP11444193 A JP 11444193A JP H06331012 A JPH06331012 A JP H06331012A
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憲次郎 藤田
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徹也 田代
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、例えば自動車等の車両において用
いられ油圧を利用して変速状態を制御するもので、特に
高速段用摩擦係合要素の解放によりダウンシフトを開始
し低速段用ワンウェイクラッチのロック機能によりダウ
ンシフトを終了する自動変速機の変速制御方法に関し、
高速段から低速段への変速に際して発生する変速ショッ
クを確実に軽減できるようにすることを目的とする。 【構成】 有効変速期間中、制御手段により、タービン
回転速度NT の変化率が予め設定された変化率となるよ
うに、タービン回転速度NT に応じた高速段用摩擦係合
要素に対する油圧のフィードバック制御を行なうととも
に、有効変速終了時点後の所定期間Δtの間、制御手段
による前記フィードバック制御を継続するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車等の車両
において用いられ、油圧を利用して変速状態を制御する
自動変速機の変速制御方法に関し、特に、高速段用摩擦
係合要素の解放によりダウンシフトを開始して低速段用
ワンウェイクラッチのロック機能によりダウンシフトを
終了する自動変速機の変速制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、車両用自動変速機は、クラッ
チ,ブレーキ等の摩擦係合要素に対して選択的に油圧を
給排することにより、歯車変速機構内の任意の回転要素
を、入力軸に接合したり変速機ケースに対して固定した
りして、任意の回転ドラムやギア等の回転要素を選択
し、変速比切換(変速)を車両の運転状態に応じて自動
的に行なっている。
【0003】例えば、自動変速機を現変速段から目標変
速段へシフトさせる場合には、コントローラが、所定の
プログラムに従い、現変速段を確立させている摩擦係合
要素(以下、解放側摩擦係合要素という)の係合を解除
するとともに、目標変速段を確立させる摩擦係合要素
(以下、結合側摩擦係合要素という)を係合させ、トラ
ンスミッション入力軸の回転速度を、その変化率が目標
回転速度変化率に等しくなるようにして増加させ、摩擦
係合要素のつかみ換え操作を実施する。これによい、エ
ンジントルクの伝達経路が解放側摩擦係合要素から結合
側摩擦係合要素に切り換えられる。
【0004】このような自動変速機においては、各種装
置,機器の保護、並びに快適な乗り心地維持のために、
変速時のショック(以下、変速ショックという)を小さ
くすることが要求されている。特に、自動変速機におい
て、結合側摩擦係合要素としてワンウェイクラッチを用
いる場合、現変速段から目標変速段に同期するタイミン
グに合わせて解放側摩擦係合要素の受け持つトルクを解
放するが、同期判定時に急な解放を行なうと、ワンウェ
イクラッチの受け持つトルクが急激に増加し、出力軸ト
ルクが急激に大きくなるため、変速ショックが大きくな
ってしまう。
【0005】以下に、車両用自動変速機の一例を図1
0,図11により説明する。図10に示す車両用自動変
速機では、自動車等の車両の動力源となるエンジン11
のクランク軸12は、トルクコンバータ13のポンプ1
4に一体的に連結されている。このトルクコンバータ1
3は、ポンプ14と、タービン15と、ワンウェイクラ
ッチ17を介してケース18に連結されたステータ16
とから構成されており、ステータ16は、ワンウェイク
ラッチ17の作用によりクランク軸12と同方向へ回転
するが、その逆方向への回転を許容されないようになっ
ている。タービン15に伝えられたエンジン11からの
トルクは、入力軸19によってその後部に配設された前
進4段後進1段の変速段を達成する歯車変速機構に伝達
される。
【0006】この歯車変速機構は、3組のクラッチ(摩
擦係合要素)20,21,22と、2組のブレーキ(摩
擦係合要素)23,24と、1組のワンウェイクラッチ
(摩擦係合要素)25と、1組のラビニヨ型遊星歯車機
構26とから構成されている。この遊星歯車機構26
は、リングギア27,ロングピニオン28,ショートピ
ニオン29,フロントサンギア30,リアサンギア31
と、ピニオン28,29を回転自在に支持するとともに
自らも回転可能なキャリア32とから構成されている。
【0007】そして、リングギア27は出力軸33に連
結され、フロントサンギア30はキックダウンドラム3
4およびフロントクラッチ20を介して入力軸19に連
結され、リアサンギア31はリアクラッチ21を介して
入力軸19に連結され、キャリア32は、相互に並列的
に配設されたローリバースブレーキ24とワンウェイク
ラッチ25とを介してケース18に連結されるととも
に、この歯車変速機構の後端に配設された4速クラッチ
22を介して入力軸19に連結されている。
【0008】なお、キックダウンドラム34は、キック
ダウンブレーキ23によってケース18と一体的に連結
可能になっており、入力軸19から入力され遊星歯車機
構26を通過したトルクは、出力軸33に固着された出
力ギア35から図示しない駆動軸を介して駆動輪へ伝達
される。摩擦係合要素である各クラッチ20〜22およ
びブレーキ23,24は、それぞれ係合用ピストン装置
あるいはサーボ装置等をそなえた油圧機器で構成されて
おり、トルクコンバータ13のポンプ14に連結された
図示しないオイルポンプで発生する圧油によって油圧制
御装置を介して選択的に作動される。
【0009】上述のごとく構成された歯車変速機構の第
2速の変速段は、フロントクラッチ20,4速クラッチ
22およびローリバースブレーキ24を解放し、リアク
ラッチ21およびキックダウンブレーキ23を係合する
ことにより達成され、第1速の変速段は、リアクラッチ
21の係合とワンウェイクラッチ25のロック機能によ
るキャリア32の固定とによって達成される。
【0010】従って、第1速固定レンジへのセレクトレ
バーの操作によらない第2速から第1速への変速は、キ
ックダウンブレーキ23の解放のみで達成されることに
なり、この場合、キックダウンブレーキ23の解放によ
ってキックダウンドラム34が遊転可能な状態となると
キャリア32の回転が低下し始め、逆に回転しようとす
る時点でワンウェイクラッチ25が機能してキャリア3
2を固定し、第1速の変速段が達成されるのである。
【0011】このような変速を達成する油圧制御装置の
一部を図11に示す。キックダウンブレーキ23の作動
を制御するキックダウンサーボ36には、1−2シフト
弁37が油路38を介して連通され、この1−2シフト
弁37には油圧制御弁39とシフト制御弁40とがそれ
ぞれ油路41,42を介して連通されている。油圧制御
弁39は、図示しない油圧源から油路50へ供給される
圧油(ライン圧)を、油路51内の制御油圧に応じて所
望の油圧値に調整して油路41へ供給するものであり、
油路51内の制御油圧は、電子制御装置54によりデュ
ーティ制御される電磁弁55により、適当に排出制御さ
れて所望の圧力となるように調整される。また、シフト
制御弁40は、電子制御装置54により励磁/消磁状態
の組合せが切換制御される一対の電磁弁43,44によ
り、中央のスプール47が第1速から第4速の各変速段
に対応する位置に切換制御されるようになっている。
【0012】上述のような構成の油圧制御装置における
第2速の変速段の達成状態では、電磁弁43が消磁され
て油路45を閉塞するとともに、電磁弁44が励磁され
て油路46を開放しこの油路46内の油圧を排出してい
るので、スプール47が油路48と油路42とを連通す
る位置となり、1−2シフト弁37のスプール49が、
図11中、右端に位置して油路41と油路38とが連通
された状態となっている。
【0013】一方、第2速の変速段が達成されている状
態では、電磁弁55の作動が停止され、油路51内の制
御油圧が最高圧となって油路50からのライン圧が減圧
されずに油路41へ供給され、このライン圧がそのまま
キックダウンサーボ36へ供給されることになり、キッ
クダウンサーボ36のピストン53を図11中の左側へ
変位させてキックダウンブレーキ23がキックダウンド
ラム34を締め付けた状態となる。
【0014】この状態から第1速固定レンジへのセレク
トレバーの操作以外で第1速への変速を行なう場合、車
両の運転状態に応じて電子制御装置54が第1速への変
速信号を発して電磁弁43,44を励磁し、油路45,
46内の油圧を排出することにより、油圧制御弁39の
スプール47が図11に示す左端へ移動し、油路42内
の油圧をシフト制御弁40の排油ポートEXから排出す
る。
【0015】この結果、1−2シフト弁37のスプール
49が図11に示す左端位置へ移動して油路38が1−
2シフト弁37の排油ポートEXに連通され、キックダ
ウンサーボ36の油圧が急激に排出されてピストン53
が圧縮コイルばね56により図11中の右方へ移動す
る。これにより、キックダウンドラム34に対するキッ
クダウンブレーキ23の係合が解放されて第1速が達成
されることになる。
【0016】なお、このとき、変速開始と同時に電磁弁
55のデューティ率(励磁時間の割合)を100%(解
放状態に維持)として油路51内の制御油圧を排出し、
油路41内の油圧を排出する制御を行なっているが、こ
れは1−2シフト弁37に連通された他の油路への高圧
のライン圧が供給されるのを防止するためである。ま
た、上述のような歯車変速機構および油圧制御装置につ
いてのさらに詳細な構成および作用は、特開昭58−4
6258号公報等に開示されているので、ここでの説明
は省略する。
【0017】さらに、ここでは、電磁弁55のデューテ
ィ率が0%の場合、電磁弁55は連続的な消磁状態でそ
の作動が停止され、最高圧の油圧がキックダウンサーボ
36へ供給されるようになっている一方、電磁弁55の
デューティ率が100%の場合、電磁弁55は連続的な
励磁状態で、キックダウンサーボ36への油圧が排出さ
れることになる。従って、電磁弁55のデューティ率を
0〜100%の間で電子制御装置54により制御するこ
とで、キックダウンサーボ36への油圧が適当な圧力に
調整・制御できるようになっている。
【0018】上述した変速制御手段では、第2速から第
1速への変速に際して、電子制御装置54が変速信号を
発して変速を開始すると、直ちに、1−2シフト弁37
のスプール49を第1速側へ切り換えてキックダウンサ
ーボ36の油圧を急激に排出し、キックダウンブレーキ
23を急速に解放している。その結果、図12(d)に
一点鎖線で示すように、出力軸33のトルクがかなり小
さな値まで急激に低下してから、次に、低下したトルク
が、ワンウェイクラッチ25がキャリア32を固定する
変速終了時点で、第1速に相当する大きなトルクまで急
激に増加するという大きなトルク変動を生じ、極めて大
きな変速ショックが発生してしまう。
【0019】そこで、従来、例えば特開昭61−844
47号公報に開示されるような自動変速機の変速制御手
段も提案されている。この変速制御手段では、キックダ
ウンドラム34の回転速度を検出するための回転速度検
出装置60がそなえられており、第2速から第1速への
変速指令が電子制御装置54から発せられると、1−2
シフト弁37を第2速位置に保持したまま、図12
(b)に示すように、電磁弁55のデューティ率を時間
に関して所定の変化速度で上昇させる。
【0020】つまり、油路51内の制御油圧を低下させ
ることにより、油路41から1−2シフト弁37,油路
38を介してキックダウンサーボ36へ供給されている
ライン圧を所定の変化速度をもって低減させるのであ
る。ライン圧が次第に低下すると、キックダウンブレー
キ23のキックダウンドラム34に対する係合が徐々に
解放され、図12(a)に示すように、ついにはキック
ダウンドラム34が回転を始める(即ち、第2速に相当
する回転速度=0rpmからずれる)有効な変速が開始
される。
【0021】このような有効変速の開始が回転速度検出
装置60により検出されると、この有効変速開始時にお
ける電磁弁55のデューティ率が、図12(b)に実線
で示すように、キックダウンドラム34が第1速に相当
する回転速度となるまで保持されて、図12(c)に実
線で示すように、変速中のキックダウンサーボ36への
油圧が保持される。
【0022】この制御により、図12(d)に実線で示
すように、変速開始直後の出力軸33のトルク低下を緩
やかにするとともに、変速中のトルク伝達をキックダウ
ンブレーキ23で保持させて出力軸33のトルク低下を
小さくすることができる。次に、図12(a)に示すよ
うに、キックダウンドラム回転速度が予め設定された目
標変速段(ここでは第1速)の回転速度に達したことが
回転速度検出装置60により検出され、有効変速の終了
が検出されると、図12(b)に実線で示すように、再
び電磁弁55のデューティ率を上昇させて、図12
(c)に実線で示すように、キックダウンサーボ36へ
の油圧を低下させる。この場合のデューティ率の上昇速
度(油圧の低下速度)は、所定時間内に所定のデューテ
ィ率まで到達できるように、有効変速中の一定デューテ
ィ率と所定デューティ率との差を上記所定時間で除算し
た値としている。
【0023】このような制御を実行することにより、キ
ックダウンサーボ36内の油圧が徐々に排出され、キッ
クダウンブレーキ23による伝達トルクの保持が徐々に
減少されるとともに、ワンウェイクラッチ25による伝
達トルクの保持へ緩やかに移行されるので、図12
(d)に実線で示すように、変速終期における出力軸ト
ルクの上昇を緩やかにすることができる。
【0024】そして、有効変速終了時点から上記所定時
間が経過すると、キックダウンサーボ36内の油圧を完
全に排出すべく電磁弁55のデューティ率を100%と
し、最後にシフト制御弁40の両電磁弁43,44を励
磁してスプール47を図11に示す第1速位置とするこ
とにより1−2シフト弁37を第1速位置へ移動させて
変速が終了される。
【0025】一方、図12(b)〜(d)に実線で示し
たように、有効変速中のデューティ率を有効変速開始時
点のデューティ率に保持する制御に代えて、図12
(b)〜(d)に二点鎖線で示すように、有効変速中の
キックダウンドラム34の回転速度の変化率が予め設定
された所定の変化率となるように有効変速中のデューテ
ィ率(即ち、キックダウンサーボ36への油圧)を回転
速度検出装置60からの信号に応じてフィードバック制
御するようにし、また有効変速終了後の所定時間に所定
速度デューティ率を上昇させる制御を省略して有効変速
終了直後にデューティ率を100%としてキックダウン
サーボ36の油圧を排出する変速制御手段も特開昭61
−84447号公報に開示されている。
【0026】このようなフィードバック制御によれば、
図12(d)に二点鎖線で示すように、変速開始直後の
出力軸33のトルク低下をさらに少なくすることができ
るため、有効変速終了直後に電磁弁55のデューティ率
を100%としてキックダウンサーボ36の油圧を急速
に排出しても、トルク変動の変化率は急激となるが、全
体として従来のものよりもトルク変動の幅が小さくな
り、変速終期における変速ショックの発生を軽減するこ
とが可能となる。
【0027】また、上述した2種類の変速制御手段を組
み合わせ、有効変速中のデューティ率のフィードバック
制御を行ない、有効変速終了後はデューティ率を所定時
間だけ所定速度で上昇させるような制御を行なうことに
より、出力軸33のトルク変動幅をさらに小さくできる
とともに、トルク変動の変化率を緩やかにでき、変速シ
ョックをより軽減することができる。
【0028】なお、上述した変速制御手段では、第2速
から第1速へのダウンシフト制御を行なう場合について
説明したが、変速前の変速段が油圧作動の摩擦係合要素
によって達成され、変速後の変速段がワンウェイクラッ
チのロック機能によって達成されるような変速段間の変
速であれば、上述と同様の変速制御手段が適用されてい
る。
【0029】例えば、図13に示す車両用自動変速機で
は、第4速から第3速へのダウンシフトが、第4速につ
いての摩擦係合要素の解放により開始されワンウェイク
ラッチによる歯車回転要素の回転停止により終了される
ようになっている。つまり、図13に示す車両用自動変
速機では、図示しないエンジンのクランク軸12は、ト
ルクコンバータ13のポンプ14に一体的に連結されて
いる。このトルクコンバータ13は、ポンプ14と、タ
ービン15と、ケース18に連結されたステータ16と
から構成されている。タービン15に伝えられたエンジ
ンからのトルクは、入力軸19によってその後部に配設
された前進5段後進1段の変速段を達成する歯車変速機
構に伝達される。
【0030】この歯車変速機構は、4組のクラッチ(摩
擦係合要素)70〜73と、3組のブレーキ(摩擦係合
要素)74〜76と、1組のワンウェイクラッチ(摩擦
係合要素)77と、3組の遊星歯車機構78〜80と、
出力歯車機構81とから構成されている。第1遊星歯車
機構78は、リングギア82,ピニオン83,サンギア
84と、ピニオン83を回転自在に支持するとともに自
らも回転可能なキャリア85とから構成され、第2遊星
歯車機構79は、第1遊星歯車機構78に対して直列的
に配置され、リングギア86,ピニオン87,サンギア
88と、ピニオン87を回転自在に支持するとともに自
らも回転可能なキャリア89とから構成されている。
【0031】そして、第1遊星歯車機構78のサンギア
84は1〜4速クラッチ70を介して入力軸19に連結
され、第1遊星歯車機構78のキャリア85はギア90
と第2遊星歯車機構のリングギア86とに直結されてい
る。また、第1遊星歯車機構78のリングギア82は、
第2遊星歯車機構79のキャリア89に直結されるとと
もに、1速・後退ブレーキ74によってケース18と一
体的に連結可能になっている。
【0032】さらに、第2遊星歯車機構79のキャリア
89は、3〜5速クラッチ71を介して入力軸19に連
結されるほか、第2遊星歯車機構79のサンギア88
は、後退クラッチ72を介して入力軸19に連結される
とともに、2速・5速ブレーキ75によってケース18
と一体的に連結可能になっている。一方、第3遊星歯車
機構80は、第1遊星歯車機構78,第2遊星歯車機構
79に対して並列的に配置され、リングギア91,ピニ
オン92,サンギア93と、ピニオン92を回転自在に
支持するとともに自らも回転可能なキャリア94とから
構成されている。
【0033】そして、第3遊星歯車機構80のリングギ
ア91は、ギア90と噛み合うギア95に連結され、第
1遊星歯車機構78,第2遊星歯車機構79を通過した
トルクを伝達されるようになっている。また、第3遊星
歯車機構80のキャリア94は、出力軸96に連結され
るとともに、4速・5速クラッチ73を介してドラム9
7に連結されている。
【0034】このドラム97は、第3遊星歯車機構80
のサンギア93に連結されるほか、ワンウェイクラッチ
77を介してケース18に連結されるとともに、1〜3
速ブレーキ76によってケース18と一体的に連結可能
になっている。入力軸19から入力され遊星歯車機構7
8〜80を通過したトルクは、出力軸96に固着された
出力ギア98から、ディファレンシャル機構を有する出
力歯車機構81および駆動軸99を介して図示しない左
右の駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0035】摩擦係合要素である各クラッチ70〜73
およびブレーキ74〜76は、それぞれ係合用ピストン
装置あるいはサーボ装置等をそなえた油圧機器で構成さ
れており、トルクコンバータ13のポンプ14に連結さ
れた図示しないオイルポンプで発生する圧油によって油
圧制御装置を介して選択的に作動される。上述のごとく
構成された歯車変速機構の第4速の変速段は、2速・5
速ブレーキ75,1速・後退ブレーキ74,後退クラッ
チ72および1〜3速ブレーキ76を解放し、1〜4速
クラッチ70,3〜5速クラッチ71および4速・5速
クラッチ73を係合することにより達成され、第3速の
変速段は、4速・5速クラッチ73の解放,1〜3速ブ
レーキ76の係合およびワンウェイクラッチ77のロッ
ク機能による第3遊星歯車機構80のサンギア93の固
定によって達成される。
【0036】従って、第4速から第3速への変速は、4
速・5速クラッチ73の解放と1〜3速ブレーキ76の
係合とによって達成されることになり、この場合、4速
・5速クラッチ73の解放によってドラム97が遊転可
能な状態となるとサンギア93の回転が低下し始め、逆
に回転しようとする時点でワンウェイクラッチ77が機
能してサンギア93を固定するとともに、1〜3速ブレ
ーキ76の係合によりサンギア93を固定することによ
り、第3速の変速段が達成されるのである。
【0037】このような変速を達成する油圧制御装置の
一部を図14に示す。4速・5速クラッチ73の作動を
制御する4速・5速クラッチ用サーボ100には、4速
・5速クラッチ用電磁弁101が油路102を介して連
通されるとともに、1〜3速ブレーキ76の作動を制御
する1〜3速ブレーキ用サーボ103には、1〜3速ブ
レーキ用電磁弁104が油路105を介して連通されて
おり、電子制御装置106により電磁弁101,104
をデューティ制御し各サーボ100,103における油
圧を適当に排出制御することで、油路102,105内
の油圧が所望の圧力となるように調整される。なお、図
14中、107,108はいずれも油圧調整機構であ
る。
【0038】また、ここでは、電磁弁101,104の
デューティ率が0%の場合、電磁弁101,104は連
続的な消磁状態でその作動が停止され、各サーボ10
0,103への油圧が排出される一方、電磁弁101,
104のデューティ率が100%の場合、電磁弁10
1,104は連続的な励磁状態で、各サーボ100,1
03には最高圧の油圧が供給されるようになっている。
従って、電子制御装置106により電磁弁101,10
4のデューティ率を0〜100%の間で制御すること
で、各サーボ100,103への油圧が適当な圧力に調
整・制御できるようになっている。
【0039】上述のような構成の油圧制御装置における
第4速の変速段の達成状態では、電磁弁101が励磁さ
れ(デューティ率100%)、ライン圧が減圧されずに
油路102に供給され、そのライン圧がそのままサーボ
100へ供給され、4速・5速クラッチ73は係合状態
になっている。このとき、1〜3速ブレーキ76は解放
状態になっている。
【0040】この状態からセレクトレバーの操作以外で
第3速への変速を行なう場合、車両の運転状態に応じて
電子制御装置106が第3速への変速信号を発して、電
磁弁101,104を制御し、油路102へ供給される
ライン圧を減圧して、4速・5速クラッチ73を解放す
るとともに、油路105を介してライン圧を減圧させる
ことなくサーボ103へ供給して、1〜3速ブレーキ7
6を係合状態とし、第3速が達成されることになる。
【0041】この第4速から第3速への変速に際して、
電子制御装置106が変速信号を発して変速を開始し、
直ちに、4速・5速クラッチ用サーボ100の油圧を急
激に排出し、4速・5速クラッチ73を急速に解放する
と、図10〜図12にて説明したものと同様に、出力軸
96のトルクがかなり小さな値まで急激に低下してか
ら、1〜3速ブレーキ76が係合状態となる以前に、ワ
ンウェイクラッチ77がサンギア93を固定する変速終
了時点で、低下したトルクが、第3速に相当する大きな
トルクまで急激に増加するという大きなトルク変動を生
じ、極めて大きな変速ショックが発生してしまう。
【0042】そこで、図13,図14にて示した自動変
速機においても、解放側の4速・5速クラッチ73につ
いての電磁弁101のデューティ制御を、図10〜図1
2にて説明したものと同様に行なうことが考えられる。
例えば、図15(a)〜(d)には、有効変速中にデュ
ーティ率のフィードバック制御を行なう場合が示されて
いる。
【0043】ここで、解放側の4速・5速クラッチ73
の係合を完全に解除するには、この4速・5速クラッチ
73をなす各摩擦係合板を待機位置で待機させればよ
い。待機位置では、各摩擦係合板間には、いわゆる引き
ずりトルクの発生を防止するために充分なクリアランス
が設けられているため、4速・5速クラッチ73を係合
状態から解放状態とする際には、この4速・5速クラッ
チ73をなす摩擦係合板どうしが離間し始めても暫くの
間は、摩擦係合板間に引きずりトルクが発生し、4速・
5速クラッチ73の係合を完全に解除するまでには、4
速・5速クラッチ73から作動油を排出させ始めてから
無駄時間としての油圧解放時間が必要となる。
【0044】従って、第4速から第3速への変速指令が
電子制御装置106から発せられると、図15(a)〜
(d)に示すように、まず、4速・5速クラッチ用電磁
弁101のデューティ率を0%として、4速・5速クラ
ッチ用サーボ100へ供給されているライン圧を低下さ
せ、4速・5速クラッチ73の係合状態を徐々に解放
し、現第4速でのタービン回転速度が所定回転速度ΔN
B だけずれ、有効な変速が開始されると、4速・5速ク
ラッチ用電磁弁101のデューティ率を予め設定した値
i として、タービン回転速度の変化率が予め設定され
た所定の変化率となるように有効変速中のデューティ率
(即ち、4速・5速クラッチ用サーボ100への油圧)
をタービン回転速度に応じてフィードバック制御する。
【0045】そして、タービン回転速度が、目標変速段
である第3速の回転速度から所定回転速度ΔNF の範囲
内に入ると、つまり有効変速を終了すると、デューティ
率を再び0%として4速・5速クラッチ用サーボ100
の油圧を排出した後、1〜3速ブレーキ用電磁弁104
のデューティ率を制御し、油路105を介してライン圧
を減圧されることなく1〜3速ブレーキ用サーボ103
へ供給し、1〜3速ブレーキ76を係合状態として、第
3速への変速を終了している。
【0046】このようなフィードバック制御により、図
15(d)に示すように、変速開始直後の出力軸96の
トルク低下を少なくすることができる。また、有効変速
終了後には、図15(b)に二点鎖線で示すように、デ
ューティ率を所定時間だけ所定速度で下降させるような
制御を行なってもよく、この場合、変速終期における変
速ショックの発生をより軽減することができる。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、従来の自動変速機の変速制御手段では、有効変
速中にタービン回転速度(キックダウンドラム回転速
度)が予め設定された所定の変化率で変化するようにデ
ューティ率のフィードバック制御を行ない、また、有効
変速終了後にはデューティ率を所定時間だけ所定速度で
上昇させるようなオープンループ制御を行なって、変速
開始直後の出力軸トルクの低下を抑制するとともに変速
終期における変速ショックの発生を軽減しているが、特
に有効変速終了後には、予め設定されたデューティ率に
見合う入力トルクならば変速ショックを生じることなく
変速を行なえるが、入力トルクが予め設定されたデュー
ティ率に見合うものからずれた場合には、どうしても対
応することができず変速ショックが生じてしまう。
【0048】つまり、従来、有効変速終了後には、一気
にデューティ率を100%もしくは0%にするか、オー
プンループで一定のデューティ制御を行なうかのいずれ
かのため、入力トルクの変動に対応したきめ細かい制御
を行なうことができず、変速ショックを確実に軽減する
ことはできないという課題があった。本発明は、このよ
うな課題に鑑み創案されたもので、高速段用摩擦係合要
素の解放によりダウンシフトを開始して低速段用ワンウ
ェイクラッチによる歯車回転要素の回転停止によりダウ
ンシフトを終了する自動変速機について、その高速段か
ら低速段への変速に際して発生する変速ショックを確実
に軽減できるようにした変速制御方法を提供することを
目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の自動
変速機の変速制御方法は、高速段用摩擦係合要素の解放
によりダウンシフトを開始して低速段用ワンウェイクラ
ッチのロック機能により前記ダウンシフトを終了する変
速機構と、該高速段用摩擦係合要素に対する油圧を給排
制御することにより該高速段用摩擦係合要素の係合/解
放状態を制御する制御手段とをそなえ、該制御手段によ
り該高速段用摩擦係合要素に対する油圧を排出制御して
該変速機構の回転要素の高速段から低速段への変速状態
を制御するものにおいて、該回転要素の回転速度が高速
段に相当する回転速度からずれる有効変速開始時点か
ら、該回転要素の回転速度が低速段に相当する回転速度
に到達する有効変速終了時点までの有効変速期間中、該
制御手段により、該回転要素の回転速度の変化率が予め
設定された変化率となるように、該回転要素の回転速度
に応じた該高速段用摩擦係合要素に対する油圧のフィー
ドバック制御を行なうとともに、前記有効変速終了時点
後の所定期間中、該制御手段による前記フィードバック
制御を継続することを特徴としている。
【0050】
【作用】上述の本発明の自動変速機の変速制御方法で
は、有効変速終了後にも、所定期間だけ、有効変速期間
中と同様のフィードバック制御が継続される。これによ
り、解放側の高速段用摩擦係合要素に対する油圧は、回
転要素の回転速度の変化率が予め設定された変化率とな
るように制御されることになるが、このとき、低速段用
ワンウェイクラッチのロック機能により回転要素の回転
速度は低速段に相当する回転速度に維持されているの
で、高速段用摩擦係合要素に対する油圧が徐々に低下す
るように自動的に制御されることになる。
【0051】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1〜図7は本発明の第1実施例としての
自動変速機の変速制御方法を示すもので、図1はその方
法を適用される装置の概略構成を示すブロック図、図2
は本実施例のコントローラにより実行される解放側クラ
ッチ制御ルーチンの一部を示すフローチャート、図3〜
図6はいずれも本実施例のコントローラにより実行され
る解放側クラッチ制御ルーチンの一部を示し図2に続く
フローチャートである。また、図7(a)〜(d)は本
実施例のダウンシフト時におけるタービン回転速度,電
磁弁のデューティ率,油圧および出力軸トルクをそれぞ
れ示すグラフである。
【0052】第1実施例では、図1に示すように、自動
車等の車両の動力源となるエンジン11からのトルク
は、トルクコンバータ13を介して、前進5段後進1段
の変速段を達成する変速機構1に伝達されるようになっ
ている。この変速機構1は、図13により前述したもの
と全く同様の構成であり、第4速から第3速へのダウン
シフト時には、4速・5速クラッチ(高速段用摩擦係合
要素)73の解放によりダウンシフトを開始し、低速段
用のワンウェイクラッチ77のロック機能によりダウン
シフトを終了するようになっている。
【0053】また、変速機構1は、図14により前述し
たものと同様の回路を含む油圧回路4を介して、コント
ローラ(制御手段)3により、図13に示した各種ブレ
ーキ,クラッチ(摩擦係合要素)に対する油圧を給排制
御することで、これらのブレーキ,クラッチの係合/解
放状態が制御されるようになっている。なお、変速機構
1および油圧回路4の詳細構成は、前述した通り、それ
ぞれ図13および図14に示したものと全く同様である
ので、その図示および説明は省略する。
【0054】図1において、2はトルクコンバータ13
のタービン15(回転要素,図13参照)の回転速度N
T つまり変速機構1への入力軸の回転速度を検出するタ
ービン回転速度センサ、5は後述するごとく有効変速終
了時点から予め設定された所定期間Δt(例えば100
ms)を計時するためのタイマである。そして、本実施例
のコントローラ3は、変速機構1における変速状態を公
知の手順で制御するとともに、セレクトレバーの操作以
外で第4速から第3速への変速(ダウンシフト)時に
は、図2〜図6により後述する手順に従い、タービン回
転速度センサ2からの検出信号およびタイマ5による計
時機能に基づき、変速機構1の4速・5速クラッチ73
に対する油圧の給排制御を行なうものである。
【0055】つまり、コントローラ3は、第4速から第
3速への変速時には、タービン回転速度NT が第4速に
相当する回転速度NTIからずれる有効変速開始時点か
ら、タービン回転速度NT が第3速に相当する回転速度
TJに到達する有効変速終了時点までの有効変速期間
中、タービン回転速度NT の変化率が予め設定された変
化率となるように、タービン回転速度NT に応じた4速
・5速クラッチ73(4速・5速クラッチ用サーボ10
0)に対する油圧のフィードバック制御(4速・5速ク
ラッチ用電磁弁101のデューティ制御)を行なうとと
もに、有効変速終了時点でタイマ5による計時機能を作
動させて、有効変速終了時点から所定期間Δtの間につ
いては、前記フィードバック制御を継続するものであ
る。
【0056】なお、図7(a)に示すように、本実施例
において、有効変速開始時点は、タービン回転速度NT
が第4速に相当する回転速度NTIから所定回転速度ΔN
B だけずれた時点とする一方、有効変速終了時点は、タ
ービン回転速度NT が第3速に相当する回転速度NTJ
ら所定回転速度ΔNF の範囲内に入った時点としてい
る。
【0057】また、図13により前述した通り、変速機
構1において、第4速の変速段は、2速・5速ブレーキ
75,1速・後退ブレーキ74,後退クラッチ72およ
び1〜3速ブレーキ76を解放し、1〜4速クラッチ7
0,3〜5速クラッチ71および4速・5速クラッチ7
3を係合することにより達成され、第3速の変速段は、
4速・5速クラッチ73の解放,1〜3速ブレーキ76
の係合およびワンウェイクラッチ77のロック機能によ
る第3遊星歯車機構80のサンギア93の固定によって
達成される。
【0058】従って、第4速から第3速への変速は、4
速・5速クラッチ73の解放と1〜3速ブレーキ76の
係合とによって達成されることになり、この場合、4速
・5速クラッチ73の解放によってドラム97が遊転可
能な状態となるとサンギア93の回転が低下し始め、逆
に回転しようとする時点でワンウェイクラッチ77が機
能してサンギア93を固定するとともに、1〜3速ブレ
ーキ76の係合によりサンギア93を固定することによ
り、第3速の変速段が達成されるのである。
【0059】次に、コントローラ3が、変速機構1にお
ける変速状態を第4速から第3速へ変速する際の、4速
・5速クラッチ73の解放制御手順について、図2〜図
6に基づいて、図7(a)〜(d)を参照しながら説明
する。本実施例のコントローラ3は、図2に示す解放側
クラッチ制御ルーチンを繰り返し実行することで、4速
・5速クラッチ73を操作する電磁弁101をデューテ
ィ制御する。コントローラ3は、例えば、車速,スロッ
トル弁開度等に基づいて第4速から第3速へのダウンシ
フトの必要性を認識すると、第4速から第3速への変速
指令を出力し、図2に示す解放側クラッチ制御ルーチン
を実行する。
【0060】まず、コントローラ3は、ステップS1〜
S4において、プログラム制御変数IZRの値が幾つで
あるかを判定する。このプログラム制御変数IZRは、
コントローラ3が図2〜図6に示すプログラムに従いダ
ウンシフトを行なっている最中には1以上の値に設定さ
れている。解放側クラッチ制御ルーチンの実行開始直後
は、このプログラム制御変数IZRは0に設定されてい
るため、ステップS1〜S4でいずれもNo判定とな
り、図3のステップS11へ進む。
【0061】このステップS11において、コントロー
ラ3は、プログラム制御変数IZRに1を代入して油圧
解放制御状態へ移行し、4速・5速クラッチ用電磁弁1
01のデューティ率を100%から0%(つまり励磁状
態から消磁状態)に制御する(ステップS12)。これ
により、プログラム制御変数IZRは、1以上の値とな
ってダウンシフトの実行途中であることを示すことにな
るとともに、図7(b),(c)に示すように、4速・
5速クラッチ73(4速・5速クラッチ用サーボ10
0)への油圧が低下制御されることになる。
【0062】そして、コントローラ3は、プログラム制
御変数IZRが1となっているので、図2のステップS
4でYes判定となり、ステップS5へ進む。このステ
ップS5において、コントローラ3は、タービン回転速
度センサ2により検出されたタービン回転速度NT の変
動状態をチェックし、有効な変速が開始されたか否かの
判定を行なっている。つまり、タービン回転速度N
T が、図7(a)に示すように、現第4速でのタービン
回転速度NTIから所定回転速度ΔNB 内のずれを生じた
か否かを判定し、この所定回転速度ΔNB のずれが生じ
るまで(つまり有効変速開始時点となるまで)、図3の
ステップS12により、4速・5速クラッチ用電磁弁1
01のデューティ率は0%に維持され続ける。
【0063】前述した通り、4速・5速クラッチ73を
なす摩擦係合板の相互間には、いわゆる引きずりトルク
の発生を防止するために充分なクリアランスが設けられ
ているため、4速・5速クラッチ73をなす摩擦係合板
どうしが離間し始めても暫くの間は、摩擦係合板間に引
きずりトルクが発生し、4速・5速クラッチ73の係合
を解除し変速に有効な解放状態となるまでには、電磁弁
101のデューティ率を0%として4速・5速クラッチ
73から作動油を排出させ始めてから、ある程度の時間
が必要となる。
【0064】そこで、プログラム制御変数IZRが1で
ある間、コントローラ3は図3のステップS12による
油圧解放制御を継続することになるが、この油圧解放制
御により、4速・5速クラッチ73から作動油が排出さ
れ、この4速・5速クラッチ73が、変速に有効な解放
状態(有効変速開始時点)となるまでの油圧解放時間
(無駄時間)が確保される。
【0065】コントローラ3が、タービン回転速度NT
が変動し始め有効な変速が開始されたことをステップS
5にて認識すると、ステップS5でYes判定となり、
図4のステップS21へ進む。このステップS21にお
いて、コントローラ3は、プログラム制御変数IZRを
1から2に書き換えてフィードバック制御状態に移行す
る。
【0066】コントローラ3は、フィードバック制御状
態に移行すると、まず、ステップS22において、フィ
ードバック制御に必要な各種の数値を読み込む。具体的
に説明すると、コントローラ3は、目標タービン回転速
度変化率Ni ' と、タービン回転速度センサ2により検
出されたタービン回転速度NT と、このタービン回転速
度NT に基づいて算出されるタービン回転速度変化率N
T ’とを読み込む。
【0067】ついで、コントローラ3は、ステップS2
3において、目標タービン回転速度変化率Ni ' と、今
回読み込まれたタービン回転速度変化率(NT )’
n (n=0,1,2,…)との偏差en を演算する。こ
こで、制御開始時には、n=0であり、コントローラ3
は、最初の偏差e0 を算出した後には、ステップS24
においてn=0であると判定し、ステップS25におい
て電磁弁101のフィードバック制御を開始する際のデ
ューティ率初期値(Di 0 を読み込んで出力し、図7
(b)に示すように、このデューティ率(Di 0 から
電磁弁101のデューティ率のフィードバック制御を開
始してから、ステップS26においてnを0から1に書
き換える。
【0068】この後、コントローラ3は、プログラム制
御変数IZRが2となっているので、図2のステップS
3でYes判定となり、ステップS6へ進む。このステ
ップS6において、コントローラ3は、タービン回転速
度センサ2により検出されたタービン回転速度NT の変
動状態をチェックし、有効な変速を終了したか否かの判
定を行なっている。つまり、タービン回転速度NT が上
昇し目標変速段である第3速でのタービン回転速度NTJ
まであと所定回転速度ΔNF の範囲内に入ったか否かを
判定し、タービン回転速度NT が所定回転速度ΔNF
範囲内に入るまで(つまり有効変速終了時点となるま
で)、図4のステップS21〜S30により、4速・5
速クラッチ用電磁弁101のデューティ率をフィードバ
ック制御し続ける。
【0069】フィードバック制御中、コントローラ3
は、所定制御周期ごとに、図4のステップS22,S2
3において、目標タービン回転速度変化率Ni ' と、現
在のタービン回転速度変化率(NT )’n (n=1,
2,…)との偏差en を演算する。デューティ率初期値
(Di 0 によるフィードバック制御を開始した後に
は、nは1以上の値となるので、ステップS24でNo
判定となり、コントローラ3は、ステップS27へ進
む。
【0070】このステップS27において、コントロー
ラ3は、予め記憶・設定されているフィードバック制御
用の比例ゲインKP ,積分ゲインKI ,微分ゲインKD
を読み込んだ後、ステップS28において、これらの比
例ゲインKP ,積分ゲインK I ,微分ゲインKD と今回
の偏差en ,前回の偏差en-1 とに基づき、下式
(1),(2)によりΔDおよび(Di n をそれぞれ
演算する。
【0071】 ΔD=KP ・en +KD ・(en −en-1 ) (1) (Di n =(Di n-1 +KI ・en (2) そして、コントローラ3は、ステップS28にて算出さ
れた2つの値ΔDおよび(Di n を用い、ステップS
29において、下式(3)により、電磁弁101の今回
のデューティ率Dn を算出し、これを出力してフィード
バック制御を行なった後、ステップS30において、n
をn+1に置き換える。
【0072】 Dn =(Di n −ΔD (3) コントローラ3が図4のステップS21〜S30にて上
述したフィードバック制御を行なうことにより、図7
(a)〜(c)に示すごとく、有効変速開始時点から有
効変速終了時点までの有効変速期間中、タービン回転速
度NT の変化率N T ' が予め設定された所定の変化率N
i ' となるように、タービン回転速度NTに応じて、電
磁弁101のデューティ率Dn つまりは4速・5速クラ
ッチ73(4速・5速クラッチ用サーボ100)に対す
る油圧のフィードバック制御が行なわれる。
【0073】次に、コントローラ3が、タービン回転速
度NT が第3速でのタービン回転速度NTJまであと所定
回転速度ΔNF の範囲内に入ったことを図2のステップ
S6にて認識すると、ステップS6でYes判定とな
り、図5のステップS31へ進む。このステップS31
において、コントローラ3は、プログラム制御変数IZ
Rを2から3に書き換えた後、ステップS32において
タイマ5による計時(カウント)動作を開始・実行さ
せ、ステップS33において有効変速終了時点後の所定
期間Δtの間のフィードバック制御継続状態に移行す
る。
【0074】つまり、コントローラ3は、所定制御周期
ごとに、ステップS32にてタイマ5によるカウント
(I=I+1)を行ない、ステップS33にて図4のス
テップS21〜S30によるフィードバック制御を継続
的に行なう。そして、コントローラ3は、ステップS3
4において、タイマ5によるカウント値が所定期間Δt
に対応するカウント値になったか否かを判定する。
【0075】ステップS33による制御開始時点では、
当然、ステップS34ではNo判定となるが、この時点
でプログラム制御変数IZRは3となっているので、図
2のステップS2でYes判定となり、コントローラ3
は再び図5のステップS32へ進む。この後、コントロ
ーラ3は、タイマ5によるカウント値が所定期間Δtに
対応するカウント値になるまで、つまり、ステップS3
4でYes判定となるまで、ステップS33によるフィ
ードバック制御を継続する。
【0076】タイマ5によるカウント値が所定期間Δt
に対応するカウント値になり、ステップS34でYes
判定になると、コントローラ3は、プログラム制御変数
IZRを3から4に書き換える。これにより、図3のス
テップS1でYes判定となり、コントローラ3は図6
のステップ41へ進む。このステップS41において、
コントローラ3は、4速・5速クラッチ用電磁弁101
のデューティ率を0%に制御した後、ステップS42に
おいて、プログラム制御変数IZR,フィードバック制
御用の数値n,タイマ5によるカウント値Iをすべて0
にして初期化・リセットを行なうとともに、ダウンシフ
ト終了フラグISFを1として、この解放側クラッチ制
御ルーチンを終了する。
【0077】なお、コントローラ3は、解放側クラッチ
制御ルーチンを終了すると、図14にて説明した通り、
従来と同様に、1〜3速ブレーキ用電磁弁104のデュ
ーティ率を制御し、油路105を介してライン圧を減圧
させることなく1〜3速ブレーキ用サーボ103へ供給
し、1〜3速ブレーキ76を係合状態として、第3速へ
の変速を終了している。
【0078】このように、本発明の第1実施例の変速制
御方法によれば、図13に示すような変速機構における
第4速から第3速への変速に際し、有効変速終了後に
も、解放側の4速・5速クラッチ73に対する油圧は、
タービン回転速度NT の変化率NT ’が予め設定された
変化率Ni ' となるように制御される。このとき、有効
変速終了後には、第3速側のワンウェイクラッチ77の
ロック機能によりタービン回転速度NT は第3速の変速
段に相当する回転速度NTJに維持されるため、タイマ5
により計時される所定期間Δtの間は、図7(c)に示
すように、4速・5速クラッチ73に対する油圧が徐々
に低下するように自動的に制御されことになり、解放側
の4速・5速クラッチ73の受けもつトルクを徐々に小
さくさせながら、結合側のワンウェイクラッチ77の受
けもつトルクを徐々に増加させることができ、図7
(d)に示すように、トルク変動の変化率も緩やかにす
ることができ変速を極めて滑らかに行なえ、第4速から
第3速への変速に際して発生する変速ショックを確実に
且つ大幅に軽減できるのである。
【0079】次に、図8,図9により、本発明の第2実
施例としての自動変速機の変速制御装置について説明す
ると、図8はその方法を適用される装置の概略構成を示
すブロック図、図9(a)〜(d)は本実施例のダウン
シフト時におけるキックダウンドラム回転速度,電磁弁
のデューティ率,油圧および出力軸トルクをそれぞれ示
すグラフである。
【0080】第2実施例では、図8に示すように、エン
ジン11からのトルクは、トルクコンバータ13を介し
て、前進4段後進1段の変速段を達成する変速機構6に
伝達されるようになっている。この変速機構6は、図1
0により前述したものと全く同様の構成であり、第2速
から第1速へのダウンシフト時には、キックダウンブレ
ーキ(高速段用摩擦係合要素)23の解放によりダウン
シフトを開始し、低速段用のワンウェイクラッチ25の
ロック機能によりダウンシフトを終了するようになって
いる。
【0081】また、変速機構6は、図11により前述し
たものと同様の回路を含む油圧回路4Aを介して、コン
トローラ(制御手段)3Aにより、図10に示した各種
ブレーキ,クラッチ(摩擦係合要素)に対する油圧を給
排制御することで、これらのブレーキ,クラッチの係合
/解放状態が制御されるようになっている。なお、変速
機構6および油圧回路4Aの詳細構成は、前述した通
り、それぞれ図10および図11に示したものと全く同
様であるので、その図示および説明は省略する。
【0082】図8において、7は変速機構6のキックダ
ウンドラム34(回転要素,図10,図11参照)の回
転速度を検出するキックダウンドラム回転速度センサ、
5Aは第1実施例のタイマ5と同様に有効変速終了時点
から予め設定された所定期間Δt(例えば100ms)を
計時するためのタイマである。そして、本実施例のコン
トローラ3Aも、第1実施例のものとほぼ同様に、変速
機構6における変速状態を公知の手順で制御するととも
に、セレクトレバーの操作以外で第2速から第1速への
変速(ダウンシフト)時には、キックダウンドラム回転
速度センサ7からの検出信号およびタイマ5Aによる計
時機能に基づいて、変速機構6の4キックダウンブレー
キ23(キックダウンサーボ36)に対する油圧の給排
制御を行なうものである。
【0083】つまり、コントローラ3Aは、第2速から
第1速への変速時には、図9(a)〜(d)に示すよう
に、キックダウンドラム回転速度が第2速に相当する回
転速度(0rpm)からずれる有効変速開始時点から、
キックダウンドラム回転速度が第2速に相当する回転速
度に到達する有効変速終了時点までの有効変速期間中、
キックダウンドラム回転速度の変化率が予め設定された
変化率となるように、キックダウン回転速度に応じたキ
ックダウンブレーキ23(キックダウンサーボ36)に
対する油圧のフィードバック制御(電磁弁55のデュー
ティ制御)を行なうとともに、有効変速終了時点でタイ
マ5Aによる計時機能を作動させて、有効変速終了時点
から所定期間Δtの間については、前記フィードバック
制御を継続するものである。
【0084】なお、図10により前述した通り、変速機
構6において、第2速の変速段は、フロントクラッチ2
0,4速クラッチ22およびローリバースブレーキ24
を解放し、リアクラッチ21およびキックダウンブレー
キ23を係合することにより達成され、第1速の変速段
は、リアクラッチ21の係合とワンウェイクラッチ25
のロック機能によるキャリア32の固定とによって達成
される。
【0085】従って、第1速固定レンジへのセレクトレ
バーの操作によらない第2速から第1速への変速は、キ
ックダウンブレーキ23の解放のみで達成されることに
なり、この場合、キックダウンブレーキ23の解放によ
ってキックダウンドラム34が遊転可能な状態となると
キャリア32の回転が低下し始め、逆に回転しようとす
る時点でワンウェイクラッチ25が機能してキャリア3
2を固定し、第1速の変速段が達成されるのである。
【0086】このように、本発明の第2実施例の変速制
御方法によれば、図10に示すような変速機構における
第2速から第1速への変速に際し、有効変速終了後に
も、解放側のキックダウンブレーキ23に対する油圧
は、キックダウンドラム回転速度の変化率が予め設定さ
れた変化率となるように制御される。このとき、有効変
速終了後には、第1速側のワンウェイクラッチ25のロ
ック機能によりキックダウンドラム回転速度は第1速の
変速段に相当する回転速度に維持されるため、タイマ5
Aにより計時される所定期間Δtの間は、図9(c)に
示すように、キックダウンブレーキ23に対する油圧が
徐々に低下するように自動的に制御されことになり、解
放側のキックダウンブレーキ23の受けもつトルクを徐
々に小さくさせながら、結合側のワンウェイクラッチ2
5の受けもつトルクを徐々に増加させることができ、図
9(d)に示すように、トルク変動の変化率も緩やかに
することができ変速を極めて滑らかに行なえ、第4速か
ら第3速への変速に際して発生する変速ショックを確実
に且つ大幅に軽減できるのである。
【0087】なお、上述した実施例では、本発明の方法
を第4速から第3速もしくは第2速から第1速への変速
制御に適用した場合について説明したが、本発明は、こ
れに限定されるものではなく、変速前の変速段が油圧作
動の摩擦係合要素によって達成され、変速後の変速段が
ワンウェイクラッチのロック機能によって達成されるよ
うな変速段間の変速であれば、どのような変速にも適用
可能なものである。
【0088】また、上述した実施例では、有効変速の開
始および終了を検出するために、タービン15もしくは
キックダウンドラム34の回転速度を検出したが、変速
機構1,6の入力軸の回転速度を検出するようにしても
よく、その入力軸と略同速度で回転しているものとして
エンジン11の回転速度を検出するようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の自動変速
機の変速制御方法によれば、変速機構の回転要素の回転
速度が高速段に相当する回転速度からずれる有効変速開
始時点から、該回転要素の回転速度が低速段に相当する
回転速度に到達する有効変速終了時点までの有効変速期
間中、制御手段により、該回転要素の回転速度の変化率
が予め設定された変化率となるように、該回転要素の回
転速度に応じた高速段用摩擦係合要素に対する油圧のフ
ィードバック制御を行なうとともに、前記有効変速終了
時点後の所定期間中、該制御手段による前記フィードバ
ック制御を継続するという極めて簡素な構成により、有
効変速終了後にも、解放側の高速段用摩擦係合要素に対
する油圧は、回転要素の回転速度の変化率が予め設定さ
れた変化率となるように制御されるが、このとき、低速
段用ワンウェイクラッチのロック機能により回転要素の
回転速度は低速段に相当する回転速度に維持されるた
め、前記所定期間の間は、高速段用摩擦係合要素に対す
る油圧が徐々に低下するように自動的に制御されことに
なり、解放側の高速段用摩擦係合要素の受けもつトルク
を徐々に小さくさせながら、結合側の低速段用ワンウェ
イクラッチの受けもつトルクを徐々に増加させることが
でき、変速が滑らかに行なわれ、高速段から低速段への
変速に際して発生する変速ショックを確実に且つ大幅に
軽減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての自動変速機の変速
制御方法を適用される装置の概略構成を示すブロック図
である。
【図2】第1実施例におけるコントローラにより実行さ
れる解放側クラッチ制御ルーチンの一部を示すフローチ
ャートである。
【図3】第1実施例におけるコントローラにより実行さ
れる解放側クラッチ制御ルーチンの一部を示し、図2に
続くフローチャートである。
【図4】第1実施例におけるコントローラにより実行さ
れる解放側クラッチ制御ルーチンの一部を示し、図2に
続くフローチャートである。
【図5】第1実施例におけるコントローラにより実行さ
れる解放側クラッチ制御ルーチンの一部を示し、図2に
続くフローチャートである。
【図6】第1実施例におけるコントローラにより実行さ
れる解放側クラッチ制御ルーチンの一部を示し、図2に
続くフローチャートである。
【図7】(a)〜(d)は第1実施例のダウンシフト時
におけるタービン回転速度,電磁弁のデューティ率,油
圧および出力軸トルクをそれぞれ示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施例としての自動変速機の変速
制御方法を適用される装置の概略構成を示すブロック図
である。
【図9】(a)〜(d)は第2実施例のダウンシフト時
におけるキックダウンドラム回転速度,電磁弁のデュー
ティ率,油圧および出力軸トルクをそれぞれ示すグラフ
である。
【図10】変速機構の構造の一例を示す機構概念図であ
る。
【図11】図10に示す変速機構を制御するための油圧
回路の要部を示す油圧回路図である。
【図12】(a)〜(d)は、図10に示す変速機構に
ついて、従来の第2速から第1速へのダウンシフト時に
おけるキックダウンドラム回転速度,電磁弁のデューテ
ィ率,油圧および出力軸トルクをそれぞれ示すグラフで
ある。
【図13】変速機構の構造の他例を示す機構概念図であ
る。
【図14】図13に示す変速機構を制御するための油圧
回路の要部を示す油圧回路図である。
【図15】(a)〜(d)は、図13に示す変速機構に
ついて、従来の第4速から第3速へのダウンシフト時に
おけるタービン回転速度,電磁弁のデューティ率,油圧
および出力軸トルクをそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】 1 変速機構 2 タービン回転速度センサ 3,3A コントローラ(制御手段) 4,4A 油圧回路 5,5A タイマ 6 変速機構 7 キックダウンドラム回転速度センサ 11 エンジン 13 トルクコンバータ 15 タービン(回転要素) 23 キックダウンブレーキ(高速段用摩擦係合要素) 25 ワンウェイクラッチ 33 出力軸 34 キックダウンドラム(回転要素) 36 キックダウンサーボ 38 油路 55 電磁弁 73 4速・5速クラッチ(高速段用摩擦係合要素) 77 ワンウェイクラッチ 100 4速・5速クラッチ用サーボ 101 4速・5速クラッチ用電磁弁 102 油路
フロントページの続き (72)発明者 八田 克弘 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速段用摩擦係合要素の解放によりダウ
    ンシフトを開始して低速段用ワンウェイクラッチのロッ
    ク機能により前記ダウンシフトを終了する変速機構と、
    該高速段用摩擦係合要素に対する油圧を給排制御するこ
    とにより該高速段用摩擦係合要素の係合/解放状態を制
    御する制御手段とをそなえ、該制御手段により該高速段
    用摩擦係合要素に対する油圧を排出制御して該変速機構
    の回転要素の高速段から低速段への変速状態を制御する
    自動変速機の変速制御方法において、 該回転要素の回転速度が高速段に相当する回転速度から
    ずれる有効変速開始時点から、該回転要素の回転速度が
    低速段に相当する回転速度に到達する有効変速終了時点
    までの有効変速期間中、該制御手段により、該回転要素
    の回転速度の変化率が予め設定された変化率となるよう
    に、該回転要素の回転速度に応じた該高速段用摩擦係合
    要素に対する油圧のフィードバック制御を行なうととも
    に、 前記有効変速終了時点後の所定期間中、該制御手段によ
    る前記フィードバック制御を継続することを特徴とす
    る、自動変速機の変速制御方法。
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