JPH051763A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH051763A
JPH051763A JP3180203A JP18020391A JPH051763A JP H051763 A JPH051763 A JP H051763A JP 3180203 A JP3180203 A JP 3180203A JP 18020391 A JP18020391 A JP 18020391A JP H051763 A JPH051763 A JP H051763A
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JP
Japan
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rotation speed
automatic transmission
hydraulic
line
shift
Prior art date
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Application number
JP3180203A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Hiromichi Kimura
弘道 木村
Yoji Takanami
陽二 高波
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時に一時的に上昇させられるライン油圧
を変速ショックが生じることのない最適なタイミングで
元の圧力まで降下させる。 【構成】 入力軸の第1回転速度NT 1および第2回転
速度NT2、時間間隔T1 、第2回転速度NT 2の検出
時からの経過時間ta を用いて、逐次読み込まれる回転
速度NT が次式(1)を満足するか否か、言い換えれば
回転速度NT の変化率が変化したか否かによってトルク
相TFを検知し、トルク相TFを検知したらライン油圧
PLを元の油圧まで降下させる。(1)式のαは検出誤
差等を考慮して予め定められた定数である。 NT 2+{(NT 2−NT 1)/T1 }×ta −NT
α ・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の油圧制御装
置に係り、特に、変速時におけるライン油圧の制御に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】(a)複数の油圧式摩擦係合装置、例え
ば多板式クラッチやバンドブレーキ等によって変速段が
切り換えられる自動変速機と、(b)ライン油圧を発生
させるとともに前記油圧式摩擦係合装置をそのライン油
圧に基づいて選択的に作動させることにより前記自動変
速機の変速段を切り換える油圧制御回路とを備えた自動
変速装置が広く知られている。上記ライン油圧が低すぎ
ると、前記油圧式摩擦係合装置の滑りに起因して焼付き
や過度の摩耗を生じたり、運転者がシフトレバー操作に
よって任意に変速段を選択できるマニュアル式自動変速
装置においてはその変速応答性が損なわれたりする問題
がある一方、ライン油圧が高すぎると、油圧式摩擦係合
装置の急激な係合作動に起因して大きな変速ショックが
発生したり、ポンプの過剰作動に伴うエネルギー損失が
大きくなったりする。このため、かかるライン油圧は、
スロットル開度等のエンジン負荷に応じて、必要且つで
きるだけ小さい圧力値に調圧されるようになっているの
が普通である。
【0003】一方、自動変速機の変速段を切り換える変
速時に前記油圧式摩擦係合装置に作動油が供給された
り、或いは油圧式摩擦係合装置から作動油がドレーンさ
れたりすると、上記ライン油圧はその作動油の流出に伴
って一時的に低下するため、この油圧の低下量を見込ん
で予めライン油圧を高目に設定しておくことが考えられ
ているが、その場合には前記のようにエネルギー損失が
大きくなる。そこで、(c)前記自動変速機の変速段を
切り換える変速時に前記ライン油圧を一時的に上昇させ
るライン油圧制御手段を設け、変速時におけるライン油
圧の低下を防止するようにした油圧制御装置が提案され
ている。実開昭63−40655号公報に記載されてい
る装置はその一例であり、変速指令と同時にライン油圧
を上昇させるとともに、トルク相の終了を検出して元の
油圧まで降下させるようになっており、変速指令から一
定時間の経過、自動変速機の入出力回転速度比の変速比
からのずれ、或いは油圧式摩擦係合装置の作動油圧値か
らトルク相の終了を検出するようにしていた。
【0004】上記入出力回転速度比によるトルク相終了
の検出について具体的に説明すると、例えば図6におい
てTFで示されている期間、すなわち油圧式摩擦係合装
置に摩擦が生じ始めて出力軸トルクが一時的に低下する
期間がトルク相であり、出力軸トルクと油圧式摩擦係合
装置の摩擦力とが釣り合うまで出力軸トルクが低下する
とトルク相は終了する。その後、油圧式摩擦係合装置の
係合作動により入力軸回転速度NT が変化するようにな
り、出力軸回転速度NO との回転速度比NT /NO が変
速前の変速段における変速比iからずれ始め、この回転
速度比NT /NO の変速比iからのずれに基づいてトル
ク相の終了、言い換えればイナーシャ相の開始を検知す
るのである。なお、図6はアップシフトの場合のタイム
チャートである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記変
速指令から予め定められた一定時間後をトルク相終了と
見做す場合には、油圧式摩擦係合装置の固体差や摩擦特
性,作動油の経時変化、エンジン出力のばらつきなどに
より、実際のトルク相終了と高い精度で一致させること
は困難で、図6のライン油圧PLのグラフにおいて一点
鎖線で示されているように油圧の降下が遅れて変速ショ
ックが生じたり、二点鎖線で示されているように油圧の
降下が早すぎて油圧上昇の効果が十分に得られなかった
りする。油圧式摩擦係合装置の作動油圧値からトルク相
の終了を検出する場合も、摩擦特性の経時変化などによ
り実際のトルク相終了と高い精度で一致させることが困
難であることは上記と同様である。なお、図6の回転速
度および出力軸トルクにおいて一点鎖線,二点鎖線で示
されているグラフは、上記ライン油圧PLにおいて一点
鎖線,二点鎖線で示されているグラフに対応する。
【0006】一方、回転速度比NT /NO の変速比iか
らのずれ始めは、上記固体差や経時変化などに拘らず実
際のトルク相の終了と略一致するが、かかるトルク相の
終了はイナーシャ相の開始、すなわち前述したように油
圧式摩擦係合装置の係合作動により入力軸回転速度NT
が変化し始めた時であるため、その後にライン油圧を降
下させても、過大なライン油圧による油圧式摩擦係合装
置の急激な係合作動によって変速ショックを生じる恐れ
があった。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、変速時に一時的に上
昇させられるライン油圧を変速ショックが生じることの
ない最適なタイミングで元の圧力まで降下させることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、出力軸トルクが低下するトルク相を検出してラ
イン油圧を降下させるようにすれば良く、本発明は、図
7のクレーム対応図に示されているように、(a)複数
の油圧式摩擦係合装置によって変速段が切り換えられる
自動変速機と、(b)ライン油圧を発生させるとともに
前記油圧式摩擦係合装置をそのライン油圧に基づいて選
択的に作動させることにより前記自動変速機の変速段を
切り換える油圧制御回路と、(c)前記自動変速機の変
速段を切り換える変速時に前記ライン油圧を一時的に上
昇させるライン油圧制御手段とを有する自動変速機の油
圧制御装置において、(d)前記自動変速機の一部を構
成する回転メンバの回転速度を検出する回転速度センサ
と、(e)前記自動変速機の変速段が切り換えられる変
速時に、前記回転速度センサによって検出される前記回
転メンバの回転速度の変化率の変化に基づいてトルク相
を検出するトルク相検出手段とを設け、そのトルク相検
出手段によるトルク相の検出に同期して、前記ライン油
圧制御手段によって上昇させられた前記ライン油圧を元
の油圧まで降下させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用および発明の効果】すなわち、出力軸トルクが低
下するトルク相では従来、自動変速機の一部を構成して
いる回転メンバの回転速度の変化率は一定で、イナーシ
ャ相の開始により始めて変化すると考えられていたが、
本願出願人が先に出願した特願平2−414338号に
開示したように、プロペラシャフトやサスペンションな
どによる駆動系の捩り変形が出力軸トルクの低下に伴っ
て一時的に戻されることにより、回転メンバの回転速度
も変動するのである。したがって、回転速度センサおよ
びトルク相検出手段によってこの回転メンバの回転速度
の変化率の変化からトルク相を検出するとともに、ライ
ン油圧制御手段により上昇させられたライン油圧をこの
トルク相の検出に同期して元の油圧まで降下させるよう
にすれば、従来のようにトルク相の終了に同期してライ
ン油圧を降下させる場合に比較して変速ショックの発生
を一層確実に防止しつつ、ライン油圧不足による摩擦材
の過度の摩耗や焼付き等を回避できるとともに、運転者
が変速段を任意に選択できるマニュアル式自動変速装置
においては、その変速応答性を向上させることができる
のである。また、ライン油圧を予め高目に設定しておく
場合に比較して、ポンプの過剰作動によるエネルギー損
失を軽減できるし、トルクセンサなどにより出力軸トル
クそのものの変化を検出する場合に比較して、既存の回
転速度センサを利用することが可能で装置が簡単かつ安
価に構成され得る利点がある。
【0010】ここで、上記のように出力軸トルクが低下
するトルク相では、駆動系の捩りの戻りによって自動変
速機各部の回転速度が変化するため、前記入力軸回転速
度NT も変化するが、出力軸回転速度NO も同様に変化
するため、それ等の回転速度比NT /NO は殆ど変化せ
ず、その回転速度比NT /NO の変速比iからのずれに
基づいてトルク相を検出することはできない。自動変速
機内部の捩り変形の戻りや歯車のバックラッシ等により
回転速度比NT /NO も変化すると考えられるが、この
変化量は極僅かで回転速度センサの誤差の範囲内であ
り、回転速度比NT /NO の変化からトルク相を検出す
ることは実質的に無理で、油圧式摩擦係合装置の係合作
動に伴って入力軸回転速度NT が変化するトルク相の終
了すなわちイナーシャ相の開始しか検出することはでき
ないのである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例である車両用自
動変速機およびその制御系統を説明する図であり、自動
変速機8はトルクコンバータ10,第1変速機12,お
よび第2変速機14を備えている。トルクコンバータ1
0のポンプ翼車はエンジン16のクランク軸18に連結
されており、タービン翼車は入力軸20を介して第2変
速機14のキャリヤ22に連結されている。第2変速機
14は、サンギヤ24,リングギヤ26,およびキャリ
ヤ22に回転可能に配設されてサンギヤ24,リングギ
ヤ26と噛み合わされているプラネタリギヤ28から成
る遊星歯車装置を含んで構成されており、サンギヤ24
とキャリヤ22との間にはクラッチC0 および一方向ク
ラッチF0 が並列に設けられ、サンギヤ24とハウジン
グ30との間にはブレーキB0 が設けられている。かか
る第2変速機14は、クラッチCO が係合制御されるか
ブレーキB0 が係合制御されるかによってリングギヤ2
6がL(ロー),H(ハイ)の2段階で回転駆動され、
入力軸20の回転を2段階で変速してリングギヤ26か
ら出力する。なお、サンギヤ24とキャリヤ22との間
には一方向クラッチF0 が設けられているため、エンジ
ン16側から動力伝達が行われる状態ではクラッチC0
を開放しても一方向クラッチF0 によってクラッチC0
を係合制御した場合と同様な作用が得られる。
【0013】第1変速機12は、サンギヤ32,一対の
リングギヤ34,36,キャリヤ38に回転可能に配設
されてサンギヤ32,リングギヤ34と噛み合わされて
いるプラネタリギヤ40,およびキャリヤ42に回転可
能に配設されてサンギヤ32,リングギヤ36と噛み合
わされているプラネタリギヤ44とから成る複合型の遊
星歯車装置を含んで構成されており、リングギヤ36と
前記第2変速機14のリングギヤ26との間にはクラッ
チC1 が設けられ、サンギヤ32とリングギヤ26との
間にはクラッチC2 が設けられ、サンギヤ32とハウジ
ング30との間にはブレーキB1 と、直列に配設された
一方向クラッチF1 およびブレーキB2 とが並列に設け
られ、キャリヤ38とハウジング30との間にはブレー
キB3 および一方向クラッチF2 が並列に設けられてい
る。また、リングギヤ34およびキャリヤ42は出力軸
46に一体的に連結されており、その出力軸46は差動
歯車装置等を介して駆動輪に連結されている。かかる第
1変速機12は、クラッチC1 ,C2 ,およびブレーキ
1 ,B2 ,B3 がそれぞれ選択的に係合制御されるこ
とにより、前記第2変速機14の出力を前進3段および
後進1段で変速して出力軸46に出力する。
【0014】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路50から作動油が供給されるようにな
っている。油圧制御回路50は多数の切換バルブ等を備
えており、コントローラ52からの信号に従ってソレノ
イドS1およびS2の励磁,非励磁がそれぞれ切り換え
られることにより、第1変速機12は前進3段のうちの
何れかの変速段が成立させられ、ソレノイドS3の励
磁,非励磁によって第2変速機14はHおよびLの何れ
かの変速段が成立させられる。これ等の第1変速機12
および第2変速機14の変速段の組合せにより、本実施
例では図2に示されているように前進6段が得られるよ
うになっている。すなわち、第1変速機12が第1段で
第2変速機14がLの「1st」,第1変速機12が第
1段で第2変速機14がHの「2nd」,第1変速機1
2が第2段で第2変速機14がLの「3rd」,第1変
速機12が第2段で第2変速機14がHの「4th」,
第1変速機12が第3段で第2変速機14がLの「5t
h」,および第1変速機12が第3段で第2変速機14
がHの「O/D」の各変速段が、クラッチCおよびブレ
ーキBの係合,開放制御によって択一的に成立させられ
るのである。図中の「○」印は係合制御を意味し、
「△」印はエンジンブレーキ時に係合制御することを意
味する。また、「Rev」は後進変速段であり、シフト
レバー62のシフトボジションが「R」とされることに
より、マニュアルシフトバルブが切り換えられて成立さ
せられるようになっている。
【0015】図3および図4は、それぞれ上記油圧制御
回路50の一部を示す回路図であり、図3は前記油圧ア
クチュエータに供給する作動油の油圧、すなわちライン
油圧PLを調圧するための回路で、調圧バルブ70,リ
ニアソレノイドバルブ72,およびモジュレータバルブ
74を備えている。モジュレータバルブ74はライン油
圧PLを一定圧PMに減圧するもので、リニアソレノイ
ドバルブ72は、この一定圧PMをリニアソレノイドS
4の励磁電流に応じて調圧して制御油圧PSを発生する
ものであり、調圧バルブ70は、ポンプ76から供給さ
れた作動油の油圧を制御油圧PSに応じて調圧してライ
ン油圧PLを発生するものである。上記リニアソレノイ
ドS4の励磁電流の大きさは、前記コントローラ52に
よって制御されるようになっており、その励磁電流に応
じて制御油圧PSが低下させられるのに伴ってライン油
圧PLは上昇させられる。
【0016】また、図4は、前記自動変速機8の変速段
を切り換えるために上記クラッチCやブレーキBの作動
状態を切り換えるための回路の一部を例示したもので、
具体的には前記第2変速機14の変速段を切り換えるた
めのものである。かかる図4において、開閉弁80は前
記ソレノイドS3が励磁(ON),非励磁(OFF)さ
れることによって開閉し、この開閉弁80の開閉に従っ
てH−Lシフトバルブ82が切り換えられることによ
り、前記クラッチC0 およびブレーキB0 の油圧アクチ
ュエータ84,86に対する作動油の供給状態が変化さ
せられて第2変速機14の変速段が切り換えられる。こ
の場合には、ソレノイドS3がONになると開閉弁80
が開かれてH−Lシフトバルブ82は図の右半分に示す
状態となり、C0 油圧アクチュエータ84にライン油圧
PLが供給されるとともに、B0 油圧アクチュエータ8
6はドレーン油路88に連通させられて、第2変速機1
4の変速段はLとなる。また、ソレノイドS3がOFF
になると開閉弁80が閉じられてH−Lシフトバルブ8
2は図の左半分に示す状態となり、B0 油圧アクチュエ
ータ86にライン油圧PLが供給されるとともに、C0
油圧アクチュエータ84がドレーン油路90に連通させ
られて、第2変速機14の変速段はHとなる。上記各油
圧アクチュエータ84,86にはそれぞれアキュムレー
タ92,94が接続されて過渡油圧が制御されるように
なっているとともに、アキュムレータ94には、図示し
ないアキュムレータコントロールバルブから背圧PAが
作用させられるようになっている。
【0017】前記コントローラ52は、CPU,RA
M,ROM等を有するマイクロコンピュータにて構成さ
れており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに
予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行する
ことにより、前記ソレノイドS1,S2,およびS3の
励磁,非励磁を切り換えたり、リニアソレノイドS4の
励磁電流の大きさを制御したりするようになっている。
このコントローラ52には、エンジン負荷に対応するス
ロットル開度θを検出するスロットル開度センサ54か
らスロットル開度信号Sθ,前記入力軸20の回転速度
T を検出する回転速度センサ56から回転速度信号S
T ,前記出力軸46の回転速度NO を検出する回転速
度センサ60から回転速度信号SNO ,シフトレバー6
2のシフトポジション「D(ドライブ)」,「1」,
「2」,「3」,「4」,「5」,「O/D」,「P
(パーキング)」,「N(ニュートラル)」,「R(リ
バース)」等を検出するシフトポジションセンサ64か
らシフトポジション信号SSがそれぞれ供給されるよう
になっている。そして、シフトポジション「D」が選択
されている場合には、スロットル開度信号Sθが表すス
ロットル開度θ、および回転速度信号SNO が表す回転
速度NO すなわち車速Vに基づいて、前記ソレノイドS
1,S2,およびS3の励磁,非励磁を切り換えること
により、予め記憶された変速マップに従って変速段を変
更する。また、シフトポジション「1」,「2」,
「3」,「4」,「5」,または「O/D」が選択され
ている場合には、それぞれ前記変速段「1st」,「2
nd」,「3rd」,「4th」,「5th」,または
「O/D」が成立させられるように、ソレノイドS1,
S2,およびS3の励磁,非励磁を切り換える。すなわ
ち、本実施例の自動変速装置は、シフトポジション
「D」が選択されることにより自動的に変速段を切り換
える一方、運転者がシフトポジション「1」,「2」,
「3」,「4」,「5」,および「O/D」を用いて任
意に変速操作できるようになっているのである。なお、
シフトポジション「D」が選択されて自動変速する場合
には、運転者の好みに応じて複数の変速マップの中から
一つを選択し得るようにしたり、ブレーキの操作状態や
路面の勾配,エンジン冷却水温,車両の加速度,スロッ
トル開度の変化速度など、他の種々の走行状態を検知し
て変速段の切り換えを極め細かく制御することも可能で
ある。
【0018】コントローラ52はまた、スロットル開度
信号Sθが表すスロットル開度θや出力軸回転速度信号
SNO が表す車速V等に基づいて前記リニアソレノイド
S4の励磁電流を制御し、リニアソレノイドバルブ72
による制御油圧PSを変化させてライン油圧PLを調圧
する。このライン油圧PLは、上記車速Vやスロットル
開度θが大きい程高くなるように調圧される。また、前
記自動変速機8の変速段が手動操作でアップシフトされ
た場合には、一時的に制御油圧PSを低下させてライン
油圧PLを高めるように制御する。これは、常にはライ
ン油圧PLを前記クラッチCやブレーキBの係合状態を
維持するのに必要な最小限の油圧に制御して、ポンプ7
6の過剰作動によるエネルギー損失を軽減するととも
に、変速時にそれ等クラッチCやブレーキBの油圧アク
チュエータに作動油が流入することにより油圧が低下し
て変速応答性が悪化することを防止するためである。以
下、自動変速機8の変速段を手動操作でアップシフトし
た場合のライン油圧PLの油圧制御について、図5のフ
ローチャートおよび図6のタイムチャートを参照しつつ
具体的に説明する。
【0019】先ず、ステップS1において変速比i(=
入力軸回転速度NT/出力軸回転速度NO )が小さくな
るように変速段を切り換えるアップシフトか否かが判断
され、YESの場合にはステップS2において変速指令
が出される。この変速指令は、例えば「1st」から
「2nd」へ変速する1→2変速の場合には、クラッチ
0 を開放するとともにブレーキB0 を係合させるよう
に、前記ソレノイドS3の励磁を解除するための信号
で、H−Lシフトバルブ82が切り換えられてC0 油圧
アクチュエータ84内の作動油がドレーン油路90へ流
出させられるとともに、ライン油圧PLに基づいてB0
油圧アクチュエータ86内に作動油が供給される。ま
た、続くステップS3において、ライン油圧PLを上昇
させるようにリニアソレノイドS4の励磁電流が変化さ
せられるとともに、ステップS4において回転速度信号
SNT が表す回転速度NT をモニタし、これを第1回転
速度NT 1として記憶する。上記リニアソレノイドS4
の励磁電流の変化量は、予め定められた一定量或いは一
定の割合であっても良いが、予め定められたデータマッ
プや演算式などによりスロットル開度θや車速V等に応
じて設定されるようにすることもできる。図6のタイム
チャートは、上記1→2変速の場合の回転速度NT ,N
O 、出力軸トルク、油圧PL,PB0 (B0 油圧アクチ
ュエータ86内の油圧)の変化を示したもので、時間t
1 はこの時の状態である。
【0020】次のステップS5においては、上記時間t
1 から一定時間T1 が経過したか否かがタイマの計時等
によって判断され、一定時間T1 が経過すると、ステッ
プS6において回転速度信号SNTが表す回転速度NT
をモニタし、これを第2回転速度NT 2として記憶す
る。図6の時間t2 はこの時の状態である。その後、ス
テップS7において、回転速度NT の変化率が変化した
か否かによってトルク相TFが始まったか否かが判断さ
れる。これは、上記第1回転速度NT 1および第2回転
速度NT 2、一定時間T1 、上記時間t2 からの経過時
間ta を用いて、逐次読み込まれる回転速度NT が次式
(1)を満足するか否かによって判断でき、(1)式を
満足するようになるとステップS8が実行される。
(1)式のαは検出誤差等を考慮して予め定められた定
数であるが、信頼性を高めるために(1)式を何回か連
続して満たした場合にトルク相TFと判断するようにし
ても良い。図6の時間t3 はトルク相TFを検出した時
の時間である。なお、(1)式の(NT 2−NT 1)/
1 は回転速度NT の変化率を表しており、この変化率
で回転速度NT が変化している間は(1)式の左辺は略
零である。
【0021】 NT 2+{(NT 2−NT 1)/T1 }×ta −NT ≧α ・・・(1)
【0022】ここで、出力軸トルクが低下するトルク相
TFでは従来、上記入力軸回転速度NT を含む自動変速
機8の各部の回転メンバの回転速度の変化率は一定で、
イナーシャ相の開始により始めて変化すると考えられて
いた。しかし、プロペラシャフトやサスペンションなど
による駆動系の捩り変形が出力軸トルクの低下に伴って
一時的に戻されることにより、回転メンバの回転速度は
変動するのであり、上記のように入力軸20の回転速度
T の変化率の変化からトルク相TFを検出することが
できるのである。
【0023】ステップS8では、ライン油圧PLを元の
油圧まで降下させるようにリニアソレノイドS4の励磁
電流が変更され、これによりライン油圧PLは図6にお
いて実線で示されているように変化させられる。また、
油圧PB0 ,出力軸トルク,回転速度NT もそれぞれ実
線で示されているように変化させられ、自動変速機8の
変速段が「2nd」に切り換えられる。
【0024】なお、図6のライン油圧PLは、B0 油圧
アクチュエータ86への作動油の流入を無視して描かれ
ており、実際にはその流入に伴って変動している。ま
た、上例では1→2変速の場合について説明したが、他
のマニュアルアップシフトでも同様な油圧制御が為され
る。
【0025】本実施例では、コントローラ52による一
連の信号処理のうち上記ステップS3およびS8を実行
する部分およびリニアソレノイドバルブ72等がライン
油圧制御手段に相当し、ステップS4〜S7を実行する
部分がトルク相検出手段に相当する。また、入力軸回転
速度NT を検出する回転速度センサ56は、自動変速機
8の一部を構成する回転メンバ、この場合には入力軸2
0やキャリヤ22の回転速度を検出する回転速度センサ
である。
【0026】このように、本実施例では入力軸回転速度
T の変化率の変化からトルク相TFを検出してライン
油圧PLを元の油圧まで降下させるようになっているた
め、トルク相TFが終了した後、すなわち回転速度比N
T/NO が「1st」時の変速比iからずれ始めた後に
ライン油圧PLを降下させる場合に比較して、変速ショ
ックの発生を一層確実に防止しつつ、手動操作で変速す
る場合に優れた変速応答性が得られて運転操作性が向上
する。このような変速応答性は、変速段を自動的に切り
換える場合にはその変速時期が運転者に判らないため余
り問題とならないが、手動で変速操作する場合には通常
のマニュアル車と同程度の極めて速い応答性が得られな
いと、運転操作フィーリングが悪化してしまうのであ
る。
【0027】また、このようにライン油圧PLが一時的
に上昇させられることにより、ライン油圧不足によるク
ラッチCやブレーキBの摩擦材の過度の摩耗や焼付き等
が回避されるとともに、ライン油圧PLを予め高目に設
定しておく場合に比較してポンプ76の過剰作動による
エネルギー損失を軽減でき、また、トルクセンサなどに
より出力軸トルクそのものの変化を検出する場合に比較
して、既存の回転速度センサを利用することが可能で装
置が簡単かつ安価に構成され得るのである。
【0028】また、本実施例では入力軸回転速度NT
変化率の変化からトルク相TFを検出するようにしてい
たため、出力軸回転速度NO に比較して変速比iだけ変
化の割合が大きくなり、より好適にトルク相TFを検出
できる利点がある。
【0029】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0030】例えば、前記実施例ではマニュアルアップ
シフトの場合の油圧制御について説明したが、シフトレ
ンジ「D」が選択されて変速段が自動的に切り換えられ
る場合やダウンシフトの場合にも同様な油圧制御が行わ
れるようにすることもできる。
【0031】また、前記実施例の自動変速装置は変速段
の自動切換えおよび手動切換えが共に可能であったが、
自動切換えだけの自動変速装置や手動切換えだけの自動
変速装置にも本発明は同様に適用され得る。
【0032】また、前記実施例では入力軸20の回転速
度NT を検出してトルク相TFを検知するようなってい
たが、出力軸回転速度NO の変化率の変化からトルク相
TFを検出したり、クラッチC0 のドラムすなわちサン
ギヤ24の回転速度など、他の回転メンバの回転速度の
変化率からトルク相TFを検出したりすることもでき
る。
【0033】また、前記実施例ではリニアソレノイドバ
ルブ72によってライン油圧PLが制御されるようにな
っていたが、吐出容量可変のポンプを用いてライン油圧
を制御するなど、他のライン油圧制御手段を採用するこ
ともできる。
【0034】また、前記実施例では一対の有段変速機1
2および14を含んで自動変速機8が構成されていた
が、第1変速機12のみで構成された自動変速機や、
「2nd」および「4th」を省略した前進4段の自動
変速機、或いは前進3段以上の第2変速機を用いて7段
以上の多段変速を行う自動変速機など、他の種々の自動
変速機に本発明は同様に適用され得る。
【0035】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である油圧制御装置を備えた
自動変速機の構成を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機の変速段とそれを成立させる
ためのクラッチおよびブレーキの係合状態を示す図であ
る。
【図3】図1の自動変速機における油圧制御回路のライ
ン油圧発生部分を示す回路図である。
【図4】図1の自動変速機における油圧制御回路の第2
変速機の変速段を切り換えるH−Lシフトバルブ部分を
示す回路図である。
【図5】図1の自動変速機の変速時におけるライン油圧
制御を説明するフローチャートである。
【図6】図1の自動変速機の変速時における回転速度,
出力軸トルク,および油圧変化を説明するタイムチャー
トである。
【図7】本発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
8:自動変速機 20:入力軸(回転メンバ) 50:油圧制御回路 52:コントローラ 56:回転速度センサ 72:リニアソレノイドバルブ NT :入力軸回転速度 TF:トルク相 PL:ライン油圧 S3,S8:ライン油圧制御手段 S4,S5,S6,S7:トルク相検出手段

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の油圧式摩擦係合装置によって変速
    段が切り換えられる自動変速機と、ライン油圧を発生さ
    せるとともに前記油圧式摩擦係合装置を該ライン油圧に
    基づいて選択的に作動させることにより前記自動変速機
    の変速段を切り換える油圧制御回路と、前記自動変速機
    の変速段を切り換える変速時に前記ライン油圧を一時的
    に上昇させるライン油圧制御手段とを有する自動変速機
    の油圧制御装置において、前記自動変速機の一部を構成
    する回転メンバの回転速度を検出する回転速度センサ
    と、前記自動変速機の変速段が切り換えられる変速時
    に、前記回転速度センサによって検出される前記回転メ
    ンバの回転速度の変化率の変化に基づいてトルク相を検
    出するトルク相検出手段とを設け、該トルク相検出手段
    によるトルク相の検出に同期して、前記ライン油圧制御
    手段によって上昇させられた前記ライン油圧を元の油圧
    まで降下させるようにしたことを特徴とする自動変速機
    の油圧制御装置。
JP3180203A 1991-06-24 1991-06-24 自動変速機の油圧制御装置 Pending JPH051763A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021106758A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 ジヤトコ株式会社 自動変速機の制御装置及び制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021106758A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 ジヤトコ株式会社 自動変速機の制御装置及び制御方法

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