JP3422176B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3422176B2
JP3422176B2 JP12278596A JP12278596A JP3422176B2 JP 3422176 B2 JP3422176 B2 JP 3422176B2 JP 12278596 A JP12278596 A JP 12278596A JP 12278596 A JP12278596 A JP 12278596A JP 3422176 B2 JP3422176 B2 JP 3422176B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、非常に滑らかな
変速制御を得ることができる自動変速機の変速制御装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の自動変速機における電子制御油圧
制御装置としては、例えば、特開平5−332440号
公報に示すようなものが知られている。 【0003】この従来の電子制御油圧制御装置では、フ
ィードバック制御開始時の摩擦要素初期油圧を、入力軸
回転変化率が目標入力軸回転変化率となるようなフィー
ドバック制御を行っている。 【0004】しかしながら、このような摩擦要素初期油
圧を、フィードバック制御している間の入力軸回転変化
率に基いてフィードバック制御開始時の摩擦要素初期油
圧を修正する従来の方式では、当該フィードバック制御
中に入力回転が不安定になることから、上記修正制御が
不正確になり、フィードバック制御開始の摩擦要素初期
油圧が高くなりすぎたり低くなりすぎることが多く、い
ずれの場合にも大きな変速ショックが免れない、という
問題を有していた。 【0005】ところで、このような自動変速機における
電子制御油圧制御装置においては、流体作動式摩擦要素
のロスストローク中は変速機入力回転が比較的安定して
おり、これを基準に臨界圧保持中における変速機入力回
転の変化をモニタすれば、臨界圧の適否を正確に判断す
ることができる、との観点から、この着想を具体化して
上記の問題点を解消する技術を、本出願人は既に提案し
ている(特願平7−144707号)。 【0006】 【従来技術の課題】しかしながら、本出願人が先に提案
済みの制御技術にあっても、例えば、車両の旋回角が大
きいときやブレーキが作動したときに、変速機の入力回
転に変化が発生するため、プリチャージ中および臨界圧
保持中に生ずる入力側回転数の変化に呼応して、臨界圧
の不要な修正が行われるため、臨界圧が不正確となる、
という未解決の課題を有していた。 【0007】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、上記初期油圧
(リターンスプリング相当圧ともいう。以下、同じ。)
の補正に用いる学習補正区間に、車両の旋回やブレーキ
による制動力の発生が検出されたときに、上記学習補正
を禁止することにより、変速ショックを感じない非常に
滑らかな変速を得ることができる自動変速機の変速制御
装置を提供しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にあっては、ブレーキ制動力発生検出手段
と、車両旋回度検出手段と、入力軸回転数検出手段と、
変速指令開始検出手段と、スロットル開度検出手段と、
出力軸回転数検出手段と、検出された入力軸回転数と出
力軸回転数により算出されるギヤ比と予め設定された目
標ギヤ比との偏差に対してアクチュエータ制御操作量を
フィードバック制御する変速制御手段と、変速制御開始
から設定時間の間まで擬似的に高圧を指令するプリチャ
ージ制御手段と、前記プリチャージ制御終了時から前記
フィードバック制御開始までの間に締結力発生臨界圧と
なるようにアクチュエータを制御するリターンスプリン
グ相当圧制御手段と、プリチャージ制御中に算出された
平均入力軸回転変化率とリターンスプリング相当圧制御
中に算出された実入力軸回転変化率及び前記平均入力軸
回転変化率との偏差により前記フィードバック制御開始
時の初期油圧を補正する制御手段と、を備えた自動変速
機の変速制御装置を技術的前提とし、上記ブレーキ制動
力発生が検出されるか、或は、車両の旋回が検出された
ときに、上記初期油圧を補正する制御手段による初期油
圧補正制御が禁止されるように構成されていることを特
徴とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の一形
態例に基づきこの発明を詳細に説明する。 【0010】図1乃至図11は、この発明の一形態例を
示しており、図1は、本変速制御装置の全体構成を示す
ブロック図であり、図2は、本形態例の締結制御装置を
備えた自動変速機の動力伝達列からなる変速歯車機構を
示している。 【0011】図2に示す変速歯車機構の伝達列は、トル
クコンバータT/Cを介しエンジンENGのクランクシ
ャフトC/Sから回転動力を伝達される入力軸I/S
と、該入力軸I/Sと同軸に配置された出力軸O/S
と、これらの入出力軸上に同軸に設けた第1遊星歯車組
G1及び第2遊星歯車組G2と、後記する各種流体式摩
擦要素と、で構成されている。 【0012】尚、上記トルクコンバータT/Cはロック
アップクラッチL/Cを有し、トルクコンバータT/C
に作動流体を通過させるときに、この作動流体がアプラ
イ室APからレリーズ室REへと通過してロックアップ
クラッチL/Cが締結され、上記トルクコンバータT/
Cの入出力要素間が直結されたロックアップ状態とな
る。一方、上記作動流体を逆向きに通過させるとき、ロ
ックアップクラッチL/Cが解放されて上記トルクコン
バータT/Cの入出力要素間の直結が解かれたコンバー
タ状態となるように構成されている。 【0013】また、上記第1遊星歯車組G1は、サンギ
ヤS1と、リングギヤR1と、これらに噛合するピニオ
ンP1と、このピニオンP1を回転自在に支持するピニ
オンキャリアPC1と、からなる単純遊星歯車組で構成
されているとともに、上記第2遊星歯車組G2も、サン
ギヤS2と、リングギヤR2と、これらに噛合するピニ
オンP2と、このピニオンP2を回転自在に支持するピ
ニオンキャリアPC2と、からなる単純遊星歯車組で構
成されている。 【0014】次に、変速制御を司る各種流体作動式摩擦
要素である第1乃至第3クラッチC1,C2,C3及び
第1ブレーキB1,第2ブレーキB2と、ワンウェイク
ラッチOWCと、を説明する。 【0015】キャリアPC1は、上記第2クラッチC2
を介して入力軸I/Sに適宜結合可能であり、サンギヤ
S1は、上記第2ブレーキB2により適宜固定可能であ
り、また、第1クラッチC1により入力軸I/Sに適宜
固定可能であると共に、ワンウェイクラッチOWCを介
して逆転(エンジンと逆方向の回転)を阻止するように
構成されている。 【0016】リングギヤR1は、上記キャリアPC2に
一体結合されて出力軸O/Sに駆動可能に結合され、サ
ンギヤS2を入力軸I/Sに結着している。また、リン
グギヤR2は、上記第3クラッチC3を介して適宜キャ
リアPC1に結合可能に構成されている。 【0017】第1乃至第3クラッチC1,C2,C3
と、第1及び第2ブレーキB1,B2は、夫々油圧の供
給により作動されて前記結合及び固定を行うものである
が、図2の動力伝達列は、第1乃至第3クラッチC1,
C2,C3と第1及び第2ブレーキB1,B2を、表1
に示すように、種々の組み合わせで作動(○印で示す)
させることにより、ワンウェイクラッチOWCの適宜作
動(係合)と相俟って、遊星歯車組G1,G2を構成す
る要素の回転状態を変え、これにより入力軸I/Sの回
転速度に対する出力軸O/Sの回転速度比を変えて、前
進4速・後退1速の変速段を得ることができる。 【0018】 【表1】 【0019】尚、第1速で第1ブレーキB1を作動させ
るのは、当該第1速でエンジンブレーキが必要な場合
で、第1ブレーキB1を作動させない場合は、ワンウェ
イクラッチが反力受けとなって第1速を実現するが、エ
ンジンブレーキはワンウェイクラッチOWCの空転によ
り不能である。 【0020】表1に示す第1乃至第3クラッチC1,C
2,C3の作動、非作動とを実行して、所定の変速段を
選択する変速制御装置が図3に示されており、個々の摩
擦要素の作動圧を個別に、かつ、直接的に制御して当該
変速を行うものとする。但し、図3では、説明の都合
上、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2の作動圧制
御系のみを明示し、他の摩擦要素に係る作動圧制御系に
ついては、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2と同
様であるため、その詳細な説明を省略した。 【0021】第1クラッチC1の作動圧Pcを制御し
て、その締結制御を司る装置は減圧弁11とデューティ
ソレノイド12とで構成されている。 【0022】減圧弁11は、バネ13で図示位置に弾支
されたスプール14を備え、このスプール位置で、第1
クラッチC1に通じている出力ポート15を入力ポート
16と連通させ、該入力ポート16へのライン圧PLに
より第1クラッチ作動圧Pcを上昇させるものとする。
ここで、上記第1クラッチ作動圧Pcを上記バネ13か
ら遠い端部室17にフィードバックし、該第1クラッチ
作動圧Pcの上昇につれてスプール14が押し戻される
ことにより、出力ポート15がドレンポート18と連通
し、第1クラッチ作動圧Pcの上昇を制限するものとす
る。 【0023】一方で、上記バネ13が収納された側の端
部室19には、デューティソレノイド12により決定さ
れた信号圧Psが供給される。このデューティソレノイ
ド12には一定のパイロット圧Ppが入力され、駆動デ
ューティDcの増大につれて信号圧Psが当該パイロッ
ト圧Ppと同じ値の最高値から徐々に低下するように構
成されている。 【0024】上記減圧弁11は、上記のようにして決定
された信号圧Psとバネ13のバネ力とを上記スプール
14に対して図3中右方向へ受けると共に、該スプール
14の端部室17にはフィードバックされる第3クラッ
チ作動圧Pcが作用する。そして、減圧弁11は、これ
ら両方向の力のバランスするよう第3クラッチ作動圧P
cを調圧する。 【0025】この第3クラッチ作動圧Pcは、信号圧P
s、つまり、デューティソレノイド12の駆動デューテ
ィDcは、図5に示す締結圧指令値PAに対応するもの
で、変速制御コントローラ20により後記する手順で決
定される。 【0026】第2ブレーキB2の作動圧PBを制御し
て、その締結制御を司る装置も、基本的には上記第1ク
ラッチC1の締結制御装置と同様に構成されており、減
圧弁21は、バネ23で図示位置に弾支されたスプール
24を備え、このスプール位置で、第2ブレーキB2に
連通している出力ポート25を入力ポート26と連通さ
せ、該入力ポート26へのライン圧PLにより第2ブレ
ーキB2の作動圧PBを上昇させるように構成されてい
る。 【0027】ここで第2ブレーキ作動圧PBを、バネ2
3から遠い端部室27にフィードバックさせ、該第2ブ
レーキ作動圧PBの上昇につれてスプール24が押し戻
されることにより、出力ポート25をドレンポート28
と連通させ、第2ブレーキ作動圧PBの上昇を制限とす
るように構成されている。 【0028】一方で、上記バネ23が収納された側の端
部室29には、デューティソレノイド22により決定さ
れた信号圧Psが供給される。デューティソレノイド2
2には一定のパイロット圧Ppが入力され、駆動デュー
ティDBの増大につれ信号圧Psを当該パイロット圧P
pと同じ値の最高値から徐々に低下させるように構成さ
れている。 【0029】減圧弁21は、上記のようにして決定され
た信号圧Psと、バネ23のバネ力とをスプール24に
対して図3中右方向へ受け、スプール24に対して逆方
向には、端部室17にフィードバックされる第3クラッ
チ作動圧Pcを受ける。そして減圧弁21は、これら両
方向の力のバランスするよう第3クラッチ作動圧Pcを
調圧する。 【0030】この第3クラッチ作動圧Pcは、信号圧P
s、つまりデューティソレノイド22の駆動デューティ
Dcは、図5に示す締結圧指令値PAに対応するもの
で、変速制御コントローラ20により後記する手順で決
定される。 【0031】変速制御コントローラ20は、その他に第
2クラッチC2及び第3クラッチC3並びに第1ブレー
キB1を、同様な構成とした装置により締結制御するも
のとし、該変速制御コントローラ20には、自動変速機
の前段における原動機としてのエンジンのスロットル開
度TVO(エンジン負荷状態)を検出するスロットル開
度センサ31からの信号と、変速機入力軸の回転数Ni
を検出する入力回転センサ32からの信号と、変速機出
力軸の回転数Noを検出する出力回転センサ33からの
信号と、制動力を検出できるブレーキセンサ34からの
信号及びディファレンシャルギヤのリミテッドスリップ
デフ(LSD)の作動を検出できる車両旋回センサ35
からの信号が夫々入力される。 【0032】次に、上記のように構成されてなる自動変
速機の変速制御装置の作用を説明する。 【0033】変速制御コントローラ20は、センサ31
で検出したスロットル開度TVOとセンサ33で検出し
た変速機出力回転数Noを基に、図示しない変速制御プ
ログラムを実行して所定の変速制御を行う。つまり、ス
ロットル開度TVOと変速機出力回転数No(車速)か
ら、予め設定してある車速マップを基に現在の運転状態
に適した要求変速段を決定し、この要求変速段が達成さ
れるよう摩擦要素C1,C2,C3,B1,B2を選択
的に締結させて、要求変速段への変速を行わせる。 【0034】尚、締結されるべき摩擦要素の締結圧を制
御するにあたっては、図4に示す制御プログラムを実行
して、例えば、図5に示すような時系列変化をもった締
結圧指令値PAを対応するデューティソレノイドに駆動
デューティとして与えるものとする。 【0035】図4においては、先ず、ステップ51にお
いて変速機入出力回転数Ni,Noを読み込み、次のス
テップで、変速指令瞬時t1(図5参照)からの経過時
間をもとに、瞬時t2より前プリチャージ中の入力側回
転変化割合検出手段及び臨界圧保持中の入力側回転変化
割合検出手段に相当する変速機入力回転数Niのサンプ
リング周期中における変化量ΔNi、つまり変速機入力
回転数Niの変化割合を算出する(ステップ53)。 【0036】次に、ステップ54において、図5の瞬時
t2及び瞬時t3間における臨界圧保持期間中である
か、プリチャージ期間中のいずれかであるかを判定す
る。 【0037】プリチャージ期間中であれば、ステップ5
3における算出と共にプリチャージ中の入力側回転変化
割合検出手段により当該期間中における変速機入力回転
変化割合ΔNiの平均値ΔNi(ave)を、例えば、
図5に基づき算出する(ステップ55)と共に、ステッ
プ56で締結圧指令値PAを、図5の瞬時t1〜t2間
に例示するようなプリチャージ用の値に定めてセット
し、ステップ57で当該締結圧指令値PAを、変速に際
して締結すべき摩擦要素に係わるデューティソレノイド
(例えば図3に示すソレノイド12,22)に出力す
る。 【0038】上記ステップ54において、図5の瞬時t
2及び瞬時t3間における臨界圧保持期間中であると判
定する場合、入力側回転変化割合偏差演算手段に相当す
るステップ58において、上記ステップ55で求めたプ
リチャージ期間中における変速機入力回転変化割合ΔN
iの平均値ΔNi(ave)と、ステップ53で求めた
臨界圧保持期間中における変速機入力回転数Niの変化
割合ΔNiとの偏差ΔNi(ave)−ΔNi(図5参
照)を算出する。 【0039】次いで、入力側回転変化割合偏差積分手段
に相当するステップ59において、当該ΔNi(av
e)−ΔNiをΔΔNi←ΔΔNi+[ΔNi(av
e)−ΔNi]により数値積分する。 【0040】そして、当該臨界圧保持期間中は、ステッ
プ60で締結圧指令値PAを、図5の瞬時t2〜t3間
に例示するような臨界圧Pxを定めてセットし、ステッ
プ57で当該締結圧指令値PAを、変速に際して締結す
べき摩擦要素に係わるデューティソレノイド(例えば図
3に示すソレノイド12,22)に出力する。 【0041】ステップ52において、プリチャージ期間
でもなく、臨界圧保持期間でもないと判断する場合、つ
まり図5の瞬時t3以後の締結圧フィードバック制御期
間中であると判別する場合、制御をステップ61に進め
る。 【0042】ステップ61では、臨界圧保持期間直後で
あるか否かを判別し、この直後に1回だけ臨界圧修正手
段に相当するステップ62の処理を実行した後、ステッ
プ63に制御を進め、それ以後はステップ62をスキッ
プしてステップ63に制御を進めるものとする。 【0043】先ず、ステップ63の処理を説明する。こ
こでは締結圧指令値PAをフィードバック制御により決
定する。つまり、図5に示すように、変速機入出力回転
数Ni,Noの比で表される実効ギヤ比Ni/Noが変
速ショックを生じない予定の態様で経時変化するよう締
結圧指令値PAを決定し、ステップ57でこの締結圧指
令値PAを、変速に際して締結すべき摩擦要素に係わる
デューティソレノイド(例えば図3に示すソレノイド1
2,22)に出力する。 【0044】次に、締結圧保持期間直後に1回だけ実行
されるステップ62の処理を説明する。この処理は上記
臨界圧Pxの学習制御である。 【0045】この臨界圧Pxが高すぎる場合、臨界圧保
持期間中において摩擦要素が大きな締結力を発生し、図
7に破線で示すようなトルクの引き込みに伴う減速感を
乗員に与えて好ましくない。逆に,臨界圧Pxが低すぎ
る場合も、これが変速ショックの原因となる。従って、
臨界圧Pxを一定に固定したのでは、摩擦要素を締結力
が発生するぎりぎりの状態に制御することがほとんど不
可能である。 【0046】そこで本形態例においては、臨界圧Pxが
高すぎる場合、臨界圧保持期間中において変速機の入力
回転数Niの大きな低下を生じ、ステップ58で求めた
入力回転偏差ΔNi(ave)−ΔNiが大きくなるこ
とから、ステップ59で求めた当該偏差の数値積分値Δ
ΔNiが大きくなるので、ステップ62で当該入力回転
偏差又はその数値積分値ΔΔNi(図示例では後者)に
応じて臨界圧Pxを上記の最適値となるように学習制御
する。 【0047】つまり、ステップ62では、入力回転偏差
の数値積分値ΔΔNiに応じて予め図6に例示するよう
に設定した臨界圧修正量ΔPxのテーブルデータを基
に、数値積分値ΔΔNiから臨界圧修正量ΔPxを検索
する。ここで、図6のテーブルデータは、数値積分値Δ
ΔNiを求めるに当たって生じる可能性のある誤差分を
考慮した余裕代に対応する設定積分値ΔΔNisよりも
小さな数値積分値ΔΔNiの領域における臨界圧修正量
ΔPxを正の一定値Pxsとし、それ以上の数値積分値
ΔΔNiの領域では、臨界圧修正量ΔPxをαの勾配で
絶対値が漸増する負の修正量とする。尚、上記勾配α
は、変速機の入力回転軸I/S(図2参照)に係わるト
ルクコンバータT/Cの出力要素(タービンライナ)の
慣性モーメントや、摩擦要素の締結容量や、遊星歯車の
歯数や、入力回転数Niのサンプリング回数等で決定さ
れる。 【0048】ステップ62では、さらに、上記のように
して検索した臨界圧修正量ΔPxだけ臨界圧Pxを、P
x←Px+ΔPxにより修正し、次回のステップ60で
の処理に資する。 【0049】よって臨界圧Pxは、図5に示す偏差ΔN
i(ave)−ΔNiの数値積分値ΔΔNiを小さくし
て、臨界圧保持期間中における入力回転変化割合ΔNi
をプリチャージ期間中における入力回転平均値ΔNi
(ave)と一致させるように修正され、結果として、
上記臨界圧Pxは、摩擦要素が締結力を発生するぎりぎ
りの最適値に持ち越されることになる。 【0050】このようにして学習制御による臨界圧Px
が、常時、上記最適値に制御されることになり、従来
は、図7破線で示すように、臨界圧保持期間中に臨界圧
が高すぎてトルクの引き込みを生じていたが、かかるト
ルクの引き込みを同図のβ分だけ改善して、トルク波形
を実線で示すように、トルクの引き込みを生じないよう
に制御することができるので、摩擦要素の締結時におけ
る変速ショックが大きくなるのを有効に防止することが
できる。 【0051】尚、この形態例では、図6に示すように、
入力回転変化割合偏差の数値積分値ΔΔNiを求めるに
あたって生じる可能性のある誤差分を考慮した余裕代に
対応する設定積分値ΔNisよりも小さな数値積分値Δ
ΔNiの領域では、臨界圧修正量ΔPxを正の一定値Δ
Pxsとしたことにより、以下の作用効果を達成するこ
とができる。 【0052】つまり、誤差分に相当する設定積分値ΔΔ
Nisよりも小さな数値積分値ΔΔNiの領域では実際
上、負の臨界圧修正量ΔPxを求めようとしても、これ
を求めることができない。 【0053】ところで、当該領域においては、とりあえ
ず臨界圧修正量ΔPxを正の一定値ΔPxsをしたこと
により、臨界圧Pxは摩擦要素の締結力を発生させる方
向に修正されて、数値積分値ΔΔNiを、一旦、設定積
分値ΔΔNisよりも大きな値にすることになる。従っ
て、上記臨界圧の学習制御が可能となり、この学習制御
が不能な状態が続くという弊害を解消することができ
る。 【0054】尚、図面には示さなかったが、スロットル
開度TVOが、図8に実線で示すように、プリチャージ
中及び臨界圧保持中(t1〜t3中)に設定開度TVO
L及びTVOU間の範囲内で変化する場合に限り、前記
臨界圧の学習制御を実行させることとし、スロットル開
度TVOが、図8に破線で示すように、プリチャージ中
及び臨界圧保持中(t1〜t3中)に設定開度TVOL
及びTVOUを越えて変化する場合は、図示しない運転
負荷変化検知手段によりこれを検知し、同じく図示しな
い臨界圧修正禁止手段により前記臨界圧の学習制御を禁
止することができる。 【0055】かかる設定範囲を超えたスロットル開度T
VO(原動機運転負荷)の変化があるときは、原動機出
力トルクの変化に伴いプリチャージ中及び臨界圧保持中
に生じる入力側回転数の変化に呼応して、前記臨界圧の
修正が不要に行われ、臨界圧を不正確にするという問題
を生ずる虞れが発生するが、本形態例では上記のように
構成されているので、かかる問題の発生を確実に回避す
ることができる。 【0056】次に、上記臨界圧の学習制御における禁止
制御ステップを図9に基づき説明する。ステップ101
では車両旋回角及び制動力の検出を行なう。ステップ1
02ではアップシフトであるかどうかの判断を行う。ス
テップ103ではスロットル開度の変化範囲が設定値以
下であるかどうかの判断を行う。ステップ104では車
両旋回角が設定値以下であるかどうかの判断を行う。ス
テップ105では制動力が設定値以下であるかどうかの
判断を行う。ステップ106では図4に示すリターンス
プリング相当圧の学習補正制御を行う。 【0057】かかる構成において、例えば、車両旋回角
が大きいときには、ディファレンシャルギヤの作動に伴
うフリクションが本形態例の学習区間において変化する
ことによる入力軸トルク変化に影響を与えるため、その
まま学習補正を行うと誤学習となってしまう。また、ブ
レーキによる制動力発生後も同様に入力軸回転変化率に
影響を与えるため、この制動力が学習区間において変化
したとき誤学習となってしまう。このような誤学習を防
止するため、本形態例では、ステップ104及び105
により、これらの誤学習要因に対するパラメータを検出
するように構成されている。 【0058】 【発明の効果】以上説明してきたように、この発明に係
る自動変速機の変速制御装置によれば、入力トルクの変
化だけではなく、出力軸から受ける影響を除去できる構
成としたため、誤学習することなく、高精度に初期油圧
を学習できるため、変速ショックが小さく、滑らかな変
速制御を実現できる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施の一形態例に係る自動変速機の
変速制御装置の全体構成を示すブロック図である。 【図2】同自動変速機の構成を示すスケルトン図であ
る。 【図3】同自動変速機の油圧制御系の構成示す説明図で
ある。 【図4】同変速制御装置の制御フローチャートである。 【図5】同変速制御装置におけるギヤ比、解放指令圧、
締結指令圧及び入力軸回転変化率を示すタイムチャート
図である。 【図6】同変速制御装置における入力軸回転変化率積算
値と補正量との相間関係を示す図である。 【図7】同変速制御装置における実際の補正を与えるこ
とによる補正の影響を示す出力軸トルクのグラフであ
る。 【図8】同変速制御装置におけるスロットル変化と学習
領域との相間関係を示す説明図である。 【図9】同変速制御装置における臨界圧の学習制御禁止
手段を示す制御フローチャートである。 【図10】同変速制御装置における制動力と旋回による
影響と実際の入力軸回転との関係を示すタイムチャート
である。 【図11】同変速制御装置における制動力と旋回による
影響と実際の入力軸回転との関係を示した他のタイムチ
ャートである。 【符号の説明】 B1,B2 ブレーキ C1,C2,C3 第1乃至第3クラッチ G1,G2 遊星歯車組 I/S 入力軸 L/C ロックアップクラッチ O/S 出力軸 OWC ワンウェイクラッチ T/C トルクコンバータ 11,21 減圧弁 12,22 デューティソレノイド 20 変速制御コントローラ 31 スロットル開度センサ 32 入力回転センサ 33 出力回転センサ 34 ブレーキセンサ 35 車両旋回センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:54 F16H 59:54 59:58 59:58 59:68 59:68 59:70 59:70 (56)参考文献 特開 平6−331013(JP,A) 特開 平5−60214(JP,A) 特開 平5−332440(JP,A) 特開 平8−338519(JP,A) 特開 平6−331016(JP,A) 特開 平5−296337(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ブレーキ制動力発生検出手段と、車両旋
    回度検出手段と、入力軸回転数検出手段と、変速指令開
    始検出手段と、スロットル開度検出手段と、出力軸回転
    数検出手段と、検出された入力軸回転数と出力軸回転数
    により算出されるギヤ比と予め設定された目標ギヤ比と
    の偏差に対してアクチュエータ制御操作量をフィードバ
    ック制御する変速制御手段と、変速制御開始から設定時
    間の間まで擬似的に高圧を指令するプリチャージ制御手
    段と、前記プリチャージ制御終了時から前記フィードバ
    ック制御開始までの間に締結力発生臨界圧となるように
    アクチュエータを制御するリターンスプリング相当圧制
    御手段と、プリチャージ制御中に算出された平均入力軸
    回転変化率とリターンスプリング相当圧制御中に算出さ
    れた実入力軸回転変化率及び前記平均入力軸回転変化率
    との偏差により前記フィードバック制御開始時の初期油
    圧を補正する制御手段と、を備えた自動変速機の変速制
    御装置において、上記ブレーキ制動力発生が検出される
    か、或は、車両の旋回が検出されたときに、上記初期油
    圧を補正する制御手段による初期油圧補正制御が禁止さ
    れるように構成されていることを特徴とする自動変速機
    の変速制御装置。
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