JPH06330567A - 高力ボルトによる摩擦接合部構造 - Google Patents
高力ボルトによる摩擦接合部構造Info
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- JPH06330567A JPH06330567A JP14441393A JP14441393A JPH06330567A JP H06330567 A JPH06330567 A JP H06330567A JP 14441393 A JP14441393 A JP 14441393A JP 14441393 A JP14441393 A JP 14441393A JP H06330567 A JPH06330567 A JP H06330567A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な手段によって、厚肉鋼板と薄肉鋼板と
を強力にかつ確実に摩擦接合する。 【構成】 厚肉鋼板1と薄肉鋼板2とを直列に配置し、
薄肉鋼板2の端部に補足鋼板3を重合し、厚肉鋼板1の
表面と薄肉鋼板2の表面とにわたって継手鋼板4を当接
し、厚肉鋼板1の裏面と補足鋼板3の表面とにわたって
継手鋼板5を当接し、前記各継手鋼板4,5の摩擦接合
側の表面硬さおよび表面粗さを、厚肉鋼板1と薄肉鋼板
2と補足鋼板3の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
よりも大きく設定し、補足鋼板3における薄肉鋼板2と
の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さを、薄肉鋼板2
の補足鋼板3との摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
よりも大きく設定し、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼
板3と各継手鋼板4,5とを、それぞれ複数の高力ボル
ト6により締付結合する。
を強力にかつ確実に摩擦接合する。 【構成】 厚肉鋼板1と薄肉鋼板2とを直列に配置し、
薄肉鋼板2の端部に補足鋼板3を重合し、厚肉鋼板1の
表面と薄肉鋼板2の表面とにわたって継手鋼板4を当接
し、厚肉鋼板1の裏面と補足鋼板3の表面とにわたって
継手鋼板5を当接し、前記各継手鋼板4,5の摩擦接合
側の表面硬さおよび表面粗さを、厚肉鋼板1と薄肉鋼板
2と補足鋼板3の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
よりも大きく設定し、補足鋼板3における薄肉鋼板2と
の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さを、薄肉鋼板2
の補足鋼板3との摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
よりも大きく設定し、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼
板3と各継手鋼板4,5とを、それぞれ複数の高力ボル
ト6により締付結合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築鉄骨構造物あるい
はその他の鉄骨構造物における板厚の異なる鋼板を高力
ボルトにより締付結合する摩擦接合部構造に関するもの
である。
はその他の鉄骨構造物における板厚の異なる鋼板を高力
ボルトにより締付結合する摩擦接合部構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨構造物の高力ボルトによる摩
擦接合部構造においては、鋼材の摩擦面は自然発生の赤
錆が標準になっており(建築学会JASS6参照)、施
工上のバラツキを考慮して、設計上は低いすべり係数値
(μ=0.45)に設定している。この改善策として、
(1)特開昭51−52336号公報により公表されて
いるように、鋼材の表面に特殊な塗装を施して高力ボル
トにより接合する方式、(2)特開平1−266309
号公報により公表されているように、鋼材の接合面にセ
ラミックのプラズマ溶射処理を施して、高力ボルトによ
り接合する方式が提案されている。
擦接合部構造においては、鋼材の摩擦面は自然発生の赤
錆が標準になっており(建築学会JASS6参照)、施
工上のバラツキを考慮して、設計上は低いすべり係数値
(μ=0.45)に設定している。この改善策として、
(1)特開昭51−52336号公報により公表されて
いるように、鋼材の表面に特殊な塗装を施して高力ボル
トにより接合する方式、(2)特開平1−266309
号公報により公表されているように、鋼材の接合面にセ
ラミックのプラズマ溶射処理を施して、高力ボルトによ
り接合する方式が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の赤錆を発生
させる場合は、施工上のバラツキが大きく、かつ施工品
質の管理が非常に困難である為、0.45よりも大きなす
べり係数値を接合部設計に用いることができないという
欠点がある。また従来提案されている前記(1)の接合
方式の場合は、鋼材に特殊な塗装を施す必要があるの
で、煩雑であり、さらに従来提案されている前記(2)
の接合方式の場合は、鉄骨加工工程中で新たな専用設備
を必要とするという欠点がある。そのため従来提案され
ている前記(1)(2)の接合方式は、何れも広く実施
されていない。本発明は、異なる板厚の鋼板を高力ボル
トにより締付結合する摩擦接合部において、新たな接合
部構造を発明することにより、前記課題の解決を図り、
摩擦接合面の施工品質の安定性の確保と高いすべり係数
の確保を目的としたものである。
させる場合は、施工上のバラツキが大きく、かつ施工品
質の管理が非常に困難である為、0.45よりも大きなす
べり係数値を接合部設計に用いることができないという
欠点がある。また従来提案されている前記(1)の接合
方式の場合は、鋼材に特殊な塗装を施す必要があるの
で、煩雑であり、さらに従来提案されている前記(2)
の接合方式の場合は、鉄骨加工工程中で新たな専用設備
を必要とするという欠点がある。そのため従来提案され
ている前記(1)(2)の接合方式は、何れも広く実施
されていない。本発明は、異なる板厚の鋼板を高力ボル
トにより締付結合する摩擦接合部において、新たな接合
部構造を発明することにより、前記課題の解決を図り、
摩擦接合面の施工品質の安定性の確保と高いすべり係数
の確保を目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の問題を有利に解決
するために、本発明の高力ボルトによる摩擦接合部構造
においては、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2とを同一平面上に
おいて直列に配置し、薄肉鋼板2の端部における片面
に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにするための補足鋼板3
を重合し、厚肉鋼板1の表面と薄肉鋼板2の表面とにわ
たって継手鋼板4を当接し、厚肉鋼板1の裏面と補足鋼
板3の表面とにわたって継手鋼板5を当接し、前記各継
手鋼板4,5の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
を、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3の摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく設定し、補足鋼
板3における薄肉鋼板2との摩擦接合側の表面硬さおよ
び表面粗さを、薄肉鋼板2の補足鋼板3との摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく設定し、厚肉鋼
板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3と各継手鋼板4,5と
を、それぞれ複数の高力ボルト6により締付結合する。
なお、本発明において表面粗さとは十点平均粗さRz
(DIN)をいう。
するために、本発明の高力ボルトによる摩擦接合部構造
においては、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2とを同一平面上に
おいて直列に配置し、薄肉鋼板2の端部における片面
に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにするための補足鋼板3
を重合し、厚肉鋼板1の表面と薄肉鋼板2の表面とにわ
たって継手鋼板4を当接し、厚肉鋼板1の裏面と補足鋼
板3の表面とにわたって継手鋼板5を当接し、前記各継
手鋼板4,5の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
を、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3の摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく設定し、補足鋼
板3における薄肉鋼板2との摩擦接合側の表面硬さおよ
び表面粗さを、薄肉鋼板2の補足鋼板3との摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく設定し、厚肉鋼
板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3と各継手鋼板4,5と
を、それぞれ複数の高力ボルト6により締付結合する。
なお、本発明において表面粗さとは十点平均粗さRz
(DIN)をいう。
【0005】
【実施例】図面は本発明の実施例を示すものであって、
帯状の厚肉鋼板1と帯状の薄肉鋼板2とが、同一平面上
において直列に配置され、前記薄肉鋼板2の端部におけ
る片面に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにするための補足
鋼板3が重合され、厚肉鋼板1の表面(図2の下面)お
よび薄肉鋼板2の表面(図2の下面)とにわたって、継
手鋼板4が当接され、厚肉鋼板1の裏面(図2の上面)
と補足鋼板3の表面(図2の上面)とにわたって、継手
鋼板5が当接されている。
帯状の厚肉鋼板1と帯状の薄肉鋼板2とが、同一平面上
において直列に配置され、前記薄肉鋼板2の端部におけ
る片面に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにするための補足
鋼板3が重合され、厚肉鋼板1の表面(図2の下面)お
よび薄肉鋼板2の表面(図2の下面)とにわたって、継
手鋼板4が当接され、厚肉鋼板1の裏面(図2の上面)
と補足鋼板3の表面(図2の上面)とにわたって、継手
鋼板5が当接されている。
【0006】前記各継手鋼板4,5の摩擦接合側の表面
硬さおよび表面粗さは、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足
鋼板3の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも大
きく設定され、補足鋼板3における薄肉鋼板2との摩擦
接合側の表面硬さおよび表面粗さを、薄肉鋼板2の補足
鋼板3との摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも
大きく設定し、厚肉鋼板1の端部と各継手鋼板4,5の
一側部とは、それらにわたって挿通された複数の高力ボ
ルト6により締付結合され、かつ薄肉鋼板2の端部と補
足鋼板3と継手鋼板4,5の他側部とは、それらにわた
って挿通された複数の高力ボルト6により締付結合さ
れ、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3および継手鋼
板4,5が摩擦接合されている。
硬さおよび表面粗さは、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足
鋼板3の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも大
きく設定され、補足鋼板3における薄肉鋼板2との摩擦
接合側の表面硬さおよび表面粗さを、薄肉鋼板2の補足
鋼板3との摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも
大きく設定し、厚肉鋼板1の端部と各継手鋼板4,5の
一側部とは、それらにわたって挿通された複数の高力ボ
ルト6により締付結合され、かつ薄肉鋼板2の端部と補
足鋼板3と継手鋼板4,5の他側部とは、それらにわた
って挿通された複数の高力ボルト6により締付結合さ
れ、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3および継手鋼
板4,5が摩擦接合されている。
【0007】前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼
板3における摩擦面側の表面粗さは、グライダー,ショ
ットブラスト,グリッドブラストなどにより、表面粗さ
40μ以上を確保できていればよい。
板3における摩擦面側の表面粗さは、グライダー,ショ
ットブラスト,グリッドブラストなどにより、表面粗さ
40μ以上を確保できていればよい。
【0008】図5は前記実施例の接合部に関する調査結
果を示すものであり、前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2およ
び補足鋼板3における摩擦面側の表面硬さをHv160
程度、表面粗さを40μ程度として、厚肉鋼板1,薄肉
鋼板2および補足鋼板3に対する硬さ比を1.0,1.3,
1.7,2.5以上の4種類の硬さの継手鋼板4,5を対象
とし、すべり係数と表面粗さとの関係を調査した結果を
示すものであって、前記継手鋼板4,5の表面硬さに関
しては、表面粗さが40μ程度では、従来の摩擦接合部
と同程度のすべり係数(約0.45)しか確保できない。
果を示すものであり、前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2およ
び補足鋼板3における摩擦面側の表面硬さをHv160
程度、表面粗さを40μ程度として、厚肉鋼板1,薄肉
鋼板2および補足鋼板3に対する硬さ比を1.0,1.3,
1.7,2.5以上の4種類の硬さの継手鋼板4,5を対象
とし、すべり係数と表面粗さとの関係を調査した結果を
示すものであって、前記継手鋼板4,5の表面硬さに関
しては、表面粗さが40μ程度では、従来の摩擦接合部
と同程度のすべり係数(約0.45)しか確保できない。
【0009】しかし、前記継手鋼板4,5の表面粗さを
大きくすることにより、すべり係数は大きくなり、ある
表面粗さに達すると一定値となることが判る。このすべ
り係数が安定する表面粗さは継手鋼板4,5の硬さによ
り異なるが、継手鋼板4,5の表面粗さを120μ以上
に大きくすることにより、いずれの硬さにおいても、す
べり係数を安定化させることができることが判る。たと
えば、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼板3に対す
る継手鋼板4,5の表面硬さ比が2.5の継手鋼板4,5
を使用する場合は、0.85のすべり係数を確保すること
が可能である。このように、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2お
よび補足鋼板3を構成する各鋼材の硬さに応じて、安定
した高いすべり係数を発現させることが可能である。
大きくすることにより、すべり係数は大きくなり、ある
表面粗さに達すると一定値となることが判る。このすべ
り係数が安定する表面粗さは継手鋼板4,5の硬さによ
り異なるが、継手鋼板4,5の表面粗さを120μ以上
に大きくすることにより、いずれの硬さにおいても、す
べり係数を安定化させることができることが判る。たと
えば、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼板3に対す
る継手鋼板4,5の表面硬さ比が2.5の継手鋼板4,5
を使用する場合は、0.85のすべり係数を確保すること
が可能である。このように、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2お
よび補足鋼板3を構成する各鋼材の硬さに応じて、安定
した高いすべり係数を発現させることが可能である。
【0010】特に、前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足
鋼板3および継手鋼板4,5について、継手鋼板4,5
の表面硬さの比が1.3以上の場合に、表面粗さを70μ
以上に設定することにより、摩擦係数は0.6以上とな
り、従来の摩擦接合部よりも格段に性能を向上させるこ
とが可能である。また前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補
足鋼板3および継手鋼板4,5の表面粗さの上限は約1
50μである。その理由は、それ以上の表面粗さを確保
しても、摩擦係数が大きくならず、かつそれ以上の表面
粗さを確保することは、工業的に非常に困難となり不経
済となるためである。
鋼板3および継手鋼板4,5について、継手鋼板4,5
の表面硬さの比が1.3以上の場合に、表面粗さを70μ
以上に設定することにより、摩擦係数は0.6以上とな
り、従来の摩擦接合部よりも格段に性能を向上させるこ
とが可能である。また前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補
足鋼板3および継手鋼板4,5の表面粗さの上限は約1
50μである。その理由は、それ以上の表面粗さを確保
しても、摩擦係数が大きくならず、かつそれ以上の表面
粗さを確保することは、工業的に非常に困難となり不経
済となるためである。
【0011】図6は前記継手鋼板4,5の硬さに対する
前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3の硬さの比
と、すべり係数に関して調査した結果を示すものであっ
て、前記継手鋼板4,5に関しては、その継手鋼板4,
5の表面硬さが前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板
3の表面硬さと同じ場合、すべり係数が、従来の場合と
同程度(約0.45)が若干上昇するだけであるのに対し
て、継手鋼板4,5の表面硬さの比を上げることによ
り、各種表面粗さにおいても、すべり係数は向上するこ
とが判る。また各種表面粗さに対して、前記厚肉鋼板
1,薄肉鋼板2,補足鋼板3に対する継手鋼板4,5の
硬さの比を2.5以上とすることにより、すべり係数は安
定することが判る。
前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3の硬さの比
と、すべり係数に関して調査した結果を示すものであっ
て、前記継手鋼板4,5に関しては、その継手鋼板4,
5の表面硬さが前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板
3の表面硬さと同じ場合、すべり係数が、従来の場合と
同程度(約0.45)が若干上昇するだけであるのに対し
て、継手鋼板4,5の表面硬さの比を上げることによ
り、各種表面粗さにおいても、すべり係数は向上するこ
とが判る。また各種表面粗さに対して、前記厚肉鋼板
1,薄肉鋼板2,補足鋼板3に対する継手鋼板4,5の
硬さの比を2.5以上とすることにより、すべり係数は安
定することが判る。
【0012】以上のことから、前記厚肉鋼板1,薄肉鋼
板2,補足鋼板3の表面粗さを40μ程度とした場合、
前記継手鋼板4,5の表面粗さを70μ以上とし、前記
厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3の硬さに対する前
記継手鋼板4,5の硬さの比を1.3倍以上とすることに
より、従来の高力ボルト摩擦接合部構造よりも性能が向
上し、すべり係数0.6以上を確保することが可能であ
る。
板2,補足鋼板3の表面粗さを40μ程度とした場合、
前記継手鋼板4,5の表面粗さを70μ以上とし、前記
厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3の硬さに対する前
記継手鋼板4,5の硬さの比を1.3倍以上とすることに
より、従来の高力ボルト摩擦接合部構造よりも性能が向
上し、すべり係数0.6以上を確保することが可能であ
る。
【0013】次に厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板
3,継手鋼板4,5の硬度および粗さについて採用でき
る第1例を図7および表1に示し、第2例を図8および
表2に示す。
3,継手鋼板4,5の硬度および粗さについて採用でき
る第1例を図7および表1に示し、第2例を図8および
表2に示す。
【表1】
【表2】 なお図7および図8において、摩擦面I〜Vは、グライ
ンダーまたはショットブラストなどにより表面粗さを4
0ミクロン以上に確保する面である。
ンダーまたはショットブラストなどにより表面粗さを4
0ミクロン以上に確保する面である。
【0014】また、前記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足
鋼板3の表面粗さを40μ程度とした場合、前記継手鋼
板4,5は、その表面を120μ以上とした場合や、前
記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3に対する継手鋼
板4,5の硬さの比を2.5倍以上とした場合には、すべ
り係数を安定して確保することが可能であるが、それ以
上の性能向上は得られない。
鋼板3の表面粗さを40μ程度とした場合、前記継手鋼
板4,5は、その表面を120μ以上とした場合や、前
記厚肉鋼板1,薄肉鋼板2,補足鋼板3に対する継手鋼
板4,5の硬さの比を2.5倍以上とした場合には、すべ
り係数を安定して確保することが可能であるが、それ以
上の性能向上は得られない。
【0015】本発明による高力ボルトによる摩擦接合部
構造では、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼板3に
対する継手鋼板4,5の表面硬さの比は、1.3以上が必
要であり、好ましい範囲は1.3〜2.5程度である。また
厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼板3に対する継手
鋼板4,5の表面硬さの比を1.3以上に設定すると、従
来の摩擦接合耐力(すべり係数=約0.45)よりも、性
能が著しく改善される。
構造では、厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼板3に
対する継手鋼板4,5の表面硬さの比は、1.3以上が必
要であり、好ましい範囲は1.3〜2.5程度である。また
厚肉鋼板1,薄肉鋼板2および補足鋼板3に対する継手
鋼板4,5の表面硬さの比を1.3以上に設定すると、従
来の摩擦接合耐力(すべり係数=約0.45)よりも、性
能が著しく改善される。
【0016】本発明に係る鋼材摩擦接合構造を構成する
高い表面硬さの継手鋼板4,5としては、焼き入れが可
能な鋼を熱処理することにより硬さを高めたものを使用
することができる。
高い表面硬さの継手鋼板4,5としては、焼き入れが可
能な鋼を熱処理することにより硬さを高めたものを使用
することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、厚肉鋼板1と薄肉鋼板
2とを同一平面上において直列に配置し、薄肉鋼板2の
端部における片面に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにする
ための補足鋼板3を重合し、厚肉鋼板1の表面と薄肉鋼
板2の表面とにわたって継手鋼板4を当接し、厚肉鋼板
1の裏面と補足鋼板3の表面とにわたって継手鋼板5を
当接し、前記各継手鋼板4,5の摩擦接合側の表面硬さ
および表面粗さを、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板
3の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく
設定し、補足鋼板3における薄肉鋼板2との摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さを、薄肉鋼板2の補足鋼板3
との摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく
設定し、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3と各継手
鋼板4,5とを、それぞれ複数の高力ボルト6により締
付結合したので、簡単な手段によって、板厚の異なる厚
肉鋼板1と薄肉鋼板2とを、高力ボルト6により強力に
かつ確実に摩擦接合することができる。その結果、高力
ボルト6による摩擦接合部のコンパクト化が可能とな
り、低コスト化をはかることが可能である。
2とを同一平面上において直列に配置し、薄肉鋼板2の
端部における片面に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにする
ための補足鋼板3を重合し、厚肉鋼板1の表面と薄肉鋼
板2の表面とにわたって継手鋼板4を当接し、厚肉鋼板
1の裏面と補足鋼板3の表面とにわたって継手鋼板5を
当接し、前記各継手鋼板4,5の摩擦接合側の表面硬さ
および表面粗さを、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板
3の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく
設定し、補足鋼板3における薄肉鋼板2との摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さを、薄肉鋼板2の補足鋼板3
との摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく
設定し、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3と各継手
鋼板4,5とを、それぞれ複数の高力ボルト6により締
付結合したので、簡単な手段によって、板厚の異なる厚
肉鋼板1と薄肉鋼板2とを、高力ボルト6により強力に
かつ確実に摩擦接合することができる。その結果、高力
ボルト6による摩擦接合部のコンパクト化が可能とな
り、低コスト化をはかることが可能である。
【図1】本発明の実施例に係る高力ボルトによる摩擦接
合部構造を示す平面図である。
合部構造を示す平面図である。
【図2】本発明の実施例に係る高力ボルトによる摩擦接
合部構造を示す縦断側面図である。
合部構造を示す縦断側面図である。
【図3】図2の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】すべり係数と厚肉鋼板および薄肉鋼板ならびに
補足鋼板の表面粗さとの関係を示す図である。
補足鋼板の表面粗さとの関係を示す図である。
【図6】厚肉鋼板および薄肉鋼板ならびに補足鋼板の硬
さとすべり係数との関係を示す図である。
さとすべり係数との関係を示す図である。
【図7】厚肉鋼板,薄肉鋼板,補足鋼板および継手鋼板
の摩擦処理面と硬度との第1例を示す概略側面図であ
る。
の摩擦処理面と硬度との第1例を示す概略側面図であ
る。
【図8】厚肉鋼板,薄肉鋼板,補足鋼板および継手鋼板
の摩擦処理面と硬度との第2例を示す概略側面図であ
る。
の摩擦処理面と硬度との第2例を示す概略側面図であ
る。
1 厚肉鋼板 2 薄肉鋼板 3 補足鋼板 4 継手鋼板 5 継手鋼板 6 高力ボルト
Claims (1)
- 【請求項1】 厚肉鋼板1と薄肉鋼板2とを同一平面上
において直列に配置し、薄肉鋼板2の端部における片面
に、厚肉鋼板1とほぼ同一厚さにするための補足鋼板3
を重合し、厚肉鋼板1の表面と薄肉鋼板2の表面とにわ
たって継手鋼板4を当接し、厚肉鋼板1の裏面と補足鋼
板3の表面とにわたって継手鋼板5を当接し、前記各継
手鋼板4,5の摩擦接合側の表面硬さおよび表面粗さ
を、厚肉鋼板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3の摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく設定し、補足鋼
板3における薄肉鋼板2との摩擦接合側の表面硬さおよ
び表面粗さを、薄肉鋼板2の補足鋼板3との摩擦接合側
の表面硬さおよび表面粗さよりも大きく設定し、厚肉鋼
板1と薄肉鋼板2と補足鋼板3と各継手鋼板4,5と
を、それぞれ複数の高力ボルト6により締付結合した高
力ボルトによる摩擦接合部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14441393A JPH06330567A (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 高力ボルトによる摩擦接合部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14441393A JPH06330567A (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 高力ボルトによる摩擦接合部構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330567A true JPH06330567A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=15361599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14441393A Pending JPH06330567A (ja) | 1993-05-25 | 1993-05-25 | 高力ボルトによる摩擦接合部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06330567A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996024730A1 (fr) * | 1995-02-06 | 1996-08-15 | Nippon Steel Corporation | Structure de soudage par friction de materiau en acier extremement resistant |
KR100978472B1 (ko) * | 2007-04-05 | 2010-08-30 | 엘레르곤 안트리에브스테크니크 게엠베하 | 압력 끼워맞춤형 클램핑 연결체 및 그 제작방법 |
CN106065671A (zh) * | 2016-07-25 | 2016-11-02 | 大唐环境产业集团股份有限公司 | 一种连接复合材料板材和钢结构的快速连接件 |
-
1993
- 1993-05-25 JP JP14441393A patent/JPH06330567A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996024730A1 (fr) * | 1995-02-06 | 1996-08-15 | Nippon Steel Corporation | Structure de soudage par friction de materiau en acier extremement resistant |
KR100978472B1 (ko) * | 2007-04-05 | 2010-08-30 | 엘레르곤 안트리에브스테크니크 게엠베하 | 압력 끼워맞춤형 클램핑 연결체 및 그 제작방법 |
CN106065671A (zh) * | 2016-07-25 | 2016-11-02 | 大唐环境产业集团股份有限公司 | 一种连接复合材料板材和钢结构的快速连接件 |
CN106065671B (zh) * | 2016-07-25 | 2018-06-26 | 大唐环境产业集团股份有限公司 | 一种连接复合材料板材和钢结构的快速连接件 |
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