JPH06330231A - 接着型積層鉄心用電磁鋼板 - Google Patents

接着型積層鉄心用電磁鋼板

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JPH06330231A
JPH06330231A JP5124146A JP12414693A JPH06330231A JP H06330231 A JPH06330231 A JP H06330231A JP 5124146 A JP5124146 A JP 5124146A JP 12414693 A JP12414693 A JP 12414693A JP H06330231 A JPH06330231 A JP H06330231A
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steel sheet
point
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sra
iron core
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JP5124146A
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Takashi Obara
隆史 小原
Atsuto Honda
厚人 本田
Hiroshi Yano
浩史 矢埜
Minoru Takashima
高島  稔
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鋼板表面の3次元表面粗さを、中心面平均粗
さSRa で 0.5μm 以下、最大高さSRmax が 0.1〜2.0 μ
m でかつ、各凹部につき、負荷曲線で深さ方向落差が最
も大きい点(切断断面積率が0%又は 100%の点を除く
負荷曲線の微分係数が最小である点)を中心として切断
面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間における高さ方
向の差をSRmax の50%以上とし、さらに凸部頂面におけ
るSRa を 0.3μm 以下に調整する。 【効果】 従来に比較して接着強度が格段に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面に精緻な凹凸パ
ターンを有する接着型積層鉄心用電磁鋼板に関し、特に
その接着性の向上は図ったものである。
【0002】従来、電気機器等に使用される鉄心は、ま
ず電磁鋼板の表面に渦電流を減少させるための絶縁被膜
を被成し、ついでそれを打ち抜くか又は切断加工するこ
とによっていわゆる単位鉄心を作り、それを多数枚積み
重ね、溶接又は接着剤により固着して製造されていた。
しかしながら、溶接によって固着する方法は、鉄心のエ
ッジ部が短絡して絶縁性が低下したり、熱歪によって磁
気特性が劣化するなどの問題があった。また、接着剤に
よって固着する方法は、単位鉄心一枚毎に接着剤を塗布
する必要があるため作業性が極めて悪く、また絶縁被膜
が被成されていることから十分な接着強度が得難いとい
う問題があった。
【0003】そこで近年、加熱圧着によって接着力が発
現する絶縁塗膜を、電磁鋼板の表面に塗布し、従って上
記したような溶接工程や接着剤塗布工程を省略できるよ
うな積層鉄心の製造方法が提案されている。すなわち、
電磁鋼板に対し、加熱圧着によって接着力を発現できる
ような絶縁性被覆組成物を塗布、乾燥し、得られた被覆
鋼板を打ち抜き又は切断加工し、ついで得られた単位鉄
心を多数枚積み重ね、しかるのち加熱圧着することによ
り、単位鉄心間を固着する製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような接着型
積層鉄心の製造分野では、従来、接着剤の性能にのみ重
点が置かれ、そのため専ら接着剤の開発に精力が注がれ
ていた。たとえば特開平2−208034号公報に開示されて
いるような種々の薬剤の開発、あるいは接着条件の開発
の如きである。
【0005】上記の技術の開発により、それなりの効果
は得られるようになったが、薬剤及び接着条件を最適に
してもなお、依然として接着性とくに接着強度が十分と
は言い難く、その改善が望まれていた。この発明は、上
記の要請に有利に応えるもので、表面凹凸の調整によ
り、従来に比べ接着強度の格段の向上を可能ならしめた
接着型積層鉄心用電磁鋼板を提案することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、上記の
問題を解決すべく、種々の調査及び検討を行なった結
果、電磁鋼板の接着性に関しては、接着剤や接着条件も
さることながら、圧延模様や、圧延疵などの表面の凹凸
のパターンの影響も強いことが見出された。この発明
は、上記の知見に立脚するもので、鋼板表面における凹
凸パターンを適正に制御することにより、接着型絶縁被
膜の接着性の大幅な改善を実現させたものである。
【0007】すなわち、この発明は、鋼板表面の3次元
表面粗さが、中心面平均粗さSRa で0.5μm 以下、最大
高さSRmax が 0.1〜2.0 μm でかつ、各凹部につき、負
荷曲線で深さ方向落差が最も大きい点(切断断面積率が
0%又は 100%の点を除く負荷曲線の微分係数が最小で
ある点)を中心として切断面面積率がそれぞれ±10%異
なる2点間における高さ方向の差がSRmax の50%以上を
満足し、さらに凸部頂面におけるSRa が 0.3μm 以下、
を満足することを特徴とする接着型積層鉄心用電磁鋼板
である。
【0008】この発明において、鋼板表面に被覆する接
着型絶縁被膜の厚みは3〜20μm とするのが望ましい。
【0009】ここに中心面平均粗さSRa とは、粗さ曲面
からその中心面上に面積SM を抜き取り、この抜き取り
部分の中心面上に直交座標軸、X軸、Y軸をおき、中心
面に直交する軸をZ軸として粗さ曲面をZ=f(X,
Y)で表したとき、次の数式
【数1】 で与えられる値のことである(単位μm )。
【0010】また負荷曲線とは、図1に示されれるよう
な曲線を意味する。すなわち単位面積における最大高さ
SRmax を縦軸の最大点として、任意の切断高さz(μm
)を縦軸とする。一方、横軸は、単位面積に対する各
切断レベルにおける切り口面積の 100分率(切断面面積
率)とする。かかる座標において、切断高さzを、最大
高さSRmax から次第に低減したときの切断高さと切断面
面積率との関係を示したのが負荷曲線である。従って、
たとえば切断面面積率が10%のときの凸部の高さとは図
中にxで示される値である。
【0011】以下、この発明を具体的に説明する。さて
発明者らは、以前に、各種の表面粗さを有する有機樹脂
含有絶縁被膜付き鋼板を用い、これを積層した後、接着
し、その接着性について調査した。その結果、従来使用
されてきた2次元表面粗さによる評価では、同一の表面
粗さとされたものでも接着性にばらつきが生じ、必ずし
も2次元表面粗さでは接着性を正確に評価できないこと
が判明した。
【0012】そこで、新たに3次元表面粗さによる評価
に想到し、改めて3次元粗さ測定器で測定して再調査し
たところ、以下に述べる結果が得られた。なおこの実験
では、接着剤として、メチルメタクリレート:98wt%、
アクリル酸:2wt%のモノマー混合物:100 重量部に対
し、アクリル樹脂エマルジョンとしてビスフェノールA
型樹脂:8重量部、さらにオクトエチレングリコール:
10重量部を配合したものを用いた。上記の組成物を、板
厚:0.5 mmの電磁鋼板の表面に、乾燥膜厚が約7μm に
なるようにロール塗布し、 200℃で60秒間乾燥し、つい
で得られた被覆鋼板を、塗膜面同士の重ね合わせ部が20
×10mmとなるように積層し、圧力:10kg/cm2、温度:20
0 ℃の条件で70秒間ホットプレスした。そして、かくし
て得られた接着体について剪断接着力を測定した。
【0013】得られた結果を、中心面平均粗さSRa と中
心面における切断面面積率との関係で図2に示す。ここ
に、中心面における切断面面積率は、単位面積SM にお
ける中心面で切断された面積S′の面積率S′/SM ×
100 (%)で与えられる。同図より明らかなように、表
面粗さが中心面平均粗さSRa で0.50μm を超えると占積
率が幾分低下した。また同一粗さでも接着性に相違が見
られた。すなわち、 SRaが0.50μm 以下の良好な範囲で
あっても、中心面における切断面面積率が80%を超えた
場合には接着性の急激な劣化がみられたのである。
【0014】そこで発明者らは、上記の事実に鑑み、鋼
板の表面粗さと接着性の関係につき、さらに詳細に調査
を行った結果、接着性は、鋼板の表面に凹部が多く、鋼
板を積層して接着を行った時に加熱ガスの逃げ道が確保
されている場合に良好となることが知見された。すなわ
ち、接着性は、鋼板の表面粗さよりもむしろ、鋼板表面
に形成される凹部の形状に強く依存することが新規に見
出されたのである。
【0015】そこで次に、凹部の形状について検討した
結果、図3に示すような、凹部の底面が平坦部を有しか
つ、粗度計の測定において該底面と凹部の肩とが接する
角度が直角に近い凹部を多数存在した場合に、接着性が
格段に向上することが判明した。
【0016】そこでさらに、かかる凹部の具体的な好適
形状について検討した結果、3次元表面粗さが、中心面
平均粗さSRa で 0.5μm 以下、最大高さSRmax が 0.1〜
2.0μm でかつ、負荷曲線で深さ方向落差が最も大きい
点(切断断面積率が0%又は100%の点を除く負荷曲線
の微分係数が最小である点)を中心として切断面面積率
がそれぞれ±10%異なる2点間における高さ方向の差が
SRmax の50%以上を満足し、さらに凸部頂面におけるSR
a が 0.3μm 以下を満足するの場合に、とりわけ良好な
接着性が得られることが判明したのである。
【0017】ここに、負荷曲線で深さ方向落差が最も大
きい点、すなわち負荷曲線の微分係数が最も小さい点と
は、図4に点Pで示すような点であり、この点から切断
面面積率がそれぞれ±10%異なる点Q及びRの点の高さ
の差をΔHとすると、このΔHが大きい程凹部底面と凹
部の肩が接する角度が直角に近くなり、逆にΔHが小さ
い程鈍角となり、なだらかであることを示している。な
お、微分係数が最小の点を求める際に、切断面面積率が
0%及び 100%の点を除いた理由は、これらの点では、
高い山あるいは深い谷が少しでもあるとその影響を受け
易く、微分係数は直ちに−∞となるからである。
【0018】さてこの発明において、凹部形状を上記の
ように限定した理由について説明する。まず SRaについ
ては、前掲図2に示したとおり、この値が 0.5μm を超
えると占積率の低下を招くので、 0.5μm 以下とした。
次に、SRmax が 0.1μm に満たないと、接着剤を塗布し
た時に凹部が埋まり、ガスの抜け道が十分に確保されな
いので接着性の低下を招き、一方 2.0μm を超えると占
積率の低下を招くので、 0.1〜2.0 μm の範囲に限定し
た。さらに、負荷曲線で深さ方向落差が最も大きい点、
すなわち負荷曲線の微分係数が最小である点を中心とし
て切断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間における
高さ方向の差を、SRmax の50%以上としたのは、この値
がSRmax の50%に満たないと、凹凸の形状がなだらかと
なり、接着剤を塗布した場合に凹部が埋まって接着時に
ガスの抜け道が確保されず、接着性が劣化するからであ
る。
【0019】さらに、図5に示すように、凸部頂面の平
坦部における表面粗さによっても接着性は左右されるこ
とが判明した。同図に示されるとおり、凸部頂面の平坦
部における SRaが 0.3μm を超えると接着強度が低下す
るので、凸部頂面の SRaは 0.3μm 以下の範囲に限定し
た。
【0020】次に、この発明鋼板の製造方法について説
明する。鋼板表面に適正な凹凸パターンを形成するに
は、圧延ロールの表面に、所望の鋼板表面凹凸に見合う
凹凸パターンを形成し、その転写を利用するのが有利で
ある。
【0021】従来から、スキンパス圧延用ロールの表面
をダル仕上げするための方法としては、ショットブラス
トによる方法や放電加工による方法、さらには特開昭62
−224405号公報に開示のようなレーザー加工による方
法、特開平2-99208号公報に開示のようなスクリーン印
刷とエッチング又はスクリーン印刷とめっきとを組合せ
た方法などがある。しかしながら、ショットブラスト法
や放電加工法によってダル仕上げされた圧延用ロール
は、表面に形成された粗度パターンが不規則であるた
め、かかるロールを用いて圧延した場合には、鋼板表面
の粗度パターンも不規則となる。しかも任意の凹凸パタ
ーンを形成することは不可能である。
【0022】一方、レーザー加工による場合は、規則的
な粗度パターンは得ることができるけれども、図6に示
すように、レーザー照射によりレーザー中心から離れた
部位が同心円状に盛り上がり、これにより微細なパター
ンを得ることができないし、凹部形状を任意に選択する
ことも難しい。またロールに直接レーザービームを用い
て穿孔するため、圧延ロールのように広い面積を持つ被
加工物を能率よく加工するためには、レーザー発振器は
しては1kW以上の高出力が要求され、必然的に炭酸ガス
レーザーとならざるを得ず、加工装置が大型化し、費用
・保守の面での負担が大きい。さらに、レーザービーム
によって金属が溶融されて形成された凹凸パターンは、
その凹凸部の組織がオーステナイトとなるので、このよ
うなロールは耐摩耗性に劣る。しかも、凹凸パターンの
凹部の直径は、集光レンズで収束したレーザービームの
直径により決まるが、この直径は炭酸ガスレーザー光の
波長が長い(10.6μm )ため、物理的に約100 μm 以下
にすることがでない不利もある。
【0023】他方、スクリーン印刷法を用いる方法は、
特開平2-99207号公報に見られるように、微細模様をス
クリーン印刷により圧延ロールの表面に印刷し、その
後、エッチング又はめっきを行って微細模様をロール表
面に形成し、該圧延ロールにより鋼板表面に微細模様を
転写することからなる方法であるが、この方法では、シ
ョットブラスト法のようにグリッド粒子を機械的にロー
ル表面に叩きつけてダル目付け加工を行った場合のよう
なうねりがロール表面に発生せず、また放電加工やレー
ザーによる加工法のように高エネルギーを加工部に集中
させることもないので、ロール表面の硬さが劣化せず均
一で、ロールから鋼板への微細模様の転写が可能であ
る。
【0024】また、特公昭62-11922号公報には、耐酸腐
食性物質で表面を覆い、これをレーザー光で局所的に破
壊し、覆われていない部分を化学的に腐食する方法が開
示されている。さらに、特開平2−175882号公報には、
この技術を能率よく精密に容易に実施できるように改善
した方法及び装置を用い、次の工程から成る、整列され
た又は任意配列の凹凸を有するロールを加工する方法が
開示されている。すなわち、(1) 圧延ロール表面に光吸
収材を混入した耐酸腐食樹脂液を塗布して耐酸腐食性樹
脂膜を形成したのち、(2) この樹脂膜を連続的に平均で
5〜10Wの出力を有するQスイッチ・YAGレーザーを
用いてマーキング加工し、所要の模様に該ロール表面を
露出させ、(3) しかる後、エッチング処理を施してロー
ル表面に所望の模様を付与する方法である。
【0025】上掲した各種凹凸パターン形成方法のう
ち、スクリーン印刷法あるいは耐酸腐食性樹脂膜とQス
イッチ・YAGレーザーとを組み合わせた方法は、上述
したとおり、規則的に微細な凹凸模様を形成することが
できるので、これらの方法を用いることによって、この
発明の要件を満足する任意の凹部形状を得ることができ
る。
【0026】
【作用】この発明を適用して好適な電磁鋼板の成分組成
は次のとおりである。 C:0.01wt%(以下単に%で示す)以下 Cは、磁気特性の面からは有害な元素であり、極力低減
することが望ましいので、0.01%以下程度とするのが好
ましい。 Si:3.5 %以下 Siは、固有抵抗を高めることによって鉄損を低減する有
用元素であるが、 3.5%を超えると冷延性が阻害される
ので、 3.5%以下程度が好ましい。 Mn:0.1 〜1.5 % Mnは、熱間脆性を抑制するために添加されるものである
が、 0.1%未満ではその添加効果に乏しく、一方 1.5%
を超えると磁気特性の劣化を招くので、 0.1〜1.5 %程
度が好ましい。 Al:2.0 %以下 Alは、鉄損と磁束密度を同時に改善するのに有効な元素
であるが、 2.0%を超えると冷延性の劣化を招くので、
2.0 %以下程度とするのが好ましい。なお、PやSは、
必要に応じて以下の範囲に制限することが望ましい。 P:0.005 〜0.2 % Pは、打抜性の改善に有効であるが、 0.005%に満たな
いとその効果に乏しく、一方 0.2%を超えると冷延性が
低下するので、 0.005〜0.2 %程度とするのが好まし
い。 S:0.01%以下 Sは、鉄損特性の面からは少ないほど好ましいので、0.
01%以下に抑制することが望ましい。その他、Sb, Sn,
Cu及びNiなどを添加することもできる。
【0027】次に、この発明において使用する絶縁被膜
についてはとくに限定されることはなく、従来から知ら
れている接着型の絶縁被膜であれば全てが適合する。接
着性を有する有機樹脂としては、水溶性又はエマルジョ
ンタイプのアクリル樹脂及びその共重合物、酢酸ビニル
樹脂及びその共重合物、ベオバ樹脂スチレン樹脂共重合
物、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂又はその変性物等の1種又は2種以上が有利
に適合する。さらに絶縁被膜は、2層構造とすることも
できる。この場合は後述するクロム酸塩系及びりん酸塩
系の1種又は2種の被膜を下地被膜として被成したの
ち、その上に重ねて有機樹脂被膜を被成すれば良い。
【0028】下地膜としては、クロム酸塩系及びりん酸
塩系の1種又は2種と有機樹脂との混合被膜が有利に適
合する。ここでクロム酸塩系とは、カルシウム、マグネ
シウム及び亜鉛の重クロム酸塩又は無水クロム酸にカル
シウム、マグネシウム及び亜鉛などの2価の酸化物、水
酸化物、炭酸塩を溶解したものの1種又は2種以上の混
合物、あるいはそれらにさらに酸化チタン、コロイド状
シリカ、コロイド状アルミナ、ほう酸及び有機還元剤等
の1種又は2種以上を添加したものである。また、りん
酸塩系としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニ
ウム及び亜鉛のりん酸塩又はりん酸にカルシウム、マグ
ネシウム、アルミニウム及び亜鉛等の2価又は3価の酸
化物、水酸化物、炭酸塩を溶解したものの1種又は2種
以上の混合物、あるいはそれらにさらに酸化チタン、コ
ロイド状シリカ、コロイド状アルミナ及びほう酸等を1
種又は2種以上添加したものである。
【0029】いずれにしても、この発明で対象とする接
着型被覆鋼板は、最表層に比較的厚い有機樹脂のみから
なる層を有することが特徴である。ここに、かかる絶縁
被膜の乾燥膜厚は3〜20μm 程度とするのが好ましい。
というのは、膜厚が3μm に満たないと十分な打抜性が
得られず、一方20μmを超えると経済的でないからであ
る。なお、溶接型積層鉄心用電磁鋼板における絶縁被膜
の膜厚は通常、2μm 以下である。
【0030】また表面粗さを得る手法についは、前述し
たように、Qスイッチ−YAGレーザーを用いてロール
表面に予め、圧延後の表面パターンがこの発明の範囲と
なるような表面加工を施しておく方法や、スクリーン印
刷法を利用する方法が好適であるが、これらの方法に特
に限定されることはなく、以下のような方法も使用可能
である。すなわち、鋼板表面を研磨やエッチングによ
り、所定の表面パターンになるように処理する方法、あ
るいは圧延速度の変更又は圧延時に使用する圧延油の変
更により、所定の表面パターンになるよう処理する方法
等である。
【0031】
【実施例】
実施例1 C:0.02%及びSi:0.20%を含有し、残部実質的にFeの
組成になる電磁鋼板を、種々の方法で表面を加工した圧
延用ロールを用いて圧延し、鋼板表面を表1に示す表面
凹凸とした。ついで、図2の場合と同様の接着剤を用
い、また同じ接着条件で、鋼板表面に接着型絶縁被膜を
被覆したのち、積層し、剪断接着力を測定した。得られ
た結果を表1に併記する。
【0032】
【表1】
【0033】同表より明らかなように、比較例はいずれ
も100 kg/cm2にも満たない接着強度しか得られなかった
のに対し、この発明に従う適合例は全て150 kg/cm2以上
の優れた接着強度が得られている。
【0034】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、従来に比較
して格段に高い接着強度をそなえる接着型積層鉄心用電
磁鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】負荷曲線の説明図である。
【図2】接着性に及ぼす SRaと切断面面積率との関係を
示したグラフである。
【図3】この発明に従う好適凹部を示す模式図である。
【図4】表面凹凸を切断面面積率と凸部高さとの関係で
示したグラフである。
【図5】凸部頂面のSRa と接着強度との関係を示したグ
ラフである。
【図6】従来法に従う凹部を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢埜 浩史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 高島 稔 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面の3次元表面粗さが、中心面平
    均粗さSRa で 0.5μm 以下、最大高さSRmax が 0.1〜2.
    0 μm でかつ、各凹部につき、負荷曲線で深さ方向落差
    が最も大きい点(切断断面積率が0%又は 100%の点を
    除く負荷曲線の微分係数が最小である点)を中心として
    切断面面積率がそれぞれ±10%異なる2点間における高
    さ方向の差がSRmax の50%以上を満足し、さらに凸部頂
    面におけるSRa が 0.3μm 以下、を満足することを特徴
    とする接着型積層鉄心用電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼板表面に、膜厚:
    3〜20μm の接着型の絶縁被膜をそなえてなる接着型積
    層鉄心用電磁鋼板。
JP5124146A 1993-05-26 1993-05-26 接着型積層鉄心用電磁鋼板 Pending JPH06330231A (ja)

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